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人材アセスメントとは?手法や活用するメリット、導入手順を解説

企業が競争力を持続するためには、優秀な人材の確保と育成が欠かせません。しかし、社員の能力や資質、強み、課題を適切に評価することは容易ではないでしょう。
そこで注目されているのが「人材アセスメント」です。
人材アセスメントとは、社員一人ひとりを客観的に評価するためのツールを活用し、人材育成や人材開発に役立てることを指します。
人材アセスメントの最大の特徴は「客観性」が担保されている点にあります。従来の主観的な評価とは異なり、科学的な根拠に基づく手法を用いることで、定量的かつ多面的に人材を見極めることが可能です。
本記事では、人材アセスメントが注目される背景や4つの主な手法、導入するメリットや手順、活用する際の注意点など、網羅的に解説しています。
人材アセスメントの導入を検討している企業担当者様は、ぜひ参考にしてください。


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目次[非表示]

  1. 1.人材アセスメントとは、客観的に人材を評価するツールのこと
  2. 2.人材アセスメントが注目される背景
  3. 3.人材アセスメントの主な4つの手法
  4. 4.人材アセスメント導入のメリット
  5. 5.人材アセスメントの主な指標
  6. 6.人材アセスメントを導入する5ステップ
  7. 7.人材アセスメント活用の注意点
  8. 8.アセスメント活用はアルーにお任せください


人材アセスメントとは、客観的に人材を評価するツールのこと

人材アセスメントとは、社員の能力や適性、資質などを客観的な指標で評価するツールを活用し、人材育成に役立てていくことを指します。
従来の人事評価は上司による主観的な評価が中心でした。しかし、人材アセスメントでは適性検査や性格検査、ワークサンプルテストなどの客観的な手法を用いることで、公平性の高い評価が可能です。
また、近年は人材の多様性が重視される中、年齢や性別、国籍などに左右されない公平な人事評価が求められています。人材アセスメントは、そういった公平性の高い人材評価を実現する有力な手段として注目されているのです。
「Assessment」には評価や査定という意味があり、評価する対象が何かによって、環境アセスメント、人材アセスメントのように使われます。
人材アセスメントは、第三者機関が提供しているツールなどを使用し、個々のスキルや能力が数値で示されるため、客観性が強く納得感を伴う結果が得られるのです。


従来の評価方法との違いは「客観性」

従来の人事評価は主に上司による主観的な評価が中心で、以下のような懸念がありました。


  • 評価者の無意識の偏りにより公平性に欠ける点
  • 「現在の職務」において発揮されるスキル・能力に限定されてしまう点


一方、人材アセスメントでは、事前に設定された評価項目に基づいて評価が行われます。評価項目は仕事で求められる能力や行動特性をもとに策定されているため、評価者に関わらず一定の基準で公平に評価できるのです。
また、明確な評価項目があるため被評価者の納得性も高まります。つまり、従来の評価方法との大きな違いは「客観性」にあると言えるでしょう。

人材アセスメントの人材育成への活用方法



人材アセスメントが注目される背景

次に、人材アセスメントが注目される背景を解説します。


  • 年功序列から成果主義への移行
  • ”個”の重視や、多様性への適応
  • 人材不足によるマネジメント難易度の上昇
  • リモートワークの拡大で人事評価に課題


以下の項目で確認していきましょう。


年功序列から成果主義への移行

従来の日本企業は、年功序列制度が一般的でした。年功序列とは、年齢や勤続年数に応じて昇進・昇格が決まる制度です。
近年、やりがいを求めた転職や、成果主義によるジョブ型雇用が一般的になってきたことで終身雇用が崩壊し、併せて年功序列制度も機能しなくなってきています。そのため、成果主義への移行が進んでいるのです。
成果主義とは、個人の業績や能力に応じて公平・公正に評価・処遇する人事制度です。年功序列とは異なり、年齢や経験年数ではなく、個人の実力を最重視するのが特徴です。個人の実績や能力に基づいて昇進・昇格や報酬を決定し、優秀な人材には厚く報いる一方で、実力不足の人材には低い評価をつけることになります。
成果主義では個人の「実力」を客観的に評価するしくみが必要不可欠です。企業は、実力主義による公平・公正な人事を実現するため、社員一人ひとりの能力を正確に把握し、適材適所で活躍できる環境を整備することが求められています。人材アセスメントは、そうした人材マネジメントの基盤として企業に広く導入されつつあります。


