事業拡大に伴う店長不足からはじまった育成体制の見直し
-御社の事業内容と会社から期待されている部署の役割を教えてください
青野様(以下、敬称略):リユースの小売業からスタートして、小売を中心に実店舗を展開しています。最近ではECの店舗展開や toB の事業展開も始め、事業の幅を広げています。
人事に求められていることは、採用・研修・給与計算といった基本的な業務を行うことはもちろん、採用のベースとなる人材像の構築であったり、人材像を基にした社内育成の企画・実行を求められています。あと、労務管理・コンプライアンス管理など、会社を支える事柄を担っています。
木村様(以下、敬称略):採用に関しては、正社員・契約社員・パート・アルバイトと多様な雇用形態で求人を出しておりますので、どのように必要な人材を確保していくのかという人物像の構築が重要となっています。
-それぞれ担当されている役割を教えてください
青野:私は研修の企画・監修をしています。
木村:私は採用活動や研修の企画・実行をしています。また、労務管理の役割として、労働時間や有給の取得状況をデータから従業員に対して改善を促すこともしています。
-今回の店長育成プログラムの内容について教えてください
青野:今回、店長育成プログラムとして、コミュニケーション、リーダーシップなどの、店長として必要な要素を教える研修を全5回に渡って行いました。社内で研修を実施することも可能でしたが、それでは伝えきれない部分があると思い、外部の研修会社に依頼することになりました。アルーには社内の人員では実施が難しい講義の部分をお願いし、社内特有の事柄については社内で講師を立てました。アルーの研修会社としての豊富な経験に期待してお願いをし、協議を重ね、研修内容をカスタマイズしてもらい、実施に至りました。
-店長育成プログラムを導入するに至った課題背景を教えてください
青野:弊社の事業の中心であるリユース店舗の出店拡大に伴い、店長不足が発生しました。これまでは店長育成に関して社員の自主性を重視して積極的には実施していませんでしたが、社員を店長として育成していくために育成プログラムを導入し、入社後3年目には店長育成を始めるという位置付けとしました。その第1歩を今年の4月から走らせ始めました。
これまでの研修では、まず入社時にビジネスマナーや自社ルールを学んでもらい、1年目、2年目社員にも研修を実施していました。1年目、2年目社員の研修は同期で集まることを主な目的としており、ガス抜きとしての役割を持たせていましたので、店長育成プログラムの実施を見越して、1、2年目の研修内容の見直しや、店長育成プログラムに段階的に結びついていくような構成となるように、育成プログラムを全体的に再構築し、内容をブラッシュアップしていく必要性について考えはじめました。
また、店長育成に関しては、社員の自主性を重視していたこともあって参加人数が少なく、効果的な育成施策を打ち出しにくい状況でした。会社として社員育成に力を注ぐことができていなかったので、そこも根本的に見直していきたいと思っていました。
-人材育成に力を入れておこうと思われたきっかけは何ですか?
青野:今後の事業展開を見据えると、採用は継続して必要になっていきます。しかし、日本の生産年齢人口の推移から、採用は難しくなっていくことが予想されます。テイツーに入社すれば育成プログラムが確立されていて、教育支援もあり、成長を実感できると対外的に宣伝していくことは採用の強化につながると考え、競合他社との採用競争において、高い競争力を発揮するためにも、社員育成に力を入れていくことになりました。
-店長育成プログラムの導入によって達成したい目的を教えてください
青野:店長育成プログラムで達成したい目的は、店長の人数を確保することです。プログラムを4月にスタートさせて、半年間をかけて実施し、10月に最終的な店長試験を受けてもらいます。対象者のうち何人が試験をクリアして店長になれるのかはまだわかりませんが、多くの社員がクリアしてくれたら目的を果たせたと実感できます。
木村:サブ目的として、社内の講師に登壇経験を積んでもらい、今後の研修体制を強化していくという目的があります。今回、外部講師と社内講師で領域を分けて研修を実施したので、社内で講師もできるエリアマネージャーや店長を増やして様々なニーズに対応できるよう体制を強化していこうと考えました。
店長業務に奥手であった社員が意欲的に取り組む様子が見られた
-今回の研修によって、どのような行動の変化を求めていましたか?
