
――貴社の事業内容を教えてください。
清水 当社は全国に約400店舗を展開しており、主にアミューズメント施設事業を展開しています。近年では、飲食業態、推し活グッズなどの物販、ボウリングといった様々なエンターテイメント店舗の運営を行っています。また、ショッピングセンター内にゲーム機を設置するミニロケ事業も手掛けております。
――所属している部署の役割を教えてください。
 清水 部署の役割としては、人事領域における採用、配置、育成、評価、そして報酬以外のHRマネジメント全般を担っており、労務以外の業務はすべて担当しています。
――それぞれの役割を教えてください。
 清水 私は課長として人事企画課の業務全般をマネジメントしています。
 新垣 私は主に研修の実施と、それに付随するeラーニングマネジメントシステムの権限管理を担当しています。
――グローバルマインドセット研修を導入されるに至った背景を教えてください。
清水 現在、当社は海外事業を拡大しており、いくつかの拠点を設置してビジネスを広げています。経験者や中途採用者で海外派遣のニーズを補っていますが、今後ビジネスがさらに拡大することを考えると、5年後に海外で活躍する可能性のある若手社員に対し、グローバルマインドセット研修を通じて今のうちから下地作りをしていきたいと考えています。
新垣 従業員がキャリアを考える上で、海外での活躍も選択肢の一つとして意識してもらうことを今回の研修のゴールとしています。研修を計画した時点から海外でのM&Aが加速しており、過去の新卒採用では海外勤務への動機づけはあまり重視していませんでした。しかし、ここ1年で海外拠点や現地法人の立ち上げが急増したため、入社時に「海外で活躍できる企業である」という点をアピールするためにも、今回の研修を通じてその印象を強く持ってもらいたいと考えています。
――今回の研修でこだわった部分はありますか?
新垣 今回の研修は、グローバル人材育成の第一歩として位置づけられています。当社では、社員が内部登用で昇進するケースが多く、学ぶ習慣が不足しているという課題がありました。そのため人事部としては、まず学ぶ習慣を身につけてもらい、自律的な学習を促す機会を増やすことを重視しています。この流れの中で、グローバルという視点も取り入れ、今回の研修を企画しました。
――グローバルマインドセット研修について教えてください。
清水 グローバルマインドセット研修では、これから求められる人材について考えるセミナーと、オンラインでの異文化コミュニケーション研修、この2つを組み合わせた研修を実施しました。
新垣 研修は2日間実施しています。1日目はセミナー形式、2日目は現地マレーシアの学生とのディスカッション形式で行い、受講生にとっては新しい体験となりました。実際の外国人とのコミュニケーションを伴うワークを取り入れ、社員の「自律的な学び」を促すように設計されています。
――この研修の対象者について教えてください。
清水 入社1〜5年目の社員のうち、会社が期待している人材に対してグローバル施策を行っています。この研修は、特に新入社員〜3年目の若手社員を中心に実施しました。
――研修を実施してみての所感を教えてください。
清水 受講者たちは、最初はおそるおそるという様子でしたが、積極的にコミュニケーションを取ろうとしていました。実際に外国人とコミュニケーションをとることで、「英語が急に話せるようになるわけではないものの、身振り手振りなどで意思が伝わる」という経験を通して、やってみれば何とか通じるという手応えを感じてくれたようです。これは大きな成果だと思います。
新垣 これまでのキャリアに海外という選択肢が全くなかった社員が、研修を通じてグローバルな視点を持つことで、自分自身の仕事へ取り組む姿勢や価値観が大きく変わり、新しいことへ挑戦する意欲が非常に高まったと感じています。
また、研修を受けていない社員にも興味が広がり、研修に参加した社員が周囲の後輩や同僚に話したことで、「自分も受けてみたい」という声が増えたことは喜ばしい変化です。
――想定していたゴールに達することはできましたか?
清水 毎年実施している社員へのキャリアアンケートで、今回の研修を受けた社員が、昨年は海外勤務を希望していなかったにもかかわらず、第三希望までの中に「海外」と記入してくれていれば、ゴールに達していると言えます。そこまでいかなくても、海外に少しでも興味を持つきっかけとなったり、あるいは国内業務においても、インバウンド対応などで英語が話せなくても臆することなく顧客とコミュニケーションを取り、良好な関係を築くことにつながればと考えています。
新垣 これまで海外勤務を考えていなかった社員が、海外に興味を持つようになりました。社員は自律的に学習するようになり、会社が語学アプリの使用支援を始めたこともあり、自主的に語学学習を始める社員も出てきました。実際に、海外勤務を希望する社員が前期の約50名から今期は70名に増えました。海外への意欲には個人差がありますが、若手から50代まで幅広い年齢層から関心が寄せられ、当初の予想よりも多くの潜在的な候補者がいることが分かりました。
清水 特に40代から50代の国内実務経験者層でも、「海外での新たな挑戦」がキャリアの選択肢として認識され始めているようです。人事としては、引き続き若手社員の海外挑戦を促しつつ、今後は実務経験者のキャリア支援も視野に入れて取り組んでいきたいと考えています。
昨年のアンケートでは、海外勤務を希望していなかった社員18人が、今回の研修を受講しました。そのうち1人か2人でも海外勤務を希望するようになれば、研修は大成功だと考えています。これまで海外を意識していなかった社員が、研修や社内変化を通して、海外勤務に手を挙げてくれることは、非常に喜ばしい成果です。
――今後の課題や展望について教えてください。
清水 語学学習の継続は最も難しい課題ですが、社員が自律的に学び、やる気を高める仕組みを構築し、新しいことに挑戦する企業文化を定着させることが今後の課題だと考えています。
新垣 海外で活躍する人材には、新しい店舗の展開、現地での店長指導、M&Aパートナーの開拓など、幅広い役割が期待されています。そのためには、継続的な語学学習の習慣化とモチベーション維持、失敗を恐れずに挑戦できる企業文化の醸成、そしてグローバルで活躍するロールモデルとなる人材の創出が今後の課題です。
――アルーを選んだ理由について教えてください。
清水 きめ細やかなカスタマイズ、外国人とのコミュニケーション機会、講師の熱意、そして企業文化との親和性が決め手となりました。特に、各企業に合わせて内容をカスタマイズする設計力に感銘を受けました。
新垣 講師の熱意や本質的な課題に対するサポート、そして積極的な提案姿勢を高く評価しています。
グローバルマインドセット研修の実施を検討した際、今村さんが充実したプログラムを提案してくださいました。私たちのニーズに合わせて内容を調整し、親身になって設計してくださったため、アルーに依頼することに決めました。
単なるビジネスパートナーを超えた関係性を築けていると感じています。
――アルーに対する今後の期待について教えてください。
清水 当社の表面的な要望だけでなく、深い部分までサポートしていただいています。アルーにはこれからも、当社の特徴や楽しさを活かしたグローバル人材育成の提案を期待しています。
新垣 今後も、当社の「楽しい・元気・笑顔」というエンタメ企業ならではのグローバル人材育成を提案していただきたいと考えています。アルーの熱意、提案力、そして私たちに寄り添う姿勢の高さを引き続き期待しています。
【株式会社GENDA GiGO Entertainment】
人事部 人事企画課 課長 清水 広介 様
新垣 潤 様
【アルー営業担当】
グローバルHRコンサルティング部 今村 友規子