
離職率の平均は何%?最新情報と業種・規模別早見表
自社の離職率は、平均と比べて高いのか低いのか。人事担当者であれば、一度は上司や経営層から問われる問いです。しかし調査記事によって「2.2%」「13.7%」「15%」など異なる数字が並び、どれを持ち出せば社内で通用するのか迷った経験もあるのではないでしょうか。
本記事では、厚生労働省「令和7年雇用動向調査」の最新値をもとに、離職率の平均を全体、新卒、業種、企業規模、就業形態の5切り口で早見表にまとめました。あわせて、自社の数値を統計と正しく比較する手順や平均比較の落とし穴、経営層に上申するレポートの型まで、現場の業務で活用できる形で解説します。
この記事でわかること
- 離職率の平均(全体、新卒、業種、企業規模、就業形態)を1枚で確認できる早見表
- 自社数値を統計と揃えて比較する3点チェックリスト(分母、分子、期間)
- 「平均より低ければ安心」が危険な組織パターンと、多面診断の考え方
- 離職要因の把握から打ち手、効果測定までの設計手順
- 経営層に上申する離職率レポートの構成テンプレート
🔗おすすめ資料:早期退職の原因と人事部の実施するべき対策
この記事の監修者

アルー株式会社
代表取締役社長
落合文四郎
1977年、大阪府生まれ。 2001年、東京大学大学院理学系研究科修了後、株式会社ボストン コンサルティング グループ入社。 2003年10月、株式会社エデュ・ファクトリーを設立し、代表取締役社長に就任。 2006年4月、アルー株式会社に社名変更。京都大学博士(経営科学)。
離職率とは
離職率とは、一定期間に企業から離職した社員の割合を示す指標です。厚生労働省の雇用動向調査で公表される全国データも、企業内で算出される自社データも、基本的な計算式は共通しています。
離職率の定義と計算式
厚生労働省の定義では、離職率は「1月1日現在の常用労働者数に対する、1年間(1〜12月)の離職者数の割合」として算出されます。
計算式は以下のとおりです。
離職率(%)= 離職者数 ÷ 1月1日現在の常用労働者数 × 100
たとえば1月1日時点で300名の企業で、その年に30名が離職した場合、離職率は10%(30 ÷ 300 × 100)となります。ただし、この定義は厚生労働省のマクロ調査の話であり、企業内では「年度末時点で計算」「入社1年以内の早期離職率で計算」など、目的に応じて分母、分子、期間を変えて算出することも一般的です。
自社数値を厚労省統計と比較する場合、この定義のズレが数字が合わない原因になります。詳しくは後述の「【企業規模別】離職率の平均値」および「離職率が高くなる要因と、押さえるべき打ち手の型」で解説します。
「入職率」「定着率」との違い
離職率と混同されやすい指標に、入職率と定着率があります。それぞれの違いを整理しておくと、後述の「多面診断フレーム」で数字を読み解くときに役立ちます。
指標 | 計算式 | 何を見る指標か |
|---|---|---|
離職率だけを単独で見ると「人が抜けた事実」しか分かりません。入職超過率とセットで見れば組織の成長性、定着率と併読すれば入社後どの期間で辞めているかまで把握できます。
【最新版】離職率の平均値(全体、新卒)
まずは全体像を早見表で押さえてから、切り口ごとに詳しく見ていきます。
令和7年雇用動向調査の最新値
ここでは厚生労働省「令和7年 雇用動向調査」を出典に整理します。なお本記事では、正社員を中心とする企業が比較しやすいよう、パートタイム労働者を除く「一般労働者」の数値を基準とします。パートタイム労働者を含めた数値は、参考として併記します。
雇用動向調査の最新値
厚生労働省が公表した「令和7年雇用動向調査」によると、直近の離職率は以下のとおりです。
区分 | 離職率 |
|---|---|
一般労働者とパートタイム労働者では8.5ポイントの差があります。自社の数値と比べる際は、まず就業形態を揃えてください。正社員中心の企業が産業計の13.7%と比較すると、自社が実際より良く見えます。
前年(令和6年)の産業計は14.2%であったため、0.5ポイント低下しています。
なお離職率2%台といった数字を目にすることもありますが、雇用動向調査は月次の離職率を公表していません。月次の数値は毎月勤労統計調査など別の統計によるもので、前提が異なります。社内で使うときは「どの調査の、どの期間の数値か」を必ず確認してください。
