
社内講師の研修内容がバラつくのはなぜか——教材の読み方と伝える順番を揃える進め方
企業内大学を立ち上げても、実際に登壇する社内講師の間で「同じ研修なのに伝わる内容が違う」という声が出てくる場面は少なくありません。これは講師の熱意や才能の問題ではなく、教材の読み方と伝える優先順位が組織として揃っていないことに起因します。
本記事では、小売業界で社内講師制度を運用している現場の事例をもとに、その問いに対する具体的な打ち手として「教材読解の標準手順」と「伝える情報の3段階整理」を示します。なお、本記事のスコープは教材理解と登壇スキルの標準化であり、研修の企画や設計(研修デザイン)そのものは扱いません。
業種は異なっても、社内講師が自己流で教材を読み解いている限り講師間ギャップは必ず生まれるという構造は共通しています。この記事では、その課題を解消するための型と、自社で導入する際の第一歩をお伝えします。
この記事でわかること
- 講師間の内容ギャップが「講師個人のスキル差」ではなく「組織側の標準化不足」である理由
- 教材を構造から読み解く6ステップと、伝える情報を3段階で整理する型
- 演習指示を揃える5W1Hと、複数クラス並行開催時に守るべき3原則
- 標準化を進める過程で起きるつまずきと、その対処法
まずは自社の社内講師運用の全体像を把握するために、本記事とあわせて資料もご活用ください。
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この記事の監修者

アルー株式会社
代表取締役社長
落合文四郎
1977年、大阪府生まれ。 2001年、東京大学大学院理学系研究科修了後、株式会社ボストン コンサルティング グループ入社。 2003年10月、株式会社エデュ・ファクトリーを設立し、代表取締役社長に就任。 2006年4月、アルー株式会社に社名変更。京都大学博士(経営科学)。
『同じ研修なのに講師で内容が違う』はなぜ起きるのか
社内講師制度を運用している人事や育成担当者から最もよく聞くのが「講師によって研修の内容が違う」「アンケートでクラスによって学びが違うと書かれる」という声です。多くの現場では、この現象を「講師個人のスキル差」として捉えがちです。
しかしその見方のままでは、いくら講師を選抜しても、いくら熱意ある人材を配置しても、ギャップは埋まりません。ここで捉え直したいのは、講師間の内容ギャップは講師個人の力量差ではなく、教材の読み方と伝える優先順位が組織として標準化されていないことに起因する「組織側の問題」であるといえます。
講師個人の力量ではなく、組織側で揃っていないものがある
組織側で揃っていないものの正体は、教材を「どう読むか」の手順と、時間が足りなくなったときに「何を削るか」の基準です。教材を「どう読むか」までは指定されていないことが、講師間ギャップの根本原因になっています。
社内講師には通常、研修当日に使う講師用ガイド(教材)が渡されます。ただ、読み方の手順までは指定されていないため、講師は1ページ目から順に自己流で読み込み、自分の関心が強い箇所や、自分が話しやすい箇所を無意識に強調するようになります。これは講師が悪いのではなく、教材から何を必ず伝え、何を状況によって取捨選択するかの基準が組織側で用意されていない状態が原因です。
同じ研修を担当していても、講師Aは冒頭のフレームワーク解説に厚みを置き、講師Bは事例紹介に時間を割き、講師Cは質疑応答を長めに取る、といったバラつきが生じます。これは各講師の判断としては悪くありません。しかし受講者から見れば「クラスによって学びの重心が違う」という現象になります。だから、揃えるべきなのは講師の個性ではなく、教材から何を読み取るかの手順と、時間が足りなくなったときに何を削るかの基準を揃えることです。
標準化されていないと現れる4つの症状
自己流の教材読解と優先順位基準の不在は、次のような具体的な症状として現れます。
症状 | 現場での表れ方 |
|---|---|
1. 強調点のズレ | 講師ごとに時間をかける箇所が違い、受講者の記憶に残る論点が揃わない |
2. 削る箇所のバラつき | 時間が押したときに削るパートが講師ごとに違い、クラス間の到達点がずれる |
3. 演習指示の不明瞭さ | 「何をすればいいかわからない」と受講者からアンケートで指摘される |
