※本文内、敬称略
ーーー 貴社の事業内容と部署の役割を教えてください
辻本 当社は主に調剤薬局とドラッグストアを運営しており、全国に455店舗(連結子会社ベース・2024年12月5日時)展開しています。
当社が大切にしていることは、地域の医療に貢献することです。薬局を利用する患者様の薬を調剤することはもちろん、在宅医療や予防にも力を入れています。
また、国から「対物業務から対人業務へ」の転換を求められていることもあり、患者様に対応する「対人」の部分に力を入れているのが特徴です。
その中で、私たち人事部には採用・研修課と人事課と2つ課があります。今回のような研修企画・運営を担当しているのは採用・研修課です。新入社員は薬剤師や医療事務職が多く、医療人としての成長ももちろん必要ですが、社会人としてどこでも通用する社員に育てたいという思いで研修企画を行っています。
私は人事部の次長として、新卒採用や中途採用の戦略立案や面接官など全般を担当しております。また、研修領域についても、同じく企画立案や講師などの役割を担っています。
井上 私は採用・研修課の課長としてマネジメント業務を行いながら、採用と研修の双方の業務に携わっています。採用においては戦略立案から面接官まで担当しています。
人手不足で売り手市場の中、母集団形成や当社への動機付けを行い、さらに採用後にその人らしく働ける会社をどう作っていくのかというところまで考えて業務を行っています。
研修に関しては、企画立案や教材スライドの作成・講義、フォローアップ施策など、一つの研修に対して半年から1年ぐらいかけて取り組んでいます。年間で見ると、数10本ぐらい研修を実施しています。
課題・背景
これからの薬剤師・医療事務に求められる社会人基礎力を身につけてほしかった
ーーー 今回、2年目フォローアップ研修を実施するに至った背景を教えてください
井上 アルーには、新入社員への導入研修も依頼していました。導入研修では、「どこでも通用する社会人になってほしい」という思いから、その土台となるスキル・知識やマインド・スタンスを重点的に取り扱っています。しかし、これら土台となる知識やマインドは一朝一夕で身につくものではありません。継続して研修を実施し、ブラッシュアップしていくということが非常に大事だと考えています。
そこで今回、導入研修の振り返りと、実際に働いている中で見えてきた課題感やニーズをプラスした内容で研修を企画しました。
ーーー 貴社の新入社員・若手社員が抱えている課題にはどのようなものがありますか
井上 たとえば、自分で限界を作ってしまうという点が挙げられます。なにが正解か分からない中で、自分軸だけで判断してしまうのです。私たち医療従事者も一種のサービス業です。サービス業においては、答えを持っているのはお客さまであり、私たちの業界では患者様なんですよね。
たとえば、風邪をひいた患者様に「どんな症状ですか」と聞けば、「咳がでます」「熱があります」という答えは得られます。しかし、それらの症状がその患者様にとってどれだけ辛いのかというのは、その患者様にしか分からないことです。
だからこそ、相手軸で考えることが必要なのです。相手軸を基準にして、仕事への取り組み姿勢や自分の言動を考えてほしいですし、高めていってほしいと思っています。
辻本 当社の新入社員には、導入研修で3週間の研修を実施したあと、半年間、OJTトレーナーが付いて現場で学んでもらっています。結果として、目の前の仕事を一つ一つできるようにはなりました。「目の前の患者様の要望に応じて服薬指導をする」、「丁寧に正しく薬を提供する」といった必要最低限の仕事はできています。
しかし、アルーの研修内で使われている用語で言うと、「優秀な作業者」になってしまっているのではないかという課題も感じていました。相手のためにプラスアルファで何ができるのか、自分が2年目になってどのような役割を求められているのか、といったことを考えることはあまりなかったのではないでしょうか。
これから先、キャリアを積んでいくにあたっては、「仕事ができるとはどういうことか」について正しく認識する必要があります。アルーの研修でもお伝えいただきましたが、「仕事ができる」状態になるには、「成果を継続的に出すこと」が必要です。そのためには、相手軸で考えることが必要です。
私たちにとっての「相手」は、患者様やご家族、医師、看護師、ケアマネジャーなど多種多様です。新入社員には目の前の仕事をこなすだけでなく、関わる人の立場になって視野を広げてもらいたいという思いがあります。
