研修の振り返りの目的や方法とは?例文付きテンプレシートとともに解説!
研修の質を向上させるためには、研修の振り返りが欠かせません。しかし、実際には思うように振り返りが実施できていなかったり、振り返った内容が次回に活かせていなかったりするケースも多いのではないでしょうか。
この記事では、研修の振り返りを行う目的や、振り返るための具体的な方法、役立つフレームワークなどを解説します。人事部が活用できる振り返りのためのパワポテンプレシートも公開するので、ぜひ参考にしてください。
より深く知るための『オススメ』お役立ち資料
目次[非表示]
振り返りと感想・反省の違い
研修を効果的に活用するためには、「振り返り」が重要です。しかし、振り返りと似たような意味を持つ言葉として、「反省」と「感想」があげられます。これらの言葉の違いを正しく理解することで、振り返りの本質をより深く捉え、研修の効果を最大限に引き出すことができます。本記事では、「感想」と「反省」、そして「振り返り」の違いを明確にし、研修後に行うべき「リフレクション」について詳しく解説します。
研修の感想とは
研修の感想とは、研修の内容や進行についての自分の意見や感情を述べることです。例えば、「研修の進行がスムーズでわかりやすかった」「内容が非常に興味深く、学びが多かった」といったものが感想にあたります。ただし、感想は単に意見を述べるだけで、その先の具体的な行動に結びつかないことが特徴です。
研修の反省とは
研修の反省とは、自分の行動や成果について振り返り、何がうまくいかなかったのか、どのように改善できるかを考えることです。例えば、「プレゼンテーションがうまくいかなかった理由を探り、次回は練習を増やすべきだ」といった具体的な改善策を見つけることが反省です。しかし、反省は主に失敗に焦点を当て、過去の行動に対して責任を追及する傾向があります。
研修の振り返りは、単に反省するために行うものではありません。振り返りの目的は、次のステップを考え、未来に向けた行動計画を立てることです。失敗だけでなく成功も含めて経験を総合的に見つめ、次にどう生かすかを考えることが大切です。
研修の振り返りで行うべきは「リフレクション」
研修の振り返りで行うべきことは「リフレクション」です。リフレクションとは、経験からの学びを可視化し、その学びを次にどう活かすかを考えるプロセスです。
例えば、「研修前後でこのような学びがあったので、業務にこのように活かせるだろう」といった具体的な活用方法を見つけることがリフレクションの目的です。変化の激しい現代のビジネス環境では、素早く学び、未知の問題に対応するためには、反省ではなくリフレクションが求められます。
研修の振り返りが必要な理由・目的
そもそも、どうして研修の振り返りは必要なのでしょうか。
研修の振り返りが必要な理由としては、主に以下の通りです。
- 研修の効果を測定する
- 受講者の課題を見つける
- 受講者の行動目標を設定する
- 今後の研修の質を向上させる
上記4点が挙げられます。研修の振り返りが必要な理由について、詳しく確認していきましょう。
なお、研修の効果測定を行う方法については以下のページでも詳しく解説しています。
『研修効果測定の方法とは|4つの評価レベルや効果測定のポイント』
研修の効果を測定するため
研修の振り返りを行う目的の一つは、実施した研修の効果を測定することです。研修の目的は「研修を実施すること」ではなく、社員の行動を変えること、社員の知識を定着させること、社員のマインドセットを行うことなどです。「研修後に社員にどうなってもらいたいか?」という目的に対して、研修を実施したことで目的を達成したかどうかを測定することが重要です。
研修終了直後はもちろん、定期的に振り返りの機会を設けましょう。現場での学びの実践状況も情報収集し、達成度合いを測定することができます。
なお、研修の効果測定を行う方法については以下のページでも詳しく解説しています。
『研修効果測定の方法とは|4つの評価レベルや効果測定のポイント』
受講者の課題を見つけるため
研修を振り返れば、受講者の課題を見つけることができます。
