NTTコミュニケーションズ株式会社は、お客様の多様な課題を解決する提案ができるフィールドセールスを増やすため、ソリューション営業研修を実施しました。社員のレベルに合わせて営業力を強化する研修の施策内容をご紹介します。
NTTコミュニケーションズ株式会社は、お客様の多様な課題を解決する提案ができるフィールドセールスを増やすため、ソリューション営業研修を実施しました。社員のレベルに合わせて営業力を強化する研修の施策内容をご紹介します。
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実行施策
[ 研修対象者 ]
フィールドセールス
[ 研修テーマ ]
ソリューション営業研修
[ 研修内容 ]
成果
-今回、アルーのソリューション営業研修を導入した背景を教えてください
大城 組織にはフィールドセールスの営業担当もいれば、今までなかなか接点のなかったお客様に対してアウトバウンド・インバウンド含めてアプローチするインサイドセールス、代理店営業など複数の営業社員がいます。その中で、私たちの主なミッションは、「フィールドセールスの営業力強化」になります。
理由としては、まず、事業統合により、フィールドセールス未経験者の社内異動者が増加しました。さらに、統合により扱える商材も多様化した結果、扱えるお客様の課題もこれまで以上に幅広くなりました。そのため、既に営業経験のある社員に対しても、これまでの営業スタイルからよりお客様の課題に寄り添い幅広い課題を解決するソリューション営業により一層シフトする必要がありました。そのため、これからのフィールドセールスに求められるソリューション営業のスキルを身につけ、現場で実践できるソリューション営業研修を企画しました。
-法人営業の経験が浅い方にソリューション営業研修を実施した目的を教えてください
西山 法人営業の経験はあるが、経験が浅い方に対しては、受講者のスキルレベルを分析し、「課題仮説の部分が弱い」「お客様に提案する前の準備が弱い」「自身でなかなか提案のストーリーを作れない」など、分析から見えた弱みを研修で学んでもらうことを目的としています。
大城 営業経験のある方でも、お客様の要望しか解決できない「御用聞き営業」になりがちなので、もう一歩踏み込んだ「ソリューション営業」をしてもらいたいと考えていました。
西山 フィールドセールスのスキルレベル別にソリューション営業研修を実施しました。今回、アルーに依頼した研修はそのうち3つのレベルに該当するフィールドセールス向けにソリューション営業研修を実施しました。1つは、法人営業未経験者向けの転入者向けソリューション営業研修です。その他は、営業経験者向けに初級編と中級編にレベルを分けて実施しました。レベル別にターゲット社員を明確にし、レベルに合わせた研修にカスタマイズすることで、効果的かつ連動性のある研修設計を心がけました。
-営業経験未経験者を対象にした転入者向けソリューション営業研修について教えてください
西山 営業経験未経験者には、他部署から職種を変更した異動者が含まれます。そのため、「法人営業とは」という法人営業の基礎から、ヒアリング、提案、仮説立案などの基礎スキルを一つ一つ習得することを目的に設計しています。
大城 法人営業が初めての方の中には、法人営業に対する恐怖心や不安を抱く社員もいますので、恐怖心や不安感を和らげることも目的の1つです。対人コミュニケーションに苦手意識のある方でも、営業の型を知り、型通りにやれば誰でもできるということを体感していただくことで法人営業へのネガティブイメージをなくすよう心がけました。また、研修後には確認テストを行うことで知識の定着だけでなく、テストに合格することで一人一人の営業に対する自信につなげてもらいたいと考えています。
法人営業が初めての方たちには、「eラーニング」を受講した後に、「転入者向けソリューション営業研修」を2日間受講することでヒアリングや提案の基礎を習得します。その後、「習熟度確認テスト」を行うことで、学びの定着を図っています。商談の流れを一通り試験して、理解度が足りなければ個別で補講も行い、クリアした後、現場で実践します。現場実践後、フォローアップ研修として「仮説立案と仮説検証スキル」を学びます。
大城 中級編では、仮説を立てた上で、お客様の課題を明確にするヒアリング力強化を目的に設計しています。そのため、事前課題にロジカルシンキングと仮説設定の動画を視聴し事前インプットします。その後、2日間の集合研修に参加し、ロールプレイを軸とした商談の進め方やヒアリング力の強化を行います。研修後は、上長と商談同行し、研修で学んだことを実践できたかどうかを上長からフィードバックをもらい改善していくようにしています。
-今回のソリューション営業研修を実施してみての所感を教えてください
大城 仮説を立てて、お客様のところに行くという経験をしていない営業が割と多くいましたので、今回の研修で、仮説を立ててから営業することの重要性の理解が深まり、ソリューション営業の第一歩を踏めるようになったと感じています。
また、講師の方が、経験豊富で素晴らしいと感じました。
西山 研修後のアンケートから、講師が熱量を持って研修を行ってくれたことで、感化された受講者が多かったことが分かりました。受講者たちにとって得られるものが多かったようで、「明日からやってみよう」「業務の中でやってみよう」という動きが見られました。事務局として研修の様子を見ていましたが、講師が受講者の状況や反応を見て柔軟に対応してくれていると感じました。講師のそういう姿勢が受講者に伝わったため、受講者が感化されたのではないかと思います。
-今回のソリューション営業研修を実施して、成果はありましたか?
