現状把握をわかりやすく!新入社員教育で使うチェックシートのテンプレ
効果の高い新人教育を実施するには「チェックシートの活用」がおすすめです。チェックシートを活用することで、新人教育の質が向上するだけでなく、個人の成長速度を早める可能性があります。
本記事では、新人教育にチェックシートを活用するメリットや作成手順、入れるべき項目について詳しく解説します。
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では、チェックシートの項目をどのように設定すべきか解説していきます。
新入社員教育で使うチェックシートに入れるべき6つの項目
新入社員教育で使うチェックシートに入れるべき、以下の6つの項目を、より詳しく見ていきます。
- 身だしなみについて
- 言葉遣いについて
- 挨拶について
- ビジネスマナーについて
- 報連相について
- 社会人としてのマインド
チェックシートの作成を担当する方は、よく読んでみて下さい。
項目1.身だしなみについて
身だしなみを整えることは、ビジネスパーソンの基本中の基本であり、マナーです。チェックシートには身だしなみを整える重要性を述べるとともに、以下の項目で新入社員にチェックを促しましょう。
- 清潔感があること
- 仕事をする上で動きやすく機能的か
- 周囲の人が違和感を覚えないか
新入社員に身につけてもらうべき身だしなみの基本については、以下の記事で詳しく紹介しています。
『新入社員研修で伝えるべき身だしなみチェックリスト。定着させるコツとは』
項目2.言葉遣いについて
ビジネスパーソンにふさわしい言葉遣いは、会社の「顔」として仕事をするうえで重要なポイントです。チェックシートにはビジネスパーソンにふさわしい言葉遣いについて、以下の項目で新入社員にチェックを促しましょう。
- 謙譲語と尊敬語を適切に使い分けること
- ビジネスシーンにふさわしい言葉遣いができること
- 社内・社外の相手に対して、それぞれ適切な言葉遣いを使い分けられること
項目3.挨拶について
挨拶はビジネスパーソンの基本です。いくら仕事で成果が挙げられる人でも挨拶ができない人は、社会では評価されません。挨拶の重要性を理解してもらうとともに、以下の項目で新入社員にチェックを促しましょう。
- 明るく笑顔で元気にできているか
- 気づかないふりをせず、毎回挨拶をしているか
- 自分から挨拶しているか
- 会釈だけでなく一言添えているか
- シーンに合ったお辞儀ができているか
項目4.ビジネスマナーについて
新入社員は社会人経験がない人がほとんどのため、ビジネスマナーについてはゼロから学ぶことになります。新人教育で行ったほうが良いビジネスマナーは、以下です。
- 名刺交換の仕方
- 時間や期日といったスケジュールを守る重要性
- 電話やメールにおけるやり取りで伝える内容(用件、緊急性、締め切りなど)
- 来客対応や席次
その他のビジネスマナーの一覧については以下のページをご覧ください。
『新入社員に伝えるべきビジネスマナーの一覧と大切なこと』
新入社員に知っていてほしいことをチェックシート形式でまとめました▼
項目5.報連相について
報連相とは「報告・連絡・相談」の3つをつなげたビジネスにおける造語です。報連相はビジネスにおいて欠かせないコミュニケーションです。新人教育を通じて報連相の違いや使い分けを理解してもらったうえで実践できるように育成する必要があります。
報連相のそれぞれの概要・伝える相手・使い方は以下になります。
概要 |
伝える相手 |
使い方 |
|
報告 |
先輩や上司に対して仕事や物事の進捗を報告すること |
上司や先輩 |
上司から依頼された業務の進捗を報告する |
連絡 |
特定の人物に限らず、幅広く情報を連絡すること |
上司・先輩・同僚・会社全体 |
毎朝の朝礼等で各自の業務状況をチームへ連絡する |
相談 |
先輩や上司に仕事の進め方等を相談すること |
上司や先輩 |
提案資料を2割ほど作成した段階で方向性を相談する |
人事部は、新人教育担当者が新入社員に「報告・連絡・相談」を正しく教えられるよう使い方の資料等を準備するようにしましょう。
新入社員に報連相を身につけてもらうコツについては、以下のページをご覧ください。
『新入社員研修で報連相の重要性を伝えよう!メリットと成功事例を解説』
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項目6.社会人としてのマインド
新入社員教育で使うチェックシートには「相手視点で行動できているか」や「先輩や上司からの指摘を素直に受け入れて改善しているか」といった社会人としてのマインドが身についているかについても項目として加えましょう。
これらはどのような業務に就いても共通で必要とされるマインドです。チェックシートに項目として設けることで、新入社員も重要性を理解し、常に意識するようになるでしょう。
新入社員に身につけてもらうべきマインドセットの一覧は以下のページでご覧ください。
『新入社員研修で扱うべき10のマインドセットを紹介!【事例あり】』
新人教育のチェックシートを作成する手順は3ステップ
新人教育のチェックシートを作成する主な手順は、以下の3ステップです。
- 求められる能力やスキルを細分化する
- レベルを分けて育成スケジュールを立てる
- 具体的な習得項目を設定する
ここからそれぞれ詳しくみていきます。
ステップ1.求められる能力やスキルを細分化する
まずは次のような社会人基礎力や自社の全社員に求められる共通の知識やスキルを中心にするといいでしょう。
ビジネスマナー:あいさつ、名刺交換、お辞儀、席次など