例えば新入社員研修では、ビジネスマナーや業務の基礎知識など、さまざまな内容を扱います。こうした内容を、一度の研修だけですべて理解するのは難しいでしょう。
研修が終了した直後の社員は、「ビジネスマナーの定着が不十分」「内容をしっかり落とし込めていない」など、何らかの課題を抱えている可能性があります。
研修終了後に研修内容を振り返る機会を設けることで、こうした受講者の課題を発見し、解決に向けたサポートを提供できるのです。
受講者の今後の行動目標を設定するため
受講者の今後の行動目標を設定することも、研修の振り返りを実施する主な目的の一つです。
研修終了後の振り返りによって見えてきた課題を通じて、さらなる成長に向けた行動目標を設定できます。
例えば、コミュニケーション研修の終了後に「傾聴の姿勢が不十分だ」など、課題が見えてきたとします。このような場合は、「今後は相手の話に共感するよう意識しよう」「相手と自分の話が7:3になるよう意識しよう」といった行動目標を立てれば、さらなるコミュニケーション力の向上が期待できます。
研修の振り返りを通じて、自分の課題を具体的な行動へと落とし込むことができるのです。
今後の研修の質を向上させるため
研修を振り返れば、研修の質の向上につなげることができるという運営側のメリットもあります。
研修終了後にアンケートや理解度テストを実施すれば、研修の問題点が見えてくるでしょう。どんなに入念に準備した研修でも、説明が不十分な点や、構成に工夫が必要な点は必ずあるものです。
振り返りの内容を参考に次回の研修をブラッシュアップさせることで、研修の質を継続的に改善するしくみを作ることができます。
監修者からひとこと |
研修の振り返りをする6つの方法
研修を振り返る際には、以下のような方法を用いましょう。
- 日報
- 理解度テスト
- アンケート
- レポート
- プレゼンテーション
- フォロー研修
研修を振り返る具体的な方法について、それぞれ詳しく説明します。
日報
研修を振り返る際には、日報の活用が有効です。
研修期間中に、日報として「今日の目標」「目標の達成度」「明日の目標」などを記入してもらいましょう。また、毎日の「良かった点」「悪かった点」を継続的に記録してもらうことも有効です。
日報という形で研修の振り返りを実施してもらえば、研修内容を日頃から意識するクセがつきます。研修期間中、日々の振り返りを継続的に行ってもらいたいときにおすすめの方法です。
理解度テスト
研修の振り返りには、理解度テストを実施することもおすすめです。
理解度テストを実施すれば、受講者が研修のどの部分を理解でき、どの部分を理解できなかったのかが浮き彫りになります。そのため、受講者のさらなる成長に向けたサポートをピンポイントで提供しやすいことが特徴です。
また、理解度テストで平均点の低かった項目は、研修中に説明が不十分だった点といえるでしょう。理解度テストの結果を参考にすれば、次回以降の研修の質を改善することもできます。日報と同様、研修期間中に日々の振り返りを行ってもらいたい場合におすすめの方法です。
アンケート
アンケートを実施することで、研修を振り返ることができます。
研修アンケートは、定量的な項目と定性的な項目の双方に分けて作成することが効果的に振り返りをするポイントです。
定量的なポイントとしては、研修の総合満足度や講師満足度、教材満足度などを設けましょう。ここで特定した問題点を、「講師の進め方はいかがでしたか?」「教材はわかりやすかったですか?」といった定性的な項目でさらに深掘りしていきます。
研修アンケートの項目事例や、アンケート実施時のポイントは以下のページでさらに詳しく解説しています。
『研修アンケート項目事例・実施方法やポイントをご紹介』
レポート
レポートも、研修を振り返るためのおすすめの手段です。
研修レポートには、研修を実施した人事担当者や講師が記入する「研修実施報告書」と、研修の受講者が記入する「研修受講報告書」の2種類があります。
研修実施報告書には、レポート作成日や研修名、担当講師名といった基本項目や、受講者のアンケート結果や講師所感を記入しましょう。
研修受講報告書には、基本項目とともに研修目的や研修の要点、研修を受講した感想などを記入してもらいます。
