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パワハラと指導の違いとは?適切な指導方法・パワハラを発生させない対策を紹介

職場で発生する嫌がらせを意味するパワハラは、今や社会問題となっています。パワハラは、離職や休職の増加や社会的信用の低下など、企業に対してさまざまなデメリットをもたらします。
この記事ではそんなパワハラについて、指導との違いやパワハラにならないための適切な指導方法、社内でパワハラを発生させないための対策を徹底的に解説します。
パワハラと指導の境界について理解を深めたい企業の人事担当者の方は、ぜひ参考にしてください。


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目次[非表示]

  1. 1.パワハラと指導の違いとは?
  2. 2.適切な指導とは?
  3. 3.適切な指導を行うためのポイント
  4. 4.職場で発生するパワハラ
  5. 5.職場でパワハラが発生してしまう原因
  6. 6.パワハラ対策は法律で義務化されている
  7. 7.社内でパワハラを発生させないための対策
  8. 8.パワハラ対策研修ならアルーにお任せください。
  9. 9.アルーのハラスメント研修事例
  10. 10.まとめ


パワハラと指導の違いとは?

指導とパワハラの違いは、指導が「相手の成長を促すこと」が目的なのに対して、パワハラは「立場を利用して相手に苦痛を与えること」であることが大きな違いです。

参考:パワー・ハラスメント防止ハンドブック(平成27年7月の人事院職員福祉局の文書)

「指導」とは、部下の成長につながる指摘やアドバイスのことを指します。一方でパワハラの場合は、部下に精神的な苦痛を与えることを目的とした暴言、嫌がらせ行為などが多いです。
また、必要性の面でも両者には違いがあります。業務を円滑に進める上で指導は避けて通れません。一方で、パワハラの場合は私生活や人格などの仕事に直接関係ない内容へ言及することも多く、業務上の必要性を欠いています。
さらに、指導は必要性の高いタイミングで適切に行われるのに対し、パワハラでは過去のことを繰り返し指摘するといった違いもあります。




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適切な指導とは?

適切な指導とは、業務状況の改善を目的としながら、次に同じ失敗をしないように成長を促しながら思いを伝えることです。
パワハラとは異なり、適切な指導の場合は常に「相手のために」という意識を持っています。適切な理由があるため、時には厳しい言い方になる場合もあるでしょう。しかし、相手に精神的な苦痛を与えることが目的ではないため、不必要に相手へ不快な思いをさせることはありません。
また、適切な指導を実践するためには、相手の気持ちを推し量ることも大切です。自分では指導と思っていても、相手が指導と感じられなければ意味がありません。「この言葉を投げかけたらどう感じるのだろう」と意識することで、初めて適切な指導につながります。

部下への適切な指導に関して、以下のページでより詳しく解説しております。
部下指導で大切なことや指導方法を解説!管理職の部下指導力を育成しよう



適切な指導を行うためのポイント

適切な指導を実践するためのポイントは、以下の3つです。


  • パワハラの概念・内容の理解
  • 指摘と褒めるを使い分ける
  • 指導方法を学ぶ


それぞれのポイントを意識すれば、パワハラと受け取られることのない、部下の成長につながる指導を実現できます。適切な指導を行うためのポイントを見ていきましょう。


パワハラの概念・内容の理解

パワハラにならない指導を行うためには、パワハラの概念や内容について理解することがポイントです。
職場で発生することの多いパワハラには、いくつかのパターンがあります。こうしたパターンについて学ぶことで、何がパワハラに該当するのかわかるようになり、ハラスメント行為を避けられるようになるでしょう。具体的な内容を理解すれば、「自分ではパワハラと気づかなかった」といった事態を防ぐことが可能です。
また厚生労働省は、どういった行為がパワハラに当たるのかまとめた 6つの類型を公表しています。こうした指針も参考に、パワハラに対する理解を深めましょう。

なお、ハラスメント全般についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ハラスメントの意味とは?職場で発生しやすい種類と事例、対策を紹介



