営業オンボーディングで新入社員・中途社員・異動者の営業基礎力の向上
いすゞ自動車中部株式会社 導入事例

左から立松様、新川様、今尾様、(後列)富田様、西尾様、(前列)梅田

いすゞ自動車中部株式会社

従業員数:1,392名

事業内容:自動車の販売(新車・中古車)/ 自動車の修理・整備 / 自動車部品・用品の販売等

いすゞ自動車中部株式会社では、営業部に配属された新入社員・中途採用・異動者を対象にビジネスマナーやクレーム対応を強化する研修を実施しました。その方針に至った背景から、実施内容、これまでにみえてきた成果、今後の人材育成の展望までをお聞きしました。

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課題・背景

  • 合併により、社内ルールの統一が必要だった

  • 新入社員・中途社員・異動者に、共通言語となる営業スキルを身につける必要があった

実行施策

  • 上司も研修に参加してもらうことで、実務に近い状態で行った

  • 新人だけではなく、上司への再教育も実施
  • 講師には経験豊富な人をアサインした
  • 自社に合わせた研修へカスタマイズした

成果

  • 上司の立場で考えてもらうことができた

  • トラブル対処への意識づけにより会社ルールを守る文化と営業基礎の実践が生まれた
経営本部
採用教育部 部長
新川 哲生 
営業本部
営業推進部 部長
今尾 成孝 
文内、敬称略

-貴社の事業内容と部署の役割を教えてください

 

新川 いすゞ自動車中部はトラック・バスなど新車・中古車の販売及び自動車の修理・整備などを事業内容としています。

私は経営本部 採用教育部で部長を務めており、いすゞ自動車中部の人材教育強化を担っております。営業部門に限らず、階層別や全社員に向けて教育を進めています。

 

今尾 営業本部 営業推進部で部長を務めており、営業職の教育を担当しております。

課題・背景
研修未実施のまま支店に配属されていた

-今回、研修を行った背景を教えてください

 

今尾 2017年に、いすゞ自動車東海北陸株式会社と長野いすゞ自動車株式会社が合併して「いすゞ自動車中部株式会社」という1300人程の大きな会社になりました。合併に伴い、各会社の独自ルールを新しいルールに切り替える必要がありました。新営業職には配属先によって各支店のローカルルールに馴染む前に、いすゞ自動車中部の会社単位のルールを身につけてもらい、支店の独自ルールを少しでも無くしていきたいと考えていました。

 

また、一部の社員は研修を受けずに支店に配属されているため、ビジネスマナーやクレーム・トラブル対応といった営業の基礎スキルをOJTで身につけるしかありませんでした。商談率や成約率にも影響するため、社員の共通言語化を行うために営業の基礎スキルを習得する研修を行う必要がありました。

< 解決したい課題 >

実行施策
学んだことをすぐ現場で活かせる研修設計

-新入社員・中途社員向け営業力強化研修の実施内容について教えてください

 

新川 「新入社員・中途社員向け営業力強化研修」では、新入社員・中途社員・異動者など新人営業職を対象に、ビジネスマナー研修とクレーム・トラブル対応研修を実施しました。

 

ビジネスマナー研修は、日報や販売伺書の書き方や社内営業ツールの使い方から、新入社員研修時に行ったビジネスマナーを営業に特化した内容にしました。

 

クレーム・トラブル対応研修は、営業活動上、過去にあったトラブルを事例として共有し、トラブル対応の仕方を学べるように工夫しました。当社では、ホウレンソウやバッドニュースファーストの強化が方針としてあり、研修を通じて、適切なタイミングに適切な方法で実践できるよう意識づける内容となっています。

< 2日間研修のスケジュール >

今尾 クレーム・トラブル対応研修には、配属先の上司も招集して、より実践に近い環境で新人たちがシミュレーションできる形にしました。あらかじめストーリーを作り、上司に回答例を伝達した上でロールプレイに取り組んでもらいました。それは単なるクレーム対応の方法を学ぶだけではなく、いすゞ自動車としてどのように振舞い、解決したのか、まで理解してほしいという目的からでした。

 

新川 講師は有名メーカーと総合商社で経験のある講師にすることで研修プログラムにはない具体的な事例や知見も講師から話せるようにしました。

 