4. クラス間の学び差 | 同じ研修なのにクラスによって満足度・理解度に差が出る |
これらは一見バラバラな症状ですが、根本原因はすべて「組織側の標準化不足」に集約されます。逆にいえば、標準化の型を用意すれば、講師個人のスキルに依存せずに一定の品質を担保できます。
教材の読み方を揃える手順
講師間ギャップを解消する最初の打ち手は、教材の読み方を組織として指定することです。教材を渡すだけでは足りず、「どういう手順でその教材を読み解くか」までを標準プロセスとして用意します。ここで役立つのが、教材を構造から読み解くための6ステップです。
自己流読解と標準手順の違い
標準化された読み方の本質は、教材を「ページ順」ではなく「目的→全体→詳細」の順序で読み解くことに転換する点にあります。この順序転換こそが、講師間のギャップを解消する第一歩となります。
観点 | 自己流読解 | 標準手順による読解 |
|---|---|---|
読む順序 | ページ順に頭から読む | 目的・背景→全体→キースライド→詳細の順で読む |
強調点の決め方 | 自分の関心・話しやすさで決まる | 教材が示す目的とキースライドから決まる |
削る判断 | 当日その場の感覚で決める | 事前に整理した基準(3段階)で決める |
個性の位置づけ | どこにでも入り込む | 型の中で発揮する場所が指定される |
この対比が示すのは、標準手順は講師の個性を消すためのものではなく、個性を発揮する場所を型の中に組み込むことで、それ以外の部分でのブレをなくすためのものだということです。
6ステップの中身と使い方
具体的な読み方の手順は次の6ステップです。初登壇の準備プロセスとして、この順番で必ず通ることを標準化します。
Step 1. 目的と背景の把握
研修の目的や対象者、実施背景を最初に確認します。「なぜこの研修が今この組織で必要か」を講師自身が言えるまで理解します。
Step 2. タイムラインの把握
研修全体のタイムテーブルを俯瞰し、各パートに割り当てられている時間と、その配分意図をつかみます。ここで「どこに時間の余裕があり、どこがタイトか」を把握しておくと、当日の判断がぶれません。
Step 3. キースライドの特定
教材の中で「このスライドは必ず時間をかけて解説する」というキースライドを特定します。通常は各パートで1〜3枚程度です。ここが講義の骨格になります。
Step 4. 各パート要点の整理
各パートの要点をWhat(何を伝えるか)→Why(なぜ大事か)→How(どうやるか)の順で整理します。この構造化は次のH2で詳しく扱います。
Step 5. 演習オペレーションの組み立て
演習パートの指示や進行、振り返りの流れを事前に組み立てます。演習は講師差が最も表面化するパートなので、当日のアドリブを減らします。
Step 6. メッセージ検討(個性の発揮場所)
最後に、「自分の体験談や現場での気づきをどこで話すか」を検討します。この6ステップ目こそが、講師個人の個性や体験談の魅力を意図的に組み込む場所です。標準化と個性発揮は矛盾せず、個性の発揮場所を型として指定することで両立します。
伝える情報の順序と優先順位の統一
教材を構造から読めるようになったら、次は各パートで何をどの順で伝えるかを揃えます。ここで使うのが「What→Why→How」の構造化と、「伝える情報の3段階整理」という2つの型です。
What→Why→Howで各パートを構造化する
各パートを講師が理解するときも、受講者に伝えるときも、次の順で構造化します。
- What(何を伝えるか):そのパートで受講者に伝える結論や主張を明確にします。
- Why(なぜ大事か):なぜそれを伝える必要があるか、受講者の実務との関連性を説明します。
- How(どうやるか):それを実務で実行するための具体的な方法を提示します。
このうち特にブレやすいのがHowの扱いです。教材のHowには「必ず身につけてほしい方法(メインHow)」と「参考情報として紹介する方法(サブHow)」が混在していることが多く、講師によってどちらに時間を割くかが変わります。
そこで、HowをメインHowとサブHowの2区分に事前に分けておきます。
- メインHow:研修のゴール達成に必須の方法です。時間が足りなくてもここは必ず伝えます。