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指摘と褒めるを使い分ける

パワハラにならない指導を行うためのポイントとして、指摘と褒めるを使い分けることも挙げられます。
指導の際には、どうしてもできなかった部分の指摘がメインになりがちです。しかし、指摘だけしてしまった場合、部下のモチベーションが落ちてしまい、パワハラと思われる可能性も上がります。指導の際には、「褒める→指摘する→褒める」という順序を意識して、バランスよく指導を行うとよいでしょう。
また、ポジティブなフィードバックとネガティブなフィードバックは、2:1のバランスがちょうどよいと言われています。褒める部分がすぐに思いつかない場合は、結果だけでなくプロセスも褒めるようにしてみてください。


指導方法を学ぶ

指導方法について理解を深めることも、パワハラにならない指導を行うポイントの一つです。
適切な指導を行うためにはどういった行動が必要なのか理解できれば、知らず知らずのうちにパワハラになってしまう事態を防げます。研修などを実施して、指導ノウハウを獲得してもらうことが大切です。SL理論などのフレームワークを学ぶのもよいでしょう。
また、どのような指導方法が適切かは部下の性格によっても変わります。MBTI®(※注) などを活用して部下の性格を把握し、「部下が楽しいと感じること」「苦痛と感じること」などを把握することもおすすめです。

※注:MBTI is a registered trademark of the Myers&Briggs Foundation in the United States and other countries.

職場で発生するパワハラ

職場で発生するパワハラの具体例とは、どのようなものでしょうか。
パワハラの種類や内容が曖昧なままだと、知らず知らずのうちにパワハラを行ってしまう可能性があります。被害者が訴えたあとに「パワハラと思っていなかった」と主張しても遅いです。ここからはパワハラの内容を確認し、指導との違いについてさらに理解を深めていきましょう。

なお、ハラスメントについてさらに知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
ハラスメントの意味とは?職場で発生しやすい種類と事例、対策を紹介


身体的な攻撃を与える

身体的な攻撃を与えることは、言うまでもなくパワハラに該当します。
暴行や傷害など、体にダメージを与える行為は、パワハラだと考えておきましょう。具体的には、以下のような行為が身体的な攻撃によるパワハラの一例です。


  • 殴る・蹴る
  • 胸ぐらをつかむ
  • 備品を投げつける


「ケガがなければ大丈夫」では済まされません。「身体的な攻撃を与える行為を行った時点でパワハラだとみなされる」ということを意識する必要があります。


仲間はずれにする

仲間はずれにすることも、職場で発生するパワハラの一例です。特定の人を仲間はずれにして孤立させることは、パワハラに該当します。
例えば、以下のような行為が仲間はずれによるパワハラです。


  • 業務に必要な情報を共有しない
  • 会議に一人だけ参加させない
  • 全員に意見を求めるべき場面で、一人だけ意見を求めない



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必要な情報はチーム全体に共有するなど、全員が活躍できる環境を作ることが大切です。


精神的な攻撃を与える

言葉などで攻撃し、精神的な苦痛を与えることもパワハラに該当します。以下のような行為が、精神的な攻撃の一例です。


  • ノルマを達成できていない社員に対して暴言を吐く
  • 他の社員の前で罵倒する
  • 仕事に関係のない人格まで否定する


こうした言葉による攻撃は、「指導に熱が入ってしまい、つい言ってしまった」というケースが非常に多いです。最悪の場合、うつ病などによる休職や離職に追い込まれてしまいます。指導の場面では、不必要に相手を傷つけることのないよう、言葉遣いに注意を払うことが大切です。


無理な要求をする

明らかに達成できない無理な業務を割り振り、相手を精神的に追い込むケースがあります。無理な要求をして相手に苦痛を与えることも、パワハラの一例です。

具体的には、以下のような行為が考えられます。


  • 1日では終わらない業務量を終わらせるように指示する
  • 明らかに達成できないようなノルマを強制する


ただし、これらは達成が困難な目標を与えて部下の成長を促す「タフマネジメント」との区別が難しいこともあります。明らかに度を越しているもの、相手に不必要な精神的な苦痛を与えるものはパワハラに該当すると考えておきましょう。


