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研修企画の考え方や流れを徹底解説!「やるだけ」の研修は卒業しよう

業界や業種を問わず、多くの企業で行われている社員研修。人事部や組織開発部門が主体となって行うことが多い研修ですが、「どのように企画を行えば良いかわからない」「効果のある研修をするにはどのような企画が良いか知りたい」という人事担当者の方は多いのではないでしょうか。

効果的な研修を実施するためには、研修前に行う研修企画が必要不可欠です。研修企画の際に頭に入れておきたい考え方や、研修企画の流れを徹底的に解説します。


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目次[非表示]

  1. 1.研修企画の必要性
  2. 2.研修企画の流れ
  3. 3.研修を企画・立案する際のポイント
  4. 4.研修に関するご相談はアルーへお気軽にご連絡ください
  5. 5.まとめ


研修企画の必要性

ここでは、研修を企画することの重要性・必要性についてご紹介します。


経営戦略と人材戦略は密接に連動している

世界のトップ企業では、経営トップが人材戦略に積極的に関与しています。例えば欧米ではトップが経営リーダーの育成に10%〜15%程度の時間を費やしており、中国のテンセントでは経営トップが事業戦略に応じた人材育成を検討する時間を10%ほど設けているといわれています。日系企業も例外ではなく、経営トップが部長クラスの社員に月1回の1on1ミーティングを実施しているところもあります。

研修企画が必要な理由として、経営戦略と人材戦略は密接に関連しているという点が挙げられます。定期的な人事戦略の見直しやKPIの再設定を通じて、経営方針と人事戦略のすり合わせを行うことが大切です。


限られた人材を活用する必要がある

最近では、少子高齢化の影響により新入社員の母数そのものが減ってきています。また、終身雇用が当たり前だった以前とは異なり、転職をする社員が増えているということも企業の人手不足の要因の1つです。

また、少子高齢化により社員を雇用するコストも上昇傾向にあります。

したがって、最近では「獲得した新入社員をいかに戦力化するか」「早期退職を防ぎ、いかに長く働いてもらうか」という点が極めて重要です。綿密な育成計画を立てた上で、会社の成長を後押しできるような人材育成に会社側が積極的に関与することが求められています。


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研修企画の流れ

研修企画の積み木

研修前に実施する研修企画は、研修の効果を最大限に引き出す上で必要不可欠なものです。それでは、いざ実際に研修企画を行う際は、どのような流れで実施するのがよいのでしょうか。

研修企画を行う際には、人材要件の策定からフォローアップ、効果測定まで、いくつかのステップが存在します。研修企画の流れについて、ステップごとに詳しく解説します。


人材要件を策定する

研修企画を行う際には、まず人材要件の定義を行います。人材要件の定義とは、各階層に必要な役割や能力を定義した上で、それに紐づく形で人材の育成方法や研修方法を策定することです。

人材要件を策定するためには、まず人事の抱えている全体的なミッションを把握しましょう。経営者へ人事部に対する要望などのヒアリングを行うとともに、現場に対しても現状のヒアリングを行うことが重要です。ヒアリングを通じて、内部資源と外部環境の把握を行います。

内部資源とは、人的リソースや経営資金など、安定した経営状態を維持する為に必要なリソース全体のことです。外部環境とは、法律や競合の存在、市場規模など、企業の活動に影響を与えうる要素のことです。

これらを把握しておくことによって、人材育成にかけられるコストや必要な人材のモデルなどが分かるため、人材要件の策定をスムーズに進めることができます。

その後、ヒアリングの結果を踏まえながら人材要件策定に向けた分析を行います。3C分析や顧客価値の明確化、バリューチェーン分析といった手法を用いながら、人材要件を多角的に考えていきましょう。


人材育成の全体像を策定する

人材要件の定義が終了したあとは、それに基づいて人材育成の全体像を策定します。経営者や現場に対するヒアリングの結果を活かしながら、まずは「人材要件を満たすための人材を育成するためには何が必要なのか?」ということを考えていきましょう。

人材育成を行うとなると、短期的な目標や限られた範囲内での目標にフォーカスしてしまいがちですが、この段階では俯瞰的な視点で考えることが重要です。「会社は今どのような方向に向かっていて、人材育成はそれに対してどのようなアプローチができるのか?」という点を、なるべく広い視野で考えるようにしましょう。


