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ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いや組み合わせ方


ロジカルシンキングと、クリティカルシンキングは、どちらもビジネスの現場において極めて重要な能力です。ロジカルシンキング、クリティカルシンキングの能力を持てば、合理的な意思決定ができるようになるほか、現場でのコミュニケーションが円滑に進むといった効果も期待できます。

課題解決に必要不可欠である二つの能力について、両者の違いや組み合わせ方などについて解説します。
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目次[非表示]

  1. 1.ロジカルシンキングとは
  2. 2.クリティカルシンキングとは
  3. 3.ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い
  4. 4.クリティカルシンキングが注目されている理由
  5. 5.クリティカルシンキングの基本の考え方
  6. 6.ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの使い方
  7. 7.社員にロジカルシンキングやクリティカルシンキングを学ばせる方法
  8. 8.ロジカルシンキングの研修ならアルー株式会社にお任せください


ロジカルシンキングとは

近年は、ビジネスの様々な現場で「ロジカルシンキングの能力が大切だ」と言われる場面が増えてきています。業種や業界を問わず、採用の際に「応募者がロジカルシンキングの能力を持っているか?」という点をチェックする場合も多いです。

何かと耳にすることの多い「ロジカルシンキング」ですが、具体的にはどのような能力なのでしょうか。まずはロジカルシンキングの定義や目的、鍛えるメリットなどについて見ていきます。

2つの思考法の特徴や身につける方法を解説した資料はこちら▼


ロジカルシンキングの定義・目的

ロジカルシンキングとは、日本語にすると「論理的思考」となります。物事の根拠となる事柄を明確にした上で、根拠から結論まで筋道を立てて矛盾なく考える思考方法です。

ビジネスの現場では、様々なポジションの関係者とのコミュニケーションが必要です。その際に、自分の思考がよくまとまらずに「結局、何を言いたいの?」と言われてしまうと情報を伝える手間も増えてしまいます。根拠から結論に至るまで、矛盾なく明快な論理を構築することが、ロジカルシンキングによって身につく能力です。


ロジカルシンキングを鍛えるメリット

ロジカルシンキングは、ビジネスの様々な場面で役に立ちます。例えばプレゼンテーションで、周囲を納得させられるような意見を展開するためには、根拠から結論までの論理を矛盾なく構築するロジカルシンキングの力が必須です。また、問題解決の際にも論理立てながら考えれば、より合理的な結論を導き出すことができます。

特に最近はデジタル化の進展に伴い、データを扱う場面が職種を問わず増えてきました。高いロジカルシンキング力があれば、データから正しい結論を導き出すこともできます。ロジカルシンキングの力を鍛えるメリットはますます増えてきているといえるでしょう。

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ロジカルシンキングの思考法・フレームワーク

ロジカルシンキングにおける代表的な思考法として、「ピラミッド構造」があります。ピラミッド構造では、「事実」「根拠」「結論」の3つをピラミッド構造の中に落とし込んで論理を展開していく点が特徴です。一般的な原理や仮説から具体的な結論を導く演繹法や、具体的な事実や結果から一般的な原理を見出す帰納法などもピラミッド構造を作成する上で重要なフレームワークです。

また、「漏れなく、ダブりもない」状態を表す「MECE」や、論理的な思考展開をサポートする「ロジックツリー」もロジカルシンキングの重要なフレームワークの1つです。


クリティカルシンキングとは

クリティカルシンキングのイメージ図

ロジカルシンキングに類似した言葉に、クリティカルシンキングがあります。クリティカルシンキングもロジカルシンキングと同様、ビジネスにおいて役立つ思考法のうちの一つです。クリティカルシンキングについても引き続き、定義や目的、鍛えるメリットなどを整理していきましょう。

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クリティカルシンキングの定義・目的

クリティカルシンキングとは、日本語で言うと「批判的思考」となります。

ですが、「その考え方はおかしい」「その理論は間違っている」と主観的に批判するのではなく、「自分に都合の良い論理になっていないか?」「このデータの信憑性に問題はないか?」といった問いを投げかける思考法のことを言います。

