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人と人とのコミュニケーションを軸にした、アルーのテレワーク
令和4年度、当社は総務省が推進しているテレワーク先駆者百選において、十分な実績を持つ企業として「総務大臣賞」を受賞しました。
そこでこの度、当社が実施しているテレワークの工夫をご紹介します。
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テレワーク先駆者百選とは
総務省は、テレワークの普及促進を目的として、平成27年度から、テレワークの導入・活用を進めている企業・団体を「テレワーク先駆者」とし、その中から十分な実績を持つ企業等を「テレワーク先駆者百選」として公表しています。また、平成28年度からは、テレワーク先駆者百選として公表した団体等の中から、他団体が模範とすべき優れた取り組みを行っている団体等に対し、総務大臣賞を授与しています。
テレワーク先駆者百選 施策概要より
https://www.soumu.go.jp/main_content/000843295.pdf
2017年から限定的な在宅勤務制度の導入を開始
当社は、2017年1月から在宅勤務制度を運用してきました。しかし、この在宅制度は育児、介護の支援を目的にしていたため、対象を限定した運用としていました。
2020年3月にコロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令された際、当社はまず、事業である研修のオンライン化に全力を注ぎました。
当社は上海に子会社があり、新型コロナウイルスの影響を大きく受けていたため、日本でも同様のことが起こると想定していました。様々なオンラインシステムツールの導入や当社LMSのetudesを活用することで、2020年4月の段階で、オンライン研修の実施率は81.9%を超えることができました。
「顧客企業に対し従来通りもしくはそれ以上の価値を提供する」ことを目指し事業のオンライン化を進める傍ら、これまで行っていた在宅勤務制度を拡充させながら、規程や環境の整備を急ピッチで進めました。
特に従業員の安全性確保のためには、出社日数や出社時の始業時刻等を柔軟に運用することで、定着を目指しました。
その結果、2021年1月~4月末までのテレワークの実施による出勤削減割合は、88.9%となりました。
テレワークの反動 「聞けない」「分からない」
一方で、急速なテレワークの推進により、従業員からは下記のような声が聞こえてきました。
- 聞きたいことが、聞きたいときに聞けない
- 誰に質問すればいいのか分からない
毎年新入社員を採用していますが、ここ数年では中途社員の方も積極的に採用しており、年に20名以上の入社者がいます。特に入社仕立ての社員にとっては、テレワークのみだと業務遂行はもちろん、他の社員との関係構築も難しい状態です。
社員の声に対応するため、当社ではまず、次のような対応を推進しました。
テレワーク環境を快適にする、各種取組み
当社はテレワークを推進していく中で、下記のような取組みを行いました。
- チェックインタイムの設置
- 管理職のコミュニケーション改善
- ポータルサイトの改善
- 学びのプラットフォームの改善
- 質問サイトの改善
- 新規入社者向けチャットルームの設置
- 働きすぎへの抑制
チェックインタイムの設置
毎週実施している全社員参加の朝礼や、各社内打ち合わせ時にチェックインタイムを設け、業務以外でのコミュニケーション時間を意図的に設置しました。
全社朝礼では、新人~役員までランダムにグループ分けを行い、最近あったこと、楽しかったことなどを中心に話しています。
チェックインとは 会議におけるアイスブレイクの一つ。テーマを決めて参加者が順番に話していく手法のこと
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管理職のコミュニケーション改善
メンバーと日々接する管理職には、以下のような対応を進め、「社員を一人にしない」ことを意識しました。
- 上司、部下間の1on1ミーティングを週次で継続的に実施
1on1MTGは、部下の部下に対しての実施も推奨
- 不安解消のため、様子を細かく確認
「〇〇さん、最近の業務で困っていることある?」
「今日のMTGの中で分からなかったことある?」
- テキストコミュニケーション時には意識してチアアップ
「最近、〇〇さんは××ができるようになったね! すごい」など
成長が見えづらく褒められることも限られている中で、意識的にモチベーションスイッチを押す
ポータルサイトの改善
