研修でのグランドルールの例5選|ルール設定のポイントもご紹介
会議やワークショップなどをより効率的に進める上で欠かせないグランドルール。
研修においても、グランドルールを設定することで育成がよりスムーズになります。
そこでこの記事では、対面形式での研修とオンライン形式での研修、それぞれのグランドルールの具体例や、グランドルールを設定するメリット、グランドルール作成時のポイントなどを解説します。
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研修でのグランドルールとは
研修でのグランドルールとは、研修による社員育成をより意義のある場とするためにあらかじめ設けられるルールのことです。
後ほど詳しく紹介しますが、例えば「研修中にわからないことがあれば必ず質問する」「研修中にメモを取る」といったグランドルールがよく設定されます。
研修に限らず、グランドルールは会議やワークショップなどの場で広く活用されている考え方です。グランドルールを策定すれば、対象となる場に参加する社員全員がルールを守るため、より運営がスムーズになるでしょう。
研修のグランドルールの例
研修においては、具体的にどのようなグランドルールを設定するのが効果的なのでしょうか。
研修において効果的なグランドルールは、研修を対面形式で実施するのかオンライン形式で実施するのかによって異なります。まずは、研修の実施形式に関わらず活用できるグランドルールの具体例をご紹介します。
時間を守る
「時間を守る」というのは、社会人として基本中の基本です。
グランドルールとして改めて設定することで、研修参加者に対して時間厳守の意識を持ってもらうことができます。
仮に時間を守らないと、それだけで参加者の間にルーズさが生まれてしまい、研修に対する緊張感が薄れてしまいます。
「研修開始時刻の5分前には必ず会場へ到着すること」など、具体的なルールを定めるのが効果的です。
また、講師側も終了時刻などのスケジュールをできる限り守るように心がけましょう。
わからないときには質問をする
どんなに講師がわかりやすく説明しても、研修中には必ず疑問点が出てくるものです。
しかし、こうした疑問点を放置してしまうと、せっかくの学びの機会が失われてしまう場合があります。
「わからないときには質問をする」というグランドルールも、研修をより意義のある場にする上で有効です。
疑問点のあった参加者がその場で疑問を解決することで、理解のヌケモレを潰すことができます。さらに疑問点があった本人だけでなく、質疑応答でのやり取りを聞く別の社員にとっての学びにもなります。
違う意見も受け入れる・否定しない
意見交換やディスカッションなどを取り入れる研修においては、意見が対立することもあるでしょう。意見が対立してしまったときに否定的な態度を取る受講者がいると、他の受講者が萎縮してしまい、議論が円滑に進まなくなってしまいます。
こうした事態を避けるため、「違う意見も受け入れる」「否定しない」というグランドルールを設けるのも有効です。
なお「否定しない」とは、反対意見を言ってはいけないということではなく、自分と異なる意見を一旦受け止めることを意味します。
反対意見が出た際もできる限り相手の考えを理解することに努め、「なぜその考えに至ったのか?」を考えてもらいましょう。
メモを取る
研修中の内容をただ聞いているだけでは、なかなか内容が身につきません。「研修中にはメモを取る」というグランドルールを設けるのも効果的です。
参加者にメモを取るようにしてもらえば、参加者はメモを取るため集中して講師の話を聞くようになります。またメモを取る過程で内容が頭の中で整理されるため、メモを取ることそのものが学びになるのです。研修中のメモを後日見返して復習するといったこともできるため、研修の意義を引き出す上で効果的なグランドルールといえます。
研修時間中は携帯電話を使用しない
研修時間中に携帯電話を使用してしまうと、どうしてもそちらへ意識が向いてしまいます。いつのまにか携帯電話の操作に気を取られ、講師の話が上の空となってしまうこともあるでしょう。
研修時間中には携帯電話を使用しないようにする、というグランドルールも効果的です。
携帯電話を使用しないようにすれば、講師の話や周囲とのやり取りといった研修の内容に集中することができます。
オンライン研修の場合のグランドルール例
オンラインで研修を実施する場合には、上記で紹介したグランドルール以外にも、いくつか設定しておきたいグランドルールがあります。
特にオンラインでの研修経験が少ない社員も参加するようなオンライン研修では、ツールの操作方法も含めて細かなグランドルールを設定するのが有効です。