青野:具体的な店長業務の知識習得と、リーダーシップを身につけてもらうために研修を実施しました。店長業務とは、アルバイト面接のやり方、店舗のシフトの組み方、クレーム・トラブル対応などがあり、各店舗に配属されてからすぐに実施できるように、研修で知識として習得してもらいました。また、リーダーシップの発揮の仕方、部下の育成方法、それらを生かす円滑なコミュニケーションについては、研修では知識として習得してもらい、それを踏まえて日々の仕事で実践していくことで、行動が変容していくことを期待しています。
木村:店長業務に対して、「出来そうだ」と前向きに取り組んでもらうような行動の変化も期待しています。今回の研修では、店長業務をやったことがない方が半数以上おり、店長業務に対して奥手な社員もいました。研修内では知識を習得してもらい、研修後には現場で実践する課題を設けていますので、この研修と課題を通じて「店長の仕事って意外とできるじゃないか」と感じてもらおうと考えました。
-研修を実施して、実際に行動の変化はありましたか?
木村:コミュニケーションとリーダーシップの研修を受けたことで、今まで控えめだった受講生が、学べばできるという気持ちで現場で取り組んでいるという報告をエリアマネージャーから聞きました。また、店舗従業員が行った仕事に対して、褒めるや肯定するといったポジティブな態度で接しているところも見られました。
-研修の一部で外部講師を導入していただきましたが、外部講師による講義はいかがでしたか?
青野:外部講師が入ったことで、研修当日は良い意味での緊張感がありました。社内講師ではお互い知っている間柄のため緊張感を保つのが難しいところをサポートしていただけました。
木村:プロの講師として、受講生の様子や理解度を見ながら内容を変化させたり、資料を訂正しながら進めてくださり、有意義な研修の内容になったと思います。
特に、コミュニケーションとリーダーシップについてプロに教えてもらうことで、専門的で体系的な学びを得ることができたのではないかと感じています。店長はアルバイトに仕事を教える立場なので、コミュニケーションとリーダーシップをしっかり学べたことで、今後、自信を持って取り組むことができるようになると思います。
会社全体として社員育成の重要性を認識、更なる研修の要望も
-店長育成プログラムを実施して、店長へ昇格する社員が出ることを目的としていましたが、目的を達成できそうでしょうか?
青野:店長育成プログラムで研修を全5回実施し、これを踏まえて10月に店長試験を実施します。まだ試験を行っていないので、意図した結果になるかはわかりませんが、受講態度や受講後のアンケートから、多くの受講生が試験をクリアして店長になれるのではないかと期待しています。研修中、私はオブザーバーとして部屋の後ろから見ていましたが、受講生たちの発言や関与の仕方を見て、「こんなにしっかりしてたかな」とか「結構いいことを言うな」など、それまでとは違った印象を受けました。
-店長育成プログラムを実施したことで、社内での変化はありましたでしょうか?
