会社側からの内定式挨拶の例文を役割・シーン別に紹介
「内定式の挨拶で内定者の心をつかむためにはどうすればよいのか」
こういった疑問をお持ちの方も多いかもしれません。内定式における企業代表からの挨拶は、晴れて企業で働くことになる内定者のやる気を引き出す上で重要です。
内定式において効果的な挨拶をする際には、いくつかのポイントが存在します。そこでこの記事では、内定式での挨拶の内容をお悩みの方に向けて、内定式での挨拶をより良くするためのポイントを、例文を交えながらシーン別に解説します。
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内定式とは
内定式とは、企業が採用内定者に対して正式に内定を通知する式です。通常、10月1日に行われ、新卒採用を行う企業、内定者双方にとって重要なイベントです。内定者に企業文化やビジョンを伝えるほか、懇親会や研修なども行われ、入社への意欲を高める役割を果たします。
内定式の目的
内定式は、内定者の入社意欲を高め、企業への理解を深めるために行われます。以下にその具体的な目的を解説します。
入社への意欲を高めるため
内定式は、内定者の入社意欲を引き出す重要なイベントです。企業のビジョンや理念を共有し、内定者に自身の選択が正しいと感じてもらうことで、モチベーションを高めます。また、会社からの期待を伝えることで、今後の成長意欲の向上にも繋げることができます。
企業理解を深めてもらうため
内定者が企業をより深く理解すれば、内定辞退や早期離職の防止につながります。内定式では、企業文化や事業内容、将来の方向性について説明を行い、内定者が入社後のビジョンを具体的に描けるよう支援しましょう。「この会社であれば自分のやりたいことができそう」という期待感をもってもらうことが重要です。
先輩社員や内定者同士の交流の場を設けるため
内定式は、先輩社員や他の内定者と交流を深める絶好の機会です。内定者同士が早期に親睦を深めることで、同期としての連帯感が生まれます。また、先輩社員との交流を通じて、入社後の働き方や職場の雰囲気を具体的にイメージすることができれば、入社後の不安を軽減することに繋がります。
内定ブルーを回避するため
内定式は、いわゆる「内定ブルー」の回避にも役立ちます。内定式で内定者とコミュニケーションをとることで、内定者をサポートする姿勢があるのだと示すことができます。内定者の心理的な負担を減らし、ポジティブな気持ちで入社を迎えるためにも内定式は重要なイベントなのです。
企業が内定者に実施すべきフォローの在り方について役立つ調査レポートはこちらからご覧ください。
25卒内定者アンケート調査 内定者フォローの”正解”とは
会社側が内定式の挨拶をする時の流れと文例
内定式で効果的な挨拶をすれば、内定者のモチベーションを大きく向上させることができます。内定者の心をつかむ挨拶をするためには、まず基本的な挨拶の流れを知ることが大切です。
会社側が内定式の挨拶をする時の流れを、文例を交えながら具体的に見ていきましょう。
簡単な挨拶を伝える
まずは、簡単な挨拶を伝えましょう。具体的な例文としては、以下のようなものが考えられます。
「内定者の皆さん、ご内定おめでとうございます。」
「社長の〇〇と申します。これから一緒に働くことを楽しみにしています。」
挨拶は、第一印象を大きく左右する重要な部分です。丁寧さが感じられる文章にするのはもちろんのこと、自信を持ってハキハキと話すようにしましょう。また、社長の簡単な自己紹介を加えるのも効果的です。
内定者への感謝・期待を伝える
挨拶の次は、内定者への期待や感謝を伝えるとよいでしょう。具体的には、以下のような例文を用いてみてください。
「皆さんをお迎えできることを、社員一同心待ちにしていました。」
「我が社に新しい風を吹き込むフレッシュな人材として、これから活躍されていくことを期待します。」
感謝や期待を盛り込むことで、挨拶を聞く内定者の心をグッと惹きつけることができます。話す際には、内定者の方を向きながら、適度に聴衆と目を合わせて話すのがポイントです。
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会社の理念や歴史を伝える
内定式での挨拶では内定者への期待や感謝に触れたあと、会社の理念や歴史を伝えることが一般的です。内定式という場で会社の沿革を伝えることで、会社についての理解を深めてもらい、「会社の一員である」という意識を高めてもらうことができます。
例えば、以下のような例文を用いてみましょう。
「我が社が創業したのは、今から〇〇年前の〇〇年です。」
「我が社は、企業理念として創業期から『誠実』『顧客本位』を掲げています。」
「我が社は、〇〇をミッションとして創業されました。」
経営者ならではの視点を交えながら、自信を持って話すのがポイントです。
社内の成功事例を共有する
内定者はまだ社会人として働いた経験がほとんどないため、会社で働くことのイメージが湧きにくいかもしれません。内定式での挨拶で社内の成功事例を共有すれば、入社後に働くイメージが湧きやすくなります。
例えば、
