
女性のライフワークバランス実現に必要な施策とは?人事担当者が知っておきたい女性がライフワークバランスを実現するためのポイントを解説
ライフワークバランスは、現代社会においてますます注目を浴びる重要なテーマとなっています。特に、出産というライフイベントの観点から考えた場合、女性が職業と家庭生活を調和させ、職業満足度を高めるための重要なカギの一つと言えるでしょう。
人事担当者が女性社員のライフワークバランスに関する施策を検討する際、いくつかの重要な観点を見落としがちです。本記事では、この問題に焦点を当て、女性のライフワークバランスの向上に貢献するいくつかのポイントを探っていきます。
なお、本来、育児は男女が共に担うことが望ましいのは、言うまでもありません。しかし、この記事を読まれている人事担当者の方の職場でも、そういった意識が浸透しているケースは少ないのではないでしょうか。
そのため、本記事では男女が共に育児を担うという理想への一つのステップとして、まず女性がライフワークバランスを実現するために必要なポイントに焦点を当てていることをご了承いただけましたら幸いです。
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就学前の子どもがいる女性には、フレキシブルな労働条件の提供を
既に述べたように、本来育児は男女が共に担うことが望ましいのは言うまでもありません。しかし、社会的な意識が高まってきたとはいえ、理想にはまだまだほど遠いのが現実です。そのため、まず女性社員に対しての施策をおこなうほうが、効果が高いのが事実です。
また、シングルマザーとして、子育てをひとりで担っている女性も決して少なくありません。そういった観点からも、女性に適用される労働条件を柔軟なものにすることは、効果の高い施策の一つです。
例えば、フレックスタイム、リモートワーク、パートタイム勤務、育児休暇など、様々な選択肢を提供することにより、特に就学前の子どもがいる女性にとって、仕事と家庭の両方を調和させやすくなります。
キャリア開発のサポート
女性のライフワークバランスが向上するためには、キャリア開発も大きなウェイトを占めています。人事担当者は、スキル開発プログラム、メンターシップといった施策を実施することで、女性社員のキャリア開発をサポートできます。また、リーダーシップポジションに女性を積極的に昇進させることで、彼女たちにロールモデルとなる存在を提供できます。
女性のキャリア開発の必要性を理解する
とはいえ、なぜ「女性のライフワークバランスが向上するために、キャリア開発が必要なの?」と思われる方も多いと思いますので、その理由について補足したいと思います。
経済的な自立に加えて、子どもの養育環境に配慮する
女性がキャリアを進展させることは、経済的な自立を実現する一環です。経済的な自立は、女性が生活費や家族の経済的ニーズを支えるために必要です。
高い経済的自立度を持つ女性は、自己決定権が高まり、ライフワークバランスを達成しやすくなります。また、シングルマザーの場合は、経済的な自立も大事ですが、子どもの養育環境の変化という観点も重要なポイントです。単に経済的な側面から「よかれ」で昇進などのキャリアを考えるのではなく、子どもの情報を傾聴し、最適と考えられるキャリアを検討することも忘れないようにしていただきたいと思います。
キャリア開発には「レディネス」が大事
キャリア開発は、女性に自己満足感と幸福感をもたらします。しかしそれはしっかりとした「レディネス」、つまり「心の準備」と「能力的な自信」、そして「適したタイミング」があることが重要です。
特に「心の準備」ができていることは、キャリア開発や昇進に大きな影響をもたらすため、1on1ミーティングや研修などで、その準備をサポートしていくことがカギとなります。
役割モデルの提供と後進サポート体制の構築を組み合わせる
女性がキャリアを進展させることは、他の女性にとっての優れた役割モデルを提供します。リーダーシップポジションに女性を積極的に昇進させることで、他の女性が仕事と家庭生活を調和させる方法や可能性を学ぶ助けとなります。また、リーダーシップポジションの女性が、積極的に後進をサポートできるような体制を検討することも、成否を握る重要なポイントです。
透明性とコミュニケーションが重要!
女性がライフワークバランスを実現するためには、職場内での透明性とオープンなコミュニケーションが欠かせません。特に、時短制度の適用を受けている女性社員がいる場合、周囲がそのことをどう受け止めているかなどもチェックしておく必要があります。この辺りの観点が抜け落ちているがために、制度があっても職場の雰囲気が悪くなっていることに気づいていない人事担当者は少なくありません。
実態に即したサポート体制の提供をしていますか?