- サブHow:参考情報レベルの方法です。教材のボリュームが多すぎる場合は、真っ先に割愛します。
この区分を教材の講師用ガイドに書き込んでおくだけで、講師間の取捨選択がかなり揃います。
伝える情報を3段階で整理し、削る順番を揃える
さらに実務で効くのが、各パートで伝える情報を次の3段階で整理する型です。時間不足時に何から削るかの基準を組織として揃えるための道具になります。
段階 | 内容 | 運用ルール |
|---|---|---|
① 必ず伝える | 研修のゴール達成に必須の内容。メインHow・キーメッセージが該当 | 時間が押しても必ず確保する |
② 理解が 追いつくなら伝える | 理解を深める補足情報。事例・派生論点など | 状況を見て取捨選択する |
③ 理解力が 高いときだけ伝える | 発展的・応用的な内容。サブHow・参考情報 | 時間不足時は真っ先に割愛する |
各パートで伝える情報を事前にこの3段階でタグ付けしておくと、当日、時間が押したときに削る順番が講師間で揃います。「③から削る、次に②、①は必ず伝える」というシンプルな運用ルールになります。これが「削る箇所が講師ごとに違う」問題への直接的な処方箋です。
演習パートにおける指示の統一
講師間の差が最も受講者に見える形で現れるのが演習パートです。「何をすればいいかわからない」という受講者の声は、ほぼ演習指示のバラつきに起因します。ここは特に丁寧に型を揃える価値があります。
演習指示を5W1Hで漏れなく伝える
演習指示は次の5W1Hで漏れなく伝える型に統一します。
Why(なぜやるか):この演習でどのような学びを得てほしいかを明確にします。
What(何をやるか):演習の課題そのものを提示します。
When(いつまでに):制限時間やタイムラインを伝えます。
Where(どこで):個人で行うのか、グループで行うのかなど、取り組む場を指定します。
Who(誰が):グループの構成や役割分担を決めます。
How(どうやるか):進め方の手順や使用する道具、アウトプットの形式を説明します。
この6項目を演習の説明時に必ずカバーすると決めておきます。さらに、指示直後に受講者側の理解を確認するプロセス(「ここまでで進め方に関する質問はありますか?」など)を組み込むと、指示の伝達漏れを防げます。
弊社アルーは登壇スキルを含めた「OJTトレーナー研修」を提供しています。詳しくは以下のページをご覧ください。
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複数クラス並行開催の3原則
複数クラスを並行開催するときは、講師が良かれと思って独自のオペレーションや順序変更を加えたくなります。しかしそれをやると、クラス間の到達点が確実にずれます。ここは次の3原則を運用ルールとして共有します。
1.オリジナルなオペレーションを入れない
講師個人の判断で新しい進め方や、教材にない演習を追加しないようにします。「良かれと思ってやる工夫」ほどクラス間の差を生む原因になります。
2.可能な限りタイムラインに忠実
各パートの開始時刻と終了時刻を守ります。時間が押した場合の削り方は、前章の「伝える情報の3段階整理」に従います。
3.その制約の中でインタラクティブさを担保
標準の枠内で、受講者への問いかけやグループ内での対話、振り返りの深さで個性を発揮します。標準化と対話の豊かさは矛盾しません。
この3原則は「講師の裁量を奪う」ためのものではなく、「クラス間の到達点を揃えつつ、講師が安心して現場調整できる範囲を明示する」ためのものです。
つまずきやすいポイントと対処
標準化の型を導入する過程で、いくつか予測できるつまずきがあります。事前に把握しておくと対処が早くなります。
講師の反発が出るとき
最も多いのが「標準化すると講師の個性や体験談の魅力が失われるのではないか」という反発です。ここで型を緩めてしまうと、結局は自己流に戻ってしまいます。対処のポイントは、6ステップの中にStep 6「メッセージ検討」(個性の発揮場所)が明示的に組み込まれていることを丁寧に説明することです。個性を消すのではなく、発揮する場所を型として指定しているというメッセージを繰り返し伝えます。
標準化が形骸化するとき
