
40代社員のキャリア開発とは?将来にモヤモヤしている40代社員に必要なキャリア自律と新たな挑戦のイメージ
みなさんは「中間管理職」という言葉に、どんなイメージを持っていますか?
- 上からの命令と、下からの不満で板挟みになる
- 管理職ということで残業代もつかずに、仕事に忙殺される
- 部下の管理がメインの仕事になり、以前のように現場仕事の面白みが感じられなくなる
中間管理職とは、組織の中の役職の位置付けを表した言葉です。具体的には部下を管理する立場でありながら、その自分の上にも別の管理職が存在するというポジションであり、主に課長や係長の立場がそれにあたります。この言葉の意味からすれば、組織の中での立ち位置を示すだけのものですが、中間管理職という言葉が持つイメージにはネガティブなものが多いです。
もちろん実際の中間管理職の方たちが、このイメージのとおりかと言えば、それは人それぞれですが、管理職という役柄上、今までやってきた仕事とは質の違うものに取り組んでいくため、管理職になる前とは違った大変さがあることは明らかです。
そして、この中間管理職にいるもっとも多い年代が40代の人たちです。本記事のテーマは40代社員に必要なキャリアデザインです。管理職という立場や、仕事以外のライフイベントに直面していく40代社員にとって、これから必要な将来の目標や組織の中で持つべきマインドについて解説します。
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40代社員が会社・組織から求められているもの
改めて言うまでもありませんが、社員の年代を若手・中堅・ベテランで分類すれば、40代社員はベテラン社員に分類されます。仮にその人が中途採用だったとしても、それまでの社会人経験や前の会社で得た知識や経験があるため、会社の在籍年数に関係なくみんなのお手本になれる人たちです。そして会社もそのベテラン社員の知識や経験が、組織全体に活かされることをとても期待しています。この会社からの期待は、リーダーシップやフォロワーシップの発揮と言い換えることができます。
40代ベテラン社員に期待するリーダーシップ
リーダーシップとは、一般的に統率力や指導力を意味し、組織のリーダーや管理職、またはそれにあたるポジションの人が求められるものです。しかし、ベテラン社員に期待するリーダーシップは、ポジションや与えられた仕事の枠にとらわれるものではありません。
問題が発生した際の初動の早さ、課題解決に向けた積極的なアイデア出し、責任を持って仕事に取り組む姿勢など、立場に関係なく発揮できるもので、それはみんなが見習うべき基本動作のお手本ともいえます。
またそれらが発揮されるとチームも自然と良い雰囲気となり、チームの安心感向上や活性化にもつながります。このように与えられた仕事の成果だけでなく、社会人としてまたは職業人として手本となる振る舞いで周りを引っ張っていくことが40代のベテラン社員には求められています。
40代ベテラン社員に期待するフォロワーシップ
フォロワーシップとは、リーダーや管理職が示す方向性とその推進において、リーダーにしっかり追随し推進の手助けをしていく姿勢です。フォロワーシップを発揮するためには、まずチームや会社が何を目的とし、どこに向かって進んでいるのか、現在どんな課題に直面しているのかなどを
理解する必要があります。そしてその活動がスタートした際は、それを一番初めに実践する人、随時フィードバックし計画時の見落としなどを補完する人、ついていけない他のメンバーのヘルプをする人などになり、チーム全体の成果に貢献します。
個人目線ではなく、チーム全体の目線で考え行動する必要があるため、これまでのチームのなかでさまざまな仕事をしてきたベテラン社員にとっては、自身の経験を最大限に活かせる機会と言っても過言ではありません。
このリーダーシップやフォロワーシップがうまく発揮できている人は、周りのメンバーからも感謝され頼りにされる存在となるため、管理職やリーダー、サブリーダーなどに抜擢される人も少なくありません。しかし、正式に管理職などの役割が与えられると、それまで自主的に発揮していたリーダーシップやフォロワーシップは会社から課せられた義務となり、加えて新たな管理業務をこなす必要があるため、途端に苦しい状況に追い込まれる人もいます。
冒頭で述べた中間管理職にある悪いイメージも、責務となったリーダーシップやフォローワーシップに苦しめられている人たちの姿です。
40代社員がこれから向き合う仕事以外のライフイベント
40代の人は会社での立場や周囲の期待が変化するだけでなく、仕事以外でもさまざま変化が生じる年代です。わかりやすい例を言えば「時間」や「お金」の使い方です。子どもの学費、家のローン、親の介護など、それまでには無かったものが対象になっていきます。またこのほかにも病気や体力低下など、これまでさほど気にならなかったものが、気になるようになっていきます。
これらの変化は、これまで仕事や目の前の出来事だけに集中してきた自分に対して、10年後や20年後に向けて考えるきっかけを与えてくれます。また、40代半ばも過ぎてくると、いよいよ50代になる自分が見え始めてきます。
- 50代になっても今の仕事に対してモチベーションを維持できるのか?
