サーベイとは?リサーチやアンケートとの違い、ビジネスにおける効果を解説
ビジネスでは、さまざまな場面でサーベイが実施されます。サーベイを正しく実施すれば、社員の課題や組織の問題点、ボトルネックなどを特定することが可能です。
本記事では、企業担当者がおさえておきたいサーベイの定義や効果、種類について解説しています。サーベイについて詳しく知りたい企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
▼人材育成に役立つサーベイ3選
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サーベイとは
サーベイとは、物事の全体像を把握するための情報収集や、データ収集を行うための調査方法のことです。英語では、”Survey”と表記されます。
企業や組織におけるサーベイは、社員の組織に対する認識や抱えている課題、問題点などを調査する目的で実施されることが多いです。サーベイを行う場合には、質問や調査項目を対象となる社員に提示し、その回答や意見を収集して分析を行います。また、分析結果をもとに職場環境や組織内の課題、問題点の評価を行うこともあります。こうしたサーベイを実施すれば、従業員満足度の向上や改善策の策定など、幅広い効果が期待できるでしょう。
アセスメントとの違い
サーベイと似ている言葉に、アセスメントが挙げられます。
アセスメントとは、客観的な評価を行うことです。例えば人事分野では、社員の持っている能力や適性を定量的な基準で評価することをアセスメントと呼びます。
サーベイは社員が組織という環境の中でどのような課題を持っているかを把握するために実施されるのに対し、アセスメントは個々の能力や適性を客観的に把握するために実施されることが最大の違いです。
アンケートやリサーチとの違い
サーベイと似た言葉として、アンケートやリサーチも挙げられます。
まず、アンケートとは情報収集を行う手法の一つです。アンケートでは不特定多数の人に対して同じ質問をすることで、消費者満足度やリピート率などを測定します。これに対し、サーベイは情報収集プロセス全体を指す言葉です。サーベイの中の一手法としてアンケートが含まれますが、サーベイにはアンケート以外の情報収集も用いられます。
次に、リサーチとは文献や情報を活用した調査研究のことを指します。競合他社の調査や、戦略策定のための動向調査などが、リサーチの典型的な例です。なお、サーベイは主に組織開発の分野で用いられる単語であるのに対し、リサーチはマーケティングの分野で用いられるという違いもあります。
ビジネス上でサーベイが注目されている背景
最近では、ビジネスにおいてサーベイが注目を浴びつつあります。サーベイが注目を浴びているのは、働き方の変化が主な要因です。
昨今はテレワークの普及により、オフィス外での作業が一般的となりました。そのため、マネジメントが従来よりも難しくなっています。こうした事情から、企業はサーベイによって社員の満足度などをより正確に評価・理解する必要があるのです。
また、一部の地域では労働力人口の減少が進行しており、人材の確保が困難となっています。そで、優れた人材を獲得・維持するために、社員のニーズや期待などを把握して理解しようとサーベイを実施する企業も多いです。
サーベイを正しく実施すれば、企業における人材の定着率を向上させ、競争力を強化することができます。サーベイは、組織が効果的な人材マネジメントを行って従業員満足度と生産性を向上させる上で、必要不可欠なツールとなりつつあるのです。
監修者からの一言 ビジネスでサーベイが注目される背景の1つに、人的資本開示やウェルビーイング経営に取り組む企業が増えてきたことがあります。従業員エンゲージメントや幸福度などを可視化するためにサーベイを実施し、組織の現状を定量的にモニタリングしています。そのため、サーベイにも多様なサービスが増えてきています。 |
サーベイの種類
ビジネスにおいて実施されるサーベイには、いくつかの種類があります。代表的なものは、以下の9種類です。
- 従業員サーベイ
- 組織サーベイ
- アセスメントサーベイ
- エンゲージメントサーベイ
- モラールサーベイ
- パルスサーベイ
- コンプライアンス意識調査
- ストレスチェック
- 360度サーベイ
それぞれのサーベイには実施方法や目的に違いがあるため、場面に応じて適切なものを選択するのが大切です。ここからは、サーベイの代表的な9種類について解説します。
従業員サーベイ
従業員サーベイとは、社員の現状把握のために行われる社員向けの調査のことです。
