日東電工株式会社では、グローバル人財の早期育成のため、海外短期派遣研修を実施しました。海外短期派遣研修に参加した受講者の声をご紹介します。
日東電工株式会社では、グローバル人財の早期育成のため、海外短期派遣研修を実施しました。海外短期派遣研修に参加した受講者の声をご紹介します。
釜野 全社技術部門の研究開発本部・薄膜回路技術研究センターに所属している釜野と申します。入社時から弊社のコア技術とは離れた新規材料の研究開発を行っておりましたが、海外短期派遣研修後に現部署に異動し、よりコア技術に近い材料の研究開発に携わることになりました。
-海外短期派遣研修の内容を教えてください
釜野 海外短期派遣研修ではマレーシアで2週間滞在し、「ESGの観点でマレーシアにおけるNittoのプレゼンスを高めるにはどうすればいいか」というワークに、マレーシア人とチームを組んで取り組みました。チームメンバーでのディスカッションだけでなく、ショッピングモールなどで現地の方に直接話しかけてアンケートをとり、「マレーシアでは何が求められているか」について調べました。
-海外短期派遣研修ではどのような経験をしましたか?
釜野 マレーシア人の学生2人と日本人のNitto社員2人の4人チームで2週間を過ごしました。チームの雰囲気も良く、ワークは順調に進んでおりました。
しかし、最終発表に向けたプレゼンの準備の際には、少し険悪な雰囲気になってしまいました。その理由は、プレゼン資料の作り方や発表したい内容についてメンバー間で微妙な違いがあったためであり、マレーシア人のメンバーの1人は明らかに不満そうな顔をして、やる気をなくしてしまっている状況でした。このような状況でも、チームとしてワークを進めていくことが一番苦労したと思います。
不満げな顔をしているメンバーは、自分の意見が反映されていないと感じているのかもしれないと考え、自分から積極的にコミュニケーションをとるように心がけました。「どういう風にしたいと思っているのか」「なぜそう思うのか」を聞いて、お互いに話し合い、しつこいくらい徹底的にすり合わせを行いました。このようなコミュニケーションにより引き出せたアイデアがなければ良い発表はできなかったと感じております。メンバー全員が納得できるように進めるのは大変だったのですが、うまく乗り越えられたと思っています。
-最終発表まで期日に迫っている中で、相手の話を聞こうと思えたのはなぜですか?
釜野 海外短期研修以前に担当していた仕事の影響が大きいです。バックグラウンドが異なる人が集まっていたので、1つのことをやろうとしていても、みんな考え方が違うということがよくありました。
意見が食い違った際には、お互いによく話し合って、考えのすり合わせを行うことで最適解を見つけてきました。そのような経験があったからこそ、海外短期派遣研修でもメンバーのアイデアを引き出せたのだと思います。日本人でも、マレーシア人でも、社会人でも、学生でも、男女、年齢問わず、話し合うことが重要だと改めて感じました。
-海外短期派遣研修を通じて、英語のコミュニケーションに関して成長や変化を感じられましたか?
釜野 2週間という短期間だったこともあり、単純な語学力としては劇的に成長したとは言えませんが、相手が伝えたいことを理解できるまで聞き返せるようなマインドは身に付きましたし、もっと英語スキルを向上させたいと思うようになりました。新しい部署の業務でも、これまで以上に英語の重要性を感じており、個人的に勉強を続けております。
一方で、短期海外派遣研修での経験を通じて、英語は意思疎通のための道具でしかないとも痛感しました。お互いに理解するためには、諦めずに粘り強く話し合うことが大切であることに気づけました。
粘り強くコミュニケーションをとることは、時には面倒だと感じる時もあると思います。すぐに諦めてしまうことは簡単ですが、そこで諦めずにお互いの考えについて話すことができれば、より良いものを生み出せることがわかりました。この研修を通じて得た「諦めずに粘り強く話し合うこと」は、今後のキャリアでも活かしていきたいと思っています。
-英語のコミュニケーション以外で成長や変化を感じられたことはありましたか?
釜野 研修の対象が若手社員だったので、自分と同じくらいの世代の社員が「海外で仕事することについて、どう思っているのか」を聞けたことがよかったと思います。
また、マレーシア人の学生や先生からは、働き方に対する意識を聞く場面があり、日本とマレーシアでは価値観に大きな違いがあると感じました。
実を言うと私は、自分から人に積極的にグイグイ話しかけていくことはそれほど得意ではないタイプでした。そのため、マレーシア人メンバーに積極的に話しかけることや、見知らぬマレーシア人に街頭インタビューしてアンケートをとることに対しては、ハードルの高さを感じておりました。しかし、実際に挑戦してみると、意外とできるということに気づくことができました。
-海外短期派遣研修に参加することによって、キャリア観の変化はありましたか?
釜野 一人の技術者として新しい技術を作りたいという思いは今でも変わっておらず、その意味でのキャリア観の変化はありません。
ただ、今回の海外短期派遣研修では、海外の人や違うバックグラウンドを持っている人と一緒に働くことの難しさと面白さを知りました。この経験を今後のキャリアに組み込んでいけたら、とても面白いと感じています。