また、今回はオンライン研修やeラーニングではなく対面型の研修で実施しました。オンライン研修も検討しましたが、一方通行になりがちになってしまい、受講者にとっても緊張感が薄れてしまうことがデメリットだと考えています。オンラインだと手元で何やっていても分からないこともあり、仕事をしながら研修を受けることもできてしまいますよね。会社としてのルールや営業の基礎を身につけてもらいたいため、対面の教室研修で実施したほうが研修効果が高いと考えて教室研修にしました。

成果
新人だけではなく上司も気づきを得た

-今回の研修で受講者に変化は感じられましたか?

 

今尾 上司に気づきを得てほしいと考えて取り組んでいましたが、新人たちも上司の変化を期待していたことは想定外でした。新人たちにとっては何がトラブルで何がクレームなのかまだ判別ができないという部分はありますが、報告や相談しようにも話を聞いてくれる環境でなければ誰も相談しません。上司も研修に参加したから環境づくりの大切さが伝わったのはよかったと思います。ただ、受講者からは「上司にも答えを見せずに一緒に考えて解決したかった」という声も上がったので、やり方についてはさらにブラッシュアップさせていく必要があります。

 

また、クレームやトラブルが起こった場合、お客様にも会社にもマイナスが発生してしまいます。クレームやトラブルを前もって防ぐことができるようになることで、売上向上に繋がり、結果的に社員に還元できると考えています。当社は、「バッドニュースファースト」を重視していますが、これは会長、社長が以前から述べている「問題事を真っ先に持ってきなさい」という文化から来るものです。新人も関心高く取り組むことで、会社をよりよくしていく流れが出来上がりつつあります。

今後の取り組み
より現場ニーズにあった研修を提供したい

-今後、総合力強化研修でどんなことを実現したいですか?

 

新川 今回はトライアルを兼ねて、今後どのような形で研修を実施していくのが最適なのかを探りながら実施しました。今後も新入社員と中途社員に継続して実施したいと考えています。ただ、今年から全社員に半年間のエンジニア研修を実施してから各部署へ配属となるので、スケジュールと内容を調整しながら実施します。

 

今尾 お客様情報をどう活かせるかをフォーカスした研修も考えています。お客様とのコミュニケーションの中で、ニーズを把握するスキルを研修で強化したいと思っています。

アルーを選んだ理由
こちらの要望が反映された研修カリキュラムだった

-今回アルーの研修を採用した理由を教えてください

 

新川 他社と比較した中で、研修内容を我々がイメージしやすいような資料と説明で、非常に理解しやすかったことが上げられます。アルーから研修受講者の上長も呼んで部下と上長が一緒にホウレンソウの実践をする提案等もあり他社にはない斬新な提案もありました。また、研修教材に使う資料のクオリティも高かったこと、当社の要望をそのまま反映した研修カリキュラムにカスタマイズしていただいたことも理由です。

 

今尾 これまで、研修会社からは既存の研修プログラムを提案されることが多く、私たちの要望が反映されなく、がっかりしたこともありました。しかし、アルーでは、研修の提案時から打ち合わせを4~5回繰り返し、内容をつめていけたことが信頼につながりました。 

 

新川 どの研修会社も「カスタマイズしますよ」とはいうものの、結局研修内容は同じ、カリキュラムも同じというパターンばかりです。アルーに研修を依頼することは初めてでしたが、私たちの要望を形にするために、何度も打ち合わせを繰り返しながら、カリキュラムを作り上げていくスタンスが、導入決定に非常に大きく影響しました。

また、親会社のいすゞ自動車株式会社ではアルーの新入社員研修の導入実績もあるため、安心感につながりました。

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受講者の感想

広域営業部第1グループ
西尾 和輝 
名古屋支店営業第1グループ
冨田 文徳 
港支店営業グループ
立松 峻 
文内、敬称略

-今回研修に参加するにあたって目標・目的はどういったものでしたか?