オンライン研修の場合のグランドルールの例をご紹介します。
カメラをオンにする
カメラをオフにしてしまうと、講師が受講者の状況を把握できなかったり、参加者同士のコミュニケーションが希薄になったりといった問題が発生します。オンライン研修の場合、できるだけカメラをオンにしてもらいましょう。
なお、カメラをオンにしてもらう場合には必ず事前の告知が必要です。
急に当日「カメラオンで参加してください」と指示してしまうと、準備の整っていない参加者は拒否感を抱いてしまいます。
講義中に自分が発言しない時はミュート
オンライン研修中に、自分が発言しない際はミュートにしてもらいましょう。
ミュートにしないと、講師が話している間に雑音が入り込み、講師の話へ集中できなくなる可能性があります。また、意図せず参加者側の声や雑音が入り込んでしまうのはトラブルの原因です。
研修開始時に講師が「ミュートにしましたか?」と呼びかけるようにするなど、ミュートのし忘れがないように対策をしましょう。
反応のサインを決めてリアクションする(スタンプ、ジェスチャーなど)
オンライン研修では、どうしても講師と参加者の間のコミュニケーションが一方通行になってしまいます。参加者が何もリアクションをしないと、講師は参加者の状況を把握できず、講義の進め方を調整することができません。
オンライン研修では、反応のサインをあらかじめ決めて、リアクションしてもらうようにしましょう。
例えばオンライン会議ツールであるZoomでは、「面白い」「嬉しい」「拍手」といった様々なリアクションが利用できます。
どのようなときに押してほしいのかを事前に伝えて、リアクションを積極的に活用してもらいましょう。
グループワーク時の決め事
オンライン研修でのグループワークでは、参加者間のコミュニケーションが円滑に進まないことが多いです。グループワーク時には、いくつかの決め事をグランドルールとして設定しましょう。
具体的には、「グループワーク開始時には必ず『よろしくお願いします』と言うようにする」「グループワーク中はミュートを解除する」といったグランドルールが考えられます。些細なことですが、これらのグランドルールがあるだけでもグループワークは大幅にスムーズとなるでしょう。
発言時間の決め事
研修では、例えば「今日の学習成果を一人ずつ話してもらう」といった発言の機会を与えることがあります。この際、発言時間に対してグランドルールを設定するとよいでしょう。
例えば「一人1分で話してください」といったように伝えれば、参加者はどれほどの情報量を求められているのか知ることができます。時間の目安があるため話もまとまりやすくなり、情報交換がスムーズになるでしょう。
話すときはなるべくカメラを見る
オンライン研修ではコミュニケーションが希薄になりがちですが、その原因の一つに「目が合わないこと」が挙げられます。
目を合わせるのはコミュニケーションの基本ですが、画面越しで目を合わせるのは意外と難しいです。
コミュニケーションを活性化するためにも、「話すときにはなるべくカメラを見るようにする」といったグランドルールを設けるとよいでしょう。
目を見て話すことで、相手との間に信頼感を演出することができます。
研修でグランドルールを設定するメリット
研修で設定すべき様々なグランドルールを紹介しました。それでは、こうしたグランドルールを設定すると具体的にどのような良いことがあるのでしょうか。
研修でグランドルールを設定するメリットをご紹介します。
活発なディスカッションを促す
研修での学びを引き出す上で、ディスカッションは重要な取り組みです。
グランドルールを設定すれば、このディスカッションを活性化できるメリットがあります。
例えば限られた人しか発言しないようなディスカッションは、有意義な学びの場とはいえません。「必ず全員一度は発言する」「相手の意見を否定しない」といったグランドルールを設定すれば、ディスカッションがより活発になります。
結果的に、よりよい結論を導き出せたり、参加者の気づきや学びを促進できたりといった効果があるのです。
運用ルールを明確にすることで効率化する
研修のグランドルールを設定すれば、研修全体が効率化するメリットもあります。
例えば「事前課題に取り組んでおいてください」といったグランドルールを設定すれば、研修内容に対する理解度を参加者の間で揃えることができ、内容の理解がスムーズに進みます。
また資料を配布する研修では「あらかじめ資料を読んでおいてください」とグランドルールで指示すれば、全体の進行もスムーズになるでしょう。
運営が効率化すれば、より研修の時間を実り多いものにできます。
研修の質を上げることができる