従業員サーベイは、主に社内サービスや福利厚生などの満足度などを測定する際に用いられます。社員の定着率向上のための施策を立案する際や、社員が企業に対して抱いている不満を把握する際など、必要に応じて実施されるのが一般的です。
組織サーベイ
組織サーベイとは、組織状況を特定するためのサーベイです。組織サーベイでは、主に以下のような内容をサーベイします。
- モチベーション
- エンゲージメント
- 満足度
- 周囲の社員との関わり
組織サーベイは企業の健康診断とも言われ、現在の会社の状況を把握するために実施されるサーベイです。組織全体の課題を特定することを目的に、一定のスパンで組織サーベイを実施する企業もあります。
アセスメントサーベイ
アセスメントサーベイとは、社員が持つスキルを客観的に可視化することで、社員の成長を促進するためのサーベイです。
アセスメントサーベイを実施する際には、個々の社員が持っている能力や適性を定量的な指標を用いて測定し、評価します。アセスメントサーベイの結果を人事評価と連動させたり、アセスメントサーベイで明らかになった社員の強みをもとに人材配置を検討したりするケースが多いです。
エンゲージメントサーベイ
エンゲージメントサーベイとは、働く社員が会社や商品に対してどれくらい愛着心を持っているかを測定するサーベイです。
エンゲージメントサーベイを実施すると、社員の愛社精神を判断することができます。エンゲージメントサーベイによって得られた数値が高いほど、社員の離職率は低く、企業の成長率は高いです。反対にエンゲージメントサーベイの結果が思わしくない場合には、社員が会社や商品に対して深い関心を持っていない可能性があるため、エンゲージメントを改善する施策を実施する必要があります。
モラールサーベイ
モラールサーベイとは、社員に対して、組織としての目標を達成しようとする態度や意欲を測定する調査のことです。
モラールサーベイは、アンケートや面談などの形式で実施されるのが一般的です。モラールサーベイを実施すれば、社員の労働条件や職場環境、職場の人間関係などに対する考え方について情報を集めることができます。組織としての結束力や個人のパフォーマンスを向上させる上でも有効なサーベイであり、最近はモラールサーベイを実施する企業が増えていると言われています。
パルスサーベイ
パルスサーベイとは、高い頻度で行う社員満足度の調査のことです。
高頻度で繰り返し社員の満足度調査を行うことで、企業が直面している課題を可能な限りリアルタイムで把握することができます。また、パルスサーベイを実施すれば、企業の中で発生している問題にいち早く気づくことが可能です。初期段階で問題に気づくことができるようになるため、問題の深刻化を防ぎ、早い段階から対策を打つことができるようになります。
コンプライアンス意識調査
コンプライアンス意識調査(Compliance Awareness Survey)とは、社員の法令遵守に関する意識や知識を評価するための調査です。
この調査は、企業が法令や規制を遵守し、法令違反によるリスクを管理するための手段として用いられます。コンプライアンス意識調査を実施すれば、組織が抱えている法的なリスクを的確に把握し、早期から対策を講じることが可能です。コンプライアンス意識調査の結果をもとに、必要に応じてコンプライアンス研修のプログラムを組むこともできます。コンプライアンス違反に対して厳しい目が向けられている昨今、急速に注目が集まっているサーベイの種類です。
ストレスチェック
ストレスチェックとは、労働環境におけるストレス要因を特定し、社員のストレスを軽減させ、心身の健康状態を保つために行われるサーベイのことです。
ストレスチェックは労働安全衛生法によって、2015年以降から社員が50人以上の事業所に対して年1回実施することが義務付けられています。ストレスチェックを実施すれば、社員がいち早く自分のストレス状況を認識し、ストレスをケアできるようになります。その結果、深刻なメンタルヘルスの不調を未然に防ぐことができ、休職や退職の防止につながるのです。
また、ストレスチェックを実施すれば、上司や産業医などが社員のメンタル面でのサポートに入りやすくなります。その結果、社員のストレスが軽減され、生産性の向上が期待できるでしょう。
参考:改正労働安全衛生法にもとづくストレスチェック制度について|厚生労働省
360度サーベイ
360度サーベイは、自分自身が周囲からどのような見られ方をしているのか把握するために実施するサーベイです。