ーーー貴社では、1年目・2年目社員にはどのようになってほしいとお考えですか
辻本 1年目社員には、まずは独り立ちすることを目指してもらっています。薬剤師の場合、入社前に薬剤師国家試験に合格してはいますが、社会人として働くことは初めてです。そのため、社会人として独り立ちすることが目標です。
2年目社員には、一人前になることに加え、自律・自走ができるようになってほしいという思いがあります。指示されたことだけをやるのではなくて、あと一歩何ができるのかという点にも目を向けられるようになってほしいです。また、後輩が入ってきますので、後輩のOJTトレーナーになって指導をする側になったり、ゆくゆくは店長や管理薬剤師を目指していけるような志向性を身につけたり、といった点も期待しています。
井上 近年、薬剤師のあるべき姿が大きく変わってきていることも、1年目・2年目社員に社会人としての基礎を身につけてほしい理由の一つです。
薬剤師にはいま、「対物業務から対人業務へ」の転換が求められており、2016年にかかりつけ薬剤師の制度も始まりました。また、厚生労働省の調査によると、薬局に従事する薬剤師の需要人数は2030年をピークとしてそれ以降は減少すると見積もられており、飽和状態が近いとも言われています。
多くの方から見える薬剤師の業務は、調剤室の中にこもって薬を準備して、それが正しいかを確認し、患者様に説明して終わり、というイメージだと思います。
しかし、今は対物業務ではなく対人業務が重視されるようになっています。かかりつけ薬剤師として、患者様に選ばれる薬剤師にならないといけません。「薬や健康のことをあなたに相談したい」と患者様に思ってもらえる薬剤師になる必要があるのです。
かかりつけ薬剤師にかかる場合、通常かかる費用にプラス60~100円(3割負担の場合)、患者様はお支払いをしなければなりません。このかかりつけ薬剤師の制度は、現状あまり浸透していません。これには2つ理由があり、1つはかかりつけ薬剤師制度そのものの認知率が低いということです。これは私たち企業側も努力が必要であり、国の課題でもあります。
もう1つの理由は、かかりつけ薬剤師にプラス料金を支払う価値を患者様に感じてもらえていないということです。つまり、「プラスアルファのお金を支払っても、この薬剤師に自分の健康のことを相談したい」と思ってもらえていないのです。
たとえば、美容院に行ったら美容師さんを指名する方は多いと思うんですよ。「プラス数100円払ってもこの美容師さんに担当してほしい」と考える人がたくさんいます。しかし、薬剤師はこのように思ってもらえていないというのが、かかりつけ薬剤師制度の浸透率の低さから伺えます。
選ばれる薬剤師になるためには、対人業務を行う上で必要な礼儀やマナー、コミュニケーションスキルなどがより重要視されます。また、私たち社会人が日頃から大事にしている社会人基礎力も必要です。このような背景があり、1年目・2年目の社員に社会人としての土台を身につけてほしいと考えています。
ーーー1年目・2年目社員がそのような成長を遂げるために、これまではどのような育成施策を行ってきましたか
井上 お恥ずかしい話ですが、社会人として一人前になるための研修は優先順位が低く、十分できておりませんでした。研修は薬事・業務に関するものが大半を占めており、社会人としての教育は店長や管理職の方々など、現場の方に任せきりになっていました。
そのため、社会人としてのマインドやスタンス、知識、スキルを身につけるチャンスが少なく、本人の姿勢や上司の指導如何により個人差が大きくなってしまっていたというのが正直なところです。この状態で店長やエリア長、管理職の立場になっていくと、社会人基礎力がやや疎かなままで、未熟なままマネジメントをする状態になっているケースも見られました。マネジメントをする本人も不安を感じていたと思いますし、非常に辛く、大変な思いをさせてしまったと感じています。
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実行施策
受講者の気づきを促し、理解に結びつけるフォローアップ研修
ーーー 今回、アルーに依頼いただいた2年目フォローアップ研修はどのような研修でしたか