新卒3年以内離職率(高卒、大卒)
新卒社員の3年以内離職率は、コホート追跡型(同じ入職年度の集団を追跡する調査方式)の調査であり、全体離職率とは別に「新規学卒就職者の離職状況」として毎年公表されています。直近公表値(令和4年3月卒業者、令和7年10月公表)は以下のとおりです。
学歴 | 3年以内離職率 |
|---|---|
大卒新卒の3年以内離職率は「3人に1人が辞める」水準であり、この10年は31〜35%の範囲で推移しています。中途採用市場が活発化した近年でも、構造的な数字は大きく変わっていません。
押さえておきたいのが、大卒の離職は3年間にほぼ均等に分散しているという点です。1年目12.1%、2年目11.9%、3年目9.9%で、突出した山がありません。高校卒が1年目17.9%と偏っているのとは対照的です。
過去10年の経年トレンド
離職率は、正社員を中心とする一般労働者で見ると、過去10年おおむね11〜12%台で推移してきました。直近は令和5年12.1%、令和6年11.5%、令和7年11.4%です。変動幅は1.5ポイント程度で、あまり動いていません。
パートタイム労働者を含めた産業計では、もう少し振れ幅があります。令和元年15.6%から、コロナ禍の令和2年に14.2%、令和3年には13.9%まで低下。その後令和4年15.0%、令和5年15.4%と回復しましたが、令和6年14.2%、令和7年13.7%と直近2年は再び低下し、コロナ禍の底を下回りました。
つまり「人材の流動化が進んで離職率が上がっている」という状況は、統計には表れていません。とくに一般労働者の水準はほぼ一定です。産業計の振れ幅の多くは、パートタイム労働者の動き(19.9%〜29.2%)によるものです。自社の離職率が上がっているとすれば、それは市場環境ではなく自社固有の要因である可能性が高いことになります。
自社の離職率を評価するときは、単年の数字だけでなく「過去3年の自社トレンド」と「全国トレンド」を並べて見ることで、業界要因なのか自社固有要因なのかを切り分けやすくなります。
新卒の離職率と早期離職防止について詳しくは以下の記事をご参照ください。
🔗関連記事:新卒の平均離職率はどのくらい?離職率の高い業界・原因・対策方法を徹底解説
【業種別】離職率の平均値
業種によって離職率は大きく異なります。単純に他業種と比較しても明確な分析ができないため、まず自社が属する業種の平均を基準にするのが基本です。
業種別ランキング早見表
厚生労働省「令和7年雇用動向調査」に基づく主要業種の離職率(一般労働者)は以下のとおりです。
業種 | 離職率 | 特徴 |
|---|---|---|
産業計は11.4%です。最高の宿泊業や飲食サービス業(21.5%)と最低の金融業や保険業(6.3%)では、3倍以上の開きがあります。
なおパートタイム労働者を含めた数値では、順位が入れ替わる業種があります。とくに教育や学習支援業は9.8%が15.1%に、卸売業や小売業は8.5%が11.9%まで上がります。いずれもパートタイム労働者比率の高い業種です。
なぜその業種は高い/低いのか(構造要因)
数字を並べるだけでは解釈が難しいため、業種特性の背景を簡単に整理します。
離職率が高い業種の構造要因
- 宿泊業、飲食サービス業:シフト制勤務、パートタイム労働者やアルバイト比率の高さ、繁閑差の大きさが構造的に離職を生む
- サービス業(他に分類されないもの):業態が多様で、労働集約型の業務が多く含まれる
- 生活関連サービス業:個人技能への依存度が高く、独立や転職市場が活発
離職率が低い業種の構造要因
- 金融業、保険業:年功序列色の残る賃金体系と社内異動での職種転換機会
- インフラ系(電気、ガス):安定雇用と長期育成前提の人事制度
- 製造業:技能習熟型の人事、正社員比率の高さ
自社の離職率を比較する場合、こうした背景を踏まえて「同業種内での位置づけ」を優先的に確認することが大切です。全産業の平均値だけを持ち出して「自社は離職率が高すぎる」と判断すると、業界全体の構造を考慮しない評価になりかねません。
【企業規模別】離職率の平均値
企業規模によっても離職率は変わります。ただし、よく言われる「規模が小さいほど離職率が高い」という理解は、データが支持していません。