研修レポートの書き方や例文、テンプレートは以下のページでさらに詳しく解説しています。
『研修レポートの書き方とは?例文やテンプレートを紹介』
プレゼンテーション
研修を振り返る際には、受講者によるプレゼンテーションの発表も効果的です。
プレゼンテーションを実施する際には、受講者に以下のようなポイントを含んだ発表をしてもらいましょう。
- 研修で学んだこと
- 研修で見えてきた課題点や問題点
- 課題解決に向けた、今後の具体的なアクションプラン
プレゼンテーションを準備する過程で、研修内容を深く振り返ることができる点がメリットです。研修内容を振り返ると同時に、プレゼンテーション力の向上も期待できます。
個人でのプレゼンテーションの発表はもちろん、グループでの実施も有効です。
フォロー研修
フォロー研修を実施することも、研修を振り返る際に有効な手段です。
研修終了後に1〜2週間程度の現場での実践期間を設け、そのあとにフォロー研修を実施しましょう。フォロー研修では、現場での実践で見えてきた課題を共有したり、グループで課題解決に向けた方針を議論したりします。
研修終了後に時間を置いてから再び集まってもらい、研修内容を定着させることが狙いです。フォロー研修の時間を使って、先程解説したプレゼンテーションを実施すれば、より効果的な研修の振り返りとなるでしょう。
研修の振り返りに役立つフレームワーク5つ
研修の振り返りには、KPTやYWT、カークパトリックモデル、AARモデルといったいくつかの役立つフレームワークが存在します。
- KPT
- YWT
- カークパトリックモデル
- AARモデル
- PDCA
ここからは、上記の研修の振り返りに役立つフレームワークを解説します。
KPT
KPTとは、以下の3つの頭文字を取ったフレームワークです。
- K(Keep)……継続
- P(Problem)……問題点
- T(Try)……挑戦
KPTには、問題解決に向けた重要なポイントが凝縮されています。
そのため、研修で見えてきた課題を解決する際におすすめのフレームワークです。
チームでディスカッションに取り組む際にも、KPTの3点が役立ちます。
「継続するべきこと」「問題点」「今後挑戦すべきこと」の3点を話し合い、課題解決につなげましょう。
YWT
YWTとは、以下の3つの頭文字を取ったフレームワークです。
- Y……やったこと
- W……わかったこと
- T……次にやること
研修の振り返りを行う際には、「研修でどこまで身について、今から何をするべきなのか」を把握することが大切です。YWTを使えば、自分の現在地を客観的に認識することができます。
研修を振り返るとともに、次なる成長に向けた目標設定を行いたい場合におすすめのフレームワークです。
なお、YWTの最後に「M(メリット)」を追加して、立てた目標の意味を分析するケースもあります。
カークパトリックモデル
カークパトリックモデルとは、アメリカの経営学者であるカークパトリックによって提唱された、研修の効果を測定するためのフレームワークです。
研修受講者ではなく、研修を実施した人事担当者や講師が研修を振り返る際に活用できます。
カークパトリックモデルでは、以下の4段階で研修を評価します。
- 第1段階(反応)……アンケートを通じた満足度調査を実施する
- 第2段階(行動)……事後テストやロールプレイで知識の定着を確認する
- 第3段階(学習)……研修後に現場でどれだけ実践できているかを確認する
- 第4段階(業績)……研修前後で社員の業績を比較し、効果を測定する
カークパトリックモデルに沿って分析することで、「業績を向上する」という研修の最終の目標に対して、どの部分でギャップがあるのかを把握できるでしょう。
AARモデル
AARモデルとは、以下の3つの実践を組み合わせたフレームワークです。
- A(Anticipation)……見通し
- A(Action)……行動
- R(Reflection)……リフレクション
AARモデルを用いた課題解決を行う際には、まず「自分には〇〇が足りないのではないか」「もっと〇〇のスキルが必要なのではないか」などの見通しを持つことが重要です。