マインド:先輩の指摘を素直に受け入れて自己改善を行う、他者からの見られ方を意識する、など
仕事の進め方:報連相、ゴールの確認など
配属先が事前に決まっている場合は、配属先に求められる専門スキル教育も導入研修期間中に取り入れるとより効果的です。
ステップ2.レベルを分けて育成スケジュールを立てる
新人教育を行う前に、教育それぞれの項目の重要性や難易度について整理する必要があります。なぜなら、会社が求めるスキルレベルと、新入社員が習得する必要のあるスキルレベルを区別し、それに基づいて育成のスケジュールを作成する必要があるからです。
新入社員は多くのことを覚える必要があるため、段階的なスキル取得レベルを設定することが重要です。たとえば、新人教育期間中には「配属後すぐ(5~8月頃)」「配属して数か月後(9月~12月頃)」「1年目終了ごろ(1月~3月頃)」といった区切りを設け、それぞれの期間におけるゴールやテーマを明確にします。段階的に教育環境を整備することも必要です。
ステップ3.具体的な習得項目を設定する
新人教育のプログラムの大枠が固まったら、具体的に新入社員に習得させるプログラムの内容をリスト化します。ステップ1で挙げた細分化の情報をもとにレベル分けしてチェックリストを作成し、成長過程を可視化しましょう。
もし、文字だけで表現できない部分は、イラストやインフォグラフィックを活用するとよりわかりやすくなり効果的です。例えばビジネスマナーの身だしなみについて学ぶ場合、判断基準は個人によって異なるため、わかりやすい画像を用意することでイメージしやすくなるだけでなく、振り返りやすくなります。
新人教育で問題になりやすい3つのポイント
新人教育の効果的な実施に役立つチェックシートを作成するためには、まず新人教育でどのようなことが問題になりやすいかを把握する必要があります。ここからは、3つのポイントに絞ってその内容を詳しく解説します。
- 教育の質が均一化できていない
- 新入社員のレベルを把握できない
- そもそも指導方法に問題がある
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ポイント1.教育の質が均一化できていない
新入社員の教育のうち、OJTは先輩社員や上司、Off-JTは講師が担当することがほとんどであり、人による教育は教え方に差が生じるため、必然的に成果や効果にも差が生まれます。もちろん、指導が上手な担当者に教わった新入社員は、いち早く仕事を覚えるでしょう。
一方で指導に慣れていない担当者に教わった新入社員は、習得に時間がかかるケースも少なくありません。よって「人による教育は質や結果に差が生じやすい」という認識のもとで新人教育をおこなうことが必要です。
そこで、担当者による質や結果の差を最小限にするには、集合研修やeラーニングといったより一貫性のある教育手段の導入が求められるでしょう。
また、Off-JTにおいてはプロの講師に依頼すると教育の質を均一化しやすいです。特に研修会社がアサインする講師は一定のレベルを満たしており、クラスが分かれても指導内容を揃えられるように事前に打ち合わせをしているケースが多いです。
OJTにおいては、OJTトレーナーを集めて指導のコツを伝えることも効果的です。アルーではOJTトレーナーを対象にした研修をご提供しています。
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ポイント2.新入社員のレベルを把握できない
新人教育は新入社員自身が自分の習熟度を把握し、教育担当者や上司も同様に、新入社員のレベルを把握しなくてはいけません。具体的に把握する内容は、以下です。
- 何ができて何ができないか
- 得意なことと苦手なこと
上記を把握できなければ、適切な目標を設定したりフィードバックを行ったりすることができません。特に多くの新入社員を教育する場合は、個別のレベルの把握が疎かになることがあります。
新入社員の習熟度や理解のレベルを把握しないまま教育プログラムを進めても、期待する教育の効果は得られないでしょう。だからこそ新入社員のレベルを把握することは、効果的な新人教育の基本的かつ重要な要素なのです。
ポイント3.そもそも指導方法に問題がある
そもそも指導方法自体に問題があるケースも少なくありません。例えば、以下のような指導方法は問題があるといえます。
- 仕事のゴールを伝えていない
- お手本を見せていない
- 絶対評価によるフィードバックを行っていない
- コミュニケーションが一方通行になっている
- 口頭だけで伝える
これらのような指導方法は、毎日多くのことを学ぶ新入社員の負担となる可能性があります。そのため、人事担当者は新人教育担当者に対して適切な指導方法をあらかじめ研修等を通じて共有することが大切です。
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新人教育にチェックシートを活用する5つのメリット
新人教育で問題になりやすいポイントについて理解できたところで、ここからは新人教育にチェックシートを活用する、以下の5つのメリットについて、具体的に見ていきます。チェックシートのメリットを知ることで、新人教育をより効果的に実施できるでしょう。
- 新入社員自身が現状を把握できる
- 個々に応じた教育ができる
- 適切なフィードバックや指導をしやすくなる
- 守るべきルールが明確になる
- 新入社員の成長が早まる
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1.新入社員自身が現状を把握できる
