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管理職の昇格試験とは?目的や試験の方法、注意点について

管理職の昇格試験は、優秀な管理職を採用するために必要不可欠なプロセスです。一言で管理職試験と言っても、筆記試験や面接、プレゼンなど多種多様な評価方法が存在します。社員を公平に評価できる効果的な昇格試験を実施するためには、何に気をつければよいのでしょうか。管理職試験を実施する目的やその種類、管理職試験を実施する上で気をつけたいポイントなどについて詳しく解説します。


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目次[非表示]

  1. 1.管理職の昇格試験とは
  2. 2.管理職の昇格試験の目的
  3. 3.管理職試験の内容
  4. 4.適性検査
  5. 5.筆記試験
  6. 6.語学力
  7. 7.小論文
  8. 8.面接
  9. 9.プレゼン
  10. 10.管理職の試験実施のために大切なポイント
  11. 11.人材育成プログラムならアルー株式会社にお任せください



管理職の昇格試験とは

昇格試験とは、人材が昇格に値するかどうかを見極めるために行われる試験のことを指します。一言で昇格試験といっても、適性検査や筆記試験、小論文やプレゼンなど、その種類は多種多様です。

中には自社独自の選定基準を設けた試験が行われることもありますが、一般的に適性検査は外部の研修機関が用意したテストを用いて行われます。日々の業務や独自の試験で行うと、客観的な判断が困難で、昇格の公平性に不満を感じさせてしまうことが懸念されます。



昇格と昇進の違い

昇格とよく似た言葉として、「昇進」があります。ほとんど同じような意味を持つ両者ですが、実は2つの間には微妙な意味の差が存在します。

まず、「昇格」は一般的に、等級が上がることを指します。社内でグレード制などが設定されている場合にそのグレードが上昇すれば、それは昇格です。

一方、「昇進」は役職が上がることを指します。例えば「主任に抜擢される」など、役職の変化が伴う場合は昇進です。


管理職の昇格試験の目的

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多くの会社では、管理職になるために面接や筆記試験といった管理職試験で高評価を得る必要があります。また、人事部や管理職などの昇進・昇格試験を行う担当者も、正しく試験の目的を意識しなければ、形式のみの試験となってしまいます。

では、管理職への昇進・昇格を正しく判断するために必要なことはなんでしょうか。

昇格試験を実施する目的や、昇格試験を実施する理由について詳しく見ていきます。


適性の見極め

昇格試験を実施する最大の目的は、適性の見極めです。管理職になるためには、プレイヤーとして優秀なだけではなく、マネジメント能力に長けていることや、メンバーを取りまとめられるリーダーシップがあることが重要です。管理職になる前にこれらの能力が身についているかを審査することで、本当に管理職になるべき人材を見極めることができます。適正のある人材が管理職に就任できるようにするためには、管理職試験は必要不可欠な仕組みです。


公平性を保つ

管理職試験を実施する2つめの目的として、公平性を保つという点が挙げられます。普段の仕事を評価するのは、主に直属の上司です。しかし、客観的な意見を持てなかったり、誰に配属されるかによって同じ能力でも評価に差が生まれてしまうことは少なくありません。このような不平等さを取り除き、出来る限り社員全員が公平に評価されるよう、管理職試験を行う必要があります。

また、試験官が丁寧なフィードバックをしたり、社員の意見を真摯に聞く姿勢を見せたりすることで、公平な会社であるという印象が社員には残ります。

平等に評価されることは、社員のモチベーション維持のためにも重要です。



成長機会を与える

管理職試験を実施する目的として、成長機会を与える、というのも重要な観点です。管理職試験では、例えば「TOEICで700点以上」など語学試験での一定の点数を求めることがあります。また、「プレゼンで10分間、業績と今後の展望を話す」など、これまでのキャリアを振り返る機会を与える場合もあります。このように、管理職試験のタイミングを通じて、社員それぞれに自分のキャリアを振り返らせ、成長させることができます。会社で活躍する中での一つの節目として、成長機会を与えるという側面も重要です。

