外国人社員を交えた異文化コミュニケーション研修
日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 導入事例

日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社

従業員数 : 1,250名

自動車用コーティング及びその他化学製品の開発・製造・販売 / 日本ペイントホールディングスグループにおける自動車用塗料事業の統括他

日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社では、グローバル人材育成プログラムの中で「異文化コミュニケーション」を実施しました。華道を通じて、日本文化への理解を深め、異文化コミュニケーション力を高める施策内容と効果についてご紹介します。

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課題・背景

  • 日本人海外駐在員候補者と海外現地社員の能力向上

  • 将来のグローバルタレントであるプール作り
  • 日本人向けには「異国で自身を理解してもらうこと」「自身のアイデンティティを見つめなおすこと」を目的とし、現地社員は「日本文化を理解すること」を目的とした

実行施策

[ 研修対象者 ]

30代前半の日本及び海外現地社員

[ 研修テーマ ]

異文化コミュニケーション

[ 研修内容 ]

2日間研修

  • 華道を通じた日本文化理解
  • 異文化コミュニケーション

成果

  • 異文化コミュニケーションの重要性、難しさ、陥り易い罠などを実感値として理解を深める事ができた

  • ロールプレイをたくさん行うことで、実際に海外赴任したときの疑似体験ができた
  • 異文化理解をした上で、マネジメントしていくことの大切さを共通認識化できた
-日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社の事業内容と人事部門の役割

日本ペイントオートモーティブコーティングス株式会社は日本ペイントグループにて自動車用塗料事業を担当。造り出す塗料は複数回の塗り重ねで厚さ0.1mm程度の塗膜を形成し、美しい色彩だけでなく、錆や太陽光、傷などから車体を守る様々な機能を発揮できるよう高度な技術で設計されている。

自動車用塗料には非常に高度なテクノロジーが詰まっており、それをグローバルに供給することがミッションでとなっている。

事業人事の役割として、経営課題に対して人・組織の観点からソリューションを提供。特に、自動車用塗料事業はグローバルに展開しているため、海外を含む人・組織のソリューションを提供し、グローバルな経営課題に対応している。また、社員の声に耳を傾け、現場に寄り添うことで、経営と現場を繋げる役割も果たしている。

課題・背景

海外駐在員と現地社員の能力向上の必要性

-アルーの提供する異文化コミュニケーション研修の背景と課題

ここ数年、日本から海外現地法人に派遣される駐在員のあり方について見直しを図っている。この見直しにより、業務内容の重要性は変わらず、一人ひとりが幅広い業務を担当できるようになることが求められている。また、現地社員の能力を向上させることで、これまで駐在員が担っていた役割を現地社員が担うことができるようになることも重要な課題となっている。そこで、今後の成長が期待される社員を対象にしたグローバルな人材育成プログラムを開始し、このプログラムの一環として、今回実施された異文化コミュニケーション研修がある。

-異文化コミュニケーション研修のゴール


研修受講者には日本人社員と海外の現地社員がいる。日本人社員には「異国で自分自身を理解してもらうこと」「自分自身のアイデンティティを見つめ直すこと」をゴールとして設定。そのうえで、相手を理解し、自分のメッセージをどう伝えるかを考えさせる。

一方で、海外の現地社員には「日本文化を理解した上で日本人カウンターパートとコミュニケーションを取れること」をゴールとして設定。現地社員に期待されることの一つは、現地の日系自動車メーカーを技術的にサポートすることであり、駐在員と共に技術問題解決を図ることもある。国は日本でなくても日系企業の中でミッションを果たすため、日本文化を理解し、コミュニケーションを取れるようにする必要がある。

グローバル人材育成プログラムの中に「異文化コミュニケーション」を取り入れた理由は、海外での業務において異文化コミュニケーションは基礎となるという人事部門の実感から。これからのグローバルタレントには早期にこのスキルを身につけてもらう必要がある。

実行施策

「華道」を通じた日本の心を体験する異文化コミュニケーション研修

-異文化コミュニケーション研修の参加者とは

日本から30代前半の技術者が参加し、海外からはアメリカ、インド、タイの現地社員が参加。日本人社員は海外赴任未経験者であり、赴任の予定が明確にあるわけではなく、育成の一環として選抜された。

-異文化コミュニケーション研修の期間と内容

異文化コミュニケーション研修は2日間で実施され、そのうち0.5日間は日本文化理解を目的に、残り1.5日間は異文化コミュニケーションのスキル強化を目的として設計。初日の日本文化理解では、「華道」を体験しながら「日本とは何か」「日本人とは何か」「日本人が大切にしている価値観とは何か」「そのルーツはどこから来るのか」などの日本人の考え方、美意識、カルチャーを体感。