- そもそも今のように働き続けられるのか?
- このまま50代を迎えてしまって良いのだろうか?
そうしたモヤモヤした気持ちで日々を過ごしている人もいます。
心のモヤモヤを晴らしてくれる「キャリア自律」の意識
自分の今の状態や将来についてモヤモヤしたものを感じている40代社員が、そのモヤモヤを解消するためには、その不安や悩みの根本となっているものを明らかにするしかありません。具体的には、
- 自分はこれからどうしたいのか
- その想いに対して現状はどうなっているのか
- 周りからは何を求められているのか
- その周りからの期待に自分はどんな感情を持っているのか
これらを紙に書き出したり口に出してみて言語化することです。この言語化をおこなうと、自分が何に対してモヤモヤしていたのかがはっきりします。また、その原因に対して、どう向き合えば良いのかも、より客観的に考えられるようになります。
この言語化をしないまま、とりあえず目の前の仕事を頑張るという人もいますが、その頑張りは一時のもので長続きしなかったり、周りとの協調もうまくできず、自分だけが空回りする結果で終わってしまうことがよくあります。この自分自身と向き合い、周りからの期待や自分が置かれている状況を正しく把握する。そしてこれから先に何が必要かを考え、それに向かって継続的な努力をしていくことを「キャリア自律」といいます。
これに似たもので「キャリア自立」という言葉があります。これは周りからの支援や支配を受けずに、自分の力だけで仕事をしてキャリア形成を図るという意味です。将来的には会社や組織からも離れ、独立したいという人にとっては、このキャリア自立も意識する必要がありますが、それよりも将来の目的や周りとの関係を大切にしながら、自分自身とキャリア形成をコントロールしていく「キャリア自律」のほうがより大切なものといえます。
また、40代社員が求められているリーダーシップやフォロワーシップについても、このキャリア自律の意識がどれだけあるかによって、その発揮される度合いが大きく変わります。なぜなら、キャリア自律の意識が高い人は、今の仕事や与えられたポジションから得られる評価や経験と、自身のキャリア形成のために必要なものとの結び付けができています。自身の理想的なキャリア形成のためにするアクションが、自然とリーダーシップやフォロワーシップの発揮に繋がっていきます。
「キャリア自律」と「40代社員がこれまでの殻をやぶりステップアップする」ための支援
40代社員へのキャリア自律支援として会社が出来ることは、彼らが自身のキャリアについて考える機会を作ることです。具体的には、キャリアデザイン研修の実施、定期的なキャリアコンサルタントとの面談などになります。ここで会社側が特に認識しなければならないのは、40代社員が自身のキャリアについて考える際、会社側の意向を押し付けないということです。
会社側からすれば、40代社員にこれまで以上リーダーシップやフォロワーシップを発揮してもらいたいため、具体的にどんな期待をしているのか、40代社員がこれからどう振る舞っていけば会社が評価するのかを伝えたいところです。
しかし、40代社員がそれを聞いてしまうと、それらはあくまで会社から与えられたミッションのひとつ、または会社が求めている達成目標として受け取られ、「会社から与えられた目標は無理のない範囲で頑張るもの」として整理されてしまいます。
まずは40代社員が自分自身の中からその答えを導き出すことが大切です。40代社員の彼ら自身のためになり、またそれが会社のためにもなること、それは彼らがこれまでの自分の殻を破り、新たなステージにステップアップすることです。そのためには、彼ら自身が今までにはなかった新たな挑戦をする必要があります。これは人から指示されたり、与えられるものではありません。
彼らがこれまでの経験を振り返るなかで、
- 挑戦してみないとわからない価値があ
- 失敗してみないと得られないものがある
- 少しずつでも続けてきたからこそ見える光景がある