管理職試験の基準にTOEICなどがある場合は、自己啓発支援などでTOEICのスコアを上げるためのプログラムを用意したり、プレゼンがある場合は、公募研修にプレゼンテーション研修やE-Learningプログラムを用意することで、社員が自律的に学ぶ機会を作ることで一人ひとりが成長していくことができます。



管理職試験の内容

管理職試験の種類と内容を、以下の表でまとめました。

種類
内容
適性検査
管理職としての適性があるかどうかを確かめます。
筆記試験

管理職となるために必要な知識が身についているか、筆記試験で確かめます。

語学試験
英語力を始めとした語学力があるかどうかを確かめます。
小論文
コンプライアンスやリーダーシップなどを、小論文で評価します。
面接
管理職になるにあたっての心構えや適性などを面接で評価します。
プレゼン
経歴や実績、管理職になったあとの展望などをプレゼン形式で発表し、
評価します。

管理職試験の内容は上の表にあるように、主に7種類あります。どれか1つだけということもあれば、「語学試験と面接」「筆記試験、面接とプレゼン」といったように、2〜3個程度の試験を組み合わせることもあります。

それぞれの詳細を解説していきます。



適性検査

管理職試験では、適性検査がよく実施されます。適性検査は、「本当にこの人材を管理職に登用しても良いのか」という点を確かめることが目的です。能力適性検査や性格適性検査、指向適性検査といった様々なタイプがありますが、いずれも受験者の性格から管理職への適性を評価する点は変わりません。適性検査について種類別に見ていきましょう。


能力適性検査

能力適性検査は、受験者の基本的な思考力や学力を問うタイプの試験です。新卒採用や転職の際に実施されるものとあまり変わりはありません。

能力適性検査には、主に国語力を測る言語分野と、算数的な思考能力を測る非言語分野があります。どちらも丸暗記では対応しきれない、思考力を問うタイプの出題が多いため、候補者が柔軟な思考能力を持っているかどうかを評価することが可能です。


性格適性検査

性格適性検査は、主に受験者の人柄や性格をチェックするための試験です。学力は一切関係ないため、能力適性検査とは違って候補者側は対策などを行うことはできません。

あくまでも一時的な試験による検査結果に過ぎないため結果を過度に信用するのは禁物ですが、管理職へ採用されるために必要な項目の評価が著しく低い、となると管理職への登用を見直す必要があるかもしれません。マネジメントスキルやリーダーシップといった項目は重視される傾向があります。


指向適性検査

指向適性検査はあまり聞きなれない方もいらっしゃるかもしれませんが、性格適性検査とあわせて実施されることの多い適性検査の一種です。性格適性検査が主にパーソナリティに着目していたのに対し、指向適性検査は主に個人の好き嫌いに着目した評価を行います。

「どの職務に従事したいか」「どのような仕事が苦手か」など、様々な分野の職業や職務に対する好みを判断できるのが特徴です。




筆記試験

筆記試験も、適性検査と並んで管理職試験においてメジャーな選考方法の一つです。実施される分野は様々ですが、最も多いのは一般常識に関する出題です。その他、企業によっては国語力や英語力に関する基礎知識を問う問題や、管理職として働く上で必要な社内の一般常識に関する出題などがあります。


筆記試験の出題テーマ:一般常識問題

一般常識問題で最もよく出題される内容は、時事にまつわる問題です。企業によって出題の傾向は異なりますが、例えば貿易業界では米中貿易摩擦について、鉄道業界では環境問題について、など、自社が関連する領域にあわせた出題が多いのが特徴です。さらには、「コンプライアンスとはなにか」「働き方改革の具体的な内容は」といった、より一般的な内容が出題されたというケースもあります。



筆記試験の出題テーマ:国語・英語に関する問題

筆記試験においては、国語力や英語力を問う出題も多いです。例えば、日本語の小説の一節から作者の意図を推測する問題や、英語の雑誌記事から書かれている内容を把握する問題などがあります。また、国語に関する問題では漢字や四字熟語などに関する出題も多いです。国語・英語に関する問題の筆記試験によって、社員の一般常識や情報伝達能力をテストすることができます。