360度サーベイでは、対象者の周囲の社員に評価を行ってもらい、対象者がどのように見られているのかを明らかにします。通常の人事評価では上司からの評価しか得られませんが、360度サーベイであれば上司以外からどのように評価されているかを知ることができることがメリットです。また、360度サーベイの結果を本人に共有することで、自分自身を客観視する機会を提供し、普段見過ごしてしまいがちな小さなギャップに気づくきっかけになります。
サーベイを企業で実施した場合のメリットや効果
サーベイを実施することには、さまざまなメリットがあります。具体的には、以下のようなメリットが代表的です。
- 社員のモチベーション・エンゲージメントの向上
- 顧客満足度の向上
- 組織の課題をデータ化することが可能
- 社内トラブルを未然に防止することが可能
ここからは、サーベイを企業で実施することのメリットや効果を解説します。
社員のモチベーション・エンゲージメントの向上
サーベイを実施すれば、社員は「自分の意見や声が組織に尊重されている」と実感することができます。その結果、仕事に対するモチベーションが向上し、今までよりも熱心に仕事に取り組んでくれるようになるでしょう。
また、サーベイを実施すれば、組織内のコミュニケーションが盛んになります。社員が組織運営や組織の意思決定について関心を持つようになるため、組織運営の細かな情報にも積極的に目を向けてくれるようになるでしょう。その結果、社員の組織に対する信頼感が増し、エンゲージメントの増加が期待できます。
顧客満足度の向上
サーベイを実施すれば、顧客満足度を向上させることもできます。
サーベイによってモチベーションやエンゲージメントが向上した社員は、顧客との対応においても組織の一員という意識を持ち、積極的なサポートを行う傾向があります。社員が顧客に対して好意的に接するようになれば、顧客満足度が向上し、企業やブランドに対する信頼感の向上が期待できるでしょう。
また、昨今では製品やサービスに対する評価を口コミで共有する消費者も多いです。高評価の口コミなどが関連サイトに多く投稿されるようになれば、結果的に企業の将来的な収益増加にもつながります。
組織の課題をデータ化することが可能
サーベイを実施すれば、組織の直面している課題をデータ化することができます。
誰がどのタイミングで、どういった課題を抱えていたのかをデータとして保存しておけば、後から似たような問題が起こった際にも対処がスムーズになるでしょう。また、サーベイの結果を統計的に分析することで、データを用いて企業の戦略策定を行えるようになります。客観的なデータにもとづいた判断ができるようになるため、組織全体として意思決定の質が向上するでしょう。
社内トラブルを未然に防止することが可能
社内トラブルを未然に防ぐことができることも、サーベイを実施するメリットです。
サーベイを実施すれば、社員が相談しづらい内容について本音を引き出すことができます。その結果、トラブルが深刻化する前に必要な対処を実施できるようになるのです。特に匿名形式でサーベイを実施すれば、自分の意見や課題、懸念をより素直に回答しやすくなるでしょう。
監修者からの一言 サーベイを企業で実施した場合のメリットの1つに、企業が社員の現状をタイムリーに把握できることが挙げられます。たとえば、パルスサーベイで社員のやりがいなどを定点的に可視化することで、先月に比べてネガティブな変化が起きた社員に対してサポートをしやすくなります。 |
サーベイのデメリット
サーベイにはさまざまなメリットが存在する一方で、いくつかのデメリットがあるのも事実です。具体的には、以下のようなサーベイのデメリットに注意する必要があります。
- 社員の負担になる可能性がある
- 実施方法によっては信頼性が低下する
- 問題が改善されない場合、不信感につながる
例えば回答に長時間を要するようなアンケートを用いてサーベイを繰り返し実施した場合は、社員に負担がかかってしまいます。深く考えずにアンケートへ回答する社員が増えてしまった場合には、サーベイそのものの信頼性が低下しかねません。加えて、サーベイで明らかになった問題点が放置されていると、かえって組織への不信感を招いてしまいます。
サーベイを実施する際にはこうしたデメリットに注意しながら、サーベイに対する社員からの信頼獲得を重視するのが大切です。
監修者からの一言 サーベイのデメリットとしては、サーベイ後に企業が社員に対して情報公開やサーベイ結果を通じたアクションを行っていることが社員から見えない場合、サーベイが形骸化してしまうことです。その場合、社員が真剣に回答しなくなり、サーベイの意義が薄れてしまいます。組織の実態を把握するためにも、サーベイ後の結果の公開やアクションの可視化も行っていくとよいでしょう。 |
