
エフィカシー(自己効力感) とは?高めるための4つの源泉と人事施策への活かし方
エフィカシーという言葉を目にする機会が増えました。1on1や目標設定の文脈で登場するものの、自己肯定感やレジリエンスと何が違うのか、どう高めればいいのか、モヤモヤしたまま研修設計に取り組んでいる担当者は少なくありません。
「結局エフィカシーって、自己肯定感やレジリエンスと呼び方が違うだけで同じものなのでは?」と感じている担当者もいるでしょう。あるいは「『達成体験を積ませよう』とよく聞くが、失敗続きの部下にはどうするのか?」という壁にぶつかっている方もいるはずです。
本記事では、心理学者バンデューラの理論をベースにエフィカシーの定義を整理し、類似概念との違い、4つの源泉と人事施策への落とし込み、測定方法、部下への介入設計までを実務で使える形で解説します。
この記事でわかること
- エフィカシーの定義と類似概念(自己肯定感・自己有用感・レジリエンス) との違い
- バンデューラの「4つの源泉」を1on1・OJT・研修・評価にマッピングする方法
- 簡易自己診断と効果測定KPIの設計
- 低エフィカシー部下の90日介入ロードマップと過信タイプへの対処
- 人材育成の実践事例
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この記事の監修者

アルー株式会社
代表取締役社長
落合文四郎
1977年、大阪府生まれ。 2001年、東京大学大学院理学系研究科修了後、株式会社ボストン コンサルティング グループ入社。 2003年10月、株式会社エデュ・ファクトリーを設立し、代表取締役社長に就任。 2006年4月、アルー株式会社に社名変更。京都大学博士(経営科学)。
エフィカシー(自己効力感) とは——バンデューラ理論と注目される背景
定義とバンデューラの理論的背景
エフィカシー(self-efficacy、自己効力感) とは、「特定の状況で目標達成に必要な行動をうまく遂行できる」という自分自身への信念を指します。心理学者アルバート・バンデューラが1977年に提唱した概念で、社会的認知理論の中核をなします。
重要なのは、エフィカシーが「自分は価値ある存在だ」という漠然とした自己評価ではなく、「この課題を、この状況で、遂行できる」という具体的な行動遂行への見通しである点です。目標が明確で、行動と結果の因果関係が想定できる場面で機能します。
たとえば「新規顧客への提案書を、明日までに仕上げられる」という見通しがエフィカシーです。「自分は営業に向いている」といった漠然とした自己像とは区別されます。この違いを理解しないまま研修設計に入ると、「自己肯定感を高める研修」と「エフィカシーを高める研修」が混同され、施策の焦点がぼやけます。
エフィカシーの3つのタイプ
エフィカシーは、機能する領域ごとに捉えるのが有効です。実務では、以下の3つの領域を押さえておくと、「どの領域のエフィカシーを高めるのか」を明確にできます。
タイプ | 主な領域 | 具体例 |
|---|---|---|
自己調整的エフィカシー | 自分の行動・感情のコントロール | 締切前でも冷静に優先順位を判断できる |
社会的エフィカシー | 対人関係・チーム内での振る舞い | 上位方針を部下に自分の言葉で伝えられる |
学習面のエフィカシー | 学習・スキル習得 | 新しい業務知識を独学で習得できる |
人事施策で扱うのは主に自己調整的エフィカシーと社会的エフィカシーの2種類です。学習面のエフィカシーは新入社員研修や資格取得支援の文脈で登場します。
エフィカシーが注目される背景
エフィカシーが人材育成の文脈で注目される背景には、3つの潮流があります。1つ目は、VUCA(Volatility/Uncertainty/Complexity/Ambiguity=変動性・不確実性・複雑性・曖昧性) 環境下で「正解のない課題」に取り組む場面が増え、指示待ちではなく自ら動ける人材が求められていることです。2つ目は、1on1やコーチングが普及し、上司が部下の内発的動機に働きかける必要性が高まったことです。3つ目は、Z世代の若手が「意味のある仕事」を重視する傾向を持ち、単なるスキル付与では動機づけが機能しにくくなったことです。
現場では「若手の主体性がない」「指示待ちが多い」という悩みを耳にしますが、その背景にはエフィカシーの低下がある場合が少なくありません。「やってみて、できた」という感覚を積み重ねる仕組みがないまま、成果だけを求められる状態が続くと、エフィカシーは下がっていきます。