異文化コミュニケーションのパートでは、赴任者自身のリーダーシップブランドの立ち上げも重視。例えば、赴任当日のDay1、最初に行うのは自己紹介であり、自分をどう表現するかが現地社員からの見られ方に影響するため、日本での自己紹介を英語で話すだけでなく、自分は何者で何のために赴任しているのかを話せるようにする。受講者はまだ海外赴任未経験のため、赴任時に現地社員とどう関係を構築するかをリアルにイメージできるよう工夫が必要。そのため、研修中はロールプレイなど実践的な演習を繰り返し行い、体感できるようにした。
-異文化コミュニケーション研修の言語と講師選定

受講者は複数の国から参加するため、共通言語は英語で実施。しかし、日本人社員の中には英語能力が十分でない者もいるため、日本語と英語が堪能なイギリス人講師が研修をファシリテーション。

成果

「華道」を通じた日本文化の理解深化と学び

-異文化コミュニケーション研修の所感

異文化コミュニケーションという言葉は非常に抽象的である。海外赴任経験のない日本人社員には、その解像度を高め、具体的な難しさや陥りやすい罠を伝える機会を設けたことは有益だった。華道を通じた日本文化理解は、自分自身を見直す良い機会となり、日本人の価値観や考え方のルーツを知ることで、教養を深めるだけでなく、人間力の向上にもつながるセッションとなった。

また、研修中に多くのロールプレイを行ったことで、海外未経験の受講者にとって多くの練習機会を提供。今後、受講者が実際に海外赴任した際、現地での困難に直面した時に今回の研修での経験や学びを思い出してもらいたい。

-異文化コミュニケーション研修の改善点

今回の異文化コミュニケーション研修では、異文化理解(Understanding Cross Culture)を実施。次のステップとして、その文化の違いをどうマネジメントしていくか(Managing Cross Culture)を取り入れたい。異文化理解だけでなく、それをどうマネジメントしていくかの概念やアクティビティを織り込むことが重要。

異なる言語や背景を持つ人々と関わる海外赴任という場面において、日本人駐在員には、その違いや時にはコンフリクトを乗り越え、日々直面する問題を解決する力が求められる。マネジメント上の意思決定においては意見の相違をどうマネジメントするか、異文化理解に加えて、それをどうマネジメントし価値創造に繋げていくかが重要となる。

今後の取り組み

-グローバルタレントプール育成の未来

今回の研修は日本で実施したが、今後は他国での開催も検討。グローバルワンオートのようなイメージで、海外各所と連携を図る。

-他国と連携して推進するために必要な人材

チャレンジ精神を持つ人材の増加が重要。失敗を恐れず、失敗から学び、積極的に挑戦する姿勢が求められる。海外駐在員には、日本では直面しない問題への対処が必要であり、これまでの経験では解決したことのない問題にも果敢にチャレンジしてほしい。

アルーを選んだ理由

私たちが解決したい背反する課題に対して、シンプルなソリューションを提示してくれる

-今回、異文化コミュニケーション研修を実施するにあたって、アルーを選んだ理由を教えてください

日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社が解決したい課題に対して、シンプルなソリューションを提示してくれる存在であること。今回の研修課題の背景には、二律背反的な事象が複雑に絡み合っていた。アルーは、このような複雑な課題に対してシンプルなソリューションを提供し、日本と海外の異文化コミュニケーションの違いをふまえて、1つの研修として成立させたため、選ばれた。

-日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社にとって、アルーはどのような存在か

日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社の課題は、領域的な広がりと高度な専門性が求められ、構造的に複雑な人事課題や抽象度が高い問題の解決が求められる。その中で、人材育成のプロフェッショナルとして寄り添える存在であることを期待。
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アルー営業担当からの一言

アルー株式会社
グローバルHRコンサルティング部
駒木根 利哉

グローバルタレントプール育成のため新規研修の立上げに際し、アルーを選んでいただいたことに、心から感謝いたします。
日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社人事部メンバーの方と一緒に研修企画の詳細を詰め、フィードバックをいただきながらプログラムをカスタマイズしたことで、貴社のニーズに応えながらも受講者の方々にとって有意義な研修が実現できたと考えております。
研修の効果が表れるのはこれからだと考えていますが、この施策をきっかけに、貴社のグローバル人材育成や会社の成長に貢献してまいりたいと考えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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