
中堅社員が自分のキャリアを語れない本当の理由と、面談前に『志』を言葉にできる進め方
セルフキャリアドックを導入したものの、5年目前後の中堅社員との面談が「最近どうですか」「特に問題ありません」で終わってしまう——この悩みを抱える人事担当者は少なくありません。本音が出ない面談の原因は、面談者の質問力ではなく、受講者の側に「そもそも自分が何を大事にしているか」の言葉が用意されていないことにあります。
本記事では、金融業界で実施された入社5年目向けキャリア研修の事例をもとに、面談の前段で受講者が自分の志を言語化できるようにする具体的な進め方を解説します。業種は金融ですが、「中堅社員が中長期のキャリアを語れないこと」や「仕事の意味や他者貢献を見出せないこと」という課題は、業種を問わず共通します。
この記事でわかること
- 中堅社員が自分のキャリアを語れない構造的な原因
- 「自分への想い」と「他者への想い」の二軸で志を言葉にする進め方
- 志の言語化でつまずきやすい3つのポイントと対処
- セルフキャリアドックの面談前に組み込む具体的な研修設計
まずは全体像を把握できる本記事を起点に、自社の中堅社員育成の検討を始めてみてください。さらに詳しい設計例は、末尾の資料もあわせてご活用ください。
この記事の監修者

アルー株式会社
代表取締役社長
落合文四郎
1977年、大阪府生まれ。 2001年、東京大学大学院理学系研究科修了後、株式会社ボストン コンサルティング グループ入社。 2003年10月、株式会社エデュ・ファクトリーを設立し、代表取締役社長に就任。 2006年4月、アルー株式会社に社名変更。京都大学博士(経営科学)。
なぜ中堅社員は自分のキャリアを語れないのか
中堅社員の面談が「特に問題ありません」で終わる理由
入社5年目前後の中堅社員と面談すると、業務の話は出ても、3年後・5年後にどうなりたいかを聞いた途端に言葉が止まる——多くの人事担当者が経験する場面です。これは本人の意欲が低いのではなく、面談の場で初めて中長期キャリアを問われ、その場で言葉にしようとして詰まるという構造的な問題です。
中堅社員は日々の業務に追われ、自分が何を大事にして働いているかを立ち止まって考える機会がほとんどありません。面談シートを事前に配っても、シートの問いに答えるための「材料(自分の価値観や想い)」が本人の中で整理されていなければ、書ける内容は表面的なものに留まります。結果として面談は「業務報告+特に問題ありません」で終わり、本音の対話には至りません。
業務はこなせるのにキャリアが語れない構造
中堅社員は「目の前の業務を回す力」は新人時代と比べて格段に高まっています。一方で、その業務が自分にとってどんな意味を持ち、誰のために価値を出しているのかを言葉にする訓練は、入社後ほとんど受けていません。
同じ業務を3〜5年続けると、業務の「やり方」は染み付きますが、「なぜ自分はこの仕事をしているのか」を改めて問う機会が失われていきます。結果として、業務遂行力は高いが自分のキャリアを語れない——という中堅社員特有の状態が生まれます。これは個人の問題ではなく、入社後の育成設計の中に「自分の価値観や志を言葉にする時間」が組み込まれてこなかったことが原因です。
自分への想いと他者への想い、両方が未言語化のまま5年が過ぎる
中堅社員が中長期キャリアを描けない背景には、仕事に対する『志』が、自分への想いと他者への想いの両面で言葉にされないままになっているという共通の理由があります。
「自分への想い」とは、自分が仕事を通してどうありたいか、何を大事にしたいかという内側の動機です。「他者への想い」とは、自分の仕事が誰にどんな価値を届けるかという外側への貢献意識です。この両方が言葉になっていないと、面談で「中長期のキャリアは?」と問われても、業務スキルの延長線上の話しか出てきません。志が言葉になっていない限り、面談シートを精緻化しても、面談者の質問力を上げても、対話の深さには限界があります。
『自分への想い』と『他者への想い』の二軸で志を言葉にする進め方
志は二軸で組み立てる
仕事における志は、「自分への想い」×「他者への想い」の二軸で組み立てると、片寄りなく言葉にできます。これは、中堅社員向けキャリア研修などで広く用いられているフレームワークであり、自律的に成長できる人材は、「自分のため」と「他者のため」の視点をどちらも持っている、という考え方が背景にあります。
