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企業文化を変革する必要性とは?企業文化の変革を成功させるポイント、取り組み事例をわかりやすく解説

優れた企業文化は競争優位をもたらし、企業の戦略や利益に大きな影響を及ぼす重要なものです。本記事では、

  • 企業文化を変革する必要性
  • 企業文化の変革を成功させるポイント
  • 取り組み事例

をわかりやすく解説します。



目次[非表示]

  1. 1.企業文化を変革する必要性とは?
  2. 2.企業文化とは何か
  3. 3.なぜ企業文化が重要なのか
  4. 4.なぜ企業文化を変えることは難しいのか
  5. 5.企業文化を変革するための最初の一歩
  6. 6.企業文化の変革を成功させるポイント
  7. 7.企業文化を変革した事例紹介
  8. 8.アルーの企業文化の変革をサポートする研修事例
  9. 9.企業文化の変革にお悩みならアルーにお任せください
  10. 10.まとめ


企業文化を変革する必要性とは?

グローバル化の進展や技術革新など企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。とくにコロナ禍以降は、在宅勤務やデジタル化、国際情勢の不安定化、社員やお客様の価値観の変容など、大きな変化が急速に訪れました。そしてこうした急速な変化は、今後も続いていくと予想されています。
一方で、日本や日本企業の影響力は年々低下しているといえます。その証拠に、日本の一人当たりGDPの順位や、世界の時価総額トップ50に入る日本企業の数は大きく低下しています。こうした事実は、日本企業の継続した発展が脅かされていることを示唆しています。
そんな環境変化に対応する戦略を実行するためには、今の企業文化を大切にしつつも環境に適応していく変革が必要です。


企業文化とは何か


サービス01


企業文化とは、それぞれの企業が持つ独自の価値観や行動の傾向を指します。創業からの歴史、企業理念、社員の行動や実績などが定着していくことで醸成されます。企業文化は、その企業で働く従業員の仕事の進め方や考え方に大きな影響を与え、共通の規範をつくり、組織の一体感を生み出します。そんな企業文化は長い年月をかけて醸成されるため、一朝一夕で変革できるものではありません。企業文化の変革には戦略的に取り組むことが必要です。


なぜ企業文化が重要なのか

企業文化、という言葉の意味は頭の中で理解できると思います。ですが、その中身は非常にあいまいです。実際、自社の企業文化を言葉で説明できる人はほとんどいません。たとえば研修の中で、経営層や管理職の方々に自社の企業文化を聞いたとしても、その答えがそろうことはありません。
これは、多くの企業で「戦略・戦術」を話す場は多い一方、「理念・文化」について話す場が少ないことが要因のひとつです。そんなあいまいなまま放置されがちな企業文化ですが、実は企業のパフォーマンスを高めるために非常に重要な要因のひとつです。たとえば、『マネジメントの父』といわれるオーストリアの経営学者ピーター・F・ドラッカー氏は「企業文化は戦略に勝る」という言葉を残しています。同じくドラッカー氏の言葉である「企業とは人であり、その知識、能力、絆である」にあるとおり、戦略を実現するのは企業に所属する“人”です。
ですが、適切な企業文化がなければ戦略は機能しません。企業文化の変革はその企業の未来を左右する重要な取り組みであるといえます。



なぜ企業文化を変えることは難しいのか

「企業文化を変えていきたいのに、なかなか変わらない。」とお悩みの方は非常に多くいらっしゃいます。なぜ企業文化を変えることは難しいのでしょうか。ここからは、その理由を2つ、簡単にご紹介します。


変化に対して不安を持つことは当たり前だから

企業文化は、企業が成功体験を重ねることで浸透していきます。一定以上の規模を持ち、長い歴史を持つ企業ほど、基本的には成功しているから存続していると言えます。よって、その成功を達成する際の企業文化がより強固に根付いているということです。私たち人間は、「過去の成功体験」から脱却し、新しい考え方、価値観、行動を身につけることが苦手です。それは、「変化することへの不安」を本能的に有しているからです。