青野:今、会社として育成支援に力を入れはじめています。店長育成のため半年間に渡って教育支援をするという初の試みであった店長育成プログラムがきっかけとなり、店長だけでなく会社として全体的な育成支援を考え始めました。
木村:店長育成プログラムによって育成の重要性を感じ取ってくれたため、各店舗で新卒の研修を自主的に企画するなどの変化がありました。
また、店舗運営副部長も社員育成の大変さについて認識しはじめてくれました。これまでは教育・育成は人事の仕事で、現場はそれを受け取るという考えがありましたが、これからは一緒に育成について考えていくことができそうです。
-今後、更に実現していきたいことについて教えてください
木村:研修が終わり、次は店長試験が始まります。その試験の結果を踏まえて、今後、内容を検討していこうと考えています。
また、想定外のことでしたが、現在契約社員で正社員を目指している方など、別レイヤーの方から「研修を受けたい」という声があがっていました。今後、契約社員・アルバイトからの育成体系を導入し、どのように成長させていくのか全体像を組み上げていきたいです。
弊社のアルバイトの約半分が、大学生・高校生などの学生アルバイトなので、テイツーに興味を持ってくれている学生に対してアルバイト向けの研修を設けていこうと考えています。学生の頃からテイツーの研修に参加してもらい、そのまま新卒で入社いただくことを構想していますので、今後考えていきたいです。
青野:今回、木村の頑張りにより初年度からうまく進行させることができましたが、細かいところで改善できる点がありますので、次年度はより良くしていきたいです。そしてその先の目的として店長育成以外にも、会社としての育成体系を組み上げていきたいと考えています。弊社の育成体系に魅力を感じて入社を希望する事例が挙がるように、育成プログラムをもとにキャリアアップが実現できる育成体系があることを対外的に打ち出していき、採用においての競争力向上を狙っていきたいです。
アルーは、会社に寄り添う提案ができる「5人目」の人事部員
-アルーのことは何で知りましたか?
青野:アルーとは以前からお付き合いがあり、いろいろとご支援いただいてきた実績もありましたので、今回、店長育成プログラムを企画する段階で、真っ先にお声がけさせていただきました。
アルーは提案力があり、弊社にとって的確な提案をいただけることや、弊社の要望に対して適宜対案をいただけることがアルーを選ばせていただいた主な理由です。
木村:アルーは、ディスカッションをする中で、弊社の考えを汲んだ上でカスタマイズした提案をしてくださり、かつ対等な立場で意見を交わしながら研修を作り上げてくれました。他社の提案では既製品のパッケージをもとにした提案が多く、見たことのある提案や、そこに少しアレンジを加えた提案などでしたので、アルーには提案力があると思いました。
-今回、研修会社の選定において重視した点は何ですか?
青野:我々のやりたいことに寄り添ったフィットする提案をしていただけるかを重視しました。
木村:受講生にとってピンとくる内容の研修を実施したいと思い、弊社の BtoC の事業を理解した提案をしていただけるかを重視しました。他社では研修会社としていろいろな業界や職種の会社へ研修を提供されていると思いますが、オフィスで働く人たちを前提とした研修の提案をいただくこともありました。
-今後、アルーにはどのようなことを期待しますか?
青野:今後もいろいろと企画を考えていきますので、相談相手としていろいろと意見や提案をいただきたいと思います。今回もいただきましたが今後も、具体的なプログラムの提案というところでも支援をしていただければと思います。
-アルーはどのような存在でしょうか?
青野:社内のいろいろな事業をすべて社内完結するということはできないので、人事の主要な領域である育成研修という部分で、社内機能を補完してくれるプロフェッショナル集団というふうに捉えております。
木村:人事部が私を含めて4人いるんですけれども、5人目の人事部員のように考えています。5人目として、提案していただいたり、一緒にディスカッションしていただける存在です。
青野:育成について様々な考え方がありますが、従前からの伝統的な考え方から、最新の流行まで、研修領域においての知見を提供していただきながら、一方で弊社の事情を細部まで汲んで、弊社にとって最適な提案をしていただけることを、研修のプロフェッショナルとして、アルーには今後も期待しています。
-アルーを他社の人事に勧めるイチオシのポイントは何ですか?
青野:懇切丁寧、親身になって弊社の課題解決に寄り添っていただけるところです。断続的に10年以上お付き合いをさせていただいており、営業担当も何度か変わりましたが、いずれの方も丁寧に話を聞いてくださいましたし、また、話に挙がったことを一個一個拾い上げて回答をいただきました。
木村:営業担当の方とよく電話で話をさせていただいて、気軽にアイデアをくださったり、ディスカッションをしたり、どんな内容に対しても、快く相談に乗っていただけるところをお勧めします。
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アルー営業担当からの一言