ということに改めて気づき、その気持ちと共にこれからの自分を想像することです。これが自分の殻を破る新たな挑戦の礎になってくれます。
- 自分がこれからどうしたいのか
- 周りから何を期待されているのか
- 今の自分に何ができるのか
これらについて考えてみることはとても大切なことです。しかし、今の場所からステップアップしようと思ったら、新たな挑戦をする自分をイメージし、その行動の一歩を踏み出すことが何よりも大切です。
40代社員のキャリア開発ならアル―にお任せください
40代社員のキャリア自律を助け、新たな挑戦や会社への影響力発揮につなげるために、会社としてできることのひとつに、「キャリア研修」の実施があります。
アル―では、40代社員のキャリア開発を支援するための研修プログラムを数多く用意しています。各企業ごとの課題や現状に合わせたカスタマイズも可能です。自社の40代社員に最適な研修プログラムで、40代社員のキャリア開発をバックアップいたします。
ここからは、アルーで実施したキャリア研修のうち、特に参考となる2つの事例をピックアップしてご紹介します。
キャリア未来地図デザイン研修
キャリア未来地図デザイン研修の目的は、キャリア未来地図を描きながら、人生100年時代のキャリア戦略を考えることです。
キャリアに関する課題として多いのが、漠然と将来への不安を持っており、何をやればいいのかわからないことが挙げられます。
こうした課題の解決のため、下記のようなカリキュラムを実施します。
セクション |
内容 |
時代の起承転結と令和のポジショニング |
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人生100年時代のキャリア未来地図と5つのSTEP |
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キャリア未来地図デザイン研修を実施することで、未来へ向けたキャリア戦略について、具体的に考えられるようになります。
本研修の詳しい内容は、下記からご覧ください。
キャリア未来地図デザイン研修
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40代社員向けキャリアデザイン研修
今回ご紹介する40代社員向けのキャリアデザイン研修の目的は、自分自身の原動力と周囲とのつながりを認識し、自分が向かいたい方向を実感しながら、新たな一歩を踏み出すことです。
40代社員に多い課題として、会社主導でキャリアを積んできたため、今後の自分のキャリアも会社に依存してしまうことが挙げられます。
こうした課題解決のため、個人ワークやグループワークを中心に下記のようなカリキュラムを実施します。
- 自分の過去を振り返り、自分を動かす原動力を言語化する
- 多くの分野に目を向けながら、心惹かれる部分を見つける
- 自分の「無形資産」を育んでいく
- 自分で自分の背中を押し、動き出す
- 向かいたい方向に進んでいる姿を想像し、心からやってみたいことを具体化する
キャリアデザイン研修を実施することによって、自分のキャリアについて主体的に考えることの重要性を理解し、今後のキャリアを前向きに考え始められます。
本研修の詳しい内容は、下記からご覧ください。
40代キャリア研修
まとめ
本記事では、40代社員に必要なキャリアデザインをテーマに、管理職という立場や、仕事以外のライフイベントに直面していく40代社員にとって、これから必要な将来の目標や組織の中で持つべきマインドについて解説しました。
40代という時期は、人生も折り返し地点になり、仕事や家庭、または自分の将来について真剣に考え、悩む時期です。一方で企業にとっては少子高齢化が進む中、組織の中で最も影響力を発揮し、活躍してほしいと願う年代です。
キャリア開発を成功させることは、40代社員と企業の双方にとって、将来を豊かにすることにつながる重要なテーマです。
本記事を参考に、40代社員のキャリア開発を支援し、組織全体の成長につなげていきましょう。