社員のキャリア形成の機会を設け、自律創造人材の創出を推進する
ニチアス株式会社 導入事例

左から神戸、丹羽様、宮阪様、森本様

ニチアス株式会社

従業員数 : 6,431名 連結 / 1,829名 単独(2024年3月末現在)

事業内容 : プラント向け工事・販売事業 / 工業製品事業 / 高機能製品事業 / 自動車部品事業 / 建材事業

ニチアス株式会社では、係長にあたる「主務3級」を対象にした研修を実施しました。役割理解と行動変容を促すよう内容をリニューアルした背景から、実施内容、これまでにみえてきた成果、今後の人材育成の展望までをお聞きします。

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課題・背景

  • 10年間、ほぼ同じゴール像とレベル感で研修を実施していたが、時代が求めるスキルへの対応が必要だった

  • これまでの研修実施方法の妥当性にも疑問があった

実行施策

  • 事前課題にeラーニングを活用

  • 「コト・ヒト・ジブン」のコンピテンシーに合わせた内容に変更

成果

  • 受講者にとって新しい知識をインプットできた

  • 受講者のアクションプランに研修で学んだ知識が反映されていた

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管理本部
人事部
副部長

宮阪 健一 
管理本部
人事部
人材開発課 係長
森本 賢 
管理本部
人事部
人材開発課
丹羽 ときこ 
文内、敬称略

-御社の事業内容を教えてください

 

宮阪 当社はメーカーでありながら工事部門を持つのが特徴です。シール材製品や断熱材製品といった「断つ・保つ」の技術を用いて、各種プラント設備向けに製品やエンジニアリングを提供する「プラント向け工事・販売事業」、航空宇宙や医療など幅広い産業分野を担う「工業製品事業」、半導体産業に特化した「高機能製品事業」、自動車メーカー向けの「自動車部品事業」、ビルや住宅の建材を供給・施工する「建材事業」の5つの事業を展開しています。

 

-所属している部署の役割と皆さんの担当業務を教えてください

 

宮阪 我々が所属する人事部は、ニチアス全社の採用から人材育成、人事制度の策定や運用、労務管理や健康管理を行っている部署です。私は副部長として主に研修とキャリア採用の分野を担当しています。

 

森本 私が所属する人材開発課は採用と研修を担当している部署で、チームメンバーが10名います。私は研修分野のリーダーとして、階層別・目的別などの15種類ある研修を円滑に実施できるように全体の統制や運営実務を行うほか、将来的に必要な研修の計画立案や、 採用から研修まで一気通貫で実施できるよう部署内外の連携を図る役割を担っています。

 

丹羽  私は人材開発課で研修の計画や運営を担いながら、通信教育などの自己啓発も担当しています。担当している研修は階層別・目的別など幅広く、また300名程度を対象に通信教育を実施しています。

課題・背景
10年間同じゴール像とレベル感だった研修の見直しを行った

-新任主務3級研修の内容と今回実施した背景を教えてください

 

森本 主務3級は、一般的に係長クラスに相当し、管理職の1つ手前の等級です。主に30代半ばから後半の社員が該当します。課長補佐的な立場や、チーム・部署の取りまとめ役として、相応のリーダーシップや業務遂行能力が求められます。従来から新任の主務3級向けの研修は実施していましたが、求められるレベルや社会情勢の変化に応じて大幅なリニューアルを検討しました。

 

-今回内容を大幅にリニューアルして実施されたということですが、どれくらいぶりですか?

 

宮阪 新任主務3級研修は、階層別研修として長年実施してきました。私自身も受講した経験があります。

内容は時代の変化とともに微修正を加えながら実施してきましたが、今回のような大幅な変更は約10年ぶりです。リニューアルに伴い、あらたな研修会社に依頼することにしました。

実行施策
「コト・ヒト・ジブン」のコンピテンシーに沿ってスキルアップを図る

< 新任主務3級研修の全体像 >

-今回の新任主務3級研修はどのようなリニューアルを行いましたか?