そのあと、立てた仮説に基づいて行動を取り、その結果を踏まえてリフレクションを行います。
受講者自身で仮説を立ててリフレクションまで行うことを特徴とする、受講者の主体性を意識したフレームワークです。
PDCA
PDCAも研修の振り返りをする際に有効なフレームワークです。
PDCAはPlan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(改善)の頭文字を取った言葉です。
人事部が研修を振り返る際には、研修実施前に計画を立て、効果検証を行うようにするとPDCAを回すことができます。研修の目的に合わせて、受講者への理解度テストやアンケート、職場での行動変容を測るのがおすすめです。その結果から次回の研修の改善を行い、研修そのものをブラッシュアップしていきましょう。
また、受講者の研修振り返りにもPDCAは活用できます。研修前に受講後のゴールを設定し、どれだけ達成できたかをチェックしてもらいましょう。研修によってどのようなスキルを得られたのか、何ができるようになったのかを明らかにすることができます。
監修者からひとこと |
研修の振り返りで聞くべき項目・例文
研修の振り返りを行う際には、どういった項目に沿ってアンケートを作成すれば良いのでしょうか。
ここからは、研修の振り返りで聞くべき項目や、それぞれの例文を解説します。
具体的な振り返りで聞くべき項目は以下の通りです。
- 目標の達成度
- 学びをどう活かすか
- 研修の満足度
なお、研修アンケートの項目事例や、アンケート実施時のポイントは以下の記事も併せてご覧ください。
『研修アンケート項目事例・実施方法やポイントをご紹介』
目標の達成度
研修の振り返りでは、研修の目標に対する到達度を聞きましょう。
研修を実施する前に立てた目標に対して、どの程度目標達成できたのかをアンケートなどを通じて明らかにします。研修の目的をどれくらい達成できたのか把握すれば、研修が本当に成果につながっているかどうかが明らかになるでしょう。
研修の実施そのものが目的化してしまわないように、目標の達成度を定量・定性の両面から振り返ることが大切です。
学びをどう活かすか
研修の振り返りでは、研修での学びをどのように日常業務へ活かしていくのか聞くこともおすすめです。
研修で学んだ内容は、意識的に現場で活用してもらう必要があります。
研修で学んだ内容をどう活かしていくつもりなのかを質問項目として設定すれば、研修内容を現場で活用する意識を持たせることができるでしょう。
研修に参加したこと自体に満足するのではなく、この先研修内容をどう活用していくのか、参加者に考えてもらうことが大切です。
研修の満足度
研修を振り返る際には、研修の満足度を聞くのも良いでしょう。
具体的な満足度の内容としては、総合満足度以外にも、以下のような内容が考えられます。
- 講師への満足度
- 教材への満足度
- 受講環境への満足度
- 研修時間への満足度
それぞれの満足度の内容について詳しく解説します。
講師への満足度
研修の振り返りでは、講師への満足度を質問しましょう。
講師への満足度は、受講者のためというよりも研修の内容をブラッシュアップすることに重点を置いた質問です。
講師への満足度を聞く際には、まず講師の進め方や満足度を5段階評価などで定量的に質問しましょう。
そのあと、その評価に至った理由を自由記述などで定性的に把握します。
次回の研修に活かせそうな提言があった場合には、講師へ伝えてブラッシュアップに役立ててもらいましょう。
教材への満足度
教材への満足度を質問することもおすすめです。
研修テキストなどを配布した場合は、テキストの質やわかりやすさを聞いていきます。eラーニングなどで動画を活用した場合は、動画教材のわかりやすさについてもアンケートで把握すると良いでしょう。
教材への満足度も、講師への満足度と同様にまずは点数式で定量的な評価をしてもらいます。そのあと、どういった点がわかりやすかったのか、反対にわかりにくかった点はどこか、などを定性的に質問しましょう。
受講環境への満足度
