ボトムアップで体系的なDX人材を育成するブレンディッドラーニング
株式会社ミスターマックス・ホールディングス 導入事例

左から吉田様、上田様、福田様、森重様

株式会社ミスターマックス・ホールディングス

従業員数 : 2,391人(グループ全体、パート含む)

事業内容 : 総合ディスカウントストア運営事業 / 物流事業 / ショッピングセンター開発事業

株式会社ミスターマックス・ホールディングスでは、店舗を含めた40歳以下の社員を対象にDXの初歩を学ぶ研修を実施しました。その方針に至った背景から、実施内容、これまででみえてきた成果、今後の人材育成の展望までをお聞きします。

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課題・背景

  • 店舗社員は普段DXに触れることが少なく、時代の流れに取り残される恐れがあった
  • 社内にDXの浸透を図りたかった

実行施策

  • 統計3級程度のデータ分析が学べる研修を実施した
  • 何度も全国の店舗から本社に集めるのが困難なため、対面研修とオンライン研修をバランスよく実施した
  • 2か月の期間、常にDXについて考えられるようにeラーニングを活用した

成果

  • DXは特定の部署のみではなく、全社的に必要であることが浸透した
  • 店舗社員が数字の見方を理解し、日々の業務に活かすきっかけになった
上席執行役員
DX戦略部門管掌
吉田 康彦 
執行役員
人事部長
福田 恵 
DX戦略室
課長
森重 豊 
人事部
係長
上田 真人 
文内、敬称略

-御社の事業内容を教えてください

 

森重 当社は総合ディスカウントストア「ミスターマックス」を主力事業とし、お客様にとって必要な普段の暮らしに欠かせない商品を毎日安く提供し、お客様に快適に買い物していただける店づくりに取り組んでいます。お客様のさらなる満足を求めて、地域の皆様の暮らしに欠かせない企業を目指しています。 

 

-皆様の所属している部署と、部署の役割を教えてください

 

吉田 私は上席執行役員でDX戦略室と情報システム部の2つの部署を管掌しています。

 

福田 人事部は、文字通り人事制度や教育、採用などを担当している部署です。普段の役割としては、上田が新入社員の教育や階層別の教育を担当しています。私は執行役員で、人事部長を務めています。人事部が採用、教育、人事労務全般の運用や人事制度の運用を統括しています。
 

森重 DX戦略室は、社内のDX推進を担う部署で、オムニチャネルの構築やデータ分析の定着化を進めています。私は課長として、これらの業務に加え、生成AIの利活用導入などにも取り組んでいます。

 

上田 私は人事部教育採用課の係長です。業務内容は社内研修の企画運営や資格取得の支援を行っています。

課題・背景

店舗社員はDXに触れる機会が少なかった

御社の事業におけるDXの進捗程度はどれくらいでしょうか

 

吉田 POSは30年前から導入しており、販売データを活用しています。自動発注も15年ほど前から導入し、店舗での発注の8割以上が自動化されています。ECやアプリで新しい体験価値を提供し、顧客情報と購買データを分析してマーケティングに活用も進んでいます。またセルフレジも導入し、Tableauを使ってデータ分析や可視化を進めています。

 

-今回DX研修を行った背景と目的を教えてください

 

吉田 我々は小売業で店舗数は全国に56店舗、社員数は約720名います。店舗と本部でチェーンストア方式を取っており、本部が商品供給や人事・労務など管理部門で店舗を支えています。店舗社員はDXやITに触れる機会が少なく、我々の社内教育体系も主に売り場や仕入れの技術の勉強や管理職向けの教育が中心で、DXに関する教育は不足していました。将来的にDXが当たり前になる中で、社員が取り残されないように、40歳以下の若手社員を対象にDX教育を始めました。

 

-以前からDXに関する人財育成の取り組みは行われていたのでしょうか

 

吉田 何らかの形でDXに関する社内研修は実施していましたが、対象者を絞って体系的な研修を行うのは今回が初めてです。DXの考え方やロールプレイング的なものは過去に何度か実施しましたが、特定の年齢層や候補者に対して体系的に行ったのは初めてということです。

 

-今回の受講者はどのように募集されましたか

 

森重 今回の研修は全員ではなく、40歳以下を対象に公募で行いました。社内のDXに関する知識のボトムアップを目指していたため、今回は若手の育成に絞りました。

 

