強みを見つけるインストラクター制度で新入社員の早期活躍を実現
空の安全を守るためのチームワークを重視した研修
ANA成田エアポートサービス株式会社様 導入事例

ANA_集合写真
左から木村様、髙橋様、小山様、アルー宮本
NRTASロゴ

ANA成田エアポートサービス株式会社

従業員数 : 2,093名(2025年4月1日現在)

事業内容 : 旅客サービス事業 / グランドハンドリング(ランプ貨物)事業 / オペレーションマネジメント事業 / エンジニアリング事業 / その他附帯事業

 

 

ANA成田エアポートサービス株式会社では、新入社員研修の一部にアルーの「学生から社会人への意識転換」と「ビジネスマナー」のプログラムを導入しました。社会人としての意識醸成と早期活躍を目的とした新入社員研修をご紹介します。

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課題・背景

  • ANAグループ全体で、環境の変化に対応できる人財の育成を行う方針となり、人への投資に力を入れ始めた

  • 外部の知見を取り入れ、新入社員の視野が広がる研修にしたい
  • 自律性や前向きに業務に取り組む姿勢、成長するための考え方を身につけてほしい

実行施策

 [ 研修対象者 ]

新入社員

[ 研修テーマ ]

  • 学生から社会人への意識転換
  • ビジネスマナー

[ 研修内容 ]

  • 全体で6日間の研修
  • 1日目はグループ研修施設での体験形式プログラム
  • 2、3日目にアルーの研修
  • 4~6日目はインストラクターをつけた実践形式プログラム

成果

  • 外部講師によって、受講者の自発性を引き出すことができた
  • 「社会人としての意識醸成」と「早期活躍」という目的の達成に近づいた
  • 新入社員研修後の導入訓練で一丸となって取り組む姿勢が見られた
ANA_木村様
人事部
人事課 マネジャー
木村 佳美 
ANA_髙橋様
人事部
人事課
髙橋 悠一朗 
ANA_小山様
人事部
人事課
小山 翔太 
文内、敬称略

ーーー 貴社の事業内容と部署の役割を教えてください

 

髙橋 ANA成田エアポートサービス株式会社は、成田国際空港での包括的な空港運営事業を展開しています。旅客サービス、グランドハンドリング、オペレーションマネジメント、エンジニアリングの4つの部門に分かれて、ハンドリング業務を担っています。
旅客サービスではチェックインから搭乗までのサポート、グランドハンドリングでは航空機のトーイング・プッシュバック/誘導や航空貨物の搭降載、オペレーションマネジメントでは全工程の管理やロードコントロールなどの運航支援、エンジニアリングは空港内を走っている特殊車両の整備や成田空港での保守点検・整備・サービス業務などを行っています。
4つの部門が連携しながら、ANAグループ便や外航便の安全かつ高品質なハンドリングを保証し、国内外の空港におけるハンドリング品質の普及に貢献しています。

その中で人事部は、ANAグループの経営ビジョンに「ワクワクで満たされる世界を」とあるように人に重きを置いています。人を活かすために何をしたらよいのかを追求し、社員が成長できる機会を提供しています。
人事部では、具体的には、社員の採用、定着、育成、サポートを行っています。

ーーー 皆さまの役割について教えてください

 

木村 総括する立場として、社員育成のための研修や学びの機会を提供しています。

 

髙橋 私は、若年層から中堅層までの研修を担当しています。
また、ANAグループ全体での研修の企画も担っており、グループ内での横のつながりを作れるよう支援しています。

 

小山 今年の4月から人事部に配属され、若年層の研修を担当しています。昨年まではグランドハンドリング業務に従事しており、その傍ら、新入社員のインストラクターを務めていました。その経験をもとに今は人事部として若年層への研修を企画しています。

 

髙橋 人事部は、他の部門を経験した社員で構成されています。それぞれの部門での経験をもとに「自分だったらどんな研修を受けたいか」をベースとして研修を作っています。

課題・背景
社会人としての意識を醸成し、早期に活躍してほしかった

ーーー 「自分だったらどんな新入社員研修を受けたいか」をベースに、どんな新入社員研修にしたいと考えましたか

 