サーベイを実施する流れ
サーベイを実施する際には、以下の5つのステップで実施しましょう。
- 組織の課題を分析し、目的を明確にする
- 調査する項目や実施方法などの計画を立てる
- サーベイを実施する
- 調査結果を分析してフィードバックを行う
- 改善策を実行する
サーベイの基本となる5つのステップについて詳しく解説します。
Step1:組織の課題を分析し、目的を明確にする
サーベイを実施する際には、まず組織の直面している課題を分析しましょう。
組織の直面している課題が曖昧なままサーベイを実施しても、サーベイの目的が不明確になってしまいます。現場社員や管理職、経営層などへのヒアリングを実施して、組織がどういった課題を抱えているのか明らかにしましょう。まったく白紙の状態からサーベイで課題を明らかにしようとするのではなく、ある程度課題を把握した状態で、その詳細や解決策を検討するためにサーベイを用いるのが理想です。
Step2:調査する項目や実施方法などの計画を立てる
会社の抱えている課題を把握したら、サーベイで調査する項目や実施方法などの計画を立てましょう。
例えば「人材の定着率が競合他社よりも低い」という課題があるとします。この場合には、例えば「現在の待遇に対する不満はないか」「職場の人間関係に満足しているか」などが、サーベイの主な調査項目となるでしょう。実際には、これらを5段階評価や10点満点などのスコア形式で評価してもらいます。
また、サーベイの実施タイミングも事前に決めましょう。業務の繁忙期は避け、できる限り社員の負担になりづらいタイミングで実施するのがおすすめです。
Step3:サーベイを実施する
サーベイの調査項目や期間を決めたら、実際にサーベイを実施します。これまでのステップで決めたサーベイの内容をもとに、着実にサーベイを実行してください。
Step4:調査結果を分析してフィードバックを行う
サーベイが終了したら、調査結果を分析してフィードバックを行います。
まずは、調査結果をグラフや表形式などにまとめ、客観的に分析するのが大切です。調査結果は、レポートなどの形式で必ず社員に対して公表しましょう。サーベイの結果を公表することで、社員はサーベイが企業の意思決定に反映されているという実感を持つことができ、次回以降のサーベイにも真摯に回答してくれるようになります。
また、サーベイに対するフィードバックも大切です。サーベイで明らかになった問題に対し、どのような施策を講じていく予定なのかをまとめ、社員に対して明確に示しましょう。
Step5:改善策を実行する
サーベイの結果の公表とフィードバックが終了したら、実際に改善策の実行を行います。
例えばサーベイの結果、「職場の人間関係に対する満足度が低い」という課題が明らかになった場合には、1on1ミーティングの実施でコミュニケーションの活性化を図るといったアプローチが考えられます。改善策を着実に実行することで、社員は「サーベイの結果が会社の施策に活かされている」という実感を持つことができるでしょう。
監修者からの一言 サーベイを実施する際は、目的を明確にしましょう。目的によっては、パルスサーベイが最適なケースもあれば、従業員エンゲージメントが最適なケースもあります。また、サーベイ単体では当初の目的を果たせないこともあります。サーベイの可視化により何の課題を特定し、解決したいのかを明確にしてから、ツールや施策の選定と実施、効果測定をしてみましょう。 |
サーベイを企業で実施する際のポイント
サーベイを実施する場合には、いくつかの注意しておきたいポイントが存在します。サーベイを実施する際のポイントは、以下の6つです。
- 実施頻度や回答期間を適切に設定する
- 設問設計を工夫する
- 情報の取り扱いに注意する
- 匿名性を保つ
- 結果の開示を忘れずに行う
- サーベイ活用に向けた研修を行う
ここからは、サーベイを企業で実施する際に意識すべきポイントを解説します。
実施頻度や回答期間を適切に設定する
サーベイを実施する場合には、社員に負担をかけないような頻度や回答期間にすることが大切です。
社員は日々の業務に忙しいため、頻繁にアンケートへの回答を強制すると、ストレスの増加や生産性の低下につながりかねません。社員のキャパシティに配慮したサーベイを実施することで、社員がアンケートへの回答を負担に感じづらくなり、継続的にサーベイを実施できるようになります。