片方だけだとどうなるか。「自分への想い」だけだと、「自分はこうありたい」が独り歩きし、組織の中で価値を出す視点を欠いた自分本位なキャリア像になります。逆に「他者への想い」だけだと、「会社や上司の期待に応えたい」が前面に出て、自分の価値観が空洞のまま周囲依存のキャリア像になります。どちらも、面談で語っても薄さが残ります。
下記の表で、志の構成要素を分かりやすく示します。
軸 | 問い | 言葉にする対象 | 偏ったときの状態 |
|---|---|---|---|
自分への想い | 自分は仕事を通してどうありたいか | 自分が大事にしている価値観、ありたい姿、こだわり | 自分本位(組織の中で浮く) |
他者への想い | 自分の仕事は誰に何を届けるためにあるか | 最終受益者、その人にどうなってほしいか | 周囲依存(自分の軸がない) |
両軸の併存 | 自分のありたい姿と、届けたい相手への価値が一致しているか | 中長期で目指したい姿 | 自律的に語れる状態 |
自分への想いを言葉にするワークの進め方
「自分への想い」を言葉にするには、いきなり「ありたい姿は?」と問うのではなく、過去の経験を素材に価値観を引き出す順序が有効です。アルーの5年目向けキャリア研修では、午前パートで以下の流れを取ります。
- 事前課題で材料を用意する:自分の担当業務に取り組む際に、何を考えていたか・どう感じていたかをワークシートに書き出してきてもらいます。
- 小グループで共有する:事前課題を持ち寄り、3〜4人のグループで共有します。他者の言葉に触れることで、自分の中の「言葉にできていなかった想い」が浮かび上がります。
- 個人ワークでブラッシュアップ:共有を踏まえて、自分への想いを言葉として整えます。
ここでのポイントは、「ありたい姿」から逆算しないことです。先にありたい姿を聞くと、社会的に正しそうな答えに引っ張られます。先に「日々の業務で何を感じてきたか」を素材にすると、本人にとっての自然な価値観が出てきます。
他者への想いを言葉にするワークの進め方
「他者への想い」は、「お客様のため」「会社のため」といった抽象的な言葉で済まされがちです。これを具体に降ろすには、「自分の仕事の最終受益者は誰か」を一人に絞って特定する手順を踏みます。
弊社アルーは志の二軸言語化を含む「中堅社員研修」を提供しています。詳しくは以下のページをご覧ください。
🔗研修サービス詳細:中堅社員研修
最終受益者を明確にすると、他者貢献が具体になる
「お客様のため」が抽象論で止まる原因
中堅社員に「あなたの仕事は誰のためにありますか」と問うと、多くの場合「お客様のため」「社内の関係部署のため」という答えが返ってきます。間違いではないのですが、ここで止まると、面談でも研修でも抽象的なまま終わり、本人の行動には繋がりません。
抽象論で止まる原因は、「お客様」「関係部署」が複数人を含む集合名詞だからです。集合名詞のままだと、その人がどう感じ、どうなれば嬉しいかをイメージできません。イメージできない相手への貢献は、本人の中で重みを持ちません。
最終受益者を一人に絞って言語化する
これを乗り越えるには、最終受益者を「一人の具体的な人物」に絞って言語化する手順が効きます。アルーの研修では「自分の仕事の最終受益者は誰か」を明確化するワークを通じて、抽象的な「お客様」を、ある特定のお客様、ある特定の取引先担当者、ある特定の社内のメンバーまで降ろします。
その他金融業界の中堅社員であれば、「個人のお客様の中で、自分が直近関わったあの方」「法人取引先の、いつもやり取りしている担当者」など、顔の浮かぶ人物まで具体化します。ここまで降ろせると、次の問いが意味を持ちます。
「その人にどうなってほしいか」まで降ろす
最終受益者を一人に絞ったうえで、「その人にどうなってほしいか」を言葉にします。お金の不安が減ってほしいのか、選択肢が増えてほしいのか、安心して将来を考えられるようになってほしいのか——人によって出てくる言葉は違います。