規模別の平均値と読み方
厚生労働省「令和7年雇用動向調査」の企業規模別離職率は以下のとおりです。
企業規模(企業全体の常用労働者数) | 離職率 |
|---|---|
最も高いのは100〜299人の中堅規模(17.9%)で、最も低いのは5〜29人の小規模(12.2%)です。大企業(12.5%)と最小規模がほぼ並び、中堅層が突出する山型になっています。
ただし業種によって様相は異なります。製造業だけを見ると、1,000人以上8.2%、300〜999人9.6%、100〜299人10.6%、30〜99人11.6%と、規模が下がるにつれて段階的に上昇します。製造業に限れば、通説どおりの傾向が出ています。
なおこの数値はパートタイム労働者を含んだものです。企業規模別には就業形態の内訳が公表されていないため、前節の業種別より水準が高めに出ます。
中小と大手で比較する際の注意点
自社(たとえば従業員100名)の離職率を、報道などで目にする大手企業の離職率10%以下と比較しても意味を持ちません。比較すべきは「同じ規模帯の平均値」です。
社内報告や経営層への上申でも、「自社は12%、産業計13.7%より低い」ではなく、「自社は12%、同規模帯である100〜299人の平均17.9%を大きく下回る」と書き換えるだけで、報告の精度が一気に高まります。規模帯によっては、通説とは逆に自社が良く見えることもあります。
【就業形態別】離職率の平均値
正社員(一般労働者)とパートタイム労働者では、離職率の水準が大きく異なります。
一般労働者とパートタイム労働者
厚生労働省「令和7年雇用動向調査」による就業形態別の離職率は以下のとおりです。
就業形態 | 離職率 |
|---|---|
パートタイム労働者は一般労働者の約1.8倍の離職率です。これはパートタイム労働者の雇用形態が短期就労を前提とすることも多く、家庭事情による退職も含まれるため、構造的に高くなります。
パートタイム労働者比率による自社数値の補正
自社にパートタイム労働者比率が高い部門(たとえば店舗運営、コールセンター、物流現場など)がある場合、全社の離職率を単純合算すると数字が高く出ます。他社と比較する際は、以下のいずれかの方法で補正してください。
- 正社員のみの離職率を別途算出する:一般労働者の11.4%と揃える
- 正社員とパートタイム労働者を分けて離職率を出す:就業形態別の平均と個別比較する
- 業界平均と全体で比較する:業界のパートタイム労働者比率と自社のパートタイム労働者比率が近ければ全体離職率で比較可能
たとえば全社離職率が18%でも、正社員のみで見ると10%、パートタイム労働者で見ると28%というケースは珍しくありません。数字の内訳を分けずに「全社18%だから業界平均より高い」と判断すると、打ち手を誤ります。
「平均より低ければ安心」なのか?
自社の離職率が平均を下回っていても、実は危険な組織パターンが存在します。ここまで平均値を切り口別に紹介してきましたが、「平均を下回ってさえいれば経営に問題ない」と結論づけるのは早計です。ここからは、平均比較の落とし穴と、多面診断の考え方を整理します。
単純比較が招く3つの落とし穴
分母、分子、期間の定義がズレている
自社は「年度末時点の在籍者を分母、その年度の退職者を分子」で計算しているのに、厚労省統計は「1月1日在籍者が分母、暦年の離職者が分子」です。この定義差だけで数値が1〜2%程度変わることがあります。
就業形態の構成比が違う
自社のパートタイム労働者比率が業界平均より高ければ、当然全社離職率も高く出ます。「業界平均より高い=悪い」ではなく、「就業形態を揃えた上で高いのか」を見なければ判断できません。
期間の切り出し方が違う
新卒3年以内離職率と全体離職率、入社1年以内早期離職率は、それぞれ異なる期間を切り出しています。「新卒3年34%は全体13.7%より圧倒的に高い」と焦る前に、そもそも比較対象が違うことに気付く必要があります。
分母、分子、期間の3点チェックリスト
自社の数値と統計値を並べる前に、以下の3点チェックリストで条件を揃えてください。
- 分母は「期首の常用労働者数」で揃っているか(期末在籍や年間平均ではないか)
- 分子の離職者に、定年退職や契約満了、出向を含めているか/除いているか、統計側と揃っているか