髙橋  私が新入社員として研修を受けたとき、安全の大切さやブランドイメージはよく伝わり、伝えていただいたことも嬉しく感じました。一方で、変化への対応が求められる現代においては、過去の経験を伝えることに偏ってしまっているようにも思いました。もう少しグループの外に視野を広げた方がよいと思ったのです。そこで今回、新入社員研修を外部講師にお願いするという新しいチャレンジをしました。

 

木村  内部講師だからこそ伝わることもあれば、外部講師だからこそ伝わることもあります。外部講師は、自身の経験談を踏まえて外からの視点で話してくれるため、新入社員の視野や関心領域が広がるというメリットがあると思います。

 

ーーー 新入社員研修で達成したい目的・ゴールはありますか

 

髙橋  「社会人としての意識醸成」と「新入社員が感じるギャップや不安を軽減し、早期に現場で活躍してもらうこと」を目的としています。
コロナ禍を経て、新入社員の働き方や仕事の向き合い方にも変化が見られます。当社ではそうした時代の変化も踏まえ、新入社員が自律的に前向きに業務に取り組めるよう、研修プログラムを工夫しています。具体的には自身の業務範囲に留まらず、周囲と協力しながら積極的に仕事に取り組むことの重要性もお伝えし、一人ひとりが持つ可能性を最大限に引き出すことを目指しています。

ANA_談笑写真2

実行施策
内製と外製を組み合わせた講義と、学んだことを現場に繋げるインストラクターとの実践プログラム

ーー 新入社員研修の全体像を教えてください

 

髙橋  当社では、4月〜8月、10月と1月 (昨年度実績)に新入社員の受入を行っています。そのため、およそ毎月、30〜50人を対象とした新入社員研修を実施しています。
毎月の新入社員研修は、6日間行います。ANAグループのことを改めて知ってもらい、大切にしていることや、職務上の心構えを学んでいます。1日目はANAグループのブランドイメージを知ってもらうことを目的とした内製の研修を実施しています。2、3日目をアルーに依頼し、「学生から社会人への意識転換」や「ビジネスマナー」を伝えていただいています。4〜6日目はインストラクターを付けて実践形式のプログラムを行います。インストラクターは新入社員の強みを見つけ、現場で発揮してもらう手助けをする存在です。

ーーー 実践形式のプログラムではどのようなことを行いましたか

 

小山 私自身、人事部に配属される前年度に新入社員研修のインストラクターを経験しました。実践形式のプログラムの中では、インストラクターが新入社員の元々持っているよい部分や自分の強みを伸ばす、引き出すといった役割を担っています。
積極的に行動できたり、タイムマネジメントが得意だったり、メモを取ってまとめる力があったり、新入社員の強みはそれぞれ異なります。それぞれの強みを活かして、グループの中での役割を発揮してほしいです。2、3日目にアルーの研修で学んだことを現場でも発揮できるよう、人事部と新入社員とインストラクターが一丸となって、新入社員が早期に現場で活躍できるように取り組んでいます。
また、当社は4つの部門が連携しながら業務を行います。チームとして働くことが一番大切なため、実践形式のプログラム内でもチームワークをしっかり見ています。

 

木村  新入社員には「世界イチあたたかいチームになろう」というメッセージを伝えています。
飛行機を安全に飛ばすためには、「この人には指摘しづらいな」と感じてしまう場面は絶対にあってはなりません。あたたかいチームを作り、助け合いながら業務を行うことが必要です。そうすることで、お客様・係員の安全を担保しながら飛行機を飛ばすことができます。
そのため、新入社員研修でもチームで取り組むことの重要性を伝えるようにしています。

インストラクター1人に対し、6〜8人の新入社員のチームをサポートし、対話を重ねながら強みを見出すことを重視しています。
 

ーーー インストラクターの選定基準を教えてください

 

髙橋  インストラクターの要件として、現場で頼りにされていることは第一条件で、周りとうまく関係が作れていることや尊敬されていることを重視していました。また、熱意がありながら自分を冷静に見られていることも人事としてインストラクターに求める要素の1つです。

 