企業文化を具体的に考えられていないから

先述のとおり、多くの企業では、「戦略・戦術」を話す場は多い一方、「理念・文化」が話されることはほとんどありません。良く分からないあいまいなものを変えようとしても、そのプロセスは霧に包まれたままになります。企業文化を変えようとするのであれば、その前に、自社の企業文化を深く分析することが必要です。


企業文化を変革するための最初の一歩

企業文化を変革するためには、まず変革の必要性を従業員に理解してもらう必要があります。つまり、企業文化を変革しなければ、企業が存続できないことを十分に理解してもらう必要があるのです。そして、この「生き残りへの不安」が「変化することへの不安」よりも大きくなった時に、企業文化の変革にドライブがかかります。



企業文化の変革を成功させるポイント

では実際にどのように企業文化の変革を進めたらいいのでしょうか。ここからは、企業文化の変革を成功させるポイントを簡単にご紹介します。


変革の必要性と施策を組織全体に発信し続ける

企業文化の変革を実現するためには、変革の必要性を従業員が十分に理解することが必要である、と前述しました。そのためには、変革の必要性や施策を企業全体に周知して終わるのでなく、従業員の意識と行動が変わるまで、根気強くメッセージを発信し続けることが大切です。


経営者、役員が率先して取り組む


理由01


変革の必要性を理解したとしても、新しい考え方や価値観を取り入れ、行動する人がいなければ、新しい企業文化は浸透しません。まずは経営者、役員が率先して、変革に取り組み、従業員に見本を示す必要があります。


管理職の協力を得る

一般の従業員と日々接する管理職の協力も必要です。管理職が新しい企業文化を体現するロールモデルになるとともに、新しい文化に適応した従業員を称賛する、高く評価することで、文化の浸透を促進させます。


従業員の意見をよく聞く

変革に対する従業員の理解を深めるためには、会社から一方的にメッセージを発信するだけでなく、従業員との対話を重ねることも大切です。このプロセスを通して、従業員の疑問や不安を解消することで、新しい企業文化の浸透を進めることができます。
従業員との対話の際は、ファシリテーションスキルの高い経営幹部、管理職、リーダーなどが主導することで、浸透効果をより高めることができます。


企業文化を変革した事例紹介


日本航空

日本航空は2010年に2兆3221億円の負債を抱えて倒産しました。そして、日本航空を再建するために稲盛和夫氏が役員報酬なしで会長に就任。企業文化を改革し、見事に日本航空を再建しました。
稲盛氏が会長に就任した当時の日本航空は、社内に危機感がなく、まるで会社更生法が適用されていないような雰囲気だったと言います。また、当時の日本航空は一握りの経営幹部が指示を出し、組織全体がそれを守り実行するという官僚的な組織でした。
稲盛氏が掲げた新しい企業理念には「全社員の物心両面の幸福を追求」という言葉を盛り込まれていました。これは「社員が幸せでなくては、お客様を幸せにできない」という稲盛氏の考えを反映したものです。そして、企業理念の実現と、自ら考え行動できる文化を醸成するために「自律型リーダー研修」を導入し、「問題が起きた時に、自分に何ができるか考え、ピンチを自分の出番にする」という新しい企業文化と行動を社内に浸透させました。


ヤマト運輸

ヤマト運輸は古くから「鍛える文化」の会社でした。鍛えてこそ社員は育つという文化で、上司や先輩が部下、後輩を厳しく指導する伝統がありました。2011年に社長に就任した木川眞氏は、褒められて嫌な気分になる人はいない、世代も代わり、従業員のモチベーションと定着率向上を目指すためには、「褒める文化」へと変えていく必要があると考えました。
そこで木川氏は「満足BANK」という仕組みを取り入れました。イントラネットに記名式で、誰が誰を褒めたのか、その理由は何かが全部見られる仕組みです。この「満足BANK」は、木川氏が「褒める文化」に変えたいと訴え続けたところ、ある幹部社員が仕組みを考えてきて「社長、これをやりましょう」と言ってきたことからスタートしました。
この施策以外にも、10年間以上かけて、社員の気持ちや満足度を測る、それをもっと進化させる仕掛けや仕組みの導入をいくつも試し続けました。このような仕掛けを組み合わせながらやることで、19万人の従業員を抱える大組織でありながら、企業文化の変革を成功させました。