西山 研修の狙い通り、上げたかった層を1段レベルアップすることができました。
法人営業が初めてだった受講者が「半年後に法人営業ができている」という声を、受講者の周りのメンバーから聞いています。これまでは、法人営業ができるようになるまでには1~2年の育成期間が必要でしたが、研修を実施した半年後には、少し上司や周囲のサポートがあれば一人で営業活動できると回答している方が7割以上になりました。
法人営業の経験があった受講者に対しては、毎年、定点で自身のスキルチェックをする仕組みがあります。そのアンケートから「法人営業を一人称でもできるようになりました」「教えられるレベルになりました」という声を聞いています。
営業スキルとして強化したいポイントは「仮説設定」「お客様との関係構築」「提案ストーリーを自分で描く」などあり、それぞれの強化ポイントに対して、5段階のレベルを設けています。8割以上の受講者が「自分のスキルレベルが1段階上がった」と回答があり、研修で学んだことが社員の営業スキル向上に繋がっていることを実感しています。
-想定外の効果や変化はありましたか?
大城 「習熟度確認テスト」で合格率が高かったことが意外でした。3割ぐらいは落ちると想定していましたが、ふたを開けてみたら9割の受講者が合格でした。研修が分かりやすかったことや講師に関わりもあり、このような結果になったと考えています。
西山 過去に、他の研修などで実施したテストでは、合格率が半分でしたので、それと比べるととても高い合格率に繋げられる研修設計ができました。
また、合格できたことは受講者本人の自信にも繋がっており、受講者にとっても、事務局としてもよい研修だったと感じます。
-ソリューション営業研修で、「もっとこうだったら良かった」と感じることはありましたか?
大城 転入者向けソリューション営業研修では、今後は「アナロジー思考」を取り入れていきたいです。転入者向けソリューション営業研修の対象者の中には、他部署から職種を変更した方もいます。営業経験はなくても別の経験を有しているため、「それまでのキャリアで学んだことはフィールドセールスという新しい職種でも活かせる」ということを認識できるようにしていきたいと考えています。そうすることで、未経験の営業であったとしても、本人の自信にもなり、モチベーションも上がってくると思います。
-ソリューション営業の育成について、今後どのようなことを実現していきたいですか?
大城 現場への定着について考えています。OJTを強化したり、共通言語を作れたりするといいですね。上長や先輩社員へのインプットも広めて、組織的にソリューション営業の型化をして、定着させたいと思います。
西山 実践にいかに使えるようにするかを追求していきたいです。今回の研修でソリューション営業の進め方は理解できました。今後はより自社の扱う商材に照らし合わせて「どういうタイミングで、どんな話し方で、どんな行動すればお客様から選んでもらえるのか」を具体化することによって、研修で学んだ内容をさらに実践できるようになると考えています。
「よい営業がどんな営業をしているか」について、私たちが社内から素材を集めて組み合わせることで、より実践に近いロールプレイを作ることができると考えています。今後は、アルーと一緒にもっと実践に近いロールプレイの演習を作って、受講者の学びの吸収速度や、実践速度を上げられる工夫をしていきたいと思います。
-ソリューション営業の育成に限らず、グループとして今後どのようなことを実現していきたいですか?
大城 ソリューション営業だけに留まらず、その先のコンサル営業やインサイト営業ができる人材を増やしていきたいです。会社が統合したことで、モバイルの活用だけでなく固定回線と融合させて、取り扱う商材が増えました。私たちのミッションには「中堅、中小企業に対して、ソリューション提案を行うこと」も含まれていますので、中堅、中小企業に対して、当社の多様な商材を広めていきたいです。
-今回、ソリューション営業研修を実施するにあたり、アルーを選んだ理由を教えてください
大城 当社から色んな要望をさせてもらいましたが、その要望に対して「なんでも要望に合わせます」ではなく、研修のプロとして「そこはこうした方がいいですよ」とコンサル的なことをしていただいたため、アルーを選びました。私たちは研修のプロではないので「本当にそれでいいのか」と不安に思うことがあります。そこをアルーにはコンサルしていただけたと感じています。
西山 アルーは、当社が伝えたいことを汲み取りながら「それは違いますよ」「こういうものがいいですよ」とアドバイスをくれたところがよかったです。
-今後、アルーに対してどのようなことを期待しますか?
大城 今後も、研修のプロとして、私達の気付かないところをコンサルしていただきたいです。
西山 私たちが新しい育成施策を行うとき、まず相談させていただくのがアルーです。他にも「組織の活性化」という課題に対しても提案してもらっています。研修以外にも「こういうこともできるんですよ」「ロープレの動画も作れるんですよ」などを提案してもらえたら、ぜひお願いさせていただきたいなと思っています。
-お2人にとって、アルーはどのような存在ですか?
大城 研修以外のことでも、困ったときに真っ先に相談させていただく存在です。