これまでも全従業員が見ることのできるポータルサイトはありましたが、リニューアルし、より使いやすくなりました。
情報共有のためのサイトリンクやチャットグループ、ツールなどを掲載することでテレワーク下でも様々な情報共有が容易にできるようにしました。
学びのプラットフォーム あるーだいがく
社内研修の動画やコンプライアンスのeラーニング等全社員がアクセスできる「etudes」を利用したサイトを作成しました。
事例の資料共有等も行え、新規入社者からベテラン社員まで様々な角度からの学びが可能となっています。
社員教育これ一つで解決
etudes:https://etudes.jp/service
質問サイトの改善 教えてアルー
情報募集や事例共有、顧客へのアプローチの仕方などを全社員へ質問できるサイトです。
回答者は役員を含む全社員。過去の情報募集のやり取りも見え、以前に同様の悩みを持った人の解決までの道のりも確認可能です。
新規入社者向けチャットルーム ひよっこルーム
新卒・中途にかかわらず、入社後3か月以内の新入社員が参加できるチャットグループが存在します。
新入社員同士のため、気軽にコミュニケーションがとれ、緊急ではないけどちょっと気になっているような悩みの解決に役立てています。
ひよっこルーム利用者にインタビューしました。
- 利用対象は、入社2年以内の管理職未満となっています
- 特に入社1年未満は、質問したいことが所属部門の管轄ではないことは予想できるけど、そもそも社内にどんな部署があるのか分からないし、誰がいるのかも分からず、迷子になりやすいです。
- とても些細なことで、例えば、この書類って連絡待っていればいいの? 自分で聞きにいかないといけないの? という「緊急ではないけど、ちょっと気になる」内容も、こちらで聞いています
- 回答を直接もらえる場合もありますが、この部署のこの人に聞くといいよと連絡先を教えてもらえることが、とても助かっています
- 投稿すると当日中に返事がもらえるので、心強いです
- 入社してチャットに自己紹介を投稿したら、30人ほどがすぐに反応してくれました。それだけで、迎え入れていただいている感じがあり、嬉しかったです
- しばらくは質問投稿を中心に、業務に慣れてきた人は自然と回答する側になっています。迎えてもらう→自分が新しい人を迎える→チャットルームから巣立つという、とても良い循環ができているように感じます
「働きすぎ」の抑制
テレワークは集中できる反面、稼働時間が長くなりがちな傾向がありました。
そこで、稼働管理ツールを導入し、在宅という環境下で従業員がとめどなく働いてしまわないよう、全従業員の稼働時間を週次で確認するようにしました。
残業が多くなりそうな傾向が見られる人には、上司との面談を設定し業務配分の見直しを実施しています。
テレワークの社内満足度、80%以上
快適なテレワーク推進のため、他にも様々な活動がございますが、上述のような取組みの結果、社員からは下記のような感想が寄せられ、テレワークの満足度は80%以上となっています。
業務面
- じっくりと業務に集中して取り組める
- 社内コミュニケーションツールが充実していて業務ファイルの共有もストレスなくできる環境のため、業務が効率化された
プライベート面
- 子供や夫婦との時間が増え、充実した時間を過ごせるようになった
- 通勤時間が減った分自己研鑽に充てることができる
- 通勤時間がないため、家族の転勤で遠方に引っ越したものの通常どおりの業務ができ満足
オフィス×テレワーク ハイブリッドな働き方へ
現在は、週2日は出社、週3日*はテレワークという形で業務を行っています。
ハイブリッドな働き方に向けて、以下のような対応を進めています。
*:小学生以下の子供がいる場合は、申請をすれば全てテレワークでの業務も可能にするなど、出社とテレワークのバランスを柔軟に設計しています
オンライン用ブース
オフィス出社時にもオンラインでのMTGや研修実施が快適に行えるよう、個室・半個室のオンライン用ブースを新たに設置しました。
出社している本人もオンライン上の相手にも打合せや研修に集中できる環境を提供しています。
オンライン用ツール配布
オンラインMTG時、モニターやヘッドセット等の環境によって勤務時の快適度が大きく変わるため、全社員にヘッドセットを配布しました。
使用者の疲労軽減だけでなく、ノイズの入りにくいヘッドセットを選定し、聞いている側の人にもストレスの少ないMTGの開催につなげました。
その他、創立記念イベントのような大きなイベントもハイブリットで展開するなど、様々な工夫を行っています。
「人と人とのコミュニケーション」
これが、テレワークの導入、推進時に大切にしていた考えです。
今後のこの考えを念頭に置き、テレワークの拡大・推進に取組んでいきます。