 

森本 階層別研修であるため、直接的な業務知識や社会環境を教える研修とは位置付けていません。しかし、情報収集力や情報を基にした業務遂行能力、そしてスピード感といったスキルのニーズが高まっていますので、そういった点を強化する研修内容に変更しました。

 

-今回の研修カリキュラムはどのようなものですか? 

 

森本 今回は2日間の研修と研修前後に課題を用意しました。事前課題は、研修前のインプットとしてetudesによるeラーニングを活用しました。全国の事業所から受講者が集まるため、2日間という限られた研修時間中は、お互いのコミュニケーションに時間を割いてほしいという思いからインプットは事前課題としました。

内容は「コト・ヒト・ジブン」のコンピテンシーに沿ったものにしました。主務3級クラスとして必要な業務遂行のスキル、対人能力・リーダーシップ、そしてそれらのベースとなる自分自身を見つめなおし内省することです。

学んだ内容を自分に定着させ、部署内で活用することを目的に、アクションプランを立案・共有し上司のサポートを受けるという事後課題にも取り組んでもらいました。

 

-事前・事後課題にeラーニング「etudes」をご利用いただいていますね

 

森本 「etudes」は、今回の研修では課題提出の部分だけでなく、他階層向けのeラーニングとしても導入させていただいております。具体的には、新入社員の上長研修と育成担当者研修でも使用させていただいており、今期は計3つの研修で事前のeラーニング実施で活用させていただいております。

 

-今回の研修後フォローに管理システム「Compath」を導入いただきましたが理由をおしえてください

 

森本 「Compath」を導入した理由は2つあります。1つ目は事後課題の回収を効率的にするためで、2つ目は受講者のデータをコンピテンシーに合わせて収集するためです。

 

1つ目は、これまで事後課題の回収というのは受講者にメールを送って、返信でExcelに記入してしたものを回収する手間がありました。この業務をシステムでやってみたらどうかと、実証実験的に導入してみました。

2つ目は、コンピテンシースナップの機能に受講者のデータを「コト・ヒト・ジブン」の属性に分けてデータを収集できる機能があります。その機能を今後の研修内容に活用したいと思い、導入してみました。

 

-Compathには経験学習サイクルを支援する「アクションプラン ノート」機能も搭載されていますがどのように活用されていますか?

 

森本 「アクションプランノート」は、アクションプランの設定からコメント管理まで全てオンライン上で完結できます。受講者が研修を振り返りアクションプランを立てる際の工数が削減され、その後の上司からのコメントもタイムリーに確認することができます。人事部側でも受講者がどれだけ研修内容を理解してアクションプランに落とし込みをしているのかがわかりやすいので、受講者にとっても上司にとっても人事部にとっても、情報をスピーディーに一元化できる非常に便利なシステムだと実感しています。

 

-これまでのアクションプランはどのように管理されていましたか?

 

森本 これまでは、研修の事後課題として「学んだことをどのように活かすか」というテーマのもと、ExcelやWordでフォームを作成し、記入したものをメールで提出してもらう形式を取っていました。しかし、データをまとめるというよりは個人単位での管理となり、全体的な把握が困難でした。管理しようとすると、全てをコピーしたり転記したりする必要があり、非常に手間がかかっていました。

 

今回のシステム導入により、将来的に分析を行う際にも、データを非常に活用しやすくなったと考えています。従来との比較では、情報の使いやすさ、つまり利便性が向上したと評価しています。

 

-今回の講師にメーカー出身の方を選んだ理由を教えてください

 

森本 講師自身のメーカーに勤められていた頃のお話を聞けることです。我々も営業・技術・製造という部門がありますので、親和性を感じやすいエピソードをお話しいただけたことは受講者にとって非常に有益であったと感じています。

 

-今回の研修で工夫した点はどういったところですか?


