ロジカルシンキングのフレームワーク11選。思考方法や活用方法を解説
ロジカルシンキングを習得する上で、フレームワークは欠かせない要素です。フレームワークを自分自身のものにしていくことで、ロジカルシンキングのスキルを効率的に身につけることができるでしょう。今回は、ロジカルシンキングの代表的なフレームワークを11個紹介し、用途を簡単に解説いたします。
▼ロジカルシンキングの代表的なフレームワークと、その使い方を詳しく解説
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ロジカルシンキングのフレームワークとは?
ロジカルシンキングにおいて、フレームワークは重要な役割を果たします。
フレームワークは、問題解決や判断をする際に、様々な情報を整理して考えるための具体的な手順や方法論のことを指します。
フレームワークに従って情報を整理することで、問題を客観的かつ効率的に分析することができ、問題の本質を見抜くことが可能です。
ロジカルシンキングを習得する上では、まずはフレームワークに沿って情報を整理し、考える癖をつけることが大切なのです。
▼ロジカルシンキングの代表的なフレームワークと、その使い方を詳しく解説
ロジカルシンキングのフレームワーク11選
ここでは、ロジカルシンキングにおける代表的なフレームワークを紹介いたします。
ロジックツリー
ロジックツリーは、ツリーの上位にテーマを置き、その要素となる事柄や事実をツリー状に配置し、問題や課題を階層に分けて分析していく方法です。
大元の課題から問題や課題を枝葉のようにひろげて行くことから、この名前がつきました。
ロジックツリーのメリットとして以下の3点が挙げられます。
- 問題全体の把握がしやすい
- 問題を深堀し原因を特定できる
- 解決策を考えやすい
例えば、「売上が上がらない」ことが課題として挙げられた場合、対策としてキャンペーンやチラシ配布を行うと漠然と考えるのではなく、要素分解をすることで「なぜ売上が上がっていないのか」課題や原因の特定に役立てることができます。
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ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーは、上位に伝えたいことや主張があり、下位にその根拠が論理的につながるよう配置していく方法です。
ピラミッドストラクチャーを用いると、結論に至るまでのプロセスをわかりやすく伝えることができます。
話を論理的に展開できるため、情報をわかりやすく伝えたり、自分の考えを整理する際にも役立つフレームワークです。
ロジックツリーと間違えられやすいですが、ロジックツリーは分解のツールで、問題の原因や解決策を導く際に使われます。ピラミッドストラクチャーは何かを主張する際の説明・説得に用いられるので、用途が異なるという違いがあります。
グルーピング
グルーピングとは、原因やアイデアなど複数の意見が出た場合にまとめるためのフレームワークです。
グルーピングを行うことにより、論点を整理し・考える優先順位をつけ・重複をなくすことができます。
簡単にグルーピングの方法を解説します。
- 紙や付箋などに思いつくだけ書き出す
- グループごとにわける
- 漏れや重複、ずれがないか確認する
グルーピングは起きている事象を整理する代表的なフレームワークになるため、グルーピングを行った後にロジックツリーやピラミッドストラクチャーで深く思考することも可能です。
So what?/Why so?
So what?「だから何?」、Why so?「それはなぜ?」は、ロジカルシンキングの基本的技術になります。
So what?は、結論を見つける作業となり、Why so?は、結論に納得できるかどうか確認する作業となります。
例えば、「広告業界A社の売り上げが前年度より10%減少した」、「広告業界B社の売上が前年度より15%減少した」という2つの事実があったとします。
ここに、「So what?」と問いかけると、「広告業界の市場規模が前年度より縮小している」という答えを得ることができます。
一方で、「Why so?」と問いかけることで、売上の減少が生じた理由を考えることができます。「A社の売上が前年度より売上が10%減少した」という事実があった場合で考えてみましょう。「Why so?」の問いの答えは、「A社のマーケティング戦略が不十分だったから」「商品品質に問題があった」などが確認できます。
日常生活の中でSo what?/Why so?と考える癖をつけることが、ロジカルシンキングを身につける近道となります。
▼ロジカルシンキングの代表的なフレームワークと、その使い方を詳しく解説
MECE
MECE(ミーシー)とは「Mutually Exclusive Collectively Exhaustive」の頭文字をとったもので、論理的思考の基本となる概念です。日本語に直訳すると「漏れなく、重複なく」という意味となります。
▼ロジカルシンキングの代表的なフレームワークと、その使い方を詳しく解説
経営戦略や経営分析に使われることが多いため、経営者やコンサルタントに求められる技術のひとつでもあります。
「物事をわかりやすく、正確に伝えるための情報整理の手法」のひとつで、MECEを意識することは、あらゆる問題解決や、課題の遂行、人材育成やマーケティング等、あらゆる場面で役立ちます。
ここではMECEを活用したフレームワークを6つ、詳しく解説していきます。
MECEに分けるためのフレームワーク①3C
3Cは、主に事業戦略やマーケティング戦略において、顧客や競合などの市場環境分析を行う際のフレームワークとして用いられる分析方法です。
3Cは以下の3つの単語の頭文字をとったものです。
- Customer(顧客)
- Competitor(競合)
- Company(自社)