- 期間は「1月1日〜12月31日の暦年」か「4月〜3月の年度」か、統計側と揃っているか
多面診断フレーム(離職率×入職超過率×定着率×勤続年数)
離職率を単独で読むと、組織の実態を見誤ります。以下の4指標を組み合わせて4象限で読むと、実態が立体的に見えてきます。
指標 | 見えること |
|---|---|
たとえば「離職率12%、入職超過率+2%、新卒3年定着率70%、平均勤続年数8年」なら、離職と入職が拮抗しつつ純増、新卒定着も良好、勤続も安定という健全な組織像が浮かびます。逆に「離職率10%、入職超過率−3%、平均勤続年数15年」なら、離職率は低いものの新規採用が止まり、組織の高齢化が進行している警戒すべき状態です。
平均より低くても危険な組織パターン
離職率が平均を下回っていても、以下のような組織は危険信号です。
- 入職超過率がマイナス:採用が止まっており、新陳代謝が起きていない
- 平均勤続年数だけが伸びている:若手や中堅層が流入せず高齢化が進行
- ハイパフォーマーや若手中堅の離職率が全体より高い:辞めてほしくない層から抜けている
- 管理職候補層が育たない:離職は少ないが昇進を望まない/できない層が滞留
「離職率10%で全国平均より低い」と経営層に報告している間に、実は将来の中核人材が抜けていた、というケースは実務でも珍しくありません。
平均より高くても健全な組織パターン
逆に、離職率が平均を上回っていても健全と判断できる組織もあります。
- 入職率も同水準に高く、入職超過率がプラス:成長期の企業でよく見られる
- 離職はローパフォーマー層に偏っている:意図的な人材入替が機能している
- 業界構造上、離職率が高い業種(飲食、小売、介護)で業界平均並み:業界内では平均的
- 若手が短期で幅広い経験を積み、業界内で市場価値を高めて転出している:結果として業界のハブになっている
自社の離職率を評価するときは、「絶対値の高低」ではなく「誰が、どの期間で、なぜ辞めているか」まで踏み込むことが不可欠です。
🔗おすすめ資料:早期退職の原因と人事部の実施するべき対策
離職率が高くなる要因と、押さえるべき打ち手の型
離職率の実態が見えたら、次は要因の把握と打ち手の設計に進みます。ここで多くの企業がつまずくのが、「統計上の離職理由」と「自社の実際の離職理由」のズレです。
統計上の離職理由と自社実態のズレ
厚生労働省の雇用動向調査では、離職理由として「個人的理由」「定年、契約期間満了」「経営上の都合」「その他」といった大分類が公表されています。個人的理由の中では「職場の人間関係が好ましくなかった」「労働条件が悪かった」「給料が少なかった」などが上位です。
しかし、この統計上の理由は退職時のアンケート回答であり、本音は別のところにあるケースが多くあります。実際の要因は、以下のような多層構造で発生します。
層 | 内容 | 把握手段 |
|---|---|---|
統計値だけを見て「うちも人間関係対策をやろう」と施策を打っても、自社の深層要因が「成長実感の欠如」であれば的外れになります。
要因把握の実務手順
自社の離職要因を精度高く把握するには、以下の3層でデータを取ることが有効です。
- 退職時アンケート、退職者面談:退職直前の本音を引き出す。ただし社内評価への影響を懸念して本音が出ないことも多いため、第三者(人事以外の担当や外部)による実施を検討する
- 在職者エンゲージメントサーベイ:辞めそうな兆候(エンゲージメント低下、心理的安全性の欠如)を早期にキャッチする
- 属性クロス分析:離職率を部門別、年次別、上司別、評価ランク別で分解し、ホットスポットを特定する
「全社離職率12%」という粗い数字を、「入社2〜3年目の営業部の離職率25%」まで解像度を上げると、打ち手のターゲットが明確になります。
打ち手設計と効果測定サイクル
打ち手を設計するときは、原因層に応じてアプローチを変えます。
原因層 | 主な打ち手 | 効果測定指標 |
|---|---|---|
打ち手は「実行して終わり」ではなく、実施後3〜6か月のスパンで効果測定を組み込むことが重要です。研修や制度改定は行動変容までに時間差があるため、単月の離職率変動だけで良し悪しを判断すると誤ります。
若手社員の離職防止の打ち手について詳しくは以下の記事をご参照ください。
🔗 関連記事:若手社員の離職を防止するには?早期離職の原因と対策方法