”個”の重視や、多様性への適応

近年では、ダイバーシティが重視される中、社員一人ひとりの個性や強みを最大限に活かすことが求められています。人材アセスメントでは、行動特性、価値観、適性などの個人の特徴を客観的に把握できるため、社員の多様性に適応したマネジメントが可能です。
個人の特性を可視化することで、適材適所の人員配置や、一人ひとりに合わせた育成計画の立案が容易になります。また、個人の強みを最大限発揮できる環境を整備すれば、モチベーションの向上やイノベーションの創出にもつながるでしょう。
グローバル化や女性活躍推進が進み、社員の多様化が進む中、画一的な評価や人材活用では通用しなくなっています。社員一人ひとりの適性やスキルを最大限活用することが不可欠となり、人材アセスメントの役割がますます重要視されているのです。


人材不足によるマネジメント難易度の上昇

少子高齢化による労働人口の減少で、日本の労働市場における人材不足が深刻化しています。マネジメント層自体も不足しており、負担が大きくなっているため、丁寧かつ適切な評価が難しくなっているのが現状です。少子高齢化が進行する中、52.6%の企業が正社員の人手不足を感じているというデータもあります。人材不足により、採用面では経験豊富な人材を獲得するコストが上がり、人材育成面では質の高い教育が必要になってきます。
自社の優秀な人材の流出を防ぎ、少ない人材で高い成果を上げるためには、評価者の負担を減らしながら社員の適性を把握し、適切なマネジメントを行うことが大切です。

参考:総務省|令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少

正社員の人手不足は 52.6% 「2024 年問題」の建設/物流/医療業では約 7 割


人材アセスメントの人材育成への活用方法


リモートワークの拡大で人事評価に課題

新型コロナウイルス感染拡大により、リモートワークが急速に広まりました。その結果、従来通りの人事評価のやり方が通用しなくなってきています。
まず、上司が部下の業務状況を直接確認しづらくなりました。加えて、オフィスに出社しない分、自然なコミュニケーションが減少し、言語以外の非言語コミュニケーションも欠落しています。さらに、出社頻度の差などから評価の公平性が損なわれる恐れもあります。
特にリモートワーク中に入社した社員については、上司が部下の特性や強みを正確に把握しづらい状況です。従来の上司による評価方法では、日常のコミュニケーションが評価に大きな影響を与えるため、リモートワークでも評価できる方法が求められているのです。



人材アセスメントの主な4つの手法

次に、人材アセスメントの主な4つの手法を紹介します。


  • アセスメント研修
  • 適性検査
  • 多面評価(360度評価)
  • コンピテンシー診断


それぞれの特徴を理解し、自社に取り入れやすい手法で人材アセスメントを進めましょう。


アセスメント研修

アセスメント研修とは、特別な訓練を受けた専門家が実際の職務に似た状況を作り、対象者がどのような行動をするのかを観察し評価をする手法を指します。アセスメントを正しく実施するためには、評価者が公平性や客観性を持ち、適切な評価基準を理解している必要があります。対象者の実務的なスキルや職務に対する態度や思考などを見ることができる有効な手法です。
アセスメント研修は、グループディスカッションやゲーム、プレゼンテーションなどさまざまな形式で行われます。事前に会社側が目的や求める人材を提示した上で、専門家が判定項目を決めて評価します。


適性検査

適性検査は、個人の能力や適性を測定する代表的な評価手法です。主に知能検査や性格検査などが含まれます。知能検査は、言語力や論理力、数的処理力などさまざまな能力を評価します。一方、性格検査は、対人関係能力や課題解決力、リーダーシップなどの性格特性を評価します。適性検査は多角的に個人の適性を測ることができるため、人材アセスメントに有用な手法の一つです。
適性検査はテスト形式で、対象者の知的能力や性格特性、興味関心などを定量的に測定できます。また、個人の能力や性格が数値化されるため、どういう人物かを理解しやすくなるでしょう。適性検査は、採用をはじめ人材配置や昇給昇格などでも利用されています。