女性社員がライフワークバランスを達成するためには、適切で実態に沿ったサポート体制が不可欠です。人事担当者は、ストレス管理プログラム、子育て支援、メンタルヘルス対策情報の提供、そしてメンタルトレーニングなど、女性社員の健康と幸福をサポートする仕組みを整えることも検討する必要があります。
具体的なサポート体制の例
女性社員のライフワークバランスが向上するための具体的なサポート体制として、以下に例を挙げておきますので、ご参考にしていただければ幸いです。
ストレス管理プログラム
ストレスは、女性のライフワークバランスに悪影響を与える要因の一つです。企業は、ストレス管理プログラムを提供し、従業員がストレスを軽減する方法やリソースを学ぶ機会を提供できます。これにはメンタルトレーニングやカウンセリングの提供などが含まれます。特に、社内カウンセリングの場合、本音が言いづらいことも多いため、外部のカウンセリングを利用できるようにするというのも一つの手です。
子育て支援
子育て中の女性にとって、子どもの世話や教育への関与が重要です。可能であれば、企業内保育施設の導入なども、大きな支援になります。
メンター制度
メンターシップ制度は、女性のキャリア開発にとっても重要なサポートとして機能します。しかし、メンターの教育研修などをおろそかにしてしまうと、せっかくのメンター制度も十分な効果を発揮できません。メンターを選ぶ基準やメンターの教育研修などをしっかりと検討することが重要です。
フレキシブルな労働条件
先にも述べたように、女性が働きやすい労働条件は非常に大きな効果を発揮する可能性を秘めています。リモートワーク、フレックスタイム、パートタイム勤務など、複数の働き方の選択肢を提供することで、女性が仕事と家庭生活を調和させやすくなります。
また、特に子どもの急病といった緊急事態、そして障がいのある子を養育している社員のニーズに対応できる制度も検討するとよりよい結果につながるはずです。
キャリア開発プログラム
女性のキャリアをサポートするために、男性とは別のキャリア開発プログラムも検討の余地があるのではないでしょうか。在宅で可能なスキルトレーニングや、在宅でも参加可能なプロジェクトを検討するといったこともキャリア開発に含まれます。
これらの具体的なサポート体制は、女性がライフワークバランスを実現し、キャリアの進展を促進するために非常に有用です。
なぜ女性がキャリア形成に前向きになれないのか
女性がライフワークバランスを実現し、キャリアを継続したり、キャリアアップを目指すようになるためには、『女性のキャリアの安全性』が必要です。女性のキャリアの安全性は、
- 家庭の安全性
- 仕事の安全性
の2つから成り立っており、それぞれの観点から女性の悩みや課題を解決するサポートをすることで、女性がキャリア形成に前向きになってくれます。
▼以下の資料から、女性がキャリア形成に前向きになれない理由を詳しく知っていただけます。
女性活躍推進を進めるならアルーにお任せください
女性活躍推進なら、ぜひアルーへお任せください。
アルーでは、女性活躍推進に役立つ人材育成施策を豊富にご用意しています。例えば、女性社員に向けたキャリアデザイン研修や、ライフワークバランスを実現するための両立支援研修を実施することが可能です。また、管理職を対象とした評価者研修や、業務のアサイン方法について学ぶ研修を実施することもできます。
アルーでは研修の企画段階から丁寧に伴走し、それぞれの企業のニーズに応じて柔軟に研修内容をカスタマイズいたします。女性活躍推進に関することなら、お気軽にアルーまでご相談ください。
アルーの女性活躍推進支援事例
アルーでは、これまでにさまざまな企業で女性活躍推進に向けた施策を支援してまいりました。ここではそれらの中から特に参考となる事例を2つピックアップして紹介します。
ポーラ化成工業株式会社様
ポーラ化成工業株式会社様では、人事計画の中の重点計画の一つとして「女性の活躍を推進する組織風土の醸成」を設定しました。そこで、育成委員会の選抜人材となっている約18名の女性を対象とした研修を実施しています。
本研修は「Women Will Workshop」と銘打って行われ、リーダーシップや傾聴について学びを深めてもらいました。施策は合計で約4ヶ月にわたって行われ、研修の間には1ヶ月ずつの演習期間を設けています。現場で感じた課題を研修で共有することで、課題の解消や女性社員同士のネットワーク形成をサポートしました。
本事例の詳細は、以下のページから詳しくご覧いただけます。
【ポーラ化成工業株式会社研修導入事例】女性活躍推進の風土づくりに「リーダーシップ」「チームワーク醸成」の重要性を理解する
カルビー株式会社様
カルビー株式会社様では、女性社員に早期のキャリア教育を実施したいといった課題がありました。そこで、女性活躍推進に向け、食品メーカー合同の若手女性社員研修を実施しています。同業他社の女性社員と合同で研修を行うことで交流が生まれ、お互いにキャリア構築の気付きになったり仕事についての悩みを相談し合ったりする同志を作ることができました。同志の存在は刺激になり、自信や安心につながると考えています。
研修中では、自分自身のキャリアプランを策定してもらうワークや、キャリア実現に向けたアクションプラン策定に取り組んでもらい、キャリアデザインを進めました。研修内では女性先輩社員3名による講話も行い、将来社内で活躍するイメージを膨らませてもらっています。研修後には、自らキャリアを考えて異動して活躍する社員が出るなど、女性社員のキャリア構築が進みました。
本事例の詳細は、以下のページをご覧ください。
カルビー株式会社 人材育成研修 導入事例
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まとめ
ライフワークバランスは、女性の職場でのエンゲージメントなどに直結する非常に大きな要因です。人事担当者は、これらの観点を考慮に入れ、単に制度を導入して終わり、ではなく、実際に女性社員が仕事と生活を調和させられるような支援を検討する必要があります。
特に、育休中や時短中の女性社員の方は、負い目を感じがちなことも多く、積極的なサポートが必要となります。
ぜひきめ細やかなサポートをご検討いただけましたら幸いです。