主体性について詳しくは以下の記事をご参照ください。
エフィカシーと自己肯定感・自己有用感・レジリエンスの違い
「エフィカシー」「自己肯定感」「自己有用感」「レジリエンス」は、いずれもポジティブ心理学や組織開発の文脈で登場する概念です。似た文脈で使われるため混同されやすいですが、着眼点が異なります。研修設計の場では、この違いを整理しておかないと施策のゴールがぶれます。
概念 | 焦点 | 代表的な問い | 主な介入手段 |
|---|---|---|---|
エフィカシー(自己効力感) | 特定行動の遂行可能性 | この課題を、うまくやれそうか? | 4つの源泉(達成/代理/説得/情動) |
自己肯定感 | 自分の存在価値への肯定 | 自分はこのままでよいか? | 承認・受容・存在承認 |
自己有用感 | 他者・組織への貢献実感 | 自分は役に立てているか? | 感謝の可視化・貢献の言語化 |
レジリエンス | 逆境からの回復力 | 落ち込んでも立ち直れるか? | 認知の柔軟化・サポート網の構築 |
エフィカシーは「これから」の行動に対する見通しであり、自己肯定感は「今の」自分への評価、自己有用感は「他者に対する」自分の価値、レジリエンスは「困難後の」回復プロセスに焦点があります。
「結局同じものでは?」と感じる方もいますが、たとえば「自己肯定感は高いが、エフィカシーは低い」という状態はあり得ます。「自分は価値ある存在だと思うが、この新規プロジェクトを遂行できる自信はない」というケースです。この場合、承認を重ねてもエフィカシーは上がらず、後述する「4つの源泉」への働きかけが必要になります。
エフィカシーが高い人の特徴と組織にもたらすメリット・デメリット
エフィカシーが高い人の行動特性
エフィカシーが高い人には、共通する行動特性があります。困難な課題に対して回避せず取り組み、失敗しても「やり方の問題」と受け止めて再挑戦し、周囲に助けを求める頻度も高くなります。ストレス下でもパフォーマンスを維持しやすく、目標達成率も相対的に高い傾向が確認されています。
現場で観察されるサインとしては、「まずやってみます」と口にする、失敗を報告する際も次の一手を持ってくる、他者の達成体験を素直に参考にする、といった行動が挙げられます。逆に、エフィカシーが低い人は「たぶん無理です」「前もダメだったので」と回避的な発言が増え、失敗を「自分の能力の問題」と捉えます。
組織にもたらすメリット
エフィカシーの高い人材が組織にもたらすメリットの一つは、その人の達成体験を間近で見ることが「代理体験」となり、周囲メンバー自身のエフィカシーを高めることです。もう一つ、チームには個人のエフィカシーとは別に、「自分たちは一丸となって目標を達成できる」という集団で共有された信念があり、バンデューラはこれを「集合的効力感(Collective Efficacy) 」と呼びました。集合的効力感は、個人の効力感の単純な合計ではなく、チームパフォーマンスの重要な予測因子として位置づけられています。集合的効力感の高い組織は以下のような強みをもちます。
- 新しい業務・変化への対応スピードが速い
- 失敗を隠さず報告する文化が醸成される
- チーム内での相互支援・助言の頻度が上がる
- 挑戦的な目標を設定でき、達成率も上がる
- 離職意向が下がりやすい(自己統制感が高いため)
デメリットと過信リスク
一方で、「エフィカシーは高ければ高いほどよい」わけではありません。過信タイプの落とし穴も存在します。エフィカシーが実力を大きく上回ると、以下のリスクを伴います。
- 準備不足のまま突入し、失敗の質が悪化する
- 周囲の助言を聞かず、独走・孤立する
- 部下や同僚のペースを無視して疲弊させる
- 燃え尽き(バーンアウト) を招く
「高めるだけが正解なのか?」という問いへの答えは、「実力とエフィカシーのバランスを見る」です。実力を高める打ち手と、内省を促す打ち手を組み合わせる必要があります。後述の「過信タイプへの対処」で具体策を扱います。
効力感を高める4つの源泉と人事施策への活かし方
バンデューラの4つの源泉
バンデューラは、エフィカシーを高める4つの源泉を提唱しました。これが施策設計の理論的基盤になります。
源泉 | 内容 | 効果の 強さ |
|---|---|---|
達成体験(Mastery Experience) | 自分で行動して成功した経験 | 最強 |
代理体験(Vicarious Experience) | 自分に似た他者の成功を観察 | 強 |
言語的説得(Verbal Persuasion) | 信頼できる他者からの励まし・フィードバック | 中 |