多面評価(360度評価)

多面評価(360度評価)は、上司や部下、同僚、顧客や取引先などの多角的な立場の人たちが対象者を評価する手法です。上司からだけでなく、さまざまな立場の人から評価を得ることで、対象者の強み・改善点を客観的に捉えられます。
人材育成やキャリア開発、適切な配置転換など、さまざまな場面で活用されています。対象者と密接に関わる人たちから評価を受けるため、対象者自身も納得しやすく、社員の成長や人材育成に寄与できるのです。個々の主観によるバイアスを排除し、総合的な評価が可能になるメリットがあります。


コンピテンシー診断

コンピテンシー診断とは、個人が持つ能力や資質、行動特性などを評価・測定する手法です。コンピテンシーとは「ハイパフォーマーに共通する行動特性」のことを指します。企業が求める人材像に照らし合わせ、社員一人ひとりの強みや課題を把握することができます。
診断方法は主に行動観察法、面接法、質問紙法の3つがあり、これらを組み合わせて実施することでより精度の高い診断が可能です。診断結果を活かして、適切な配置や育成を行うことで、個人と組織の活性化を図ることができるでしょう。

また、近年ではオンラインで受検できるコンピテンシー診断ツールも普及しており、受検者の行動特性や思考特性を客観的に評価できる手段としても注目されています。

コンピテンシーについて、詳しくは以下のページで解説しています。

コンピテンシーとは?人材育成のプロがおすすめする具体例や使い方

人材アセスメントの人材育成への活用方法


人材アセスメント導入のメリット

次に、人材アセスメントを導入するメリットを解説します。


  • 採用時のミスマッチ防止
  • 適材適所の実現
  • 一人ひとりに適した育成プランの実施
  • 定着率の向上
  • 適切な管理職の選任
  • 新たな強みの発見


それぞれ確認していきましょう。


採用時のミスマッチ防止

人材アセスメントを導入することで、採用時のミスマッチを防ぐことができます。ミスマッチとは、求人と求職者の間で期待値とのギャップが生じていることを指します。例えば、必要なスキルを持っていない、採用時に求められた業務内容と異なる、勤務地や労働条件が合わない、企業の方針や理念と合わないなど、さまざまなパターンがあります。
このようなミスマッチが生じると、入社後に実力を発揮してもらえません。モチベーションの低下や早期の離職につながる可能性があるため注意が必要です。
企業が採用時に行う一般的な面接だけでは、自社にマッチした人材かを見極めるのが難しいです。しかし、採用プロセスに人材アセスメントを取り入れることで、面接だけではわからない候補者の行動特性を可視化できるでしょう。試験や検査を用いてあらかじめ応募者のスキルや潜在能力を把握しておけば、ミスマッチを減らすことができるのです。


適材適所の実現

人材アセスメントを活用することで、社員一人ひとりの長所や適性を客観的に把握することが可能です。そのため、適性に合わない業務を与えることなく、強みを最大限に発揮できるポジションに人材を配置することができます。
個人の特性に合わせて適切な役割を与えることで、社員一人ひとりが最大限の力を発揮できるようになるのです。その結果、業務効率と生産性の向上が期待できます。
人材アセスメントを実施することで、企業や本人も把握していなかった潜在的な性格や能力に気づける可能性が高まります。そうした情報を活かすことで、より適切な人事配置を行えるのです。


一人ひとりに適した育成プランの実施

社員の特性や強み、課題を把握することで、一人ひとりに合わせた育成プランの立案が可能です。人材アセスメントの結果を活用して、社員一人ひとりの強みや潜在能力を伸ばし、課題を克服するための研修や教育を行えば、効率的に能力開発を行えるでしょう。
また、人材に合わせた育成プランによって成長を実感できれば、会社への帰属意識ややりがいを生み、優秀な人材の流出防止にもつながります。社員の成長と会社の発展の両立を図れることも、人材アセスメントを活用するメリットの一つです。


