※本文内、敬称略
-貴社の事業内容を教えてください
青木 Niterraグループは、セラミックスをコアにスパークプラグ、センサ等の自動車関連製品、半導体製造装置用部品、酸素濃縮器装置、半導体PKG等のセラミック製品等の販売・製造を行っております。また環境・エネルギー分野では、当社グループの取り組みとして固体酸化物燃料電池(SOFC)にも進出しております。
-お2人の所属している部署と、部署の役割を教えてください
青木 HRコミュニケーションカンパニーの人財開発部・人財育成課に所属しています。階層別教育をはじめ様々な研修の企画・運営を担当しています。
当社では、中期経営計画の中で「変えるために、壊す。変わるために、創る。」を実現できる自律創造人財の創出を掲げています。人財開発部では、自律創造人財を創出し、活躍し続けられる環境を整えることをミッションとしております。研修という機会を通して、個々人に寄り添い、組織の力になることを目指しております。
また、DX人財の育成にも力を入れ、リテラシーの向上と、オペレーション変革や事業変革を起こす「コア人財」を育成するためのプログラム提供と受講者サポートを行っています。
課題・背景
若手社員が自身のキャリアを考える機会がなかった
-3年目フォローアップ研修を行った背景と目的を教えてください
青木 3年目フォローアップ研修は、当社が10年以上前から継続的に実施しています。この研修は、仕事や職場環境に慣れてきた入社3年目の社員に対し、現状を振り返ってもらい、個々人の持ち味や成長を支援する目的で実施しています。しかし、キャリア形成の手段として離職を選択する社員が年々増加傾向にあることが課題となっていました。
この課題に対処するため、フォローアップ研修の内容を見直し、社員のキャリア形成をサポートするための新たな取り組みを進めることにしました。
実行施策
自己理解を深めるためにタイプ別診断を導入
-3年目フォローアップ研修の実施内容の特徴について教えてください
伊藤 今回は自身のキャリアを考える上でタイプ別診断ツールを使用して自己分析する内容にしました。
タイプ別診断を研修に取り入れた理由は、客観的なツールを用いて自己理解を深めるためです。これまでも自己理解のためのプログラムを提供してきましたが、過去を振り返り、自分の価値観に照らし合わせて行うものでした。客観的な診断を用いることで、自己を多角的な視点でとらえ、自己理解をより深めてもらうことにしました。
-今回の3年目フォローアップ研修で目指したゴールを教えてください
青木 4年目に向けて、DASH人財※の体現者として、自社の中で自律的なキャリアを自分自身で考える必要があることを理解し、その実現に向けて、何を行動するべきかを明確にすることです。
※DASH人財:当社の共有価値観である「至誠信実」「独立自営」「四海兄弟」「素志貫徹」という言葉の英語の頭文字をとり、これらを体現できる人財を指しております
伊藤 キャリアを考えるために自分への理解を深めること。そしてキャリアの選択権は自分自身にあるということへの理解です。会社は機会を提供できますが、最終的に考え、決めていくのは自分自身であると自覚してもらえるようになることでした。
< DASH人財を目指した育成ゴールの設定軸 >
-2日間という研修日程はいかがでしたか?
青木 今回はタイプ別診断を受けて、自己理解してから、その後に将来を考える建て付けなので適切であったと思っています。
伊藤 内容の濃い時間であったと評価しています。
< 3年目フォローアップ研修2日間研修のスケジュール >
成果
受講者が前向きに仕事に取り組めるようになった
-受講者の反応はいかがでしたか?
伊藤 研修後に受講者の表情が目に見えて明るくなっていたのが印象的でした。研修中に同期とキャリアについて話し合うことでお互いに刺激を受ける機会となりました。また、自分のキャリアを改めて考えることで、受講生からは現場での仕事に対する向き合い方が変わったと声も聞きました。
また、研修中に作成したキャリアシートを上司に提出して、上司からコメントをもらう課題を実施したのですが、上司からの理解も深まり、キャリアの後押しになる言葉をもらい、前向きになったという報告も受けました。
-タイプ別診断を実施しての効果はどのようなものでしたか?