木村  インストラクターは新入社員にとって最初のお手本です。会社の代表として相応しい素行はもちろん、職場での活躍も含めて選定しています。

 

髙橋  研修の段階から「世界イチあたたかいチーム」を感じるためにも、インストラクターの存在はとても大きいです。人事部が前に立って話しているだけでは伝わらない熱量を伝えられると思っています。現場で働いている社員が新入社員に熱量を伝えることで、「あの人みたいになりたい」というように現場を身近に感じてもらえます。

ANA_談笑写真3

成果
新入社員の自発性を引き出す研修で、想定以上の効果が見られた

ーーー2、3日目のアルーの研修を実施してみての所感を教えてください

 

髙橋  外部講師にインストラクションしてもらったことで、受講者の自発性を引き出してもらいました。私自身が受けた研修では「1日1回、絶対に手を挙げること」といったルールを設けて自発性を引き出そうとしていました。しかし、アルーの研修では自然に挑戦しようという受講者の意思が見られ、自然と自発的になっていました。講師が受講者の自発性を引き出す方法をたくさん持っていて、とても勉強になりました。

ーーー 想定していた目的の達成には近づきましたか?

 

髙橋  想定していた目的である「社会人としての意識醸成」と「新入社員のギャップや不安を軽減し、早期に現場で活躍すること」は、どちらも達成に近づいたと感じています。
現場の先輩社員から、新入社員に対する高い評価が上がってきています。「これまでとは違う」という印象があり、「どんな研修を行っているのか」「今度見に行ってみたい」など他の社員からも関心が寄せられています。
受講者たちは、各人の職場において、期待されている役割を果たしていると思います。特にビジネスマナーについても、自分たちで考えて身だしなみに気を付けている様子が伺えます。研修内で「なぜスーツを着なければいけないのか」といった理由づけがしっかりとできたおかげだと思います。

ーーー 想定外の効果や変化はありますか

 

髙橋  想定以上の変化として、新入社員研修の後にある導入訓練で例年以上に一丸となって取り組む姿勢が見られています。導入訓練中に壁にぶつかった際、「自分だけ合格できればよいや」となるのではなく、チームで乗り越えていくためにどうすればよいか自発的に発信していく姿勢が見られました。
新入社員研修で経験豊富な講師の話を聞いて、チームの大切さを落とし込んでいるから、導入訓練でも発揮できているのかなと思いました。

ーーー アルーに対して、もっとこうだったらと思う部分はありましたか?

 

木村  特にございませんが、敢えて言うなら研修企画や登壇まで一貫して同じ方に依頼が出来たら、担当の想いを研修というアウトプットに繋げやすいと思いました。ただ、この点においても満足のいく対応をいただいたと思っております。

 

髙橋  当社からお伝えしている情報を、営業が取捨選択して講師に伝えてくれたので、講師のよさを損なわずに登壇していただけたと思っています。

今後の取り組み
多様なキャリアを社員が自律的に描けるように支援していきたい

ーーー 新入社員の育成において、今後、実現していきたいことは何ですか

 

木村  自律的な人財(考え行動できる人)を育成していきたいです。また、ANAグループとしても掲げている、自らキャリアを描ける人財を育成し、キャリア自律を目指していきたいです。

ーーー 新入社員の育成に限らず、実現していきたいことは何ですか?

 

髙橋  人事部の役割として、全社員がイキイキと働ける環境の整備があると思っています。どのタイミングでどんな研修を行うべきか、また、社員へどんな寄り添いが必要なのかを、今以上に考え、実行していきたいです。

当社は4つの部門に分かれており、業務も部門ごとに分業されています。社員が40代、50代になったとき、キャリアの到達地点として「1便を1人で飛ばす力のある人財」というところを目指したいです。具体的には、ジョブローテーションを回したり、海外空港への出張や実務研修を実施したりしたいですね。総合的な力を身につけられるような環境整備を考えています。

 

小山 当社で働く社員が自分の仕事に自信や誇りを持つための施策に力を入れたいです。成田空港は外国籍のお客様の利用が多いだけでなく、貨物の取扱量も日本トップクラスです。そのような職場で働いている当社の社員は、非常に専門性が高くプロフェッショナルとして活躍しています。