新人教育にチェックシートを導入することで、新入社員が自ら「できていること」と「できていないこと」を確認できます。
またチェックリストの項目のなかで、自分が正しく理解できていないことや実践できていないことがあれば、改善点を見つけることも可能です。新人教育におけるチェックリストは、企業にとってもメリットがあるだけでなく、新入社員が自己評価を行うためのツールとしても役立つことが期待できます。
そのため人事担当者は、事前にチェックリストを作成し、使用用途や目的を各部署の新人教育担当者に対して共有することが大切です。
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2.個々に応じた教育ができる
新入社員は、それぞれの能力や成長のスピードが異なります。そのため同じトレーニングを受けても、個々の理解度に差が出るのです。
新人教育担当者は、新入社員それぞれに能力の差があることを理解したうえで、同じチェックリストを使うことで、新入社員の個々の状況を正確に把握することが可能になるのです。
もし十分に新人教育の内容を理解できていない、実践できていない新入社員がいれば、適切なフォローアップを行いましょう。
3.適切なフィードバックや指導をしやすくなる
新入社員のスキルや新人教育の理解度を正確に把握する手段としてチェックリストは有効です。チェックリストの結果をもとに1on1ミーティングといった丁寧なフォローと適切なフィードバックを行えるからです。
ただし自己評価に基づいたチェックリストは、新入社員自身の主観に基づくものである点は認識しておく必要があります。チェックリストと新人教育担当者や先輩上司による評価を比較し、指導を行うことが重要です。
人事部は、これらの重要な点を新人教育担当者へ共有するために、1on1の研修やフォーマット作成を実施することが大切になります。
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4.守るべきルールが明確になる
チェックリストには新人教育に関することだけでなく、企業理念やビジネスにおけるルール、マナーについても記載することが重要です。なぜなら新入社員が企業理念やビジネスにおけるルール、マナーを理解し、それに従って行動することができるように成長してもらう必要があるからです。
チェックリストで企業理念やビジネスにおけるルール、マナーの項目を再確認することで、新人教育を担当する社員たちも、これらの重要性を再認識できるでしょう。企業理念やビジネスにおけるルール、マナーに則った行動を社員全員に促すことで、組織全体がより効率的かつスムーズに運営できることが期待できます。
だからこそチェックリストには仕事内容だけでなく、企業理念やビジネスにおけるルール、マナーについても明確に記載することが重要です。
5.新入社員の成長が早まる
チェックリストを活用することで、新人教育の質を向上させることが可能です。なぜなら、新入社員と教育担当の社員が客観的に新人の理解度を把握でき、適切なフィードバックと指導を行う機会を得られるからです。
適切なフィードバックと指導は新入社員の成長を促し、即戦力化が期待できます。チェックリストに仕事の手順を明記することで、経験の少ない新入社員でも手順や注意点を確認しながら仕事を進めることができます。
チェックリストは新人教育においてはもちろん、研修後の実務においても役立つのです。新入社員が仕事に慣れるまでの期間を短縮できるほか、仕事をサポートできます。
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新人教育のチェックシートでよくある2つの質問
ここからは新人教育のチェックシートでよくある以下の2つの質問について、回答を掘り下げてみていきます。
- 新人教育におけるチェックリストの役割は何ですか?
- 新入社員教育にチェックリストが効果的な理由は何ですか?
質問1.新人教育におけるチェックリストの役割は何ですか?
新入社員の教育において、チェックリストは教育内容の抜け漏れや教育の質の差を改善し、効果的な教育を行う役割を果たします。具体的な役割は、以下の3つです。
- 新入社員が自らの理解レベルを把握する
- 教科書代わり
- 教育担当者や上司が新入社員ひとりひとりの現状を把握する
チェックリストを活用することで新人教育の属人化を防ぎ、客観的な評価が可能になります。
質問2.新入社員教育にチェックリストが効果的な理由は何ですか?
新人教育では知識やスキルのインプットが多くなります。アクティブラーニングやロールプレイングといった実践的な教育を取り入れても、実践できるようになるまでには時間がかかるものです チェックリストは、手元に届いた時点で新人教育の内容やゴールまでを新入社員が確認できるため、個人レベルでの目標設定に寄与します。 また目標設定をチェックリストにつけることで、新入社員自身がゴールと現状を把握しやすくなるのです。 自分で進捗を確認したり、教育担当者や上司がサポートしたりするのにも役立ちます。
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まとめ
新人教育は企業に貢献する人材を育てるスタートラインとなるため、新入社員と企業双方にとって重要な取り組みです。どのような新人教育を施すかで、新入社員の会社に対する貢献度や帰属意識に差が生まれます。
新人教育を担当する方は、この記事を参考に自社に合った新人教育プログラムを作成し、一日も早く会社の戦力となってくれる新人の育成の体制づくりを進めていきましょう。
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