Q 旭化成では、会議の実施頻度が高いのでしょうか?
穂積:会議実施の頻度は結構高いと思います。毎週月曜日の朝には2時間、朝会と呼ばれる会議が定例として必ずあります。月に1度の実施では事業部全体の課題を議論する会議や工場の生産計画を決める会議等があります。
田中:時間は有限であり、それを巻き戻しはできないので、その使い方は生産性の高いところに充てたい。会議の中には書類を見るだけで済むようなこともかなり多く、結構無駄なところがありました。
Q 研修を受講して良かったですか?
田中:よかったと思いますよ。今回は、研修単体の開催日時についての案内だけが来たわけではなく、働き方改革を背景にした生産性向上というところで、よく課題に上がる会議体について、まずアンケートが実施されました。社員が同じように課題に感じていることが明確になり、共有されたこともあって、会議の生産性向上というテーマの研修には大変意義を感じました。
佐藤:今回受講した研修は長い時間を使ったので、研修の全体像として取り組む時間がかなり必要そうだと感じておりましたが、事前事後の課題を含め、受講している中で新しい考え方などを学ぶことができたので、実際に会議の内容を改善しようと動いています。
穂積:研修はどれも同じだと思いますが、どれだけ裏に問題意識があるかが大事だと考えています。問題意識があり、解決策が提示された研修だったから、今回は職場での行動実践につなげることができました。
青木:私も同じ意見です。誰もが会議について問題意識を持っていましたが、「じゃあ、誰が変えるのか」といったところで二の足を踏んでいました。その武器を研修で学べたことが、行動することへの後押しになりました。
Q 研修後、具体的に実践されていることを教えていただけますか?
青木:そもそも会議をやるべきなのか、会議自体を簡素化できないか、複数に分かれている会議をまとめられないかなどを意識して、日々取り組んでいます。また、会議の生産性向上の議論では、“時間短縮”に焦点を絞られがちですが、会議を実施することにより、どれだけ利益につながる結果を導き出せたかが重要だと考えています。アイデア出しが目的なのか、意思決定が目的なのか。目的を明確にし、参加者を選ぶべきとも思いました。
佐藤:私は、開発進捗一覧表の改定と議題シートの新規作成を行いました。従来の開発進捗一覧表は、ある程度自由な書き方になっています。これはこれで非常に便利でした。ただ、最初は分かっていても、徐々に目的が不明瞭になる場合がありました。そのため、これを達成したらこのような状態になるという、ゴールの状態が見えるものを一つ作りました。それに対して、今の進捗状況を書く内容にしたところ、参加者のベクトルが合いやすい形にはなったと考えています。
改定資料
新規追加資料
継続的な改善活動が、さらなる成果につながる
Q 研修の成果はありましたか?
穂積:実際に会議の時間が短くなりましたので、成果は出ていると考えています。また、人事のアンケートにもありましたが、会議の参加者もより有意義な会議のためにどうすればよいかを意識する動きが見えてきました。
青木:忙しい中の研修、しかも事前事後の課題への取り組みもあると聞いて、はじめは積極的な姿勢になり切れなかったのが正直なところですが、改善のヒントを実践すると、次々に目に見えて成果が出てくる面白さを感じて、研修を受講した意義をすごく感じています。具体的には、実際に会議の時間が短くなり、無駄や惰性を感じることが無くなりました。
佐藤:この研修に参加していなかったら、間違いなく会議を変えていく取り組みを行っていませんでした。
田中:我々はまずお客様に満足していただくために仕事の成果を上げるというのが1番のミッションです。会議の生産性向上を図り、業務全体の生産性向上につながり、まさにお客様に満足していただくために費やす時間が増え、売り上げなどの数字に表れた時に、「成果はでていますよ」と言えるでしょう。この定義から見ると、正直に言って「成果がでているか?」と聞かれると答えに迷いますが、無駄を省く行動の実践としては、既に役に立っていることも多いと思います。ただし、当然のことながら行動の継続が重要なのだと考えています。