この問いに答えられたとき、初めて「他者への想い」が抽象論を脱します。そして、その想いが自分の価値観と繋がっていることを自覚できると、志が二軸で立ち上がります。面談の場でも、「自分は◯◯な人にこうなってほしくて、そのために自分はこういう仕事の仕方をしていきたい」と語れるようになります。
志の言語化でつまずきやすい3つのポイント
志の言語化を研修で扱うと、現場ではいくつかのつまずきが起きます。ここを設計段階で押さえておかないと、研修としては盛り上がっても、現場に戻った瞬間に消えてしまいます。代表的な3つのつまずきと、アルーが研修現場で取ってきた対処を整理します。
つまずき | 起きる状態 | 対処 |
|---|---|---|
①抽象的な志のままで行動に繋がらない | 「自分らしく成長したい」など、誰でも言えそうな言葉で終わる | ありたい姿から逆算し、必要な知識・スキル・態度を棚卸し。さらに「戦略的に働きかける」ワークで自分から経験を呼び込む計画に落とす |
②自分が現時点で見えている範囲のキャリアしか描けない | 「次は◯◯部署に行きたい」など、現在の社内ポストの延長で考えてしまう | 社内においても、たくさんの選択肢があることを具体的に示す |
③価値観の掘り下げが浅く表面的なプランで終わる | 「ワークライフバランス重視」など、ラベル化された価値観で止まる | 人生曲線で感情のアップダウンを振り返り、価値観言語化リスト・人生の輪を用いて対話形式で複数回掘り下げる |
つまずき①抽象的な志のままで行動に繋がらない
最も多いつまずきです。志を語る言葉が「自分らしく成長したい」「お客様の役に立ちたい」のように、誰でも言えそうな抽象表現で終わってしまうケース。これでは面談で深掘りされても返す言葉がなく、現場に戻った1週間後には消えています。
対処は、ありたい姿を言語化したうえで、「そのために必要な知識やスキル、態度は何か」を棚卸しさせるステップを必ず入れることです。アルーの研修では「ありたい姿に必要な能力」を3要素(知識・スキル・態度)で書き出すワークと、「戦略的に働きかける」ワーク(ありたい姿に近づくため、自分から経験を選んで呼び込む計画づくり)を組み合わせます。
ここまで降ろすと、志は「来週から何を始めるか」のレベルに繋がります。
Before / After の状態対比:
観点 | 導入前(よくある状態) | 導入後(志を二軸で言語化した状態) |
|---|---|---|
面談での発言 | 「特に問題ありません」「目の前の業務を頑張ります」 | 「自分は◯◯な人にこうなってほしくて、そのために半年で△△を身につけたい」 |
キャリアの捉え方 | 会社が用意するもの。次の異動先を待つ | 個人主導で描くもの。自分から経験を呼び込む |
行動への繋がり | 研修翌週には元に戻る | 来週からの行動が具体的に決まっている |
他者貢献の語り方 | 「お客様のため」(集合名詞) | 「自分が担当しているあのお客様に、こうなってほしい」 |
つまずき②自分が現時点で見えている範囲のキャリアしか描けない
中堅社員は、いま自分の目に入っている選択肢の延長でキャリアを思い描きがちです。身近なロールモデルが社内の先輩に偏るため、「次は係長、その次は課長」というように、選択肢が社内の昇進ルートという見慣れた範囲に閉じてしまいます。これは本人の視野の問題であり、社内昇進はその代表例にすぎません。実際には、まだ見えていない職種や働き方、キャリアの選択肢が外に広がっています。
対処は、研修の午後パートで外部環境の変化を扱い、見えている範囲そのものを広げることです。キャリアは会社が用意するものから個人主導で考えるものへと変化している前提を共有したうえで、まず「自分は仕事を通じて何を実現したいのか」「誰に、どんな価値を届けたいのか」という想いを言語化させます。すると、その想いは必ずしも今の職種でしか実現できないわけではないことに気づきます。
ここを扱うことで、現状の視野だけに囚われずに、中長期キャリアが描けるようになります。
つまずき③価値観の掘り下げが浅く表面的なプランで終わる
「自分の価値観は?」と問うと、「成長」「貢献」「ワークライフバランス」のようなラベル化された言葉で答えが返ってきます。ラベルだけだと、本人にとっての固有の意味が伴いません。