クリティカルシンキングを身につける目的として、自分自身が正しいと思いこんでいる常識や枠組みにとらわれない思考を展開できるといった点が挙げられます。物事に対して常に疑いの目を投げかけることで、より正しい論理展開へと導けるのです。


クリティカルシンキングを鍛えるメリット

クリティカルシンキング能力を鍛えるメリットとしては、第一に「前提条件にとらわれない思考ができるようになる」点が挙げられます。無意識のうちにとらわれているバイアスを取り除いた思考が展開できるようになるため、イノベーションなどが生まれやすくなるのもクリティカルシンキング能力を鍛えるメリットです。

また、会議などが行き詰まった際に突破口を提案できるのも、高いクリティカルシンキング能力を持った人材です。なかなか気づかないような視点から、周囲の人があっと驚くような意見を提示することができます。

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クリティカルシンキングで意識すべき「10の思考のバイアス」

クリティカルシンキングを行う際にぜひ意識しておきたいポイントが、私達が無意識のうちにとらわれてしまっているバイアスです。人々が抱くバイアスにはある程度共通項があり、それを10個に分類したものは「10の思考のバイアス」と呼ばれています。具体的には、以下の10個です。


  • 結論ありきで考える
  • 希望的観測をしてしまう
  • 新しいものを軽視する
  • 新しいものを重視する
  • 自分の記憶に依存する
  • 経験にとらわれる
  • 初期情報に依存する
  • 相関関係と因果関係を混同する
  • 他責思考になる
  • 不確実性を軽視する


これらのバイアスをあらかじめ把握した上で、バイアスにとらわれない思考を目指しましょう。



ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い

よく混同して用いられる「ロジカルシンキング」と「クリティカルシンキング」ですが、両者はどのような関係にあるのでしょうか。

研修スライド

まず共通項として、どちらも問題解決の際に重要となる能力である、という点が挙げられます。高いロジカルシンキング能力、クリティカルシンキング能力はどちらも、合理的な意思決定を行う上で欠かせないものです。

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クリティカルシンキングは、問題解決の流れの中で何が問題なのかを設定する時に使用します。

例えば、「電話窓口の対応が悪いというクレームが増えている」という問題があるとすれば、「クレームはいつと比べて増えたのか」「クレームは電話窓口の対応だけなのだろうか?」「クレームが増えていると判断した背景は?」など、前提を検証しながら問題を捉え直すことがクリティカルシンキングです。

クリティカルシンキングを行うことで、「顧客数が増加したことによってクレームが増えているように思っただけだった」「実際には顧客対応よりも電話がなかなかつながらないことへのクレームが多かった」など、正しい問題を見つけることができます。

そこで見つけ出した問題について、ロジカルシンキングを使用して論理的に抜けもれなく解決方法を探っていくという流れになります。

ロジカルシンキングでは根拠を積み上げて結論を導く論理の流れが重視されるのに対し、クリティカルシンキングでは意識的に問いを切り替えて考える「思考の切り替え」が重視されるという違いがあります。両者の共通点と相違点をよくおさえておきましょう。





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クリティカルシンキングが注目されている理由

クリティカルシンキングは、近年ビジネスで最も注目されている能力のうちの一つです。それでは、なぜロジカルシンキングとは異なる能力である「クリティカルシンキング」が近年特に脚光を浴びるようになったのでしょうか。

クリティカルシンキングが注目されている理由はいくつかありますが、大きく3つに分類することができます。クリティカルシンキングが脚光を浴びている背景について解説します。


価値観の多様化が進んでいるため

日本では長い間、「一億総中流」とも呼ばれるような、画一的な価値観が一般的でした。周囲を見て自分の価値判断を行う人も多く、全員が求めるような流行に乗ることこそがビジネスで成功する秘訣だったはずです。

しかし、現在ではグローバル化の進展やデジタル機器の普及により、世界中の文化や生活に簡単に触れられるようになりました。価値観はますます多様化してきているため、もはや「一つの正解」を追い求める姿勢だけではビジネスに勝つことは不可能です。複雑な問題から「最適解」を探せるような、クリティカルシンキングの能力を備えた人材が求められています