福田 従来の階層別研修は全社員を対象に原理原則を学ぶものとして実施しています。今回のDXのような業務に直結する切り口での教育はこれまではなく、全社員への実施が適切なのか考えました。弊社のカルチャーとして手上げが浸透しており、手を挙げる人の方が習得の意欲が高いと判断しました。また、年齢での区切りはありましたが職位に関係なく幅広い層に初級編として参加してもらえるよう、公募にしました。

 

-公募で応募する人の割合はどれくらいでしょうか

 

福田 内容によって大きく異なります。今回で言えば、30名の定員に対して、倍近い希望者がいました。今回対象外とした40歳以上の社員からもぜひ受けたいと多くの声もありました。今回は対象の年齢層に絞り、レポートと過去の適性検査の結果等を踏まえて総合的に判断し、選抜致しました。

実行施策

2か月間DXに触れられるよう研修とeラーニングを組み合わせた

< DX研修の全体像 >

-今回のDX研修の実施概要について教えてください

 

森重 若手向けにDXリテラシーの向上を目的に合計5日間の集合研修を行いました。それにeラーニングも組み合わせています。

今回、現場で支えている店舗社員をメイン受講者と想定していましたが、結果的に本部社員からも多く手が挙がり、集合研修への参加は選抜になりました。集合研修は福岡の本部で行いましたが、全国各地の店舗から参加してもらうのでは対応が追い付けません。そこで初日と最終日はワークショップにして対面で行い、中日はZoomでのWeb研修を組み合わせることで、全日程をうまく進めることができました。

2ヶ月間の研修期間中に5回のWeb研修と集合教育を組み合わせ、その間をeラーニングで補完する形で行いました。

< DX研修のカリキュラム >

-研修カリキュラムはどのようなものでしたか

 

森重 1日目はキックオフを行い、2日目から4日目までWeb形式でデータ分析を実施しました。5日目はeラーニングの内容も含め、最終的なワークショップで発表するというのが大きな流れです。講義内容は、使用する事例を小売業に近いものにしました。データ分析に関しては、Excelの操作的な部分を省き、統計3級相当や4級の初歩レベルまでの初学者向けに調整しました。

 

吉田 研修日毎に振り返りを実施し、受講者の反応や理解度を見ながら、次の教育で補正するなど柔軟にプログラムを調整していきました。固定的なプログラムではなく、受講者に合わせて組み替えていく形式をとりました。

 

福田 対面とWebのバランスも重要でした。80%が店舗スタッフで全員を集めるのは難しいため、全てを対面で行うことは困難でした。また、12月から繁忙期が始まるため、10月にスタートして11月で終わるようにスケジュールを調整したことも大きなポイントでした。

   

-今回eラーニングではDX FriendsとDX Beginsという2つを実施されましたがその理由についてお聞かせください

 

森重 基本的には研修と研修期間の間に宿題的な形で使ってもらいました。最終日のワークショップの材料として知識を生かして課題を設定する形で使いましたので、eラーニングと集合研修をうまく組み合わせられたと考えています。


吉田 eラーニングと集合研修は別々のものとしてではなく、一つの教育体系の中での取り組みです。研修とeラーニングがセットになっている形で進めています。

成果

数字の見方がわかり業務に活用するきっかけになった

-今回の研修の目的やゴールはどのように設定されましたか

 

吉田 DXについての知識の初期段階での浸透を図るというのが目的ですが、我々としては受講者の反応を見たいという側面もありました。まず、このような研修が受け入れられるかどうか、研修の結果として成績上位者や興味の強い人、弱い人を将来の人事で活用できるかどうか、そして研修を実施した以上、何らかの活躍の場を提供したいという思いがありました。これらの課題に対して、何らかの方向性が見えてきました。

 

-研修を終えられて、受講者に変化はありましたか

 

森重 まず、受講者が常にDXのことを考えながら集中して2ヶ月間を過ごせたのは良かったと思います。具体的な行動変化というよりは、今回はDXをビジネスに活かすという基礎知識の習得とデータ分析、データ活用というところが目的でした。基礎知識の面では、通常業務の中で現状に疑問を持ち、別の方法を考えるきっかけを与えたいと考えていました。また、DXが特定の部署だけでなく、全社的に各現場で改善を進めていくものだという認識を広げるためのきっかけにもなりました。