また、回答期間に猶予を持たせるのもおすすめです。適切な回答期間を設定しておけば、社員はサーベイに対して余裕を持って取り組むことができるようになるため、質の高い回答を返せるでしょう。
設問設計を工夫する
サーベイを行う場合には、社員の本音を引き出すための工夫も大切です。
本心での回答を促さなければ、正しいサーベイ結果が得られません。例えば設問の中で具体的な事例や経験を尋ねたり、自由記述の形式を採用したりすると、社員から本音を引き出しやすくなるのでおすすめです。
さらに、回答を誘導しないよう中立的な言葉を使用した設問を意識するのも大切です。満足度などを定量的に評価してもらう際には、それぞれの段階がどの程度の心理的状態を表しているのかを明らかにしましょう。
なお、サーベイを行う際には設問を簡潔にまとめることも重要です。社員は、設問数が多かったり、回答に長時間を要したりするサーベイには不快感を持ち、本音による回答を返さなくなってしまいます。サーベイを行う際には重要な質問に焦点を絞り、不要な質問は省きましょう。
情報の取り扱いに注意する
サーベイを実施する際には、情報の取り扱いに注意しましょう。
社員がサーベイに協力する際には、個人情報や意見を提供することになります。このとき、情報が組織の中でどのように取り扱われるのかがわからないと、社員は率直な回答がしづらくなるでしょう。
組織が情報の取り扱いに慎重であることは、社員のプライバシー尊重や信頼関係の構築に欠かせません。サーベイの前に、情報がどのように使用され、保存されるのかを知らせ、サーベイに対する信頼を高めておきましょう。そのためには、収集した情報の使用目的や範囲、保存場所などをあらかじめ決めておくことが大切です。
匿名性を保つ
サーベイを実施する際には、匿名性を保つことも大切です。
匿名性を保つことで、社員は率直な意見や本音を回答しやすくなります。自分の意見や課題が他の人に知られることを心配する必要がなくなるため、オープンな意見や内容を提供しやすくなるでしょう。
また、匿名でサーベイに回答できる場合、社員はサーベイに回答することに対する心理的障壁が低くなります。サーベイへの参加意欲が高まるため、回答率が向上する効果も期待できるでしょう。
結果の開示を忘れずに行う
結果の開示を忘れずに行うことも、サーベイを実施する際に意識しておきたいポイントです。
サーベイの結果が開示されない場合、サーベイに対して答えるだけという風土となってしまい、社員は回答を適当に処理してしまいがちになります。こうした事態を防ぐためには、企業側がサーベイの結果を積極的に開示するのが大切です。
なお開示の際には、ただ結果を示すだけでなく、サーベイによって明らかになった問題点に対してどう対応していくのかも併せて伝えることが大切です。聞くだけで終わるのではなく、「貴重な意見をもとに何かを変える」という企業のスタンスを示す必要があります。この開示を繰り返すことで、社員の間にも「積極的に意見を出そう」というサーベイに対する前向きな風土が形成されるのです。
サーベイ活用に向けた研修を行う
サーベイを実施する際には、サーベイ活用に向けた研修を実施するのもよいでしょう。
サーベイ活用のための研修では、主に管理職に向けて以下のような内容について学びます。
- サーベイ結果をもとに、部下の自律的な成長を支援する方法
- サーベイを用いて部下と信頼関係を構築する方法
- サーベイ結果をもとに適材適所の人材配置を実現する方法
- 部下の意欲や帰属意識を高める方法
これらを管理職に学んでもらうことで、サーベイをより会社の成長につなげやすくなります。また、サーベイ結果をもとにして、着実に課題を解決できるようになるでしょう。
監修者からの一言 社内にサーベイ結果を共有する際は、「匿名になっているか?」「ネガティブ情報をそのまま出していないか?」などの点を確認してから公開しましょう。個人が特定されたり、不必要なネガティブ情報の開示により不信感や不安が組織に広がったりすることに繋がりかねません。 |
アルーの提供するサーベイ
人材育成を手掛けているアルーでは、人材育成に役立つサーベイとして主に以下の3つを提供しています。
- 行動変容にこだわる職場学習支援システム「Compath」
- 異文化対応力を可視化する「ALPath_global」
- アセスメント付きビジネス英会話「ALUGO」
ここからは、アルーの提供するサーベイに関するサービスを紹介します。サーベイの実施をご検討の方は、ぜひ参考にしてください。
行動変容にこだわる職場学習支援システム「Compath」
