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マインドを変えて、やる気を引き出すポイントとは

「社員のマインドを変えたい」、「社員のモチベーションをあげたい」といった悩みを持つ方は多くいらっしゃいます。

  • 仕事へのモチベーションをあげられず、若手社員が簡単に離職してしまいます
  • 新しいことへチャレンジが必要と言っても、動いてくれる人がほとんどいません
  • 新しいことを始めても、いつも中途半端で終わってしまいます
  • 新たなスキルを教えても思ったような効果がみられません
  • 他人のやる気を上げるなんてどうやったらいいかわからない

など、やる気やモチベーションにまつわる悩みの声は枚挙にいとまがありません。
ロジカルシンキングやファシリテーションなど、さまざまなビジネススキルを習得したとしても、自分や周囲がやる気のない状態では思うような成果は上げられません。
そこで本記事では、「やる気」をテーマに、やる気を引き出すポイントや具体的なステップについてご紹介します。




目次[非表示]

  1. 1.証明マインドセットと成長マインドセット
  2. 2.証明マインドセットを成長マインドセットに変える方法
  3. 3.やる気を引き出す2つのステップ
  4. 4.やる気を引き出す研修事例紹介
  5. 5.まとめ


証明マインドセットと成長マインドセット

マインドセットとは、経験、教育、先入観などから形成される、思考様式や心理状態のことです。このマインドセットは、大きく2つに分けて、「証明マインドセット」と「成長マインドセット」があるといわれています。


証明マインドセット

証明マインドセットを持つ人の特徴は、自分の能力を証明しようと、人に自分を認めさせようとすることです。ですので、自分と他人をいつも比べています。また、証明マインドセットの人は助けを求めようとせず、それでいてミスをすることを恐れます。その最大の理由は、「自分にはできない」ということが自分にも他人にもわかってしまうことを恐れているからです。
このタイプの人は困難にぶつかったときに、

  • 「自分には無理だ」と不安に押しつぶされ、本来の力が発揮できない
  • 「自分にはできない」と思い、挑戦しようとしない

といった行動をとります。
そして、できないと思っていると実際に失敗しやすくなり、「思った通り失敗した」と悪循環を作り出します。結果、課題や目標にとらわれ、仕事に意義を見出すことができなくなってしまいます。


成長マインドセット

成長マインドセットを持つ人の特徴は、新しいことを学び、能力を高めていくことが重要だと考えることです。他人の目をあまり気にせず、自分と他人とを比較しません。以前と比べて今の自分が成長できているか、ということを大切にします。
成長マインドセットの人は、困難にぶつかったときにも、

  • 成長のためには、その過程で失敗は仕方がないと考え、粘り強く続ける
  • 困難を乗り越えることで今よりも成長できると、さらにやる気を出す

といった行動をします。




証明マインドセットを成長マインドセットに変える方法

人は、不変的にどちらかのマインドセットを持っているわけではなく、変えることができます。やる気を引き出すためには、まずは証明マインドセットを持つ人のマインドを変え、成長マインドセットにしなくては始まりません。
証明マインドセットを成長マインドセットに変える方法としては、たとえば、

  • 目標を決めるときに成長を意識したものにし、「なぜ」自分がこうしたいかを考させる
  • ミスをしても大丈夫だと伝える
  • ロールモデルを示す

などがあります。
こちらの記事でも、詳細にご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
そして、成長マインドセットに変えることができたとしても、やる気を引き出すためのコミュニケーションをとる際には、人のタイプによって気を付けるべきポイントがあります。


獲得フォーカスと回避フォーカス

コロンビア大学の社会心理学者である、ハイディ・グラント・ハルバーソン博士によると、人の特性によってやる気が出るポイントは異なっており、

  1. 獲得フォーカスが強い人
  2. 回避フォーカスが強い人

の大きく2つのタイプに分けられるといわれています。同じ目標に向かっていたとしても、そこに至るまでのやり方の違いでコンフリクトが発生することがありますよね。たとえば、誰かと旅行に行って楽しみたい、とするときに、入念に準備をするタイプと細かく計画することを嫌がるタイプがいます。どちらでも目標に向かって進めますので、どちらがいいということはありませんが、それぞれの特徴を知ることで、人に合わせてやる気を引き出すことができるようになります。


獲得フォーカスが強い人

獲得フォーカスが強い人は、達成感を求め、リスクを取ってでもチャンスを逃さないように行動します。このタイプの人にとってやる気とは、情熱であり、何かに向かって突き進むことです。そして、肯定的なフィードバックや人からの称賛によって、さらにやる気が高められます。つまり、成功すればするほどやる気に火が付くといえます。
逆に、自分の能力に疑問を持つようになると、調子が出なくなります。また、スピードを重視しますが、多くのことに手を出し、仕事を先延ばしにしがちといわれています。


回避フォーカスが強い人

回避フォーカスが強い人は、責任を全うし、義務感を感じている仕事をやり遂げることに重点を置きます。このタイプの人にとってやる気とは、自衛的なものになり、どこかに危険がないかを気にします。そして、否定的なフィードバックや自省、批判などによりさらにやる気が高められます。つまり、潜んでいる危険や仕事を進めるための注意点に気づくことに、力を発揮します。
逆に、過大な信頼を寄せられたり、大げさな称賛をされると、かえってやる気が低下してしまいます。また、正確さを重視し、最初から時間を多めに見積もり、期限までに仕事を完了できるようにします。