生理的情動喚起(Physiological & Emotional States) | 心身の状態(緊張・疲労・高揚感) | 中 |
達成体験が最も効果が高いと言われますが、失敗続きの部下には達成体験を設計しにくいのが実情です。「そんな都合よく達成体験を設計できるのか?」という現場の疑問はもっともで、達成体験の作り方(スモールステップ設計) と、代理体験・言語的説得・情動喚起を組み合わせるハイブリッド設計が実務では有効です。
4つの源泉 × 人事施策マッピング
理論を実務に落とすため、4つの源泉を代表的な人事施策—— 1on1・OJT(On-the-Job Training) ・集合研修・評価制度 ——にマッピングします。稟議や施策設計の際にご活用ください。
源泉 | 1on1 | OJT | 集合研修 | 評価制度 |
|---|---|---|---|---|
達成体験 | スモールゴール設定・週次進捗確認 | 段階的な業務移譲・達成の言語化 | 100本ノック型演習・達成即FB | プロセス評価・小さな達成の可視化 |
代理体験 | 他部署の達成事例共有 | 先輩の同行観察・シャドウイング | 事例研究・ロールモデル講話 | 表彰制度・達成事例の社内展開 |
言語的説得 | 承認+具体的行動FB | ティーチング+コーチングの併用 | 講師フィードバック・受講者間承認 | 期中の期待伝達・強み言語化 |
情動喚起 | 心理的安全性の確保・情動の言語化 | 過度な負荷の調整・休息の確保 | グランドルール設定・アイスブレイク アハ体験のデザイン | 評価面談の環境設計・情動配慮 |
1on1で使える質問例(階層別)
エフィカシーを使いやすいシーンの一つが1on1です。エフィカシーを高める質問例を階層別に整理します。
新入社員向けの質問例(達成体験を積ませる場合)
OK: 「今週、自分なりに『できた』と思えたことは何?どんな工夫があった?」
OK: 「先週の失敗、次回はどこを変えてみる?」
NG: 「なんでできなかったの?」(原因追及型は情動を下げる)
NG: 「もっと頑張れば大丈夫」(具体性のない励ましは効果なし)
中堅社員向けの質問例(代理体験と言語的説得を組み合わせる場合)
OK: 「〇〇さんの案件、参考になりそう?どこが自分と近い?」
OK: 「その判断、私はこう評価している。理由は…」(具体的FB)
NG: 「もう中堅なんだから」(過度な期待押しつけは情動を下げる)
管理職向けの質問例(過信タイプへの介入も含む場合)
OK: 「そのプランの成功要因はどこ?再現するには何が必要?」(達成体験の言語化)
OK: 「今回はうまくいったが、次に同じやり方が通用しない場面は?」(過信抑制の内省促し)
NG: 「次回は、このようなやり方でやるべきでは?」(詳細な介入は情動を弱める)
NG: 「うまくいかなかったのは誰の責任?」(責任追及は達成体験と情動を弱める)
1on1ミーティングの進め方について詳しくは以下の記事をご参照ください。
エフィカシーの測定方法と簡易自己診断
GSES(一般性セルフ・エフィカシー尺度) 10項目
エフィカシーを客観的に測定する尺度としては、GSES(General Self-Efficacy Scale、一般性セルフ・エフィカシー尺度) が知られています。日本では坂野雄二・東條光彦による16項目版が広く用いられており、研修の前後で測定すれば施策の効果を可視化できます。正式な測定には、原尺度を規定の手続きに沿って使用してください。
以下は、こうしたエフィカシー研究の考え方を参考に、本記事が独自に解釈し作成した簡易セルフチェックです 。読者自身のエフィカシー水準をおおまかに把握する自己診断としてご活用ください(各項目「はい=2点/どちらでもない=1点/いいえ=0点」) 。
- 何か仕事をするとき、うまくいかない気がして不安になることは少ない
- 引き受けた仕事は、たいてい成し遂げられると思う
- 新しい仕事に取り組むとき、まずできると考える方だ
- 過去に失敗した経験があっても、次は違うやり方でやれると思う
- 難しい目標でも、途中であきらめずに続けられる
- 周囲から難しいと言われても、自分はできると思って取り組める
- 計画したことは、たいてい計画通り進められる
- 何か問題が起きても、自分なりに対処できる自信がある
- 他の人と比べて、自分は要領がよい方だと思う
- 過去の達成体験を、次の挑戦に活かせている
目安: 15点以上=高い / 8〜14点=中程度 / 7点以下=低い