森本 研修当日の工夫としては、講師の方にスピーディーに進行していただいたことです。受講者には通常使わない思考を要求しつつ、かなりのスピード感で研修を進めたため、大きな負荷がかかったと思います。しかし、限られた時間の中で、「自分は主務3級になった」「要求されることがこれまでとは違う」というマインドを効果的に醸成できたと感じています。

< 新任主務3級研修の2日間のスケジュール >

成果
アクションプランにインプットされた情報が反映されていた

-今回の研修での目標・ゴールについてお聞かせください

 

森本 今回のゴールは、主務3級として必要なスキルとマインドを身につけてもらうことでした。アルーとは初めて研修を実施したため、正確な効果の測定にはある程度の時間が必要ではあると思いますが、職場に戻った受講者一人ひとりが研修で学んだことを日々の仕事に展開してくれていると感じており、事後課題としての取り組みも含めて、徐々に効果が現れてくるものと考えています。

 

宮阪 ニチアスでは、「働きやすい、明るい会社」を目指しており、現在の中期経営計画でもその実現に向けた「しくみづくり」に取り組んでいます。研修の中でも、主務3級が今後担うべき役割として、この会社の方針に沿った目標設定をしていただきました。会社の戦略に則った研修内容にしたと考えています。

 

丹羽 「ありがとう」があふれる会社にしていくことが「明るい会社」を作ることだと考えています。中期経営計画の取り組みとして、皆で協力して仕事をしていく中で、お互いの垣根を取り払っていこうといった点も研修では強調されました。

 

-研修実施後の所感を教えてください

 

丹羽 今回、研修の講師を選ぶ際に、一方通行の研修ではなく、受講者同士の相互啓発を重視しているか、というのは重要なポイントの一つでした。研修ではグループワークを多く取り入れていただいたので、異なる意見を聞きながら自分の認識を改めたりする機会が得られたことは、研修ならではの大きな効果だと感じています。

 

森本 受講者に研修後のヒアリングをしてみると、「あまり馴染みのない用語を詳しく解説してくれて興味がわいた」という声がありました。研修の中で受講者にとって新しいことを学ぶ機会が与えられたこととともに、新しい知識を吸収しようとする意識が高まった研修になったのかなと思います。

 

-研修実施後、実感された効果はありますか?

 

森本 研修後、受講者の顔を見ると疲労の中にも達成感や満足感がある表情だったので、少なくともマインドはかなりブラッシュアップされたのだろうという印象を持っています。

提出された事後課題を見ても、研修の中でインプットした用語を使い、しっかりとしたアクションプランを組み立てられていたので、研修で学んだことを自分ごととして落とし込んでくれていると実感しました。

研修担当者として今回の研修を提供できたことは成功だったと認識しています。

 

2日間の研修は短時間で多くの内容をこなさなければならなかったので、1日目に研修のテンポをつかんで、2日目はそのテンポに合わせなければという覚悟を持って臨まれたと思います。研修後半で職場でのリーダーシップをどう発揮していけばいいのか、自己分析しながら進める内容でしたので、どの程度自己認識を高めて職場での行動変容につながっているか期待しています。

 

-研修で印象に残っていることはなんでしょうか?


森本 講師の先生が非常にスピーディーに進行されるなか、受講者もそれに応えて必死に付いていった結果として、研修での議論やアウトプットが常にハイレベルであったことです。受講者にとっては負荷が高い研修であったと思いますが、日常とは異なるOFF-JTの場を通じて主務3級である自覚を持ってもらえる機会となったのではないでしょうか。

今後の取り組み
社外から見ても魅力ある階層別研修の体系化を図る

-今後人事としてどのような人材育成の展望をお持ちですか? 