企業戦略に大きく影響する3つの要素を整理して分析することで、自社の業界でのポジションや顧客のニーズ、競合他社との違いなど、あらゆる特徴を可視化することができます。自社の分析だけではなく、外部要因の視点からも分析することにより、競合と差別化したマーケティング戦略などにも役立てることができます。
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MECEに分けるためのフレームワーク②QCD
QCDは、主に生産管理の現場で重要視され、生産者から顧客へ、商品やサービス等が提供されるまでの流れをもとに、戦略を考える際のフレームワークとして用いられる分析方法です。
QCDは以下の3つの単語の頭文字をとったものです。
- Quality(品質)
- Cost(コスト)
- Delivery(納期)
これらはどれか一つの要素を重視すると、別の要素を犠牲にしなければならないという関係性があり、優先するものと、そうでないものを明確化する必要があります。それぞれのサービスの特性を考え、生産プロセスにおいて非常に重要な3つの要素を整理して分析することで、結果的に商品やサービスの品質向上、利益率の向上につなげることができます。
MECEに分けるためのフレームワーク③4P
4Pは、別名「マーケティングミックス」とも呼ばれ、文字通り主に販売戦略(マーケティング戦略)の際のフレームワークとして用いられる分析方法です。
4Pは、以下の4つの単語の頭文字をとったものです。
- Place(流通)
- Price(価格)
- Product(製品)
- Promotion(販売促進)
「どのような場所で(流通)」「どれくらいの値段で(価格)」「どのようなサービスを(製品)」「どのように売る(販売促進)」といったように、マーケティングに必要な要素がすべて盛り込まれており、効率的な販売戦略(マーケティング戦略)に役立てることができます。
MECEに分けるためのフレームワーク④5W2H
5W2Hは、5W1Hに「How much(いくらで)」を加えた、業務を行う際には欠かせないフレームワークです。
5W2Hは、以下の7つの単語の頭文字をとったものです。
- Why(なぜ)
- What(何を)
- Where(どこで)
- When(いつ)
- Who(誰が)
- How(どのように)
- How much(いくらで)
5W1Hに「How much」が加わったことで、コスト面を意識した業務改善や事業計画を行う際に、非常に役立つといえます。また、この概念は報告や連絡等のコミュニケーション、企画書やプレゼンテーション等の発表の場面などの日常的なビジネスシーンでも活用することができます。
MECEに分けるためのフレームワーク⑤フロー図
フロー図(フローチャート)は、業務のプロセスや手順を図解することで整理し、抜け漏れがないようにできるフレームワークです。
フロー図を使用することで、プロセスの各ステップを理解し、改善のための潜在的な問題を特定することができます。
フロー図には、いくつかの種類があります。決定ツリー(Decision Tree)は、何らかの意思決定をするにあたって考えうる選択肢を洗い出し、最適な結論を導き出すために使用します。プロセス図(Process Diagram)は、複数のタスクやステップがあるプロセスを表現します。スイムレーン図(Swimlane Diagram)は、異なる担当者や部門の役割や責任を表現します。UML図(Unified Modeling Language)は、ソフトウェア開発に使用されます。
フロー図は、決定や行動のフローを抜けもれなく洗い出すための有用なツールです。図式的に表現することで、複雑なプロセスを理解しやすくなり、プロセスの問題を特定し、改善することができます。
MECEに分けるためのフレームワーク⑥マトリックス
マトリックスは、複雑な内容を図解し、整理して、相互関係を可視化して現状を把握する際のフレームワークとして用いられる分析方法です。
わかりやすい例を挙げると、スポーツの勝敗の一覧表のようなものです。
勝敗一覧表を見ることで、弱いグループと強いグループがひと目でわかるようになり、また、それぞれの相互関係も可視化されます。
ビジネスシーンにおいては、市場における自社の商品・サービスのポジションがどの位置にあるかを可視化する際に活用できます。問題点、改善点も明確になるため、非常に有効なフレームワークとされています。
▼ロジカルシンキングの代表的なフレームワークと、その使い方を詳しく解説
ロジカルシンキングを身につけさせるには?
ロジカルシンキングを社員に身につけてもらう為には、今回ご紹介したようなフレームワークの使い方を学び、日常で使い続けてもらうことが必要です。
他には、ロールプレイングや実際の事例や事象からフレームワークの使い方を学ぶことができる研修やセミナーが有効です。
アルーでは、若手から中堅社員向けにロジカルシンキング研修をご用意しております。
バリエーション豊富な学習方法で定着を支援し、豊富なケース演習の中から、受講者のレベルに合わせて研修設計を行ったり、eラーニングで研修前後に自己学習を行うことも可能です。
▼アルーのロジカルシンキング研修については、以下のページでご確認ください。
まとめ
ここまで、代表的なフレームワーク11選を紹介してきました。
ロジカルシンキングはビジネスで欠かすことのできない必須スキルとなっています。
ロジカルシンキングは、フレームワークの使い方を知り、日常的に使って行くことによって、身につけることができます。そのため、ロジカルシンキングを学ぶ際にはロールプレイングや実際にフレームワークを使って思考をする練習が欠かせません。
社員のロジカルシンキングを身につけさせたい、ロジカルシンキング研修でお悩みがある人事担当者の方は、ぜひ一度アルーへご相談ください。
アルーでは、若手から中堅社員までを対象とした「わかる」だけではなく「できる」という実感を得ることのできるロジカルシンキング研修をご用意しています。
▼具体的にどのようなことを学ぶことができるのか、こちらのページで確認ができますので、参考にしてください。