対処は、以下の3つのワークを組み合わせ、対話形式で価値観や興味を繰り返し掘り下げていくことです。
- 人生曲線:これまでの人生での感情の波を線で描き、過去の出来事を振り返ります。
- 価値観言語化リスト:用意された言葉のリストから、自分に合う価値観を選び取ります。
- 人生の輪:仕事・家族・健康・学びなど、複数の領域における現状の満足度をグラフにします。
複数のワークを重ねるのは、一度の問いでは表面的な答えしか出ないからです。違う角度から繰り返し問うことで、本人にとっての固有の言葉が立ち上がります。
志の言語化を組み込んだキャリア研修の事例
本文で抽象的に説明してきた打ち手を、具体の事例で裏付けます。
金融会社の入社5年目向け1日研修の設計
規模・対象者
金融業界の企業で、入社5年目社員を対象に1日研修を2クラスに分けて実施します。
課題
中長期的なキャリアビジョンを描けず、仕事の意味や他者への貢献意識が希薄。外部環境の変化に対する適応力が不足し、個人主導でキャリアをデザインする必要性を理解できていない状態。日常業務はこなせるが、面談では中長期キャリアを語れず、自社内でのポストの延長でしかキャリアを描けない傾向がありました。
実施した施策
1日のオンライン研修を、午前のパートと午後のパートの二部構成で設計しました。午前は、事前課題(担当業務での想い)を共有しながら「自分への想い」と「他者への想い」の両方を自覚するワークのほか、最終受益者の明確化や、こだわりの言語化を扱いました。午後は、外部環境の変化をとらえるワークをはじめ、人生曲線や価値観言語化リスト、人生の輪を用いた価値観の掘り下げ、ライフプランを含む5年後のキャリア構想を扱いました。研修後はバディセッションを3回設定し、本人の同意と守秘義務に配慮したうえで、振り返りや人事面談にて「今後どのように適応していくか」を確認する設計としました。
成果
受講者全員が「新しい気づきを得られた」と回答しました。目の前の業務で多忙な中、自身のキャリアを描くきっかけとなったという声が多数ありました。環境のせいにせず、自身のキャリアのために適応していくこと(自律的キャリア)が重要だという声も多数得られました。
成果の可視化
研修内のワークシートと受講者アンケートを組み合わせ、「新しい気づきの有無」「自律的キャリア意識の変化」を定性面で捉える設計としました。
設計のポイント
①研修で扱う要素(アイデンティティと外部環境)と事後で扱う要素(適応力)を明確に分け、研修だけで完結させない設計にすること。②志を二軸(自分への想いと他者への想い)で構築し、片方に偏らせないデザインにすること。③最終受益者を明確にし、「他者への想い」を抽象論で終わらせない仕掛けを施すこと。④人生曲線や価値観言語化リスト、人生の輪を組み合わせ、表面的なキャリアプランに留めない進め方にすること。⑤研修後にバディセッションを3回設定し、実践と振り返りのサイクルを回す仕組みを取り入れていることです。
自社の中堅社員向け階層別研修に志をベースとしたキャリアを組み込みたい場合は、当社の階層別研修の考え方をまとめた資料をご活用ください。
自社の中堅社員向けセルフキャリアドックに組み込む第一歩
面談前に「志を言葉にする時間」を設けるという発想
セルフキャリアドックを既に導入している企業が次に踏むべき一歩は、面談シートを精緻化することでも、面談者のスキルを上げることでもなく、面談の前段に「志を言葉にする時間」を設けることです。
受講者の側に、自分への想いと他者への想いという二軸の材料が用意されていれば、面談の場は自然と本音の対話に変わります。面談者(キャリアコンサルタント)の力量に依存する形骸化リスクを下げる、最も効果的な打ち手の一つがここにあります。
面談で扱うキャリア自律の考え方や支援メリットについて詳しくは以下の記事をご参照ください。
研修で扱うことと、面談・事後で扱うことを分ける
もう一つの重要な発想は、研修と運用の役割分担です。研修1日で全てを完結させようとすると、抽象論で終わるか、現場に戻った瞬間に消えます。
下記のように、扱う要素を分けることで、研修+面談+事後の運用が一つのサイクルとして機能します。
タイミング | 主に扱う要素 | 目的 |
|---|---|---|