筆記試験の出題テーマ:社内の一般常識

企業によっては、筆記試験において社内の一般常識を出題する、というケースもあります。具体的な例としては、「自社が掲げている経営理念はなにか」「創業者の名前」「今後の経営方針について」などについての出題が多いです。特に、経営方針を穴埋め形式で出題する企業が多く、昇格試験を機に自社の経営理念や社史などについての理解を深めさせることができるというメリットがあります。



語学力

昇格にあたって、語学力を基準にする企業も少なくありません。具体的な数値基準は企業によってまちまちですが、例えばTOEICであれば500点〜700点程度を要求されるケースが多いです。また、部署によっては英語だけではなく中国語やドイツ語といった第二外国語のスコアを必要とされるケースもあります。管理職の業務内容と照らし合わせながら、必要なスコアを設定しましょう。



小論文

小論文では、管理職になるにあたって必要な論理的思考能力や課題発見力があるかどうかを見極められます。管理職として必要な知識が十分に身についているかを総合的に確認すると同時に、読んだ相手を納得させることのできる説得力が必要なのも小論文の特色です。小論文のテーマは多岐にわたりますが、管理職試験での小論文の出題テーマは以下に紹介するように、主に3つあります。


小論文のテーマ:コンプライアンスについて

管理職試験における小論文でよくあるテーマの一つに、コンプライアンスに関するものがあります。「コンプライアンスについて論ぜよ」などとざっくりとしたテーマを設定することもあれば、「社内でセクシャルハラスメントが発生した際に求められる対応はなにか」といったように、具体的なケースを想定した内容を出題することもあります。


小論文のテーマ:リーダーシップについて

「リーダーシップについて思うところを述べよ」というように、管理職になるにあたって必要なリーダーシップについて論述するという出題も多いです。リーダーシップに関する出題では、「〇〇人の部署を月間○円の目標達成に導いた」など、社員それぞれの具体的な経験や実力を知る機会にもなります。管理職試験においては効果的なテーマです。


小論文のテーマ:マネジメントについて

「マネジメントをする上で大切なことを3点、論じなさい」というように、マネジメントについての論述を求めるケースも多いです。マネジメント能力は、リーダーシップと同様、管理職に必須である重要な能力といえます。マネジメント層の具体的な仕事内容について論じてもらうのも、管理職として働く実感があるかどうかが把握できる良い題材です。



面接

管理職試験の一環として、多くの企業で面接が実施されます。面接は、管理職になることに対する熱意や管理職としての適性などを総合的に判断する重要な選考の一つです。ここでの受け答えや評価は最終的な管理職採用の判断における重要なポイントとなるため、面接を実施する側は簡潔かつ充実した内容を質問できるよう準備しておきましょう。


管理職への昇格試験でよくある質問

管理職への昇格試験でよくある質問として、まず「部下を育成することに自信はあるか」というものが挙げられます。管理職はチームのリーダーとして、部下の育成に力を入れ、成果を上げる必要があるためです。この質問はマネジメント力などと絡めて聞くケースが多くなっています。


また、「決断力や判断力はあるか」という点もよく触れられます。管理職は組織としての意思決定権を握っているため、難しい判断を迫られることも少なくありません。そのような場合でもしっかりと決断を下し、責任をもって結果を追うことができる、判断力の高さが身についているかを確かめましょう。



プレゼン

管理職に適任かどうかを判断するため、これまでのキャリアや今後の展望などについてのプレゼンをさせる試験も実施されています。プレゼンと聞くと緊張してしまう社員がいるかもしれませんが、管理職になるにあたっては避けて通れない道です。プレゼンの場合は期限に余裕をもってテーマを通知して、候補者が十分に準備できるように配慮しましょう。