研修をオンラインで実施する場合には、質問項目として「受講環境への満足度」を設定することも効果的です。
オンライン研修を受講する際には、パソコンやタブレット端末、ネットワーク回線といった受講環境を整えることが大切です。
音声や動画の品質は問題なかったか、講師とのコミュニケーションはスムーズにできたかなどを把握していきます。
具体的には、まず「受講環境に問題点はあったか」などと定量的に質問したあと、「具体的にどんな問題があったのか」を記述式で回答してもらうと良いでしょう。
研修時間に関する満足度
研修時間に関する満足度も、振り返りにおすすめの内容です。
学びのペースは、受講者それぞれで異なります。短い時間で膨大な内容を扱ってしまうと内容が定着せず、反対に内容に対して時間が長すぎても受講者の集中力は低下してしまいます。
内容に対してちょうど良い時間であったかどうかを、定量・定性の両面から質問していきましょう。
研修中でグループワークやディスカッションを実施した場合は、それぞれの時間に過不足がなかったかを質問することもおすすめです。
監修者からひとこと 例: これにより、社員にとってもらいたい行動に必要な、目的理解度、知識理解度、実践イメージがどうだったかを定量化することができます。 |
【人事側】研修の振り返りレポートの書き方とテンプレート
研修を振り返る際には、レポート活用が有効です。
レポートには具体的に以下のような内容を記載すると良いでしょう。
- 研修目的
- 研修スケジュール
- 研修のアジェンダ
- 総括
- 受講者へのアンケート結果
- 講師所感
ここからは、研修の振り返りに役立つレポートのテンプレートを紹介します。研修の振り返りにレポートを活用しようと考えている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
1.研修概要、目的を記載する
研修レポートには、図のように研修概要や目的をまとめます。
▼研修概要のスライド例
研修終了後のあるべき姿や受講対象者なども併せて盛り込みましょう。
以下の画像が実際に実施した研修レポートで具体的に学んだ内容やプログラム例になりますので、ぜひ参考にしてください。
▼研修プログラムのスライド例
レポートで研修概要や目的をまとめておくことで、以下のメリットがあります。
- 担当者間で研修の概要や目的を改めて認識できる
- 認識のズレも起こりづらくなる
- 研修内容を詳しく知らない社員にも研修の意図が伝わりやすくなる
担当者間での認識のズレを防ぎ、研修概要や目的を改めて確認するためにも、まずしっかりとレポートに記載しておくことが大切です。
2.総括を記載する
次に、研修の総括を記載します。
▼研修総括のスライド例
研修終了後に実施するアンケートの結果や講師の所感を踏まえて、研修目的をどれほど達成できたかどうかなどをまとめると良いでしょう。
研修前に設定した「研修終了後のあるべき姿」に対してどれほど近づけたかにも言及することがポイントです。
また、アンケートや理解度テストの結果などから研修の改善点が見えてきた場合は、研修の改善ポイントも記載しておきましょう。次回以降の研修を企画する際に役立ちます。
3.受講者アンケートの結果を記載する
研修レポートには、受講者アンケートの結果もまとめておきましょう。
受講者アンケートには定量的な質問と定性的な質問がそれぞれ含まれているので、両者を分けてレポートすることがポイントです。
定量的な質問に対しては基準点を記載した上で、それに対して良い評価だったのか悪い評価だったのかを記載します。定性的な質問は、ポジティブな意見とネガティブな意見に分けて記載しましょう。
▼定性的なアンケート結果のスライド例
なお、研修を複数クラスに分けて実施している場合には、クラス別にレポートしてください。クラスごとに改善点がわかれば、何が研修のアンケート結果を左右したのか、分析できます。
4.講師の所感を記載する
研修レポートには、講師の所感も記載しましょう。
具体的な内容としては、
- 「全体所感」
- 「受講生の強みだと感じた点」
- 「受講生の課題だと感じた点」
- 「今後の方針」
などがおすすめです。