 

西尾 「実際にお客様を訪問した時にどう実践できるか」を目標に取り組みました。というのも、私は昨年8月ごろから営業活動をしており、お客様へ伺った際にどう対処していいか分からなかったことがありました。研修の演習にもあった同様のトラブルにも遭遇した経験から、身を入れて受講しました。

 

富田 営業は対人の仕事のため、お客様に迷惑をかけないような立ち居振る舞いや、言動を心がけていますが、研修ではさらにスキルを向上させることを念頭におき参加しました。

 

立松 「新卒だから」で許してもらえる程度のマナーしか身に付いていないと自覚していましたので、社会人としてきっちりとしたマナーを学びとる気持ちで臨みました。

 

-今回、研修に実際の上司が参加したことについてどのような印象を持たれましたか?

 

西尾 研修前までは上司とうまくコミュニケーションが取れていませんでした。長々と報告をつづける行動をしてしまっていたのですが、ホウレンソウの具体的な方法が学べ、上司と一緒に受講したことで、双方の心構えが理解できたことは収穫でした。

問題が起こった時も、お互い共通言語で報告できるようになり、最近のトラブルでは早急に対処できた事例があります。

 

富田 名古屋支店は比較的年齢層が若く、プライベートの相談も気軽にできるような和やかな雰囲気なので、ホウレンソウについて課題感はありませんでした。しかし、他の支店では「新人がなかなか報告してこない」という状況だと聞きました。

新人からしてみたら「報告しやすい環境にしてくれているのか」という疑問がありましたので、今回の研修は、上司の意識改善に繋がることに期待が持てる内容でした。

 

立松 異動してきたばかりの社員と一緒に受講しましたが、上司への報告の仕方という同じ課題で取り組めたことと、お互いアドバイスしながらできたことが印象に残りました。

 

-2日間の研修を経て、成長実感や気持ちの変化はありますか?

 

西尾 本当に簡単なことですが、意識が高まったのが名刺交換のやり方です。名刺ケースの向きから名刺の渡し方、受け取り方に至るまでの一連の作法をロールプレイで学べたことを、そのまま実践に活かしています。

 

富田 お客様へ伺うときはまずアポイントを取るようになったことです。僕は少し考え方が古いのかもしれませんが、それまでは「営業は飛び込みありき」というイメージがあり、アポイントを取らずにとにかく1軒でも多く回って名刺を置いてくる営業スタイルをとっていました。アポイントを取るようにしてからは、お客様がいらっしゃる時間に訪問するようになり、営業効率が格段に向上しました。

 

立松 マナー研修中のディスカッションで「お客様を車に乗せる際にどの座席にご案内すればいいか」という題材がありました。私は、どこに案内するといいのか全然分からなかったのですが、研修を通じて基本的な席次などのビジネスマナーを理解し、営業時に実践にまでつなげられました。

 

-研修を振り返ってみた感想をお聞かせください

 

西尾 ロールプレイが多い研修でした。座学で学ぶ研修だと、時間が経つとやっと1割覚えているかいないかでしたが、今回の研修マナーやホウレンソウのやり方などがロールプレイ中心で行われたため、今でもしっかり覚えていますので、受講してよかったと思います。

 

富田 この研修を受ける前までは現場至上主義が頭にありましたので、研修を受けるより、1軒でも多くお客様を訪問した方が実践できて学びも早いという思いが強くありました。しかし、実際研修を受講してみると、自分の知らないビジネスマナーがあることを知り、また名刺の受け渡しをはじめとして間違ったマナーを実践してしまっていたことに気づかされました。ロールプレイングで、実際に体感することで、改善することができました。

 

立松 エレベータートークの難易度が高かったのですが、上司にアドバイスをもらいながらロールプレイしたことで、理解を深められたことが自分の中で一番の収穫になっています。

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アルー営業担当からの一言

アルー株式会社
HRコンサルティング1部
梅田 智之
この度はご支援の機会を頂戴し誠にありがとうございました。
お打ち合わせ当初から、新入社員(営業職)の方が営業活動デビューに伴い、いち早く活躍できるように、不安を払拭してあげたいという強い想いを感じておりました。今回の研修ではいすゞ自動車中部様独自の営業事例を活用しながら、また報連相パートも直属の上司を交えてロールプレイを行うことでより実践に近い状況を体感できるように研修設計を致しました。
今後も、人財育成の「パートナー」として、ご期待にお応えできるよう精一杯ご支援させていただきます。

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