もう一つのつまずきが、型は用意されたのに現場で使われず形骸化するケースです。原因の多くは、初登壇準備のプロセスに6ステップが組み込まれていないこと、あるいは講師が「教材を渡された」状態で終わっている点にあります。
対処法は、初登壇前の準備セッション(講師同士でメッセージ検討をすり合わせる場)を組み込み、6ステップを通ったかチェックする運用にすることです。標準化は「型を配る」だけでは動かず、型を使う運用プロセスまで含めて設計する必要があります。
小売業界での社内講師運用における標準化の事例
ここまで抽象的に説明してきた打ち手を、具体の事例で裏付けます。
小売業界における社内講師スキルの標準化
規模・対象者
小売業界で社内講師制度を運用している企業で、中堅社員から新任管理職、および管理職層(社内資格や人事制度における等級L4〜L6に該当)の社内講師約20名を対象に実施しました。
課題
社内講師が教材を自己流で読み込み、講師によって伝える内容や強調ポイント、時間不足時に削る箇所がバラつき、同じ研修でも受講者の学びが揃わない状態が続いていました。加えて、基礎的な登壇スキル(スピーキングやプレゼンテーション、インタラクション、質疑応答)を体系的に学ぶ機会もなく、講師のスキルは「属人的な才能」として扱われていました。
実施した施策
教材読解の6ステップを社内講師の初登壇準備プロセスに組み込み、各パートをWhat→Why→Howで構造化させたうえで、伝える情報を3段階(「必ず伝える」「理解が追いつくなら伝える」「理解力が高いときだけ伝える」)で整理する運用を導入しました。実務に即した場面での反復練習を重視し、事前eラーニングでピラミッド構造と4つのルール(グルーピングやメッセージ、根拠付け、MECE(漏れなく重複なく))を学習した上で、2日間の集合研修で実際の研修教材を題材に「教材の読み込みと伝え方の設計」「質疑応答・フィードバックの練習」を反復し、事後eラーニングで定着を図る流れとしました。演習指示は5W1Hで漏れなく伝える型に統一し、複数クラス並行開催時は3原則(オリジナルなオペレーションを入れない、タイムラインに忠実、その中でインタラクティブさを担保する)を運用ルールとしました。
成果
受講者アンケートでは「実際の研修教材を題材にしているのでとても理解が深まった」「実践につながる学びが多くあった」「What・Why・Howで準備することの重要性について気づきを得られた」といった声が多く寄せられ、講師自身が『何を必ず伝え、何は状況に応じて削るか』の判断基準を持てるようになったという定性的な変化が現れました。
成果の可視化
研修を受講した受講者へのアンケートをもとに成果を可視化しました。5段階中の4以上を合格ラインとして、4.5以上を卓越ラインとしました。全員が4以上の合格ラインの受講者評価を獲得することができました。
設計のポイント
設計のポイントは、講師スキルについて、教材の読み込み方からWhat・Why・Howの構造化など基準を揃えるインプットを行った点です。実際に登壇する教材を用いながら実践とフィードバックを繰り返したほか、講師間のノウハウを共有する場を設けました。この組み合わせが、型を共有しながらも、個性を活かすことの両立につながりました。
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標準化と受講者適応は両立する——自社で取り組む第一歩
「標準化を進めると、受講者の反応や理解度に合わせた現場調整ができなくなるのではないか」という懸念の声も少なくありません。しかし実際には、標準の型があるからこそ、講師は安心して現場調整できるようになります。
例えば受講者の理解が追いつかないときには、伝える情報の3段階整理で言えば「①必ず伝える」に集中し、「②③」を割愛する判断が即座に取れます。受講意欲が高く理解も速いクラスでは、「③理解力が高いときだけ伝える」に踏み込む余地が生まれます。基準がないままの現場調整は場当たりですが、基準があれば現場調整は戦略になります。
どこから点検を始めるか
自社の社内講師運用を点検する際は、以下の5点を順に見ていくと着手しやすいです。
教材の仕立て:教材が、学習項目ごとにWhat(何が大事か)、Why(なぜ大事か)、How(どうすればいいか)を習得できる構成になっているかを確認します。