井上 大きく3つのフローに分けた研修を実施しました。最初に実施したのは、導入研修の振り返りです。事前課題として、導入研修で学んだ仕事の進め方のフレームワークである「G-PDCA」で重要なメッセージを虫食い状態にし、キーワードを埋めてもらいました。当然ながら、言葉を知っていたらいいというわけではありません。ただ、まず大事なキーワードやビッグワードだけは思い出してほしいという思いでこの事前課題を実施しました。導入研修の際に配られた教材を見返す機会にもなったと思います。
その後、講師の先生を交えながら、グループワークをメインに研修を実施しています。知識として理解することと行動に移すことは別ですので、グループワークで実際にやってみて大事なところを押さえてもらえるように工夫しました。
最後は、新入社員が現場で働いてみて見えてきた課題感・ニーズに基づき、「相手の期待を超える」ことを重点的に伝えました。
当社の新入社員は基本的な能力はあると思いますし、さらに熱量や行動力もあり、ダイヤの原石だと思っています。一方で、仕事の成果を自分視点で判断してしまい、自分が考えた目標までしかチャレンジしないという新入社員の方も見てきました。そういう場面を見ると、ものすごくもったいないなと感じます。
新入社員からすると、どこに目標を設定すべきなのか、まだわからないところがあるのだと思います。そこで、相手視点で目標を設定できるように、「仕事相手の目標を確認する」、「ゴールを確認する」といったメッセージを伝えました。
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ーーー この研修によって受講者にどういう知識習得もしくは行動変容が起こってほしかったのでしょうか
井上 まず、新入社員導入研修で学んだ内容をしっかりと理解してほしいと考えていました。「理解する」の前には「気づく」というフェーズが必要ですので、「自分はこれができている」、「これはできていなかった」ということに気づいてもらうことを重視しました。新入社員自身も、実際に現場で仕事をする中で見えてきた部分があるはずなので、ただ知識を身につけるというより、自分の振り返りも含めて気付きを得てほしかったです。
「理解」ができたら、次は「行動」が変わっていく段階です。研修で得た「気づき」と「理解」をベースに、現場に出てどのように行動すべきかを考えてもらいました。
ーーー 研修後に行動に移してもらうことに難しさを感じる人事担当者も多いですが、そこに向けた工夫や施策はありますか
井上 受講者が、頭の中の考えや思いを自分の言葉で明文化、見える化することが大事だと思っています。
スモールステップでよいと思います。「なにかチャレンジしなさい」、「行動に落としなさい」と言うと、なにか大きなことをやらなければならないと受講者が考えてしまい、結局、実際の行動に移せないことがあります。
小さな行動でよいので、それをまず書き出し、グループワークで周囲に宣言してコミットメントすることが重要です。周りに伝えることで、自分の中でも覚悟と責任が生まれると思っています。
また、新入社員や2年目社員が一歩踏み出すというのは勇気がいることです。その一歩を踏み出しやすくするためには、周りの環境も非常に大きな役割を果たすと思っています。
先輩や上司が新入社員・2年目社員をサポートできるよう、どういった研修を行っているのか、どのような目標があるのかを伝えるようにしています。
成果
自身の課題に気づき、行動に起こすスタンスを身につけた
ーーー アルーの2年目フォローアップ研修を実施してみての所感を教えてください
井上 今回の研修を受けて、受講者が改めて自身の課題に気づき、その時に目の色が変わったんですよね。まずはそれが良かったと思っています。その上で、具体的に何を明日から行動に落としていくかを考えるというスタンスをしっかり持ってくれたと思います。
普段、薬局で働いていると、こういうことを改めて考える機会は少ないんですよね。「新しい薬が販売された」「患者さんからこんなクレームを受けた」といったことにどうしても集中してしまいます。
今回改めて、社会人としての土台をしっかりと地固めできたのはすごくよかったんじゃないかと思っています。
辻本 新入社員研修を終えて1年間経ち、日々仕事をしていく中で、学んだことを活かせているか振り返りをしなくなってしまったり、学んだ内容を忘れてしまったりすることもあると思います。2年目社員は、この先自分の仕事の進め方やいち社会人としてこれでいいのかということについて、迷いがでてくる時期です。