これら2つのタイプの特徴を理解することで、どんなコミュニケーションをとってやる気を引き出せばよいのか明確になります。たとえば、「ポジティブに考えよう」と言われても難しい人もいれば、「慎重に進めよう」と言われると急に力を発揮できなくなる人もいることが分かるのではないでしょうか。



やる気を引き出す2つのステップ

成長マインドセットに変えたあと、他人のやる気を引き出すためには、次の2つのステップを踏むことが必要です。


自信を持てるようにするために、仕事に必要なスキルを身につける

獲得フォーカスが強い人は、いろいろなことを体験しながら成長していくことを好みます。未知のことでもあえてやらせてみて、成長しているか頻繁に確認し、励ましの言葉をかけると学ぶ努力を続けることができます。
一方で回避フォーカスが強い人は、実際に仕事にとりかかる前に入念に準備しようとします。どんな仕事なのか十分に説明すれば、やるべき仕事をしっかりとやってくれます。大げさに励ますとやる気を削いでしまうことがありますので、正直にフィードバックし、うまくいっていない時には正そうと伝えると、学ぶ努力を続けることにつながります。


獲得フォーカスか回避フォーカスかに合わせて、コミュニケーションをおこなう

獲得フォーカスが強い人に対しては、

  • 「何が得られるか」明確にして、目標をはっきり持たせる
  • アイデアを自由に出させる
  • 大きな絵を描く
  • プラス面を考えさせる

のようなコミュニケーションをとることで、やる気を高めることができます。
一方、回避フォーカスが強い人に対しては、

  • 建設的な批判と悲観的な意見を正直に伝える
  • 目標を達成するために、何を避けるべきかを説明する
  • 出されたアイデアに対して分析してもらう
  • マイナス面を考えさせる

のようなコミュニケーションが有効です。



やる気を引き出す研修事例紹介

アルーでは、これまでに幅広い企業でやる気を引き出す研修の実施を支援してまいりました。また、新入社員や若手社員のやる気を引き出す研修から、管理職が部下の支援を上手くできるようにする研修まで、幅広い階層、幅広いテーマで研修の実施を支援しております。ここではそれらの中から特に参考となる事例を1つ紹介します。

個人の特性に合わせたコミュニケーションやフィードバックができ、やる気を引き出す場として注目されているのが、1on1です。1on1とは、上司と部下が1対1でおこなう、定期的な面談のことです。上司は1on1の場で、部下が抱えている悩みや将来的なビジョンなどを理解し、対話を通じて問題解決や気づきによる部下の成長をサポートします。
今回は、組織の関係の質をあげられるよう、リーダー層を対象に実施した1on1研修の事例をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

▼テーマ
1on1アドバンストレーニング研修(2日間)

▼目的
組織の成功循環モデルの決め手となる「関係の質」を上げるために必要な、リーダーとしての1on1に関する知識とスキル(型)を習得する

▼ねらい
・1on1の型を理解する
・1on1の型の進行を体感して実践できるようになる

▼学びのポイント
・関係の質を向上させる、肯定的なフィードバックとリアクション手法を習得する
・相手に気づきを与えるコミュニケーションを身につける
・トレーナーによる実演と、「型」のある1on1実践演習で、1on1のコツを習得する

▼内容

①1on1とは
1on1の基礎知識をインプットし、受講者が1on1に持っている悩みを共有することで、受講者の目線を合わせていきます。

②カウンセリング型1on1の「型」
なぜ1on1に「型」が必要かを理解し、1on1のゴールを確認します。傾聴と勇気づけをおこなうカウンセリング型1on1の「型」に沿って標準ステップを学び、トレーナーによる実演とロールプレイにより、「型」の有効性を体感し、習得します。また、インターバル期間を利用し、現場で実践してもらいます。

③インターバル期間の振り返り
1on1を実践して出てきた悩みを共有し、疑問に答えていきます。

④コーチング型1on1の「型」
傾聴と質問をおこなうコーチング型1on1の「型」に沿って標準ステップを学び、トレーナーによる実演とロールプレイにより、「型」の有効性を体感し、習得します。



まとめ

いかがでしたでしょうか。
本記事では、「やる気」をテーマに、やる気を引き出すポイントや具体的なステップについてご紹介しました。 社員のやる気を引き出すことができれば社員はポジティブになり、また、これまで得てきた経験やスキルと合わせて、より生産性の高い働き方を模索するようになります。
ぜひ社員のやる気を引き出す研修や取り組みを、できることから取り入れてみましょう。

アルー株式会社
アルー株式会社
20年以上、企業向けに人材育成コンサルティングや研修を提供してきた。新入社員・管理職といった階層別研修や、海外駐在員やグローバルリーダーなどのグローバル人材育成、DX人材育成に強みを持つ。その実績は取引企業総数1400社以上、海外現地法人取引社数400社以上に及ぶ。京都大学経営管理大学院との産学連携など、独自の研究活動も精力的に行っている。
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