パラドキシカル・リーダーシップは、一見矛盾しているが相互に関連している要素(パラドキシカルな要素)を同時追求するリーダーシップです。矛盾や葛藤の中にあると、選択肢Aと選択肢Bのどちらかを選択しなければいけないという具合に「A or B」という択一思考的な発想を持ちやすいですが、パラドキシカル・リーダーシップにおいては「A and B」という両立思考的な発想を大切にします。実は、日本においても「任せて、任さず(権限移譲と権限保持の両立」や「三方よし(ビジネス利益と社会貢献の両立)」など、両立思考的な発想があります。パラドキシカル・リーダーシップは、このような発想を包含する、「相矛盾するものを両立するリーダーシップ理論」です。