このタイミングで敢えて新入社員研修の振り返りをすることで、自分自身の立ち位置を再確認できたのではないでしょうか。結果として、次のステップも見えやすくなったんじゃないかと思います。
また、同期同士で集まる機会を提供したことで、自分の視野や視座が周りと比べてどうなのかといった点を感じたり、職種を超えての意見を交換したりもできました。新たな気づきや学びがあり、相乗効果も生まれたのではないかと思います。
ーーー 2年目フォローアップ研修を経て、受講者にどのような変化がありましたか
辻本 研修でそれぞれ「気づき」や「理解」は得られたと思いますので、自店舗に戻り実際に行動に移してくれることを期待しています。具体的には、今回の研修ではチーム意識や周囲に貢献する意識について取り上げているので、その学びを実践に移してもらいたいと思っています。
今まではまず自分の与えられた仕事を正確にやることに注力する2年目社員が多かったですが、今後は周囲をいかに巻き込むかを考えながら業務にあたってもらいたいです。
現場でそういった行動が見られたら、研修の成果の一つとして評価できるのではないかと思います。
日常業務の小さいことから始めるのでよいと思います。業務効率を改善したり、患者様の待ち時間を減らしたり、といった身近な課題に、一人ではなく周囲と協力しながら向き合ってほしいです。そうすることが、自律・自走に繋がると考えています。
今後の取り組み
自らキャリアを切り拓き、業界をリードする人材を育成したい
ーーー 新入社員、若手社員の育成において、今後どういったことを実現していきたいとお考えですか
井上 キャリア教育に力を入れていきたいと考えています。人生100年時代とも言われる現代は、昔のようにひかれたレールに従えばよいという時代ではなくなっています。新卒で大きい会社に入れば、そのまま主任になり、さらに課長、部長と昇進していけるというキャリアは、望めなくなってきているのではないでしょうか。
このような時代では、自分でキャリアを切り開くことが重要です。そのため、様々な研修に少しずつ、キャリアの要素を入れるようにしています。定期的に自分のキャリアの現在地を振り返り、自分の価値観や大事にしている志を見つめ直してもらうことが目的です。そうすると、自分が目指すべきゴールが見え、そのゴールに向かうために必要な知識やスキルが何なのかも把握することができます。
キャリアを振り返って自分に必要な知識・スキルを把握し、学んでいくことが大切だと考えています。
ーーー 新入社員、若手社員の育成に限らず、人事部として今後どのようなことを実現していきたいとお考えですか
井上 業界をリードしていく、ゲームチェンジャーとなるような社員の育成をやっていきたいと思います。
今までの調剤薬局、ドラッグストアの業界は、出店すれば儲かるようなビジネスモデルでした。しかし、今は患者様から選ばれないといけない時代になっており、今までのビジネスモデルではこれ以上の発展は難しいでしょう。そのため、時代の変化に順応し、調剤薬局・ドラッグストア業界に変化を巻き起こすことができる、そんなリーダーを育成していきたいと考えています。
最近始めた施策としては、以前実施していた次世代リーダー育成研修を復活させました。全国から優秀な社員を10名程度集め、約半年間の選抜型の研修に取り組んでいます。その中から、当社や業界を引っ張っていくゲームチェンジャーがでてきてくれれば、私達としてはすごく嬉しいですね。
アルーを選んだ理由
ヒアリングから振り返りまで、共に取り組むことで生まれた信頼関係
ーーー アルーのことは何で知りましたか
井上 私が前職にいた頃から、長らくお付き合いがありました。アルーは私たちがやりたいことを理解してくれるなと感じます。
また、研修コンテンツの中身が本当に素晴らしいと思っています。社会人として最低限身につけるべきことというのは、私自身の頭の中にもありますし、自己啓発本に書いてあるようなこともたくさんあると思います。
それらが教材スライドでわかりやすく表現されている点がアルーのコンテンツのよさだと思います。当たり前のことでも、それを知らない人たちに「これが当たり前だよ」と伝えるのは難しいと実感しています。研修スライドという形で可視化されることによって、当たり前のことを伝えることができていると思います。