打ち手として研修施策を検討する場合、単発ではなく実施後の行動変容と成果までを見える化することで、経営層への効果報告と次年度の予算獲得の両方に活かせます。
経営層に上申する「離職率レポート」の構成テンプレート
離職率の現状把握と打ち手検討ができたら、最後は経営層への上申です。多くの人事担当者が「数字と対策を並べて説明しても経営層に響かない」と感じる場面ですが、これはレポートの型が決まっていないことが原因です。以下の5段構成をテンプレとして使うと、経営層の意思決定を引き出しやすくなります。
レポートの5段構成(現状値→比較→要因→打ち手→測定)
セクション | 記載内容 | 想定分量 |
|---|---|---|
この型に沿うことで、「なぜこの打ち手か」「効果はどう測るか」まで含めて経営層に説明できます。数字の羅列ではなく、「現状→比較→要因→打ち手→測定」の因果連鎖として提示することが重要です。
上申時の想定質疑と備え
経営層からの質問は概ね以下のパターンに集約されるため、事前に想定回答を用意しておくと上申がスムーズです。
- 「他社と比較してどうなのか?」→ 業種、規模、就業形態を揃えた条件で回答
- 「本当にこの打ち手で効果が出るのか?」→ 効果測定指標と過去の類似施策の実績で回答
- 「投資対効果はどうか?」→ 採用コスト、教育コスト、生産性損失の逸失利益と打ち手コストの比較で回答
- 「実行の主管はどこか?」→ 人事、現場管理職、経営の役割分担を明示
まとめ
離職率の平均を自社と比較する際、単に厚労省統計の全体平均13.7%を持ち出すだけでは、経営層に納得感のある報告にはなりません。本記事で解説したポイントを整理します。
- 最新値の把握:令和7年全産業平均13.7%を基準に、月次値と年次値を混同しない
- 切り口別に見る:業種、企業規模、就業形態を揃えて比較する
- 3点チェックリスト:分母、分子、期間を統計と揃えてから比較する
- 多面診断:離職率単独ではなく、入職超過率や定着率、勤続年数と組み合わせる
- 要因の3層把握:表層(アンケート)、中層(面談)、深層(サーベイ)でデータを取る
- 打ち手と効果測定をセット:実施後3〜6か月のスパンで効果を追跡する
- 上申レポートの5段構成:現状値→比較→要因→打ち手→測定の因果連鎖で提示
離職率の把握はゴールではなく、社員が定着し成長できる組織づくりの起点です。数字の解釈精度を高めた上で、打ち手の設計と効果測定まで一気通貫で進めることが、人事担当者に求められる役割です。
よくある質問(FAQ)
Q | 「離職率2%程度」と「離職率11%程度」はどちらが正しいのですか? |
|---|---|
A | どちらも正しい数字ですが、前提が異なります。2%程度は月次値(1か月あたり)、11〜13%程度は年次値(1年間)です。経営層への報告や社内基準として使う場合は、年次値を基準にするのが一般的です。 |
Q | 自社の離職率が業界平均より低ければ問題ないと言えますか? |
|---|---|
A | 一概には言えません。離職率が低くても、入職率がそれ以上に低ければ組織は縮小に向かっています。また、辞めてほしくない層(ハイパフォーマー、若手中堅、管理職候補)から抜けている場合は、平均を下回っていても危険信号です。離職率単独ではなく、入職超過率や定着率、勤続年数と併読してください。 |
Q | 新卒3年以内離職率30%超は高すぎませんか? |
|---|---|
A | 過去10年ほぼ同水準で推移している構造的な数字であり、大卒新卒はおよそ「3人に1人が3年以内に辞める」ことが日本の労働市場の実態です。自社の新卒3年定着率が同水準または上回っていれば、まず平均並みの評価となります。ただし業種によって差が大きいため、同業種平均との比較を優先してください。 |
Q | 離職率を下げる打ち手は何から始めるべきですか? |
|---|---|
A | 打ち手の前に、まず自社の離職要因を3層(表層、中層、深層)で正確に把握することが優先です。統計上の離職理由(人間関係、待遇)を鵜呑みにして施策を打つと、自社の実態と合わずに効果が出ません。退職者面談、エンゲージメントサーベイ、部門別クロス分析で、離職率が高い特定の部署やグループを特定してから、原因層に応じた打ち手を設計してください。 |