「製造現場でのヒアリングを踏まえ、現場のDX化を推進しました。」
「営業部門からの声を受けペーパーレス化を促進したところ、業務効率が20%アップしました。」
「内定者の方も、ぜひ積極的に業務の改善点を指摘してください。」
といったように伝えるとよいでしょう。「内定者にも関わりがある」という点を強調するのがポイントです。
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【役割・シーン別】挨拶の例文
内定式での挨拶は、様々なパターンが考えられます。例えば先輩社員が挨拶を行う場合や、上司や管理職が挨拶を行う場合、あるいは社長や役員が全体へ向けて挨拶を行う場合があるでしょう。
ここでは、内定式での挨拶で使える例文を、5つの代表的なシーンごとに分けて紹介します。
先輩社員からの挨拶の例文
比較的、内定者と年代や役職も近い先輩社員は、内定者に最も親近感を持ってもらいやすい存在です。そのことを意識しながら、「頼り甲斐のある先輩社員」を意識した挨拶をするとよいでしょう。例文は以下の通りです。
内定者の皆さん、内定おめでとうございます。 |
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上司・管理職からの挨拶の例文
内定式では、社長や役員だけでなく、上司や管理職からの挨拶を行うこともよくあります。上司や管理職からの挨拶の例文としては、以下のようなものが考えられます。
内定者の皆様、内定おめでとうございます。 |
社長・役員からの挨拶の例文
社長や役員からの挨拶では、経営者ならではの観点からのエピソードや話題を織り交ぜるのが効果的です。また、同時に内定者に親しみを持ってもらえるよう、自分自身の経験談や失敗談を交えるのもよいでしょう。例えば以下のような例文が考えられます。
内定者の皆様、内定おめでとうございます。 |
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人事部・採用担当からの挨拶の例文
内定式では、採用を担当した人事部が挨拶を行う場合もあるでしょう。人事部や採用担当からの挨拶では、採用に携わったポジションならではの内容を交えるのがおすすめです。
皆様、内定おめでとうございます。 |
懇親会での乾杯の挨拶の例文
内定式の後には、内定者を交えた懇親会が開催されることも多いです。懇親会の場では、内定式での挨拶と比べ、簡潔さとシンプルさが大切です。以下のような例文を参考にしてみてください。
「ご内定、誠におめでとうございます。皆様のますますの活躍をお祈りして、乾杯。」
「ご内定、本当におめでとうございます。本日は4月から共に働くことになる先輩社員が参加していますので、この機会にぜひ交流を深めてください。内定者の皆様のますますのご健勝とご活躍を祈念いたしまして、乾杯。」
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会社側が内定式の挨拶をする時のポイント
会社側が内定式の挨拶をする際には、どういったポイントに気をつければよいのでしょうか。
内定者に向けた会社側からの挨拶で意識したいポイントは、「挨拶の長さ」「挨拶の構成」「言葉遣い」の3つです。会社側が内定式の挨拶を行う際に意識したい3つのポイントについて解説します。
5分~10分程度にまとめる
内定式での挨拶のベストな長さは5分〜10分です。5分を大幅に下回る長さの挨拶をしてしまうと、「本当に歓迎されているのだろうか」「経営者は忙しいから手抜きなのかな」といった不信感を抱かれてしまう可能性があります。
しかし、反対に10分よりも長すぎる挨拶をしてしまうと、内定者の集中力も切れてきてしまいます。伝えたい内容を盛り込みすぎて、結局内定者に何も伝わらなかったとなってしまっては本末転倒です。
なお、1分間に話す文字数の目安は300字前後と言われています。5分〜10分の場合、およそ1,500字〜3,000字を話せることになります。時間を守るために、事前に考えた原稿を一度自分で読んでみて、想定の時間内におさまっているかをチェックするのもおすすめです。
起承転結を用いた構成にする
会社側が内定式の挨拶をする際には、「起承転結」という流れを意識するのが重要です。起承転結とは、以下の4つの要素を指します。
- 起:導入部分。簡単な挨拶など。
- 承:起と転の間の接続部分。具体的なエピソードなどの導入。
- 転:話の核となる部分。話のまとめにつながるハプニングなど。
- 結:まとめ。挨拶の締めくくり。
挨拶をする際に、伝えたい内容をただ羅列しただけではなかなか聞き手の心に響きません。起承転結を意識することで、話全体にまとまりが生まれ、要点を明確に伝えることができます。
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シンプルでわかりやすい言葉遣いにする
挨拶でのありがちな失敗例として、「言葉選びが難しすぎて内定者によく伝わらなかった」というものがあります。特に、業界用語や専門用語を多用した場合、たとえそれが社内で常識になっていたとしても、内定者にはうまく伝わらないでしょう。また、内定者と世代の離れた役職者が挨拶する場合、無意識に内定者が知らない言葉を使ってしまうケースもあります。