ーーー 研修会社の選定の際にはどのような点を重視していたのでしょうか
井上 正直な話、各研修会社さんがパッケージとして提供しているコンテンツはそんなに大差はないと感じます。そうなってくると、大切なのは私たちの想いや価値観をどれだけ反映してくれるかということです。簡単に言うと、顧客のことをどれだけ理解していただけるかがすごく大事だと思っています。
ーーー 2年目フォローアップ研修について、アルーの研修を採用した理由を教えていただけますか
井上 私たちがやりたいことができるという、その一言に尽きると思います。
今回は社会人の基礎を学ぶ研修を依頼していますので、基本的なことを漏れなく、そしてポイントを押さえてわかりやすく伝えることができるというのが最も重要でした。この点で、アルーは秀でているなと感じました。
また、人の育成をお願いするとなると、信頼できるかどうかも大切な要素だと思っています。人の育成は単発で終わるものではなく、フォローアップ研修なども含めてある程度長期に実施するものです。長期でお付き合いする可能性を考えたときに、信頼できる会社なのか、信頼できる講師や営業担当なのかという点も重視しています。
ーーー アルーを「信頼できる」と感じた理由を教えていただけますか
井上 顧客に対して誠実な姿勢が見られたからです。私たちの話に対して、客観的な第三者視点、研修会社の視点から意見を頂きました。「これはよいが、こちらはおすすめしない」「世の中のトレンドはこういう流れである」などといったものですね。「よいですよ」と私たちを肯定するだけのコミュニケーションではなく、「こうした方がもっと井上さんがやりたいことができますよ」という提案型の営業でした。そういった点に非常に魅力を感じました。
辻本 また、私たちの業界のことを丁寧にヒアリングしてくれて、その内容を当日の講師にもきちんと共有してくれました。そのため、安心して研修当日を迎えることができました。講師の方との目線合わせがきちんとできているなと感じています。
井上 アルーは営業担当者と講師が分かれていますが、そういった企業だと、意思伝達がうまく行かないケースが多いと思います。私たちが営業担当に想いやパッションを100伝えたとしても、講師には50しか伝わってないというケースを私たちも経験してきました。アルーの場合は、温度感も含めて講師にしっかり伝わっているのがよいと思います。
辻本 営業担当者が研修当日も足を運んで研修の様子を見て、途中の休憩で必ず私たちにヒアリングをしてくれるのもよいですよね。そのヒアリング内容を講師の方にうまく伝えて午後の講義に反映するなど、すごく臨機応変な対応をしてくれていると思います。
研修当日を講師に丸投げするのではなく、ちゃんと最後まで見届けてくれるので安心感がありました。
研修企画に関する打ち合わせの際も、前回の打ち合わせでお伝えした内容に対してしっかり返してくれます。研修企画から研修当日まで、私たちと同じものを見ていますので、研修の後の振り返りも非常に説得力があるんですよね。
そういったものが積み重なって、いま信頼関係が結べていると感じています。
ーーー 今回の2年目フォローアップ研修の講師についてはいかがでしょうか
辻本 講師の方も、事前に私たちが営業担当者と打ち合わせした内容をよく理解をしていらっしゃいました。研修冒頭の雑談のところから、受講者の心をうまく掴んでくれました。
今回の研修内容である社会人基礎力は、社会人経験者からすると、つい上から言いたくなってしまうような内容だと思うんです。「こうするべきだ」というような論調で伝えてしまいがちだと思うのですが、アルーの講師は新入社員、2年目社員の目線で、うまく受講者の心に刺さるような言葉に置き換えて話してくれました。これであれば、受講者も素直に受け止めやすいだろうと感じました。
くわえて、今回のアルーの講師の方はとてもエネルギッシュな方でした。講義中、スライドに書いてある文章を読み上げるようなことはせず、ご自身の思いをこめて話してくれました。そのおかげで、受講者も食い入るように話を聞いていたのが印象的です。
研修の最中には受講者から意見を聞く場面もあり、そうすると受講者からいろいろな意見が出ます。そのいずれに対しても決してネガティブな受け答えをせず、全てポジティブに変換・要約をしてくれたのもよかったと思います。
受講者にとって心理的安全性の高い場を作ってくださったと感じています。
そのおかげか、受講後アンケートでは「大変満足」「満足」という回答が90%以上を占めています。