効果測定KPIの設計テンプレ
研修や施策の効果を経営層に報告するには、Before/After設計が欠かせません。以下のテンプレを参考に、施策開始前と3〜6か月後で比較する設計を組んでください。
KPI種類 | 測定指標 | 測定タイミング |
|---|---|---|
主観指標 | GSESスコア・エンゲージメントサーベイの該当項目 | 施策前/3か月後/6か月後 |
行動指標 | 挑戦的目標の設定数・提案件数・目標に対する意図的な行動数 | 月次 |
成果指標 | 目標達成率・360度評価の該当項目 | 半期・年次 |
離職指標 | 離職意向スコア・実離職率 | 半期・年次 |
「研修や施策で本当にエフィカシーが上がったのかを測定・可視化できず、経営層に成果を報告できない」という悩みは、KPI設計を事前に組み込んでいないことが原因の場合が多くあります。稟議段階からKPIを設計しておくと、施策の継続判断もスムーズになります。
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部下のエフィカシーを高める方法と過信タイプへの対処
低エフィカシー部下を立て直す90日介入ロードマップ
「失敗続きの部下にはどうするのか?」という現場の切実な問いに答えます。エフィカシーが極端に下がった部下には、いきなり大きな達成体験を求めず、90日かけて段階的に立て直す設計が有効です。
Phase1:最初の30日(情動を整え、達成体験の土台を作る)
- 週次1on1で心理的安全性を確保し、失敗を叱責しない
- 業務難易度を一段階下げ、確実に完了できる小タスクを渡す
- 完了時に「できた事実」と「工夫」を言語化してFB
- 目標:GSESスコアで1〜2項目改善
Phase2:31〜60日(代理体験と言語的説得を重ねる)
- 同僚・先輩の達成事例を共有(似た属性の人が望ましい)
- 小タスクの難易度を段階的に上げ、達成体験を積み上げる
- 上司が具体的なFB(結果ではなくプロセス・工夫への言及) を継続
- 目標:自発的な提案が月1回以上出るようになる
Phase3:61〜90日(達成体験の質を高める)
- ストレッチ目標(現状+15〜20%程度) を本人と合意
- 失敗時のリカバリー計画を事前に立てておく
- 90日時点でGSESを再測定し、変化を本人と共有
- 目標:自己調整的エフィカシー・社会的エフィカシーの双方でスコア改善
過信タイプへのマネジメント介入
一方、エフィカシーが実力を上回っている過信タイプへの介入は、過剰な自信を抑えるのではなく、「実力を上げる」ことと「内省を促す」ことの両輪で行います。
リアルな課題を与える:本人の想定より1段階難易度の高い課題を渡し、実力とのギャップを本人に体感させる
多面フィードバックを導入:360度評価やチームメンバーからの匿名フィードバックで、本人が見えていない盲点を可視化
内省を促す質問:「今回はうまくいったが、通用しない場面は?」「同じやり方で失敗した人の例は?」
他者への貢献軸を設定:個人成果だけでなく、後輩育成・チーム貢献をKPIに組み込む
メタ認知の訓練:自分の判断プロセスを言語化させ、思い込みや前提を検証させる
過信タイプは「本人が困っていない」ため介入が遅れがちですが、周囲が疲弊し始めた時点ですでに手遅れになるケースもあります。上司側の観察力と早期介入が鍵です。
部下指導の具体的な方法について詳しくは以下の記事をご参照ください。
エフィカシー向上に取り組んだ人材育成の実践事例
金融業界における管理職のマネジメント意識転換
アルーが支援した金融業界の企業では、管理職を対象に、マネジメントに対する意欲とエフィカシーを高める研修プログラムを実施しました。事前の課題認識として「自分はマネジメントができない」と感じる層が一定数存在し、経験不足・スキル不足を埋めながらもハードルを高く感じさせない設計が求められていました。
施策として、半日×4回で実施するプログラムを設計しました。テーマは「担当組織の業務目標達成とメンバーの成長を両立させるための課題」に据え、技術的課題(ジョブアサインメント・目標設定) と適応課題(自身の内面の価値観や考え方の調整) の両面から向き合う構成です。各回半日の中に講義と個人ワーク、グループ対話を組み込み、回と回の間には現場での実践と中間課題を設定して、実践→振り返り→再挑戦のサイクルを回しました。