定着率の向上

人材アセスメントを導入することで、社員一人ひとりの強みや適性、能力を客観的に把握できます。こうした情報を活かすことで、社員に合った適切な配置や育成を行えるようになり、結果的に定着率の向上につながります。
社員が離職すると、教育コストが無駄になったり、残された社員の業務負担が増えたりと、会社全体に悪影響を与えてしまいます。しかし、採用や人材配置のミスマッチを減らすことで、社員は仕事に満足感を感じ、離職を考える可能性が低くなります。
一方で、アセスメントの結果だけを重視しすぎると、本人の意欲を削いでしまう恐れがあります。定着率向上のためには、アセスメント結果を参考にしつつも、本人との面談を大切にし、キャリア形成の希望を十分に汲み取ることが重要です。


適切な管理職の選任

人材アセスメントは、管理職の選任においても大きな役割を果たします。優秀な管理職の選任は、組織の生産性向上や社員のモチベーション維持に直結する企業の重要な決定事項です。
しかし、従来の推薦選任方法だけでは、リーダーシップや問題解決力、コミュニケーション力、決断力、ストレス耐性など、管理職に求められる能力を備えた人材を見つけることが難しい場合があります。面接では本人のパフォーマンス力は判断しづらく、職歴や経験年数だけでは、管理職に必要な能力を測ることはできません。また、実務能力が高いからといって、管理職としての能力が高いとも限りません。
人材アセスメントでは、適性検査やコンピテンシー診断を活用することで、管理職に相応しい能力を客観的に評価できます。人材アセスメントによる評価基準があることで、適切な管理職の選任ができるようになるのです。


新たな強みの発見

社員一人ひとりの新たな強みを発見できることも、人材アセスメントを導入するメリットの一つです。なぜなら、第三者の客観的な視点を活用することで、本人も気づいていない新しい強みやスキルを発見できる可能性があるためです。
人材アセスメントで発見された強みを適切な業務に活用することで、社員の新たな可能性が開かれます。会社としても、人材のポテンシャルを最大限引き出せるメリットがあるでしょう。

人材アセスメントの人材育成への活用方法


人材アセスメントの主な指標

人材アセスメントで人材を評価するために使用する指標は、主に「業務スキル」「資質」「特性」の3つに大きく分けられます。
業務スキルは業務に関わる専門知識やスキルなどを、資質は対人対応力やリーダーシップ、創造性などの資質を、特性は言語力や論理力、動機づけなどの個人の特性を評価します。

3つの項目は細かく設定され、レベルや組み合わせによって人材の適性が判断されます。例えば営業職では対人対応力が、エンジニアでは専門知識が重視されるなど、職種によって重視される項目は異なるのです。そのため、適切な評価項目の選定が重要視されます。

また、最近では個人の可能性を見出すマルチポテンシャリティの評価も注目されており、さまざまな観点から人材を捉えることが求められていると言えるでしょう。

さらに、業種別や職種別の職業能力評価基準などの指標は、厚生労働省が公表している業種別や職種別の職業能力評価基準が参考になります。また、IT技術者向けにはIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が定義した「iコンピテンシー・ディクショナリ」といった基準もあるため、ぜひ自社の評価項目として参考にしてください。

参考:
職業能力評価基準|厚生労働省

iCDとは | iCDについて | iCDA

人材アセスメントの人材育成への活用方法


人材アセスメントを導入する5ステップ

次に、人材アセスメントを導入する5ステップを紹介します。以下の流れで取り入れていくことをおすすめします。


  • ステップ1:目的の明確化
  • ステップ2:評価項目の決定
  • ステップ3:利用するアセスメント手法の選定・決定
  • ステップ4:アセスメントの実施・分析
  • ステップ5:定期的な実施・測定項目の見直し