挨拶は、できるだけシンプルでわかりやすい言葉遣いにするのがベストです。誰が聞いてもすぐにわかるような、伝わりやすい言葉選びを意識しましょう。
内定式の挨拶で内定者に会社の魅力をアピールする方法
せっかくの内定式なので、できるだけ内定者に会社の魅力が伝わるようなアピールをしたいものです。
内定式での挨拶で会社の魅力をアピールする方法はいくつかありますが、中でも
- 企業文化や働く環境の紹介
- 研修制度や福利厚生の説明
- 成長機会やキャリアパスを提示する
という3つの手法は汎用性が高く、おすすめです。内定式での挨拶で、効果的に会社の魅力を伝える方法について解説します。
企業文化や働く環境の紹介
企業文化や働く環境を紹介すれば、内定者にこれから会社で働くイメージを持ってもらいやすくなります。
例えば、
「我が社では、フラットな人間関係を構築するため、役職に関係なく『さん付け』を推奨しています。」
「親睦を深めるために、フリーアドレス制を採用しています。」
といったように、社内で特徴的だと思われる文化をさりげなく紹介するのがおすすめです。会社で働くイメージが湧けば、内定者のモチベーションも高まるでしょう。
研修制度や福利厚生の説明
内定式での挨拶で研修制度や福利厚生を説明すれば、「社員を大切にしている」ということが伝わり、会社への信頼感が向上するでしょう。
また、研修制度や福利厚生の具体的な説明はもちろん、「人材育成プランとして〇〇を掲げており、将来は〇〇のような人材になってほしい」「社員としてだけでなく、人間として成長を遂げてほしい」といったように、育成への価値観について語るのも効果的です。
成長機会やキャリアパスを提示する
内定者の成長意欲を引き出すためには、成長機会やキャリアパスを提示するのが効果的です。例えば、以下のようにアピールするのがおすすめです。
「配置転換の希望があれば、海外への長期派遣も可能です。」
「多くの内定者は係長、課長まで昇進していきます。その後、海外も含めて様々な経験を積んでもらいます。」
また、以下のように挨拶をしている本人のキャリアを紹介するのも効果的です。
「私自身は、現場で10年働いたあと、本社の〇〇部門へと配置転換となり、そこから今の社長という役職に就きました。」
これからどのように成長していけるのかが見えてくることで、内定者も自分自身のキャリアについて深く考えてくれるようになります。
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内定式の挨拶で内定者へ期待を伝える方法
内定式の挨拶では、内定者への期待を伝えることでより一層、内定者のやる気を高めることができます。また、「自分が期待されている」と感じてもらうことで、内定者のエンゲージメントを向上させることも可能です。
内定式での挨拶で、内定者への期待を効果的に伝える方法を2つ紹介します。
具体的な目標や理念を共有する
会社が掲げている具体的な目標や理念を共有すれば、内定者は自分自身が何を求められているのかをよく理解できるようになるでしょう。
例えば、「我が社では目標として、来期までに20%の売り上げアップを掲げています。内定者の方々には、これに貢献できるよういち早く様々な経験を積んでもらいたいと考えています。」といったように、目標と手段をあわせて伝えるのが効果的です。
さらには、「我が社では、現場を大切にするという理念を掲げています。なぜなら、会社の利益の源泉は現場にあるからです。」といったように、内定者の配属先の重要性を強調するのもよいでしょう。
会社としてのサポート体制を紹介する
入社後のサポート体制を紹介するのも、内定者への期待を伝える上で効果的です。研修制度やメンター制度、シスター・ブラザー制度など、どういった制度を導入しているのかを具体的に言及しましょう。
例えば、
「我が社では、仕事における困りごとを相談できるメンター制度に加え、日常生活での困りごとなどを幅広く相談するためのシスター・ブラザー制度を導入しています。」 |
といったように伝えるとよいでしょう。
まとめ
内定式での挨拶で使える例文を交えながら、挨拶におけるポイントを丁寧に解説しました。内定式における挨拶は、内定者が持つ会社に対する第一印象を左右する、とても重要な要素です。
内定式で内定者への期待を伝えたり、会社の魅力をアピールしたりすれば、会社へのエンゲージメントを高めることにもつながります。ぜひこの記事で紹介した例文を活用しながら、内定者の心をつかむ挨拶を実践してみてください。
アルーでは、さまざまなテーマでの研修を支援しています。内定者に対する研修や、内定者を指導する上司向けの指導者研修やOJTトレーナー研修なども行っていますので、社内研修についてお悩みのことがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。
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