研修の対象者を選定する

研修の全体像が決まったら、いよいよ実際に研修に参加してもらう社員を選定する段階に入ります。自社の抱えている人材の課題を解決するためにはどの年代のどのような属性の社員にアプローチするのが効果的なのか、ということを考え抜きましょう。

一般的な日本企業の場合は、新卒採用と年功序列に基づき階層別教育を行う「人がやめない前提での設計」がメインです。一方で、最近では日本でも転職の敷居も低くなりつつあるため、中国の企業でよく用いられている「ミドル層にアプローチする」という方法も注目を浴びています。

ミドル層は若年層よりも転職する傾向が低く、マインドセットも柔軟なため、育成の投資回収がしやすいという理由で、中国の企業ではミドル層を中心に育成アプローチをする方法が用いられているのです。

自社の課題点や人材育成の目標を分析しながら、研修の対象者を選定し、どの層を中心に成長させたいかを検討することが重要です。


研修の目的と目標とする成果を設定する

効果的な研修を実施するためには、研修の目的と成果を事前に明確にしておくことが欠かせません。この段階では、研修を実施する目的や、研修を通じて目指してもらいたい成果を明確にしていきます。

研修の目的を考える際は、まず現在の状況の分析からスタートすることが鉄則です。例えば管理職を対象とした研修を実施する場合、「管理職としての経験はあるが、昔ながらの方法でマネジメントをしている」「部長が課長の目線で部下を管理している」といった本人が抱える課題点を洗い出します。明確化された課題点をもとに、「マネジメントについて体系的な知識を身につけてもらう」「会社全体の組織構造を理解したマネジメントを行ってもらう」といった目標を立てていきましょう。


プログラムを選定し、研修を実施する

研修の目的を明確化した後は、いよいよ研修プログラムを選定し、研修を実施する段階に入ります。研修方法としては、例えば以下のようなものが考えられます。


  • OJTを通して実務的な能力を磨いてもらう
  • 座学による研修で体系的な知識を伝授する
  • ディスカッションを行い、知識を共有したり、発展させる
  • eラーニングにより、知識の理解をしてもらう


実務に役立つ研修を実施するためには、理論だけで終了するのではなく、実践につなげるサポートまでを一貫して行うことが大切です。それぞれの研修方法にはメリットとデメリットが存在するため、研修したい内容に合わせて柔軟に研修形式を検討しましょう。


振り返り・フォローアップをする

せっかく役立つ研修を実施したとしても、研修を実施したままにしておいては効果が半減してしまいます。研修実施後には、必ず研修内容の振り返りを行いましょう。

よくある評価の測定方法として、「研修終了後に満足度を調査する」というものがありますが、研修の振り返りには事前の目的や研修終了時の状態に対してどの程度達成できたのかを把握することが重要です。

定量評価はアンケートで「業務に活かせるイメージがわいたか」「研修の有益度」などを確認し、定性評価は受講生のコメントや講師の所感などで把握しましょう。

また、フォローアップ研修を行うことも効果的です。実践を踏まえたアクションプランの見直しや、アクションプラン実践へのコミットメントの高まりがフォローアップ研修の効果として大きいため、ぜひ検討しましょう。

アルーの研修サービスを利用すると、研修後のフォローアップ研修も併せて実施できます。中でもよく実施いただく新入社員向けのフォローアップ研修については、以下のページをご確認ください。

新人フォローアップ研修


検証・改善をする

研修実施後には、研修によって得られた効果の検証と改善を実施します。研修実施を通じて分かった研修の良い点や課題点を次の研修実施に活かすことで、研修の質を継続的に改善していくことが可能です。

研修効果の検証には、例えば「研修実施後3ヶ月後にアンケートを実施する」「研修修了直後にミニテストを実施する」といったものが考えられます。本当に研修内容が実務に活きたのかどうかを知るためには、研修の実施から時間が経った後でもう一度ヒアリングすることが重要です。測定された効果をもとに研修内容や研修実施方法などを適宜調整し、より質の高い研修へとつなげていきましょう。


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研修を企画・立案する際のポイント

研修の企画立案image

研修を企画する際の流れについて解説してきました。繰り返し述べているように、研修実施前に研修の内容を企画することは、研修の効果を高める上で極めて重要です。

研修を企画・立案する際には、気をつけておきたいいくつかのポイントが存在します。研修企画の際の考え方や注意点を中心に解説します。


職場での実践につなげるサポートが大切

研修実施後の満足度調査のみを振り返りの指標にしてしまうと、「研修を受けたこと」「知識をつけたこと」「楽しい研修が受けられたこと」が重要視されてしまい、実際に知識やスキルを実践につなげられていない、ということが起きてしまいがちです。

