当社は毎年、管理職が抱えている課題に焦点をあてたレポートを発行しています。
昨今のデジタル化の進展に伴い、情報量が膨大となる現代において、収集・蓄積したデータの取捨選択を行い、組織の成長とイノベーションを推進するデータ活用の必要性および重要性に対する認識が高まっています。特に、管理職はデータを活用して形勢を判断し意思決定をするデータドリブン経営の考え方が求められますが、現状としては、データ活用の推進状況とその裏側にあるデータリテラシー自体が課題として認識されるといわれています。
そこで、当社が強みとする大手企業向けの人材育成を支援した実績を踏まえ、今年は、大手企業向けにおけるデータ活用推進状況と管理職自身の意識や課題について調査しました。
結果として、企業はデータ活用推進のための施策を実施しているものの、実際には、データリテラシーに不安を抱えていたり、データ活用を推進できていなかったりする割合が高いことがわかりました。また、データ活用が浸透しきらないことの主因は「専門性のある人材の不足」であるという結果が得られました。
「あなたの会社では、データ活用が進んでいますか?」という質問に対し、『一部でデータ活用が進みつつある』52.0%、『順調にデータ活用が進んでいる』33.4%、『あまりデータ活用が進んでいない』14.2%、『全くデータ活用が進んでいない』0.3%の結果に。
データ活用状況について、進捗に差は多少発生していながらも、どの企業も積極的に推進しようとしていることが明らかになった。
「あなたは、データ活用を推進していく上で、データリテラシー(統計知識、分析ツールの活用)に不安がありますか?」という質問に対し、「はい」と回答した人は74.2%、「いいえ」と回答した人は25.8%の結果に。
(1)の結果も踏まえ、企業としてはデータ活用の推進に取り組んでいる会社が多い一方で、管理職個人としては、データリテラシーに不安があることが明らかになり、企業の方針と管理職の実情にはギャップがあることが考えられる。
「データ活用を推進する上での壁は何ですか?」という質問に対し、『専門性のある人材の不足』155名と『使いづらい社内システム』134名が他選択肢と比較し圧倒的な票を集め、続けて『予算不足』79名がランクイン。
企業はデータ活用の推進に力はいれているものの、人材の不足や社内システムの不都合など、社内の環境が整っていないことが大きな要因になっていることが明らかとなった。
デジタル化の進展に伴い求められるデータドリブン経営において、当社では、管理職向けにデータドリブンマネジャーの育成施策も提供しています。
今回の調査結果はもちろん、当社は、管理職には課題解決の過程においてデータを活用することが必要であると考えています。現代の管理職が、急激に変化しつづけ先行きが不透明なビジネス環境のなか自らをアップデートし、企業がそれを適切にサポートすることで、個人も企業も持続的に成長していくことが可能になると考えています。当社はこれからも、時代や社会情勢によって変化する課題を適時に捉え分析し、20年以上におよぶ人材育成支援実績や積み上げてきた知見とかけ合わせることによって、企業と個人の成長を支援してまいります。
カテゴリー別の傾向として顕著な違いが見られるのが、「他者との距離感に戸惑う様子は見られなかった」点で、Z世代以前の36.4%から68.3%と倍増しており、集団行動における関係構築スキルの高さが窺えます。