設計上のポイントは3つあります。1つ目は、他部署の管理職とのグループ対話を毎回組み込み、「他の管理職も同じ悩みを抱えている」という代理体験と、多様な視点による内省を継続的に供給したことです。2つ目は、扱う課題を組織目標達成とメンバー育成の両立という現場密着型のテーマに絞り、学習内容が翌週の実務にそのまま接続する構造にしたことです。3つ目は、複数回の実施により「振り返り→現場実践→次回持ち込み」のリズムを作り、達成体験と言語的説得を短いスパンで積み重ねられるようにしたことです。
成果として、研修前後のアンケート測定では、モチベーションに紐づく4要素すべてで平均値の上昇が確認されました。特に、マネジメント業務に対するエフィカシーの項目は研修前後で大きな上昇を示しました。これは、マネジメント業務に対して「やればできる」と感じる度合いが高まったことを意味しています。課長層では「マネジメント業務に対応できると感じているか」の問いに「あまり感じていない」と回答した人が研修前の約3割から研修後には1割未満まで減少し、ネガティブ層を大きく減らす効果が確認されました。有意味感の項目も研修前後で向上し、「マネジメントという仕事の自分にとっての意義の大きさ」への認識が定着している状態です。
受講者からは「他部署の管理職の率直な意見を聞くことができ、対話を重視したいと思った」「適応課題という概念を初めて知り、今後の課題対応の参考になった」「メンバーへの期待の大きさから対話不足に陥っていることに気づいた」といった声が挙がっています。個人の内省とグループ対話が結びつき、マネジメント役割への向き合い方が変化した段階です。
弊社アルーは管理職のマネジメント意識転換とエフィカシー向上を支援する管理職研修を提供しています。詳しくは以下のページをご覧ください。
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まとめ
エフィカシー(自己効力感) は、特定の行動を遂行できるという自分自身への信念であり、自己肯定感やレジリエンスとは焦点が異なる概念です。バンデューラが提唱した「達成体験・代理体験・言語的説得・生理的情動喚起」の4つの源泉を、1on1・OJT・研修・評価制度にマッピングすることで、理論を実務に落とし込めます。
エフィカシーは「高めるだけが正解」ではなく、実力とのバランス、そして過信タイプへの介入設計まで含めた両面設計が必要です。低エフィカシーの部下には90日のロードマップで段階的に立て直し、過信タイプには実力向上と内省の促進の二軸で介入することが鍵となります。
そして、施策の効果はGSESなどの尺度と行動・成果KPIで測定し、Before/Afterで可視化してこそ、経営層への報告と施策の継続判断につながります。理論を知るだけでは組織は変わりません。理論を自社の1on1・OJT・研修・評価にどう落とし込むかを、コンサルタントと対話しながら設計していくことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q | エフィカシーと自己肯定感の違いを一言で説明するには? |
|---|---|
A | エフィカシーは「この行動をうまくやれる」という具体的な行動遂行への見通し、自己肯定感は「自分は価値ある存在だ」という漠然とした自己評価です。自己肯定感が高くてもエフィカシーが低いケース、その逆のケースも存在するため、施策のゴールを混同しないことが重要です。 |
Q | 失敗続きの部下に「達成体験」をどう作ればよいですか? |
|---|---|
A | いきなり大きな達成体験を求めず、業務難易度を一段階下げて確実に完了できる小タスクから始めます。完了時に「できた事実」と「工夫」を言語化してフィードバックし、30日単位で難易度を段階的に上げていく設計が有効です。本文の「90日介入ロードマップ」を参考にしてください。 |
Q | エフィカシーが高すぎる社員は、どう扱えばよいですか? |
|---|---|
A | 「自信を折る」のではなく、「実力を上げる+内省を促す」の両輪で介入します。想定より1段階難易度の高い課題を渡す、360度評価で盲点を可視化する、後輩育成をKPIに組み込む、といった打ち手が有効です。過信タイプは本人が困っていないため、上司側の観察力と早期介入が鍵となります。 |
Q | GSESなどの尺度で測定した結果、経営層への報告にどう活かせますか? |
|---|---|
A | 施策開始前と3〜6か月後でGSESスコア・行動指標(挑戦的目標の設定数など) ・成果指標(目標達成率) ・離職指標をBefore/Afterで比較します。稟議段階からKPI設計を組み込んでおくと、施策の効果を定量的に示せ、継続判断もスムーズになります。 |