アルーでは、研修後の行動変容・行動定着に向けた実践支援ツール「Compath」を提供しています。Compathを活用すれば、研修での学びや気づきを踏まえて設定したアクションプランに対し取り組みの進捗を定期的に振り返り、周囲からのコメントをもらいながら、能力の伸びを可視化することが可能です。社員の育成を点ではなく線で実行できるようになるため、データにもとづいた効率のよい人材育成が実現します。
アルーの提供している職場学習支援サーベイであるCompathについてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
▼サービス資料ダウンロード
異文化対応力を可視化する「ALPath_global」
アルーでは、異文化対応力を可視化するツールである「ALPath_global」を提供中です。
グローバル人材としてパフォーマンスを発揮するためには、「価値創出力」や「語学力」の他にも、「異文化対応力」が欠かせません。異文化対応力は、主に以下の3つの領域で伸ばす必要があります。
- ヒト……多様な人との関係を構築し、影響を及ぼす力
- コト……複雑な状況を理解した上で意思決定し、目標を達成する力
- ジブン……不確実なビジネス環境の中でも主体的に成長・行動する力
アルーのALPath_globalでは、こうした3つの観点にもとづいて異文化対応力を可視化することができます。それぞれの領域で必要な能力がどの段階にあるのかをグラフ形式ですぐに把握できるため、グローバル人材の育成に力を入れている企業におすすめのサービスです。
ALPath_globalの詳細は、以下の資料でご覧いただけます。
アセスメント付きビジネス英会話「ALUGO」
アルーでは、アセスメント付きのビジネス英会話サービス「ALUGO」を提供しています。
ALUGOでは、社員のスピーキング力の現状と課題点を可視化できます。そのため、社員一人ひとりのスピーキング力を客観的に把握することが可能です。また、ALUGOアセスメントの結果にもとづいて、3000通り以上のカリキュラムの中から、それぞれの社員に最適化されたカリキュラムを作成します。具体的なビジネスシチュエーションを想定したレッスンも豊富に含まれているため、社員のビジネス英会話力を徹底的に鍛えることができるサービスです。
ALUGOの詳細は、以下のページからご覧ください。
ビジネス英会話研修「ALUGO」
▼サービス資料ダウンロード
サーベイを活用した研修事例
アルーでは、サーベイを活用した研修を数多く実施しています。
ここからは、それらの中から特に参考となる事例を2つピックアップして紹介します。サーベイを活用した研修の流れを知りたい方や、サーベイを活用した人材育成を効果的に実施する方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
360度サーベイを行い、対話型組織を実現するリーダー研修事例
メディア業のA社では、多様性を活かして新しい価値を生み出す組織開発を目標に掲げ、その実現のために対話型組織の形成を目指していました。
そこで本事例では、対話型組織を実現するためのリーダーシップを獲得させることを目的に、リーダーや管理職層に対して360度サーベイを実施しています。
360度サーベイでは、それぞれの社員が周囲からどのように評価されているのかをサーベイによって明らかにし、その結果をもとに自分自身のリーダーシップを見つめ直してもらいました。研修にはアウトプットも取り入れ、サーベイ結果をもとに自分自身の強みと成長課題を洗い出すグループワークに取り組んでもらっています。
研修後には、「自己成長に対して集中して向き合う時間を楽しめた」「他人が自分をどう見ているか知ることで、新しい気付きや発見が見つかる貴重な時間となった」など、サーベイによって自分自身を客観視できたことを実感する声を多くいただきました。
本事例の詳細は、以下のページからご覧いただけます。
研修事例:360度サーベイを行い、自身のリーダーシップを客観視し対話型組織を実現するリーダー研修
▼サービス資料ダウンロード
まとめ
サーベイについて、定義や種類、実施方法やポイントなどを徹底的に解説しました。
サーベイを正しく実施すれば、組織内の課題を浮き彫りにしたり、社員のエンゲージメントを高めたりすることができます。サーベイを成功させるためには、社員の負担のならないようなサーベイにする、サーベイ結果に対して必ずフィードバックを行う、といった点に気をつけるのが大切です。この記事でサーベイに対する理解を深め、組織の効果的な成長につながるサーベイを実施してみてはいかがでしょうか。