過小な要求をする

前述したケースとは対照的に、部下の実力に対して過小な要求を行うことも、パワハラに該当します。明らかに能力とかけ離れたレベルの低い仕事しか与えず、追い込んでいく行為です。
以下のような行為は、過小な要求によるパワハラとなります。


  • 雑用ばかりお願いする
  • 電話対応のみをさせる


こうした過小な要求は、部下の成長機会を奪うとともに、仕事に対するモチベーションの低下を招きます。最悪の場合、離職や休職につながることも否定できません。


個人の考えや価値観を否定する

パワハラの一例として、個人の考えや価値観を否定することも挙げられます。業務とは関係のないアイデンティティを否定することで、相手に精神的な苦痛を与えるパターンです。
例えば、以下のような行為が考えや価値観の否定に当たります。


  • 生まれた世代によって性格を決めつけて否定する
  • 兄弟の有無によって性格を決めつける
  • 育ってきた家庭環境を否定する


個人の考えや価値観を最大限に尊重しつつ、仕事に関係する部分のみを丁寧に指摘することを心がけることが大切です。




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職場でパワハラが発生してしまう原因

職場でパワハラが発生してしまう原因としては、以下の二つの項目が考えられます。


  • 立場の優位性
  • パワハラの認識不足


パワハラの発生を防ぐためには、パワハラが発生する原因を知ることが大切です。職場でパワハラが発生してしまう原因を二つ解説します。


立場の優位性

パワハラが発生してしまう一つ目の原因は、立場の優位性です。
一般的に、上司は部下よりも強い権限を持っています。そのため、「役職者だから何をやっても許される」という考えを持ってしまう人が現れるのです。こうした誤った考えが、いつの間にかパワハラにつながるケースが目立ちます。
また、被害者側も「上司だから仕方ない」などと、我慢してしまう風潮もあります。上司と部下の間における立場の違いが、パワハラが発生しやすい環境を生み出しているのです。


パワハラの認識不足

パワハラが発生してしまう二つ目の原因は、パワハラに対する認識不足です。
パワハラを起こす人は、「仕事だからどんなに厳しい指導方法でも許される」と勘違いしていることがあります。しかし、仕事とはいえ相手の気持ちを考える必要があることは言うまでもありません。「自分の行為がパワハラである」という認識の薄さが、知らぬ間にパワハラを起こすきっかけになってしまうのです。「仕事だからどんなに厳しく接してもよい」といった考えを持つ社員がいる場合は、パワハラに対する意識を改める必要があるでしょう。


パワハラ対策は法律で義務化されている

パワハラ対策は、法律で義務化されています。
2022年4月1日には、「改正 労働施策総合推進法」によって、パワーハラスメント防止措置が全企業に義務化されました。厚生労働省のパンフレットによると、パワーハラスメントを防止するための具体的な措置は以下のようなものが挙げられています。


  • 相談に応じることのできる体制の整備
  • パワハラが発生する要因の解消
  • 求職活動中の学生やフリーランス、インターンシップ生にも対策を講じること


なお、パワーハラスメント防止措置は、大企業だけでなく中小企業の事業主にも義務化されています。法律で義務化されている以上、他人事と思わずにすべての企業がこうした対策を講じる必要があります。




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社内でパワハラを発生させないための対策

社内でパワハラを発生させないためには、どういった対策が必要なのでしょうか。
パワハラを発生させないための具体的な対策としては、以下の4つが挙げられます。


  • 法律で禁止されていることを徹底周知
  • 社員全員にパワハラ研修を実施
  • 相談窓口の設置
  • 役職者に研修を実施する


ここからは、パワハラを発生させないために実施できる対策を解説します。


法律で禁止されていることを徹底周知

パワハラを発生させないためには、パワハラの防止が法律で義務化されていることを徹底的に周知することが大切です。
パワハラ防止のための対策は法律ですべての企業に対して義務化されています。しかし、意外とこうした法律が存在することを知らない人も多いです。
法律で決まっているということは、パワハラを発生させないための抑止力にもなります。社内周知を通じて、企業としてパワハラ撲滅に本気で取り組んでいるという姿勢を見せることが大切です。