木村  ジョブローテーションでキャリアを築くことと、各職場で専門性を高めていくこと、どちらの方向性もあると思います。

新入社員研修の中で、会社が示すキャリアパス「プロフェッショナル人財」「空港運営人財」「アドミニストレーション人財」という3つの人財の柱を伝えています。方向性は示していますが、どのような人財になりたいのか、そのために必要なスキルは何かということを自分自身で考えてほしいと思います。

例えば、社員の多くが占める「プロフェッショナル人財」は当たり前のことを当たり前に行い、毎日飛行機の安全運航を支えています。それは素晴らしいことで、そういった積み重ねもキャリアであるということを伝えていきたいです。

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アルーを選んだ理由
言語化できていない課題を見つけ出し、柔軟なカリキュラムを提案してもらえた

ーーー アルーの研修を導入した決め手・理由は何ですか?

 

髙橋  当社の課題を的確に把握してくれたことが大きかったです。当社の課題については我々も言語化できていない部分があり、社内だけの考え方に寄りすぎてしまった部分がありました。アルーの営業担当はその点も考えて、提案や講師の選定をしてくれました。
また、その課題に応じたカリキュラムを提案していただいたのでアルーに決めました。固定されたカリキュラムではなく、「安全性」と「チーム力」を重視している当社の特性を理解して、柔軟なカリキュラムを組んでいただけました。

 

木村 様々な経歴や経験をお持ちの講師が豊富にいて、新入社員の多様な価値観にも対応していただけていると感じます。

 

髙橋  講師の選定においても、今の新入社員に合った講師を選んでいただけました。
今回は2人の講師に登壇していただきましたが、ひとりは情熱を伝えるのが得意で、研修中はしっかりと講義を進め、休憩時間に新入社員の自発性を促していたのが印象的でした。もうひとりは、研修全体のインストラクションが的確で、円滑なコミュニケーションを図ることができました。おかげで新入社員もしっかり研修に取り組んでくれたと思います。

ーーー 今後、アルーに期待していることは何ですか?

 

髙橋  我々だけで研修を企画すると、ANAグループ内での比較しかできませんが、アルーが入ることで他社との比較が可能になると思います。当社のポジションや傾向について伝えていただけると、我々もより競争力の高い会社に成長できると思います。アルーの助言を踏まえて、研修カリキュラムや育成のスキームを改善していきたいです。

ーーー アルーは人事部の皆さまにとってどのような存在ですか?
 

髙橋 アルーは当社にとって、太陽のような存在です。当社の進むべき道を照らし、視野を広げてくれます。世界を見せ、可能性を広げてくれるような存在ですね。

ーーー アルーを他の企業に勧めるなら一押しのポイントはどこですか?
 

髙橋 多様な実績を持つ講師の方がいることです。
あと、営業の方のフォローがきめ細かいところもおすすめしたいポイントですね。

 

小山 講師の方の熱量ですね。思いをもって研修をやられていることが伝わってきます。

 

木村 営業担当の方にお伝えしたことが講師まで100%伝わり、研修を通してアウトプットされることは非常に素晴らしく、一押しポイントです。

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アルー営業担当からの一言

宮本さん
アルー株式会社
HRコンサルティング部
宮本 桂一郎

ANA成田エアポートサービス様は、業務の特性上、安全・正確性を最優先とする一方で、「世界イチあたたかいチーム」という人財育成ビジョンを掲げておられます。
新入社員の“強み”を現場で活かせるよう、チーム全体で育成に関わっており、インストラクターの方が新入社員の些細な行動から特性を見抜き、現場での役割や働き方にどう繋げるかを真剣に考えておられる姿に、感動とともに深い学びを得ました。
今後は、新入社員育成の成果を土台として、「自律的なキャリア形成支援」という次なるステージをご一緒できればと考えています。また、ANA成田エアポートサービス様が掲げる「キャリアの選択肢の多様性」や「専門性の承認」といったテーマについても、他社事例との比較や第三者的な視点からご支援できるよう努めてまいります。

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