環境変化の予測が難しくなり、未知の問題が増えてきているため

クリティカルシンキングが重要視されてきている背景として、環境変化が激しくなりつつあるという点も挙げられます。デジタル化によって情報が瞬時に世界を駆け巡るようになった現代では、一昔前のやり方が通用しない場面も少なくありません。

数年後、十数年後を見通すのは、もはや誰にとっても不可能です。環境変化の予測が難しくなってきた現代だからこそ、これまでの慣習や前提を疑うことができる、クリティカルシンキングが求められています


ロジカルシンキングの精度を高めるため

正しくない前提にとらわれたままだと、論理的な思考展開はできません。十分に説得力のある根拠から正しく論理を展開するためには、無意識のうちにとらわれているバイアスを取り除くことが必要不可欠です。

クリティカルシンキングの能力を高める取り組みの実施は、ロジカルシンキングの精度を高めることに直結します。クリティカルシンキングは、ロジカルシンキングと連動しながらますます重要度を帯びてきているのです。


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クリティカルシンキングの基本の考え方

アイデアのイメージ

クリティカルシンキングを行うためには、いくつかの基本的な考え方を知っておく必要があります。クリティカルシンキングの基本的な考え方は、「目的や前提を常に意識する」「バイアスを客観視する」「疑問に向き合い続ける」という3つです。クリティカルシンキングを行う上で欠かせない、基本的な考え方について詳しく解説します。


目的・前提を常に意識する

クリティカルシンキングを行う際には、まず目的や前提を常に意識することから始めましょう。例えば「先月の売上高が思わしくなかったため、会議を実施する」際には、


  • そもそもこの会議の目的はなにか?
  • 議論の前提となっている事柄は?
  • 売上データからは見えない事情はないだろうか?


といった観点から思考を展開することが大切です。常に「目的」や「前提」を意識しながら論理を展開すれば、議論のズレを防ぐ、論理展開の精度を高める、といった効果が期待できます。


思考の癖・バイアスを理解し客観視する

クリティカルシンキングにおける重要事項として、「バイアスにとらわれない」というポイントが挙げられます。人は日常生活の中で無意識のうちに思考の癖やバイアスを身につけます。それ自体は悪いことではありません。大切なのは、「自分自身がバイアスを持っている」と気づくことです。

まずは、自分自身が持っている思考の癖やバイアスに対する理解を心がけましょう。なかなか自分自身では気づけない場合は、グループワークなどで周囲に指摘してもらうことで、自身を客観視できるようになります。


思考を止めることなく、疑問に向き合い続ける

クリティカルシンキングを行う際には、常に思考を止めることなく、疑問に向き合い続けましょう。


  • なぜ?
  • どうして?
  • そもそもの目的は?
  • それはどういう意味?


といった疑問を、周囲にはもちろん、自分自身にも投げかけ続けることが大切です。クリティカルシンキングによる思考においては、発する問いの内容が思考全体の質を大きく左右します。常に疑問に向き合いながら、クリティカルシンキングの能力を高めていきましょう。



ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの使い方

ここまで、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの定義や鍛えるメリット、鍛え方について紹介してきました。これらの能力はどちらもビジネスの現場で重要視されていますが、具体的にはどのような場面で発揮できる能力なのでしょうか。論理的な思考を展開する場面を題材に、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの両者を発揮する流れについて紹介します。

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まずはクリティカルシンキングで前提を確認する

人は誰しも、無意識のうちに思考の癖やバイアスを持っているものです。論理的な思考を行う場合、まずはクリティカルシンキングを行うことで「前提は正しいのか?」「思考に偏りはないか?」という点を丁寧に検証していきましょう。

前提を確認する際には、先ほど紹介した「10の思考のバイアス」を意識するのがおすすめです。「結論ありきの前提になっていないか?」「過去の成功体験に固執していないか?」など、丁寧に問いを投げかけていきましょう。