社員全員にパワハラ研修を実施

社員全員にパワハラ研修を実施することも、パワハラを効果的に防止するための方法です。
パワハラは、いつ誰が被害者・加害者になってもおかしくありません。実際、「知らぬ間にパワハラをしてしまっていた」という人は多いです。どのような行為がパワハラに該当するのかなどを、研修で学んでもらうことがよいでしょう。
また、パワハラを受けた場合の対応を学んでもらうことも有効です。被害者としての対応を事前に学んでもらえば、パワハラの被害が大きくなる前に相談できるようになります。

ハラスメント研修の具体的な内容は、以下のページで詳しく解説しています。
【事例あり】ハラスメント研修とは?目的や内容を解説


相談窓口の設置

パワハラを防止するためには、相談窓口を設置することも有効です。
ハラスメントは、身近な人に相談しづらい場合も多いです。特にハラスメントをしてくる相手が直属の上司だった場合、同じ部署内で相談できる相手がいない可能性もあります。社内にハラスメントを受けた際の相談窓口を設置して、社員が周りの目を気にせず相談できる環境を作りましょう。
また、相談窓口を設置する際には、性別に関係なく相談できるよう男女の相談員を配置することも有効です。パワハラ行為を早い段階から相談できるようにしておけば、被害を最小限に抑えることができます。



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役職者に研修を実施する

役職者を対象とした研修を実施することも、パワハラを効果的に防ぐための方法です。
部署を管轄する役職者に対して研修を実施して、パワハラに対する理解を深めてもらいましょう。特にベテラン社員の中には、まだ昔の感覚を持っており、パワハラに対する意識が低い人がいる可能性があります。研修を通じて、パワハラに対する意識改善を図りましょう。コーチングなどの正しい指導方法を学んでもらうのも有効です。

管理職向けのハラスメント研修のポイントは、以下のページで詳しく解説しています。
管理職向けハラスメント研修の目的と内容、効果的に行うポイントを解説


パワハラ対策研修ならアルーにお任せください。

パワハラの対策研修なら、ぜひアルーへお任せください
人材育成を専門としているアルーでは、パワハラ防止に役立つ研修を数多くご用意しております。役職者を対象としたパワハラ研修はもちろん、パワハラに対する理解を深める全社員向けの研修プログラムも実施可能です。
パワハラ対策は全企業で義務化されています。ぜひアルーのパワハラ研修を活用して、パワハラが起こらない環境を整えていきましょう。


アルーのハラスメント研修事例

アルーの実施しているハラスメント研修は、演習と実践を交互に重ねることで、自分のコミュニケーションスタイルを客観視して、意識変容を促すことが特長です。

アルーの管理職向けハラスメント研修の事例

講義パートでは、「ハラスメントとは何か?」「企業を取り巻く環境の変化」といったテーマで講義を行い、ハラスメントの概要や事例について理解を深めます。その後、ハラスメントを防止するためのアクションプランを策定し、現場でハラスメントを防止する具体策を考えてもらうという流れです。実践期間ではアクションプランを実践し、フォローアップ研修で振り返りと行き詰まりの解消を図ります。
ハラスメントに関する知識が身につくのはもちろん、意識改革まで効果的に実施することが可能です。


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まとめ

パワハラと指導の違いについて、適切な指導のポイントやパワハラの具体事例などを交えながら解説しました。
パワハラを起こさないような職場を作るためには、まず全社員が「何がパワハラなのか?」を正しく理解することが大切です。パワハラの定義や具体例などを学んだ上で、パワハラに該当しないような指導の方法などを身につけてもらいましょう。その際には、研修を通じた意識改革を行うことも重要です。
ぜひこの記事をきっかけにパワハラへの理解を深め、パワハラが起こらない職場環境を整えていきましょう。

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アルー株式会社
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20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
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