新入社員がテレワークでストレスを感じる原因と企業ができる対策
コロナ禍で急速に普及したテレワークは、通勤時間の削減や会議の効率化など、多くのメリットがあり、今や企業にとってなくてはならない勤務形態として定着しています。
しかし、会社や同僚のことをよく知らない新入社員にとっては、テレワーク特有のコミュニケーションの難しさにストレスや不安を感じ、メンタルヘルスに支障をきたす方も少なくありません。
そこで今回は、新入社員がテレワークでストレスを感じる原因と、企業ができる対策を紹介します。
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テレワークにストレスを感じている新入社員は多い
アルーの独自サーベイ「自己成長力支援サービス」に寄せられた新入社員の声(2020年度)によると、「上司にすぐに相談できる環境が欲しい」や「新入社員としてやるべきことができているのか気になる」、「業務の話はできているが、業務以外のことを話す機会がない」といった悩みの声が多く寄せられており、テレワークにストレスを感じている新入社員は多いことが伺えます。
このように新入社員がテレワークに対してストレスを感じている状況は企業にとっても大きな課題であり、対策を検討していくことが必要不可欠です。
新入社員がテレワークにストレスを感じる要因
新入社員がテレワークにストレスを感じる要因は、コミュニケーションの問題や心理的な負荷など、多岐に渡ります。
どのような面にストレスを感じるかは人によって異なるため、さまざまな要因を想定して対策をとっていく必要があります。
新入社員は具体的にどのような要因でテレワークにストレスを感じるのでしょうか。
主な要因として5つ挙げられます。
ここでは、アルーの独自サーベイ「自己成長力支援サービス」に寄せられた実際の新入社員の声(2020年度)と併せて紹介します。
不明な点を質問しづらい
一つ目の要因として、困ったときや分からないときに質問しづらいということが挙げられます。
テレワーク環境下では実際のオフィスとは異なり、相手の顔や忙しさなどが見えづらいため、何か質問したい場合でも遠慮してしまうことも少なくありません。
実際に「在宅勤務だと、些細な疑問・質問について、その場ですぐに質問できない」や「OJT担当がいないとき業務のことを聞ける人が少ない」といった悩みの声が寄せられています。
不明な点を質問しづらい環境は仕事を進めるうえで大きな障害となるため、会社にとっても対策が不可欠な課題といえるでしょう。
他の社員と比較がしづらい
「他の社員と比較しづらい」や「先輩や同僚の様子を見て学べない」といった点も、新入社員がテレワークにストレスを感じる要因の一つです。
実際のオフィスであれば、先輩の働く姿を見ながら知識を吸収したり、同期の働く姿を見て自身を鼓舞したりということもありました。
しかし、テレワークの場合はそうはいきません。
実際の声としても、「ほかの人の働き方を見ることができないため、仕事の進め方が自己流になっている点が気になる」や「他支店の同期入社の方は、どんな人がいてどんなことを行っているのか気になる」といった悩みが寄せられています。
このように、新入社員は周囲の様子が見えないことに不安を感じるケースがあります。
他の社員と関係性を築きづらい
他の社員との関係性を築きづらい点も新入社員がストレスを感じる要因の一つです。
テレワーク環境下では、顔を見ながらコミュニケーションを取る機会が少なく、業務外の休憩にちょっとした雑談を楽しむという機会もありません。
そのため、「先輩社員の皆さんと顔を合わせてコミュニケーションを取りたい」や「出社率が減ることで、会社との関わりが薄くなるのではないかと心配」といった声が寄せられています。
ほかの社員と関係性が築けず、仕事上のコミュニケーションでも遠慮してしまうなど、さまざまな悪影響が生じる可能性があります。
コミュニケーション・意思疎通がしづらい
テレワークの場合、メールやチャット、電話などの言語中心のコミュニケーションとなるため、意思疎通しづらい点も新入社員の悩みの種です。
表情が見えないコミュニケーションでは、必要以上に言葉を選び気を遣ってしまい時間がかかってしまうことや、相手に対しても反応が遅くなってしまうこともあります。
実際に、「人に依頼する時の頼み方が難しい」や「テレワークでテキストベースのやり取りが多いので、質問が難しい時があったり、考えすぎて反応が遅れてしまうことが多い」といった声が寄せられています。
テレワークにおける意思疎通の難しさは、新入社員に関わらず多くの社員が一度は感じたことのある課題でしょう。
心理的な負荷を感じることがある