プレゼンのテーマ:自身の経歴と実績

プレゼンのテーマとしてよくあるのが、「自身の経歴と実績について」です。管理職になるにあたっては、やはり現在の仕事に対する取り組みや実績が重要です。組織の意思決定を行う人材として十分な実績やキャリアがあるかどうか、そしてそれを正しく自己アピールできるかを確認することができます。


プレゼンのテーマ:管理職になった際の展望

管理職試験におけるプレゼン課題では、「管理職になったあとの展望について」もよくあるテーマです。管理職になったあとは、組織を牽引していくポジションとして様々なマネジメント業務をこなす必要があります。実際に自身が管理職になった後に何ができるのか、どのように企業に貢献できるのかを具体的に説明してもらいましょう。現実的かつチャレンジ精神が感じられる内容をわかりやすくプレゼンできる人物なら管理職に適任と言えます。


プレゼンのテーマ:業務の課題や対応策

プレゼンのテーマとして、「実際の業務で抱えている課題やその対応策について」を与えることもあります。例えば、「営業部では月の売上目標に100万円足りないが、どう解決すれば良いと思うか」といったテーマです。実際の問題に対するアプローチを聞くことで、候補者の実力を直接把握することができます。



管理職の試験実施のために大切なポイント

面接を受ける人

管理職に適した人材かどうかを判断するための試験には、様々なタイプがあることがわかりました。しかし、闇雲に管理職試験を実施しても、公平な評価には繋がりません。本当に効果がある管理職試験を実施するためには何が必要なのでしょうか。管理職試験を実施するにあたって気をつけておきたいポイントを4つ紹介します。


多角的な視点で評価する

管理職試験を実施する上で気をつけたいポイントの1つに、多角的な視点で候補者を評価する、ということが挙げられます。候補者は、管理職試験にあわせた様々な対策を行います。時には筆記試験で実力以上の結果が出たり、逆に緊張しすぎてプレゼンが失敗したりしてしまう、ということもよくあるものです。一つの試験の結果に縛られすぎず、多角的な観点から候補者を評価するように工夫しましょう。


試験に落ちた社員にも丁寧にフィードバックする

試験を実施するからには、試験に落ちてしまう候補者が必ず出てしまいます。管理職試験に落ちてしまうことは、仕事に対するモチベーションの低下にも繋がりかねません。試験に落ちてしまった社員には、次回の試験までにさらに成長してもらい、また管理職試験に挑戦してもらいたいものです。「せっかく対策したのに落ちてしまった」と社員が気に病んでしまうことがないよう、試験に落ちた社員にも評価の結果や改善点などを丁寧にフィードバックするように心がけましょう


公平な評価ができるよう評価内容を透明化する

社内のみで実施される管理職試験は、評価基準や評価のプロセスがブラックボックス化してしまいがちです。どのような仕組みで管理職登用が決定しているのかわからないと、選考の公平感が失われてしまい、社員のモチベーションの低下を招いてしまいます。公平な評価を実施するため、ルーブリック(評価基準を表として示したもの)を導入するなど、評価内容を透明化する工夫が必要です。評価基準を明確化して、管理職だけではなく社内全体に周知することも効果的な対策といえるでしょう。


評価に主観が入りすぎないようにする

候補者を評価するのも人間なので、往々にして評価者の主観が選考結果に影響してしまうことがあります。しかし、選考の際に情が入りすぎたり、評価者によって基準が違ったりすると、試験の信用性が低下してしまいかねません。評価に主観が入りすぎないよう、評価者を項目ごとに統一する、必ず複数人で評価する、といった対策を行う必要があります



人材育成プログラムならアルー株式会社にお任せください

管理職試験を実施するためには、適切に候補者を評価できる人材が必要です。また、優秀な次世代の管理職を育成するためには、全社を上げて教育の実施に力を入れる必要があります。

ですが、自社のみで管理職試験を行ったり、評価基準があいまいなまま進めてしまうと、公平性を保てない、試験に合格したのに管理職として活躍できない人材を選定してしまうなどの問題もあります。

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▼アルーの管理職研修について詳しくはこちらのページをご確認ください。

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