適切な順序で人材アセスメントを導入し、企業の発展へつなげていきましょう。


ステップ1:目的の明確化

人材アセスメントを導入する際、まず重要なのが目的の明確化です。人材アセスメントには採用、配置、育成、登用などさまざまな用途がありますが、その用途と目的を混同しないよう気をつけましょう。
例えば、「ミスマッチのない最適な人材採用」や「組織力の最大化のための適材適所」、「個々の強み弱みに基づく育成」、「優秀な管理職候補の選抜」など、具体的な目標を経営層と人事部門で共有し、明確にする必要があります。
目的が曖昧だと、評価項目の設定や結果の活用が適切に行えません。また、人材アセスメントの結果の取り扱いについて、対象者が不安を抱かないようにすることも大切です。組織と個人の双方にメリットがあることを対象者に丁寧に説明し、理解を得るように心がけましょう。
人材アセスメントの導入に至った背景を踏まえ、解決したい課題と実現したい結果を明確に意識させることが、目的設定の重要なポイントとなります。


ステップ2:評価項目の決定

次に、評価項目の決定を行います。評価項目は企業の経営方針や事業内容、求める人物像などを踏まえて設定しましょう。一般的な評価項目としては、以下のものが挙げられます。


  • 創造的思考力
  • 問題解決力
  • バイタリティ上下関係適性
  • ストレス要因
  • マネジメント資質
  • パーソナリティ
  • メンタルヘルスの状況
  • 専門的なスキルの有無


このように評価項目は多岐にわたりますが、あくまで評価の目的に合わせて絞り込む必要があります。また、組織の成長に合わせて定期的に評価項目を見直すことも重要です。
目的に合わせて適切な評価項目を設定することで、よりきめ細かい人材アセスメントが可能になるのです。ただし、評価項目が多くなりすぎると結果の活用が難しくなるため注意が必要です。


ステップ3:利用するアセスメント手法の選定・決定

次に、導入目的に合わせて最適なアセスメント手法を選定・決定します。上述したように、主な手法には、アセスメント研修、適性検査、多面評価(360度評価)、コンピテンシー診断の4つがあります。目的に合わせて、単独または複数の手法を組み合わせて活用しましょう。
手法の選定に際しては、対象者の職務内容や評価目的、実施体制なども考慮する必要があります。近年では、アセスメント手法を選定するサービスを提供している企業も多くあるため、コスト面も加味しながら委託することも一つの手段です。


ステップ4:アセスメントの実施・分析

アセスメントツールを選定し、評価項目を決めたら実際にアセスメントを実施します。対象者にはアセスメントの目的や手順を事前に説明し、理解を促すことが重要です。
実施後は、結果を分析し、一人ひとりのレポートを作成します。レポートには強みや課題、育成のポイントなどを明記し、フィードバックを行いましょう。
結果を属性ごとに分析することで、組織の特徴や個々の人材の特性を把握することができます。アセスメントにより明らかになった現状と、理想の差異を埋めるために、全社や部門の課題を設定して次なる取り組みを行いましょう。評価者にも結果の見方や活用法を研修するなど、適切な運用が求められます。


ステップ5:定期的な実施・測定項目の見直し

人材アセスメントは一過性のものではありません。企業を取り巻く環境や社員の特性は常に変化しているため、定期的な実施と測定項目の見直しが不可欠です。
例えば、年1回の全社員アセスメントを行うことで個々の強みや課題を把握し、育成計画の立案や適切な配置に役立てることができます。また、半期に1回は評価項目そのものを見直し、会社の方針や社員のニーズに合わせた調整を行いましょう。
このように、アセスメントの実施とPDCAサイクルを継続的に回すことで、人材育成の質が高まり、企業の成長へとつながります。個人の能力やスキルなどは、育成効果が出るまでに時間がかかる場合もあるので、定期的にアセスメントを実施しモニタリングを行いましょう。