リモートワークは一人で仕事をする時間が長いため、心理的な負荷を感じることがあります。
リモートワークでは仕事とプライベートの切り替えが難しかったり、一人暮らしの方であれば業務以外で人と話す機会が少なくなり、孤独を感じてしまうことも少なくありません。
実際にも、「業務の話はできているが、業務以外のことを話す機会がない」「オンオフの切り替え方は課題」という悩みの声が寄せられています。
心理的な負荷がメンタルヘルスの問題につながるケースもあり、見逃せない課題の一つといえるでしょう。
新入社員のストレスによって生じる問題
新入社員がテレワークによるストレスを感じることによって、会社への帰属意識が持てなくなる場合や仕事に対するモチベーション低下につながる場合があります。
その結果、それらのストレスが原因で離職してしまうなど、さまざまな問題が起こりかねません。
ここでは、新入社員がストレスを感じることによって生じる問題を詳しく紹介します。
帰属意識が持てない
テレワークでは、同僚や上司との関係性が築きにくく、会社の雰囲気などを肌で感じとることもできないため、会社への帰属意識が低下してしまうケースが考えられます。
帰属意識の低下は離職につながる可能性もあるため、見逃せない課題の一つといえるでしょう。
仕事に対するモチベーションが下がる
仕事のモチベーションについて提唱したハーズバーグの二要因理論によると、人は達成すること・承認されることで仕事に満足感を感じて動機付けされ、対人関係などの環境面が欠けてしまうと不満足感を抱きます。
テレワーク下ではどうしてもコミュニケーションが不足しがちであり、仕事が上手く進められないということも少なくありません。
その結果、「達成感を得られない」や「承認される機会が少ない」ということがあります。
また、人間関係の構築も難しく、不満を抱く方もいるでしょう。
これらの要因が新入社員のモチベーション低下を引き起こし、会社全体の生産性低下につながるため、あらかじめ対策しておくことが肝心です。
離職につながる
リクナビNEXTが転職経験者100人に対して行った「転職理由の『本音』と『タテマエ』」調査によると、転職理由の本音の上位には「上司の仕事の仕方への不満」や「人間関係」などの理由がランクインしています。
テレワーク下ではコミュニケーションの難しさから、人間関係の構築が難しいことはもちろん、やりとりにすれ違いが生じてトラブルを生んでしまうケースも少なくありません。
これらの人間関係の問題が、新入社員の離職につながることが考えられます。
また、前述の帰属意識の低下や仕事へのモチベーションの低下も離職につながる可能性があるため、多方面からの対策が必要といえるでしょう。
新入社員のストレスが限界になる前に伝えておくべきこと
テレワークのストレスにより、新入社員や会社にさまざまな問題が生じることをお伝えしました。
新入社員のストレスを軽減するためにはどのような対策をとれば良いのか気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、新入社員のストレスが限界になる前に伝えておくべき6つのアドバイスを紹介します。
日常的にすぐに取り入れられる対策が多いので、ぜひご活用ください。
仕事は5W2Hで聞くようにする
仕事の依頼を受けた際、5W2Hで情報を整理し、抜け漏れがある部分を依頼者へ確認する癖をつけてもらいましょう。
5W2Hとは、「何を・なぜ・いつまでに・どの場面で・誰と(誰に)・どのように・どれくらいの費用で実行するか」という情報を整理するためのフレームワークです。
5W2Hを活用することで、「何が分からないかも分からない」という状態の新入社員でも、情報を網羅的に把握でき、前提を勘違いした状態で仕事を進めてしまうリスクを防げます。
さらには、依頼者である上司に仕事を進めるなかで何度も質問しなければならない状況も避けられます。
報告・連絡・相談のタイミングを最初に決めておく
上司への報告・連絡・相談のタイミングを、最初に決めておくのも有効です。
上司が忙しい場合、スケジュールが数日先まで埋まってしまっていることや、メールで質問してもなかなか返信が返ってこないこともあるでしょう。
そういった状況だと新入社員は相談ができず、仕事が止まってしまったり間違った方向に進んでしまう可能性があります。
そのようなリスクを避けるためには、仕事を依頼されたときに前もって相談や報告のスケジュールを決めておき、週に何度か定期的な打ち合わせを設けることがおすすめです。
アルーでは、報連相が苦手な新入社員に向けたプログラムを用意しております。詳しくは以下のページでご覧いただけます。
プロフェッショナルスタンスコミュニケーション ホウ・レン・ソウ7つ道具編