▼講師所感のスライド例
研修終了後にこうした点を中心に講師へヒアリングを実施し、レポートの形でまとめていきます。講師所感は次回以降の研修に向けた引き継ぎとしても機能するので、できるだけ丁寧にまとめておくのが良いでしょう。
監修者からひとこと |
【受講者側】研修の振り返りレポートの書き方
研修終了後には、研修の受講者にも振り返りレポートを書いてもらいましょう。
- 研修内容がわかりやすいように箇条書きで記載する
- レポートを意識して研修に参加する
- PREP法で記載する
研修の受講者に振り返るレポートを記入してもらう際の上記のポイントを詳しく解説します。
研修内容がわかりやすいように箇条書きで記載する
研修レポートを記載する際には、研修内容がわかりやすいように箇条書きで記載してもらいましょう。
箇条書きでまとめることで、あとからレポートを振り返った際に研修の要点や課題点を把握しやすくなります。
また、箇条書きにまとめる過程で、自分の頭の中で研修での学びを整理することもできるでしょう。研修での学びを振り返るという意味でも、箇条書きで書いてもらうことをおすすめします。
レポートを意識して研修に参加する
研修レポートの記入に向けて、レポートを意識した状態で研修に参加してもらうことも重要です。
例えば、事前に「研修終了後には研修での学びや目標到達度をレポート形式でまとめてもらいます」とアナウンスしたり、振り返りレポートのテンプレートを事前配布したりしておきましょう。研修の振り返りレポートを意識した状態で研修に参加すれば、要点を意識しながら研修の話を聞くことができます。また、目標到達度を意識しながら研修へ参加できるため、現場での実践を促進することもできるでしょう。
PREP法で記載する
研修レポートをまとめる際は、PREP法を意識してもらいましょう。
PREP法とは、
- 「結論」
- 「理由」
- 「具体例」
- 「結論」
上記の流れでまとめる構成法です。最初と最後の2度に渡って結論を述べるため、文章全体で何を主張したいのかが明確になります。また、理由と具体例を提示するため主張の論理性が増すことも特徴です。
研修レポートでPREP法を活用してもらえば、研修での学びや目標到達度など、それぞれの項目に沿った内容を記述しやすくなります。
文章中の情報が整理されるため、あとからレポートを振り返った際にも要点を把握しやすいでしょう。
監修者からひとこと |
研修結果の振り返り・見える化ならアルーにお任せください
アルーは、人材育成を専門に手掛けている企業です。研修結果の振り返りや見える化なら、ぜひアルーへお任せください。
アルーでは研修の企画段階から丁寧にヒアリングを実施しているため、それぞれの企業へ最適化されたプログラムを提供できることが強みです。
最後に、アルーの提供している職場学習支援システムである「Compath」を紹介させていただきます。
職場学習支援システム「Compath」
Compathは、研修での学びを可視化する職場学習支援システムです。
成果につながる研修を実施するためには、研修前後での行動変容を可視化する必要があります。
Compathを活用すれば、社員の育成進捗や課題の可視化、研修後の実践フォローを一括で管理することが可能です。
研修での行動変容を一目で把握できるため、「点」ではなく職場での経験学習も含めた「線」の育成を手軽に運用できます。
職場での学習を総合的に支援する「Compath」は、以下のページから詳しくご覧ください。
Compath(行動変容にこだわる職場学習支援システム)の詳細
▼サービス資料をダウンロードする
まとめ
研修の振り返りについて、振り返りの目的や重要性、具体的な内容やアンケートの項目設定例などを解説しました。
研修は「やって終わり」にするのではなく、研修終了後に丁寧な振り返りを行うことが大切です。研修の振り返りを正しく行えば、受講者と運営者の双方にとって大きなメリットがあります。アンケートや理解度テスト、学習支援システムの導入などを実施して、研修の振り返りに積極的に取り組みましょう。
ぜひこの記事の内容を参考に研修の振り返りを実施し、人材育成を効果的に進めていきましょう。