ーーー アルーには今後、どのようなことを期待されますか
井上 研修を実施して終わりにならないよう、フォローアップや効果測定についてディスカッションしていきたいです。研修を無事に終えられたことに満足してそこで終えてしまうのではなく、研修後により成長するためにはなにができるのか、アルーと私たちそれぞれになにができるのかを一緒に考えていきたいです。
辻本 そうですね。研修で気付きを得ることができても、翌日から行動を変えられるかどうかは受講者次第です。研修後のフォローアップや、研修の内容がどこまで本当に刺さったのか、理解度がどこまでだったのかという点をもう少し深く把握ができるようになりたいですね。そうすれば、次の研修、次の世代の研修にも活かせると思います。
研修後のアフターフォローや成果を図るという部分で、継続的にお付き合いさせていただけたらありがたいと思っています。
井上 アルーが取得しているアンケートのデータをビッグデータとして解析して、提案に活かしていただけるとよいのではないでしょうか。たとえば、私たちは小売業・サービス業であり、そこに医療という専門性が掛け合わさった業態です。「御社の業態であれば、こういう課題が今後出てくるので、こういう研修はいかがですか」というような提案をしていただくと、本当の提案型営業だと感じますね。私たちだけでは気付けない課題にも気づいて提案するというのが、アルーだったらできるんじゃないかと思います。
辻本 時代を先取りして、「これから求められるものはこういうものだから、こういった施策・研修が効果的です」といった提案をしていただけると嬉しいですね。どの業界も外部環境がすごい勢いで変わっていくと思いますので、時代に先駆けた研修を提案いただくとありがたいと感じます。
ーーー お二人や人事部にとってアルーはどのような存在でしょうか
井上 「かゆいところに手が届く」という言葉が、初めに頭の中に浮かびました。
私たちも年間数10本の研修を手がけていますので、それなりのノウハウや知見はあります。ただ、やはり私たちだけではできなかったり、できたとしても非効率であったりということも多いです。そのような状況でアルーに依頼できることはありがたいと感じています。
辻本 よいパートナーですね。私たちの悩みや自社だけでは解決できないような課題をプロの視点からアドバイスいただけます。
また、私たちはどうしても自分たちの業界のことしかわかりませんが、アルーは業界をまたがって色々な知見を持っています。様々な業界の知見を踏まえたうえで、世の中に求められることをアドバイスいただけるのもありがたいと思います。
ーーー お二人から見たアルーの一押しポイントを教えていただけますか
井上 新入社員研修の実績が豊富な点です。時代が変化するにつれ、新入社員研修で実施すべき内容はどんどん変わってきていると思います。アルーは、時代の変化も含めてしっかりとポイントを押さえた研修を実施でき、さらにその実績もあるというところが魅力的だと思います。また、教材の質が高い点も、他の研修会社さんと比較して秀でていると思います。当たり前のことを研修で改めて伝えるのは非常に難しいことですが、アルーはスライドの見せ方や構成、具体例、ワークの内容などの質が高く、その点をうまくクリアしています。以前実施いただいたインバスケット研修などもよい例ですね。ああいった研修を自社でやろうとすると設定を作り込むところからかなり大変なので、正直内製ではやろうと思えません。研修の作りこみの部分については、素晴らしいと思います。
辻本 新入社員もそうですが、入社数年目の方までの社会人基礎力を身につけたい会社さんにおすすめだと思います。社会人基礎力をこれまであまり取り扱ってこなかった会社さんなら、新入社員に限らず様々な層にアルーの社会人基礎力向上研修を実施するのもよいのではないでしょうか。
また、「etudes(eラーニング)」を研修に取り入れられる点もよいですね。私たちは内定者向け研修でアルーのetudesを活用し、社会人になる前から社会人基礎力を学んでもらっています。内定者時代から気づきを与えていき、入社後は対面研修で理解を促すという流れができています。この流れだと理解が深まりやすく、復習もできます。オンラインと対面研修をうまくブリッジングできている点も素晴らしいと思います。
PDFで事例を読みたい方はこちら
アルー営業担当からの一言