問題解決プロセスに沿って分析する

クリティカルシンキングによって前提を確認した後は、


  1. 問題を設定する
  2. 問題の所在を特定する
  3. 根本原因を把握する
  4. 解決策を立案する


という問題解決プロセスに沿った分析を始めましょう。ここは、論理的な思考の展開を行うロジカルシンキングを発揮する場面です。確認した前提をもとに、問題解決に向けた分析を進めていきます。


分析結果をクリティカルシンキングで検証する

分析が完了したら、分析結果をクリティカルシンキングによって検証しましょう。ここでも、「10の思考のバイアス」を意識することが大切です。


  • 結論ありきの現状分析になっていないか?
  • 相関関係と因果関係を取り違えていないか?
  • 新しいものを軽視しすぎたり、重視しすぎたりしていないか?


など、検証すべき点は多岐にわたります。幅広い観点から自分の思考を客観視して、自分の分析結果の精度を磨いていきましょう。


ロジカルシンキングを組み合わせ結論を導く

現状分析の後は、ロジカルシンキングを用いながら結論を導いていきましょう。周囲を説得できるような筋道だった思考を行うためにも、この段階は特に時間をかけながら行うことが大切です。

根拠から結論を導き出す際には、必ず論理展開の根拠となる「論拠」を付け加えるようにしましょう。根拠から結論までの間に論理の飛躍が存在すると、論理全体としての説得力が弱くなってしまいます。正しい論理展開を行うことで初めて、全体として一貫性のある思考が実現できるのです。


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社員にロジカルシンキングやクリティカルシンキングを学ばせる方法

クリティカル

ここまで述べているように、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの能力はビジネスの現場において極めて重要な能力です。これら2つの能力を高めれば、社員の意思決定能力が向上し、現場での意思疎通もスムーズに行われるようになります。社員にロジカルシンキングやクリティカルシンキングを学んでもらうための方法について紹介します。


研修を開く

ロジカルシンキングやクリティカルシンキングを高めるためには、研修を実施することが効果的です。

研修を実施すれば、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの際に必要な「MECE」や「ピラミッド構造」といった思考法について、体系的な知識を身につけてもらうことができます。

最近では、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの能力を磨くための研修の外部委託を請け負っている企業も増えてきています。自社で行う研修の他、研修の外部委託や、セミナーへの参加を促すのもおすすめです。

▼アルーが行っているロジカルシンキングの研修は以下のページをご確認ください。

ロジカルシンキング研修


グループワークを行う

ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの際には、自分自身が抱いている思考の癖についての客観視が必要です。思考の癖に自分一人だけで気づくことはなかなか難しく、座学による研修だけでは行き詰まってしまう場面もあるでしょう。

そのため、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの能力を高めるために、ケースワークを始めとしたグループワークを実施するのもおすすめです。特にクリティカルシンキングについては、他者からの指摘や自分では気付けなかった他者の発想に触れることで能力を飛躍的に伸ばすことができます。


アウトプットの場を与える

研修は、実施したままにしておいてはなかなか効果が上がりません。研修で学んだ内容を実践する、アウトプットの場を設けるのも重要です。

ロジカルシンキングやクリティカルシンキングについて学んだ場合は、実務を題材に学んだフレームワークや思考プロセスをアウトプットしてみるのがよいでしょう。その後、数人程度でディスカッションを行うとさらに効果的です。学んだ知識を実務に活かす場面を提供すれば、知識の定着を促せます。研修実施後に「あとは現場で活用してください」とするのではなく、研修実施側がアウトプットの場を用意することが大切です。




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ロジカルシンキングの研修ならアルー株式会社にお任せください

アルー株式会社では、グローバル人材の育成を始めとした人材育成を数多く手掛けています。新人研修や管理職研修といった階層別研修はもちろん、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングを高めるための研修プログラムも豊富にご用意しております。

アルーの研修プログラムでは、身につけた知識を用いてアウトプットを行う実践的な演習が数多く含まれていることが特徴です。ロジカルシンキングの研修の実施をご検討中の場合は、ぜひアルー株式会社におまかせください。

ロジカルシンキング研修について詳しくはこちらのページをご覧ください。

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