 

データ分析や活用については、数字の見方など、社内で十分にできていなかった部分について学ぶ機会を設けました。DXやデータ分析の研修は難しい面がありますが、今回はExcelを使用しつつも、統計の知識を学ぶカリキュラムを組み、分析の初歩的な技術を学ぶ機会となったと考えています。

 

吉田 対象者が入社1〜2年目や40歳以下の社員で、店長クラスの方も含まれていました。店舗スタッフが多かったため、直接的に仕入れや商品構成を変更する権限はありませんが、数字の見方、例えば平均値だけでなく中央値で見るべき場合があることなど、物事の見方に変化が生じたと思います。対象者の立場を考慮すると、直接的な行動変容よりも、物事の捉え方が変わってきたという点が重要だと考えています。

今後の取り組み

初級から中級・上級まで体系的なDX研修を実施

-今後のDX研修について現時点での展望をお聞かせください

 

森重 中級、上級レベルを検討しています。今回がボトムアップだったので、次は中級を実施し、3年以内に上級まで拡大していきたいと考えています。今回初めての体系的な教育でしたので、これをベースに全社員に広げるか、今回の受講者を対象にステップアップさせる研修を実施するか検討していく予定です。

 

-DX以外の人材育成についてはどのように計画されていますか

 

森重 様々なテーマで同時進行しているため、一つの研修に複数のプログラムを盛り込んでいます。主体性を重視した階層別の研修が必要ですが、初級クラスまでの研修は整備されているものの、それより上位は単発的な実施になりがちです。今後は体系的に実施できるよう検討しています。小売業なので、店舗のマネジメントやオペレーション、商品知識に関する教育プログラムも必要で、店舗社員向けの研修も用意する予定です。

アルーを選んだ理由

小売業の事例も豊富で研修後の実行計画についても一緒に考えてくれるパートナー

-今回のアルーに研修を任せた理由についてお聞かせください

 

森重 今回の研修実施にあたり、どこに依頼するか検討する中で、最初はインターネット検索でアルーを知りました。これまで私自身が研修の運営経験や取引した実績がなかったため、まずはネットで情報収集を行いました。また、過去に取引があった会社やセミナーに参加した会社も含め、10社以上と実際に話をして比較した結果、最終的に御社を選びました。

 

-今回の研修内容において重視したポイントはどういったことですか

 

森重 今回は基本的なボトムアップとリテラシーの向上を目的としていましたので、まずはその趣旨に合っているかどうかという点で、初学者向けであることを大前提に話を進めました。その中で様々な企業からご提案をいただき、小売業特有の事情も考慮しながら決定しました。小売業だからといって特殊というわけではありませんが、小売業の事例も多くあるかどうかも重視した点です。

 

-ご提案させていただいた内容で印象に残っている部分はありますか

 

森重 今回は研修会社各社へ公平にRFPを投げかけさせていただきました。各社から様々な規模の提案がありましたが、御社はコミュニケーションを重ねる中で、弊社のニーズにより近い提案を積極的に出していただきました。アルーから直接、熱意のあるご提案をいただいたことも良かったです。コンサルティングもやっていただき、実際に研修を実施するだけでなく、その後の実行計画についても一緒に考えていこうという提案があったことも非常に良かったと思っております。また、講師の方にも最初の商談から同席いただき、非常にわかりやすい説明を受けました。この方が講師を務めるということで社内の評価も高く、非常に信頼できる会社だという印象を持ちました。

 

-今後アルーに期待することはどういったことですか

 

上田 私はアルーの無料セミナーに参加させてもらい、講師の方がファシリテーターをされたセミナーにも参加しました。特に興味が湧いたのが「行動変容」というテーマで、これはあらゆるテーマに通じると思います。行動変容の効果測定は難しい面がありますが、これを取り入れることでどのテーマでも効果が出やすくなるのではないかと考えています。

 

-アルーは皆様にとってどのような存在だとお考えでしょうか

 

森重 非常に親身に相談に乗っていただき、良きパートナーとして頼れる存在です。特に困難な局面で助けていただきました。初めてセミナーを運営する際にもアルー様や人事の上田さんに相談しながら進めることができ、非常に助かりました。どのような質問や要望にも対応していただけるので、大変心強く感じています。

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