コミュニケーションの機会の頻度を適度に設計する
コミュニケーションは、日次・週次など、定期的に実施するものや随時実施するもの、グループで実施するもの、1on1で実施するものなど、さまざまな頻度や種類があり、適度に設計することが大切です。
たとえば、一人でテキパキと仕事をこなせるベテラン社員たちは週次のグループミーティングだけで問題ないかもしれません。
しかし、毎日新しい問題に直面して疑問だらけの新入社員の場合は、毎日15分だけでも上司と1on1の時間を設けるとスムーズに仕事を進められるでしょう。
自分から発信し繋がる機会を得る
ほかの社員の働く姿が見えないことに不安を抱え、もっと関係性を築きたいと感じている新入社員には、自分から発信して繋がる機会を得られる環境を作ることも大切です。
たとえば、チームミーティングで雑談の場を設けたり、オンラインランチ会に他部署の人を招待するなどが例として挙げられます。
そのような場で、新入社員が仕事で得た学びや悩みなどを周囲に発信していくことで、次第に周囲が自分を理解してサポートしてくれるようになり、有意義な情報交換ができるようになるでしょう。
言葉で正確に伝える方法の訓練をする
日本人は、詳しい説明を省略して表情や雰囲気で理解し合う「ハイコンテクスト」のコミュニケーションが得意です。
たとえば、「例のもの」や「大丈夫」など、人によっては別の意味にも捉えられてしまうコミュニケーション方法を当たり前のように行っていると思います。
「ハイコンテクスト」のコミュニケーションは、特にメールなどの言語のみのコミュニケーション環境においては、すれ違いを生むリスクがあります。
曖昧な言葉や違う意味に捉えられる文章がないか、日々意識するように伝えましょう。
明確で分かりやすい「ローコンテクスト」な伝え方ができるようになれば、テレワーク環境でもスムーズなコミュニケーションを図ることが可能です。
メンタルヘルス対策を周知する
多くの企業では、メンタルヘルス対策として産業医やカウンセラーに相談できる機会を設けていたり、ストレスチェックを実施しています。
これらの対策を新入社員に周知し、自分のストレスに上手に向き合ってもらうように促すことが大切です。
職場でのストレスは、上司や同僚に相談しにくいケースがあり、ストレスチェックではじめて自分が深刻なストレスを感じていることに気づくということもあります。
上司や人事、産業医など、会社にはストレスをケアする体制がしっかり整っていることを伝え、辛いと感じたときには無理をせず相談するように伝えましょう。
アルーではリモートワークに対応したプログラムを用意しています
リモートワーク環境下でも、新入社員にいち早く会社に適応して成果を出してほしいと考えている経営者や人事担当者の方は多いのではないでしょうか。
アルー株式会社では、仕事の進め方やコミュニケーションなど、リモートワークに対応したプログラムを幅広く用意しています。
そのなかでも今回は、育成の成果に着目した配属後の新入社員向けのオンボーディングサーベイ「自己成長力支援サービス」について詳しく紹介します。
アルーの自己成長力支援サービスとは
リモートワーク下で「トレーナーが新入社員の成長や能力を把握できていない」ということに注目して開発されたプログラムが、アルーの「自己成長支援サービス」です。
「自己成長支援サービス」は、配属後の新入社員の育成成果をシステム上で見える化し、トレーナーの育成や1on1面談のサポートを行います。
育成成果の可視化により、効率的に新入社員の育成ができることはもちろんのこと、上司・部下間の認識の相違に気が付くなど、新入社員間の成長変遷の差などを分析できます。
リモートワーク下で新入社員の能力開発が見えにくくなったと悩んでいる経営者や人事担当者の方は、ぜひアルーの「自己成長支援サービス」をご検討ください。
まとめ
今回は、新入社員がテレワークでストレスを感じる原因と、それによって生じる問題、新入社員に伝えておくべきポイントなどを紹介しました。
新入社員がテレワークでストレスを感じ、さまざまな問題が起こってしまう前に会社として対策を取ることが重要です。
また、アルーでは、リモートワークの普及が進んだなかで見えてきた「新入社員がリモートワーク環境下で陥りがちな状況・悩みと、その対策」についてまとめた動画も配信しています。
リモートワーク下での新入社員教育にお悩みの経営者や人事担当者の方は、ぜひ一度動画をご覧ください。
多くの人材育成実績を持つアルー株式会社では、各企業の育成課題を解決する多様な育成プログラムを用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。