アルーの企業文化の変革をサポートする研修事例

企業文化を変革しようとすると、中長期的な取り組みになります。自社内で継続した取り組みを実施することも重要ですが、それだけでは

  • 本気で取り組む姿勢が見られない経営陣
  • なかなか行動に移せない管理職
  • 企業文化が変わるわけがないと諦める社員

などに悩まされ、思ったように進まないことも多々あります。
そんなときには、日常の場を離れ、外から刺激を入れられる研修を実施することが有効な場合もあります。ここからは、アルーが実際に実施した企業文化の変革をサポートする研修事例を1つご紹介します。


医薬品メーカーA社様管理職向け『アンコンシャスバイアス』研修事例

医薬品メーカーA社様では、業界での新製品開発競争が激化しているものの、古い企業体質が残り、社内からイノベーションを起こすことができない、という課題に悩まされていました。
そこで、影響力の大きい管理職の意識変革を目指して、講演形式の研修を実施しました。研修では、イノベーションを起こす文化を醸成するために必要なことを理解し、アンコンシャスバイアスへの対処法を学んでいただきました。研修後は「これまでダイバーシティ推進をどこか他人ごとで考えていたが、自社や自部署がこの先も発展するために、少し長い目でみて個性を活かせる組織づくりを目指したい」のような声が挙がり、管理職の意識や行動が変わるきっかけになったと喜んでいただけました。
詳しいカリキュラムは以下をご覧ください。

▼テーマ
管理職向け『アンコンシャスバイアス』研修 ~イノベーションを起こす組織への改革~

▼ねらい

  • 多様性を尊重し、イノベーションを起こす組織づくりに向けた、課長職に求められる期待役割を認識する
  • その役割を完遂するための組織運営のヒントをつかむ

▼内容
①オリエンテーション
研修のねらいを説明し、なぜ研修を実施したか理解してもらうとともに、自己紹介を通じて意見交換しやすい場を醸成します。

②多様性を受容し「個性」を活かすための土台
心理的安全性のある職場づくりやローコンテクスト ・コミュニケーションが求められている背景を理解し、実際にどうコミュニケーションすべきかを学びます。

③アンコンシャスバイアスに気づく
アンコンシャスバイアスがあることで何が問題になるのかを理解します。また、自分のアンコンシャスバイアスに気づき、どのように対処していけばいいのかを学びます。

④アンコンシャスバイアスを乗り越え「個性」を活かす方法
アンコンシャスバイアスを減らすためにどうしたらいいのか、どうすれば職場にいる多様な人材を活かすことができるのか、のヒントを得て、明日からの行動をどう変えるか明確にします。

⑤まとめ
決めたアクションを共有し、トレーナーから背中を押すことで、明日からの行動変容につなげます。



企業文化の変革にお悩みならアルーにお任せください

企業文化の変革は、共通の目標をもったメンバーと協働するチームと中長期で取り組む息の長い取り組みです。自社だけ推進しようとしても、さまざまな事情が複雑に絡まり、なかなか進まないこともあります。
そんな企業文化の変革にお悩みをお持ちの方は、ぜひアルーにお任せください。アルーでは、課題に合わせたオーダーメイド研修の提供が可能です。
グループワーク中心の研修から、企業文化を実際に変えようとする取り組みの実現をサポートする研修、屋外でおこなうアクティブラーニングの研修まで、さまざまな企業文化の変革を支援する研修の手法をサポートできます。受講者数80,000人以上の人材育成研修を行っているアルーにぜひご相談ください。


またアルーの組織風土の醸成に関する資料は、以下のページよりダウンロードいただけます。
成果が出せる組織風土の醸成に関するお役立ち資料のダウンロードはこちら



まとめ

いかがでしたでしょうか。
本記事では、企業文化を変革する必要性、変革を成功させるポイントについてご紹介しました。企業文化は一朝一夕で変えることはできませんが、入念な計画を立てて、根気強く取り組むことで可能となります。
本記事を参考に、自社の企業文化の変革を目指しましょう。


アルー株式会社
アルー株式会社
20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
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