教材の読み方:講師用ガイドを渡す以上に、読み方の手順(6ステップ相当)が指定されているかを確認します。
伝える情報の優先順位:各パートで「必ず伝える情報」と「削ってよい情報」が事前に整理されているかを確認します。
演習指示:演習の指示が5W1Hで漏れなく伝わる型になっているかを確認します。
複数クラス運用:並行開催時のオペレーション基準が講師間で共有されているかを確認します。
このうちで案外見落としがちなのは、「1. 教材の仕立て」です。研修の品質にばらつきが出たとき、その原因を講師のスキルに求めがちですが、実は研修教材の構成が適切なものではなかったという場合があります。その際には、講師の育成だけでなく、カリキュラムの内容や教材の内容を見直す必要があります。
受講者の動機付けを効果的に行うための考え方であるARCSモデルについて知りたい方はこちら。
まとめ
「同じ研修なのに講師で内容が違う」という現象は、講師個人のスキル差ではなく、教材の読み方と伝える優先順位が組織として標準化されていないことに起因します。要点を整理すると次の通りです。
- 講師間の内容ギャップは組織側の標準化不足が根本原因であり、講師個人を育成するだけでは解決できません。
- 教材読解の6ステップにより、教材を構造から読み解く標準手順を用意します。
- What→Why→Howで各パートを構造化し、伝える情報を3段階で整理して削る順番を揃えます。
- 演習指示は5W1Hで統一し、複数クラス並行開催時は3原則を運用ルールにします。
- 標準化は個性を消すためではなく、個性の発揮場所(メッセージ検討)を型の中に指定するための仕組みです。
- 標準の型があるからこそ、講師は安心して受講者に応じた現場調整ができます。
もちろん、どの型をどこまで自社の運用に落とし込むかは、講師層のレベルや研修体系の成熟度、組織文化によって変わります。唯一の正解を提示できるものではなく、組織の状況に応じた設計が必要です。
だからこそ、自社の社内講師運用の実態を踏めて具体の型を検討したい方は、対話の中で最適解を一緒に描く場をご活用ください
よくある質問(FAQ)
Q | 標準化を進めると、社内講師の個性や体験談の魅力が死んでしまわないか? |
|---|---|
A | 教材読解の6ステップにはStep 6「メッセージ検討」が組み込まれており、ここが講師個人の体験談や現場での気づきを話す場所として型の中に位置づけられています。標準化は個性を消すためではなく、個性を発揮する場所を明示するための仕組みです。「どこで自分の体験を話すか」が型の中に指定されているので、講師は迷わず個性を発揮でき、それ以外の部分でのブレも減ります。 |
Q | 教材を渡す以外に、どこまで組織側で用意すべきか? |
|---|---|
A | 最低限用意したいのは「教材読解の手順(6ステップ相当)」「各パートで必ず伝える情報の指定」「削る順番の基準(3段階整理)」「演習指示の型(5W1H)」の4点です。逆に、この4点が用意されていない状態で「講師の裁量に任せる」と、講師間ギャップは構造的に発生します。全部を一度に揃える必要はなく、まず自社で最もバラつきが目立つ箇所から着手するのが現実的です。 |
Q | 複数クラス並行開催のとき、どこまで運用を縛るべきか? |
|---|---|
A | 縛るべきなのは「タイムライン」「オペレーション(進め方や順序)」「必ず伝える情報」の3つです。逆に、講師の裁量に残していいのは「受講者への問いかけの仕方」「グループワークでのファシリテーションの深さ」「体験談の話し方」など、標準の枠内でのインタラクションの質に関わる部分です。この線引きが明確になれば、講師も「どこまで自分の工夫を入れていいか」で迷わなくなります。 |
Q | 論理的思考の基礎スキルそのものは、標準化の型を入れる前と後、どちらで学ぶべきか? |
|---|---|
A | 順序としては、論理的思考の基礎(ピラミッド構造やグルーピング、メッセージ、根拠付け、MECE等)を先にインプットしてから、標準化の型を運用するのが定着しやすいです。基礎がないまま型だけを配ると、講師は型の意図を理解できず表層的な運用に留まりがちです。事前eラーニングで基礎をインプットし、集合研修で実際の教材を題材に反復練習し、事後eラーニングで定着を図る流れが効果的に機能します。 |