伊藤 自分の知らない一面があり、驚いたという声が多数寄せられました。研修1日目で自分自身を知ることができたことで、研修に対するモチベーションが高まり、積極的な気持ちで2日間の研修を受講できている様子がうかがえました。
-人財育成担当者の目線で印象に残ったことはどのようなことですか?
青木 講師と受講者との相性が予想以上に合っていたと感じられました。今回、受講者と年齢の近い講師に登壇をお願いしました。講師の経歴には転職やスピンアウトを経験された過去があり、当初は社員の定着率向上を目指す我々の目的と合わないのではないか、また当社にとっては刺激が強すぎる人物ではないかという心配もありましたが、研修内容は新規事業に取り組む受講者にとってはちょうどいい刺激となったようです。これまで受けてきた研修の中で、今回の講師が一番良かったというコメントが寄せられました。
今後の取り組み
会社の求める人物像への追求と時代に合わせた研修内容のブラッシュアップ
-3年目フォローアップ研修では、今後どのような取り組みを考えていますか?
青木 次期中期経営計画では、組織体制が大幅に変更される可能性も考えられますが、求められる基本的な人財の育成についてはこれまで通り継続していきます。会社が求める「MUST」を実行し、自分ができる「CAN」は何なのかを自覚し、自分がやりたい「WILL」を、会社の進む方向に合わせて考えることができる人財の育成を、研修を通じて行っていきます。
それに加えて、若手社員に求められるスキルは年々変化していきますので、研修内容をその都度ブラッシュアップし、対応していきます。チーム内の若手のメンバーが中心となって主体的に研修内容を企画して、より実態に即した研修を実施できる環境にすることも考えています。
-3年目フォローアップ研修に限らず人財育成という観点で、今後どんなことを実現していきたいですか?
青木 「自律創造人財の育成」というテーマから紐解き、それぞれの立場で求められることや、「創造」の次に当たる「変革」を担う人財にとって必要なスキルを習得するプランをいくつか実施していきます。
会社や仕事を取り巻く環境が大きく変わる中でも、個々人が今より主体的に学び、動けるようにしたいです。我々は社員に近いところで人財育成の業務を行っておりますので、1人でも多くの方が「自律創造人財」と言えるような、研修機会の提供やそうなるための支援を行っていきたいです。
アルーを選んだ理由
ユニークな研修内容と教材への要望をすぐに反映してくれた
-3年目フォローアップ研修を実施するにあたり、アルーを選定した理由は何ですか?
伊藤 タイプ別診断とキャリアを掛け合わせるという提案が、ユニークかつ当社のニーズとマッチしていたことです。また、当社のニーズを把握し、提案内容に反映いただいたことが決め手となりました。
「教材をどのような作りにしていけばいいか」「受講者に伝わりやすい教材にするにはどうすればいいか」など、当社側の要望を織り込んで設計できたことが大きなポイントでした。
-今回は受講者の状況に合わせて急遽一部オンライン研修に変更させていただきましたが、その対応を含め、アルーの研修を実施してみての感想をお聞かせください
伊藤 急遽、当社側の都合でオンライン研修をお願いしましたが、できる限りのご協力をいただきました。本来ならば欠席せざるを得なかった受講者も研修を受けることができ、さらに受講者の満足度も高い結果になり、大変助かりました。
青木 計画通りに進まない部分もありますが、柔軟な対応で、直ちに現場で修正が行われたり、またこちらの突発的な要望にも快く応じていただいたり、研修の品質向上に常にご配慮いただいたことに感謝しています。
-アルーに要望はありますか?
青木 研修単体でだけではなく、eラーニングを含めて、人財育成そのものを広い観点で一緒に考えて、相談しながら進めていきたいです。自律創造人財の創出というテーマに向けて一緒に協力していただけるとありがたいと思っています。
-アルーは貴社にとってどのような存在ですか?
伊藤 3年目フォローアップ研修では客観的な視点も持ちながらも、当社に寄り添って内容を具体化していただきました。親身になってご支援をいただいているパートナーさんだと感じており、感謝の気持ちでいっぱいです。これからも引き続き、このような関わり方で当社をサポートいただけることを心から嬉しく思っています。
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アルー営業担当からの一言