研修は、ただ単に知識を伝えればよいというものではありません。実際のビジネスの現場で役に立つ研修を行うためには、「研修内容をどう実践につなげるか」という点まで踏み込んで教えることが大切です。

具体的には、


  • 学びのリマインドを行う
  • 実践状況を報告し、フィードバックをもらう仕組みの導入
  • 何のために振り返りを実施するのかを企画者が明確にし、現場サイドにもメリットのある形で提示する
  • 目標管理制度に研修後に行なってほしい行動目標を組み込み、査定などに反映させ、インセンティブを付与する


などのサポートが効果的です。


経営戦略と人材戦略のつながりを理解しておく

「人材をいかに育てるか」という点は、企業の成長に直結します。若手社員や中堅社員をいかに育てるかによって、会社の十年後、数十年後の未来が左右されると言っても過言ではありません。研修企画を行う際には、経営戦略と人材戦略のつながりをしっかりと把握しておくことが重要です。

経営戦略と人材戦略のすり合わせを行うためには、まず中長期的な経営戦略を理解する必要があります。経営陣へのヒアリングを入念に行うなど、経営陣にも人材戦略へ積極的に関与してもらうとよいでしょう。


人事の仕事の全体像と人材育成担当者の役割を理解しておく

人事担当者の方は、研修を企画したり、研修の準備を行ったりなどのほか、新入社員の採用準備や労務管理などの仕事もあります。

そのため、人事の仕事の全体像をまずは把握し、人事部以外の人材育成担当者の役割を具体的に決め、共有しておくことが大切です。

人材育成担当者の役割を具体的にしておかないと、例えばOJTを行う際、OJTトレーナー側で何を行えば良いかわからず、OJTが放置になってしまった、ということや、研修後のフィードバックなどの具体的な行動ができていない、ということに繋がってしまいます。

人事担当者は、仕事内容の全体像の把握と、人材育成担当者の役割を理解し、「誰が育成担当者の役割をするか」「研修は外注するのか」「育成担当者にはどのようなことを行ってもらうのか」などを明確にしておくと良いでしょう。


研修計画は定期的にブラッシュアップさせる

研修実施には様々な負担がかかるため、気づけば「研修を実施すること」そのものが研修の目標となってしまっていた、というケースが少なくありません。ただ単に「昨年度もやったから」と同じような研修内容を続けて実施していると、研修の意味は薄れていってしまいます。

研修計画を行う際には、定期的に研修計画をブラッシュアップしていくことが重要です。

「何のために研修をやるのか」「何ができるようになるのか」を明確にすることから設計し、どの階層・どの社員に研修を行うか、何が達成できていれば良いのかを定期的に確認しましょう。


人事・職場の育成責任者の頭を悩ます、「研修受講者が職場で行動変容・習慣化しない」を乗り越えるポイント


研修に関するご相談はアルーへお気軽にご連絡ください

アルー株式会社は、人材育成を専門に手掛けてきた企業です。階層別研修やロジカルシンキング研修などのビジネススキル研修だけでなく、グローバル人材育成でも実績があります。

研修の企画や立案でお悩みの際は、ぜひアルーへお気軽にご相談ください。アルーでは、階層別研修を始めとした数多くの研修プランをご用意しております。長年人材育成を手掛けてきたアルーならではのノウハウを活かし、最適な研修プランをご提案させていただきます。

アルーの研修については、「人材育成・研修サービス一覧」からご確認ください。


人事・職場の育成責任者の頭を悩ます、「研修受講者が職場で行動変容・習慣化しない」を乗り越えるポイント


まとめ

研修企画の方法や、研修企画の際に気をつけておきたいポイントなどについて解説しました。本当に効果を発揮する研修を実施するためには、「会社の経営方針はどうなっているのか?」という点まで立ち返り、会社が理想とする人物像を経営陣とともに考え抜くことが大切です。

また、研修を実施したあとには、研修内容を実務に活かすためにはどうすればよいのかまで踏み込んで伝えるとさらに研修は効果的なものになります。ぜひこの記事の内容を活かしながら、効果的な研修企画を行ってください。


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