事前課題 | 担当業務での想いの棚卸し | 研修の材料を準備する |
研修(1日) | アイデンティティ(自分への想い・他者への想い)+外部環境 | 志を二軸で言葉にする |
事後バディセッション(複数回) | 適応力(アクションプランの実践と振り返り) | 行動に落とし続ける |
振り返り/人事面談 | 適応力(実践結果を周囲に伝え、客観的に変化を捉える) | 本音の対話で次の一歩を確認する |
この役割分担を設計の最初に決めておくと、研修で扱う内容が明確になり、面談の場では「志をベースにした適応力」を扱う対話ができるようになります。セルフキャリアドックを既に運用している企業ほど、この役割分担の整理が次の一歩になります。
弊社アルーは中堅社員のキャリア自律を支援する「キャリアデザイン研修」を提供しています。詳しくは以下のページをご覧ください。
🔗研修サービス詳細:キャリアデザイン研修
まとめ
中堅社員が面談でキャリアを語れないのは、意欲の問題ではなく、自分への想いと他者への想いが言葉になっていない構造的な問題です。本記事で整理した要点は以下の通りです。
- 面談シートや面談者のスキルを磨くより前に、受講者の側に志の言葉を用意することが本音の対話への近道です。
- 志は「自分への想い」と「他者への想い」の二軸で組み立てます。片方だけだと自分本位か周囲依存になります。
- 「他者への想い」は最終受益者を一人に絞り、「その人にどうなってほしいか」まで具体化すると抽象論を脱することができます。
- 抽象的な志に留めないため、ありたい姿から必要な能力の棚卸しを行い、さらに自分から経験を呼び込む計画へと落とし込みます。
- 研修(アイデンティティと外部環境)と、事後のフォロー(適応力)の役割分担を設計の最初に決めることが大切です。
組織の規模や業種、既存の研修体系によって、組み込み方の最適解は異なります。自社の中堅社員にとっての一歩は何か、どこから着手するのが現実的かは、現状の運用と並べて検討する価値があります。
自社のセルフキャリアドックに志の言語化をどう組み込むか具体的に相談したい方は、ぜひ無料相談をご活用ください。
よくある質問(FAQ)
Q | 志の二軸ワークは何年目の社員に有効ですか? |
|---|---|
A | 中長期キャリアを意識し始める入社5年目前後が中心的な対象です。3年目向けには「自分が自社の中で短期的にどうなりたいか」を扱う形に調整し、5年目以降には「中長期で自社の中でどうありたいか」と「外部環境を踏まえた価値発揮の仕方」を組み合わせます。30代後半・40代以降の社員にも、ライフプランや過去の経験の蓄積を踏まえた形で応用できます。 |
Q | 1日の研修で本当に志が言葉にできますか? |
|---|---|
A | 1日で「完成」させるのではなく、「言葉にし始める」状態を作ることが研修の目的です。事前課題で材料を準備し、午前で自分への想いと他者への想い、午後で外部環境とライフプランを扱う流れにすると、研修終了時点で本人の中に骨格が立ち上がります。その骨格を、事後のバディセッションと面談で実践と振り返りを重ねて育てていく設計が現実的です。 |
Q | 研修後、現場に戻ると元に戻ってしまう懸念があります |
|---|---|
A | ご懸念の通り、研修単発では戻りやすいのが現実です。本記事で紹介した事例では、研修後にバディセッションを3回設定し、アクションプランの実践と振り返りを継続する仕組みを作っています。さらに、振り返りや人事面談にて、本人が自発的に実践結果を周囲に伝え、客観的に変化を捉える場を設けます。研修と事後の運用をセットで設計することが、行動定着の鍵です。 |
Q | 既存のセルフキャリアドックの面談に組み込むには何から始めるべきですか? |
|---|---|
A | 第一歩は、面談で扱う要素と、面談の前段で言語化させておく要素を分けることです。本音の対話を生むには、面談前に受講者が自分への想いと他者への想いを言葉にしておく必要があります。既存の面談シートはそのままに、面談の前段に「志を言葉にする半日〜1日のワーク」を組み込む形が、最も導入負荷が小さく効果が見えやすい入り口です。自社の運用状況に合わせた具体的な組み込み方は、設計相談で個別に検討する内容になります。 |