人材アセスメントの人材育成への活用方法


人材アセスメント活用の注意点

最後に、人材アセスメントを活用する際の注意点を解説します。


  • 評価のためだけに用いない
  • 質の高いアセスメントツールを活用する
  • 対象者に使用用途を説明する
  • 実施後のフィードバックを確実に行う


注意点を事前に把握し、適切に活用していきましょう。以下の項目で一つひとつ解説していきます。


評価のためだけに用いない

人材アセスメントは、評価のためだけに用いないようにしましょう。
人材アセスメントは、社員一人ひとりの成長を後押しするためのツールです。単なる評価にとどまらず、個々人の強みや課題を発見し、適切な育成につなげることが本来の目的です。評価のみを目的として導入すると、社員のモチベーション低下や優秀な人材の流出リスクなどのデメリットが生じる可能性があります。
そのため、人材アセスメントは「評価」と「育成」を両立する形で活用することが重要です。現状の強み・課題を把握し、適性判断や公平な評価を行いつつ、同時に研修やOJT、キャリア開発支援、モチベーション向上などの育成面でも活用しましょう。
人材アセスメントは個人のすべてを測れるものではありません。そのため、評価結果を人事評価に直結させるのではなく、あくまでも判断材料の一つとして捉える必要があります。上手に活用することで、組織の発展と社員の成長を両立させられるのが人材アセスメントの強みと言えます。


質の高いアセスメントツールを活用する

人材アセスメントの本来の目的を果たすには、質の高いツールを選ぶことが重要です。低品質なツールでは適切な評価ができず、むしろデメリットが生じかねません。正しい結果を活用するためには、アセスメントの科学性やアセスメント担当者の能力が重要と言えます。
質の高いアセスメントツールかどうかを判断する基準としては、評価基準が明確か、専門のアセスメント担当者が訓練されているかなどが挙げられます。
また、アセスメントの目的に合致したツールか、人材の能力や特性を深く理解するための構造があるか、実施が容易か、効率性が高いかなどのツールの特性も重視すべきです。
質の高いアセスメントツールを活用することで、評価の公平性が保たれ、対象者の納得性が高まります。評価基準が明確か、専門のアセスメント担当者が訓練されているかなどをチェックし、信頼できるサービスを選ぶことをおすすめします。


対象者に使用用途を説明する

人材アセスメントを実施する際は、対象者に対して事前に丁寧な説明を行う必要があります。
事前の丁寧な説明により、対象者の理解と協力を得ることができれば、アセスメントの精度や効果が高まります。対象者が「アセスメントは自身の能力を評価するもの」と捉えてしまうと、必要以上に緊張し、本来の姿やスキルが見られなくなってしまう場合があるため注意が必要です。また、「適性評価」であることや導入する目的、アセスメントを実施したことが社員にどう還元されるのかなどを事前に説明し理解を得ておく必要があるでしょう。


実施後のフィードバックを確実に行う

人材アセスメントの実施後は、必ず被評価者へのフィードバックを行いましょう。フィードバックを通じて、評価項目への気づき、強みと改善点の自覚、モチベーションの維持・向上につながります。フィードバックは、単に評価結果を伝えるだけでなく、今後の行動や新たな目標につなげる機会として認識してもらうことが重要です。
具体的な事例を挙げたり、建設的な改善点を示したり、強みを伸ばす方法を提案したりと、丁寧なフィードバックを心がけましょう。
一方、一般論に終始したり、否定的な言い回しが多かったり、結果のみを伝えるようなやり方は、適切なフィードバックとは言えません。フィードバックする側の上司や人事担当者には、客観的な評価ができるはずのアセスメントの結果を「良い」「悪い」といった主観で伝えないよう、管理職の評価スキルを向上させておくことも重要です。

人材アセスメントの人材育成への活用方法


アセスメント活用はアルーにお任せください

人材アセスメントを活用することで、評価する側の思い込みを排除し、第三者の視点から人材を評価できるため、採用や育成、配置・異動の検討、管理職の任命などに根拠を見つけやすくなるメリットがあります。
アルーでは、次のような人材育成に役立つアセスメントをご用意しています。


  • 育成進捗・課題の可視化を叶える「Compath
  • アセスメント付きビジネス英語「ALUGO
  • 異文化対応力アセスメント「ALPath_global」


それぞれ、以下からサービス資料をダウンロードいただけます。

▼育成進捗・課題の可視化を叶える「Compath」

  『compathのご紹介』資料ダウンロード 行動変容にこだわる職場学習支援システムのご紹介資料です。 アルー株式会社

▼アセスメント付きビジネス英語「ALUGO」

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▼異文化対応力アセスメント「ALPath_global」

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人材アセスメントの人材育成への活用方法

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アルー株式会社
20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
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