グランドルールを設定すれば、研修の質を全体的に向上させることもできます。
例えば研修時によくある課題として、「発言の際に限られた人が長い時間話してしまう」というものが挙げられます。ディスカッションでも似たような状況になるケースが多いです。
これに対してグランドルールで「一人1分で話してください」「必ず全員1回は話してください」と指定すれば、ディスカッションや発言により多くの社員が参加できます。
意見交換やコミュニケーションが活発化して、研修の質を向上させることができるでしょう。
研修の進行をスムーズに行うことができる
グランドルールを設定することのメリットに、研修の進行をスムーズに行なえる点も挙げられます。
例えば「5分前に必ず現地へ到着してください」といったグランドルールによって、集合時間に遅れる社員が出て研修スケジュールが遅れてしまうといった事態を防止できます。
また、事前にグランドルールでオンライン会議ツールの使い方を指示しておけば、「ビデオオンにできない」「ミュートを忘れてしまった」といったトラブルを防げるでしょう。
心理的安全性を高めることができる
グランドルールを設定するメリットとして、心理的安全性を高められる点も挙げられます。心理的安全性とは、「この組織では自分の意見を発言しても大丈夫だ」といった安心感のことです。心理的安全性が高ければ、発言やコミュニケーションが活発になります。
研修では、「相手に対して否定的な意見を言わない」「どんな相手の意見でも受け止める」といったグランドルールを設定することがあります。こうしたグランドルールによって「場の安心感」を担保して、心理的安全性を高めることができるのです。
研修でのグランドルール作成のポイント
研修でのグランドルールを作成する際には、「実施しやすいルール設定をする」「ルールを作成する目的を明確にする」といった、いくつかのポイントに気をつける必要があります。
研修でグランドルールを作成する際に気をつけたいポイントを解説します。
実施しやすいルール設定をする
グランドルールを設定する際には、つい多くのことを参加者に要求してしまいがちです。
しかし、誰でも実践しやすいグランドルールでなければ、全体に浸透していきません。
グランドルールを設定する際には、実施しやすいルール設定を心がけましょう。特定の人だけ守れるようなグランドルールではなく、研修に参加する社員全員が守れるようなグランドルールの設定が必要です。
長期的にグランドルールを運用できるよう、無理せず守れるグランドルール設定を心がけてみてください。
ルールを作成する目的を明確にする
グランドルールを作成する際に、「なんとなく」で設定してもあまり効果はありません。
グランドルールを設定する際には、必ず「なぜそのグランドルールがあるのか?」「グランドルールが設定されている目的は何か?」を明確にするようにしましょう。
参加者にとって意義のわかりにくいグランドルールを設定する際には、グランドルールの目的もあわせて説明すると効果的です。
グランドルールが設定されている理由に納得すれば、参加者はよりグランドルールを守るようになるでしょう。
研修の目的に沿って設定する
研修を実施する目的は、それぞれの研修ごとに異なります。
「相手とのコミュニケーション手法を身につけてほしい」「緊張感のある雰囲気で、責任感と自覚を身につけさせたい」など、それぞれの研修には個別の目的があるでしょう。
グランドルールを設定する際には、こうした研修の目的に沿って設定するのが重要です。
グランドルールも研修の目的を達成するための一つの手段だと考えて、研修全体の目的と合致したグランドルール設定を心がけてみてください。
定期的に見直しをする
グランドルールは、一度作成したら完成というわけではありません。
実際の運用によって見えてきた課題点を活かしながら、常にブラッシュアップする必要があります。
グランドルールを設定する際には、定期的に見直しをするよう心がけましょう。
例えば不要なグランドルールがあることに気づいたら翌年度以降はそれを撤廃するべきですし、いまいち参加者に理解してもらえないルールがあったら重点的な説明を心がけるべきです。
ただし、あまりにも頻繁にグランドルールを変更してしまうと参加者は混乱してしまいます。
何が最新のグランドルールなのか不透明にならないよう、周知の徹底を心がけましょう。
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アルーは、人材育成を専門に行なっている企業です。
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