 

森本 管理本部という全社的な立場で、研修体制の拡充を図ることです。部署として、今後はさらに研修を充実させることをミッションとして担っています。

ただ単純に研修の数を増やすとなると、業務の合間に受講してもらっている社員に負荷をかけることにもなります。人事部のマンパワーも有限ですので、研修内容の密度を上げていくことも選択肢の1つであると考えています。

 

現状では、

一定の管理職以上の研修を実施していないことが課題として挙げられます。研修にするのか、別の育成方法を実施するのかという選択肢がありますが、何らかの方法を実施したいと考えています。

抜けている部分の穴埋めをしつつ研修体系を構築させ、ニチアスに入社を希望している学生やキャリア採用者にアピールを行っていきたいです。「この会社に入るとしっかりとした教育制度で自己成長が望める」と思ってもらえることを1つの目標としています。

アルーを選んだ理由
共に研修を築き上げてくれるパートナー

-新任主務3級研修を実施するにあたり、アルーを選定した理由は何ですか?

 

森本 ニチアスが目指す研修の要件、要望をしっかりヒアリングして、パッケージ化された研修の提供ではなくカスタマイズしてできるというのが一番の決め手です。

 

丹羽 アルーからの提案資料の中に、「主務3級は組織のハブだ」という言葉が出てきて、その考えを図で示してくれたのですごく理解しやすかったです。これなら受講者も資料を見たときに、「自分がどういう立ち位置」で、「期待役割がどういうものなのか」の理解が進むのではないかと思いました。また、研修実施の前段階から私たちが自信を持って研修を提供できると感じさせてくれる提案資料でした。

 

-アルーに期待することは何でしょうか?

 

森本 まず1点目としては研修のコンテンツです。今回の研修もそうですが非常に濃い内容で様々なアプローチで受講者に知識のインプットや実習の場を与えていただきましたので、今後も同レベル以上の内容で提供いただけるように期待しています。

また、研修内容に最新の人材育成手法を盛り込んでいただきたいです。事業会社の人事部では知り得ないところもありますので、アルーさん側から提案して研修内容に反映させていただけると我々としても会社としても非常に有益なものになると思います。

 

もう1点目は、研修会社として第三者の視点で、当社が実施している研修を見ていただきたいです。受講者のニーズであれば我々も汲み取ることができます。ただ同じ会社の者同士の思い込みや先入観で研修内容を決めがちです。他社の事例をたくさん持っているアルーさんに、各社に共通している部分や一般例を教えていただけると我々も新たな視点を持ち、研修内容を考える発想の起点になりますので、情報提供していただけるとありがたいです。

 

-アルーは御社にとってどのような存在ですか?

 

宮阪 こちらの要望をしっかり捉えて寄り添ってくれる、共に研修を築き上げくれるいいパートナーだなと感じております。

 

森本 私たちは企業の中で仕事をしているので外部の情報や視点を持ってご提案をいただけるのが非常にありがたいなと思っています。さらに私たちのニーズの潜在的なものも含めて、丁寧にヒアリングした上で提案していただき、さらにカスタマイズをしていただいています。私たちのやりたいこと、やるべきことを実現してくれる存在でいてくれると、パートナーとして一緒に仕事をしていきやすいですね。

 

丹羽 研修の前から伴走者として一緒にゴールまで走っていただけるパートナーです。研修の前の段階では丁寧なヒアリングをして、研修のゴールはどこに置くのか迷っている時に提案をしてもらい、思いや考えを引き出してくれました。これからも良きパートナーでいてくれると嬉しいです。

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アルー営業担当からの一言

アルー株式会社
HRC1部
神戸 北斗

今回が初めてのお取引でしたが、人事ご担当者様と意見交換を重ねさせていただき、「お客様とワンチームで研修を作りあげる」という喜びを噛みしめながら研修当日を迎えさせていただきました。
研修後の振り返り打合せでは、研修をさらによいものにするために皆で濃密な議論をさせていただき、ニチアス様の人材育成に対する熱い想いを改めて感じました。

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