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なぜ、変われることが大切なのか?

さらに、「最近、仕事で変化したことの中で、自分(たち)で意図して変化したことは何ですか?」と問われたらどうしょう?


お客様への提案の仕方を変えてみたとか、上司や部下とのコミュニケーションの仕方を変えてみたなど、仕事上で最近工夫したことなどが思い浮かびますね。


この記事から始まる「改善・イノベーション」に関する章では、「自ら変わること」をテーマとして意識の意識化の観点から紐解いていきたいと考えています。


変わること・変わらないことを意図できているか?

もう少し拡張して、意図していること・意図してないこと、変化したこと・変化していないこと、の2×2のマトリックスで考えてみましょう。最近の仕事を思い返したときに、それぞれどのようなことが思い浮かびますか?


①意図して変化したこと
②意図せず変化したこと
③意図して変化してないこと
④意図せず変化していないこと


私自身のこの1年くらいの仕事を思い返した時に、浮かんできたことは以下のような感じでした。



①意図して変化したこと
・社内の業務改善・業務の清流化
・人事機能を強化して、1on1などの社内コミュニケーションを強化
・新しい商品・サービスの開発



②意図せず変化したこと
・外部環境変化によるサービスのオンライン化、ならびにリモートワーク



③意図して変化してないこと

・会社の経営理念(ミッション・ヴィジョン・バリュー)
・戦略ストーリー



④意図せず変化していないこと
・人事制度
・組織構造
・社内における代表取締役としての自分の役割





私は、これを書き出したときに、④「意図せず変化していないこと」については、思い浮かべるのが少し難しい感覚を持つと共に、いくつか思い浮かんだ時に「本当に、今のままでいいのだろうか?」という思いが脳裏をよぎりました。


人

①と③については自分が意図していることですし、②についても変化があったことは認識していますので、①〜③については自分の認知の内側にあります。ただ、④については意図もしておらず、変化も自覚していないことが多く、自分の認知の外側にあります。


自分の認知の外側にあるので、思い浮かべるのが少し難しい感覚をもつと共に、変化をしていないことに対して本当にそれでよいのかの確証も持ちにくいという構図になっているのだと思います。


みなさんは、どんな感覚を持たれましたか? ④「意図せずに変化していないこと」の中には、変えたほうがいいこと、改善したほうがいいことがあったりしませんか?


組織衰退の始まりのひとつは、「組織×外面」の偏重

少し別の角度から考えてみましょう。以下の図をご覧ください。これはケン・ウィルバーのインテグラル理論を元にした図です。

内面

インテグラル理論においては、物事の捉え方には4つの側面があるとされます。この4つの側面のうち、ビジネスにおいて普段注目されるのは第4象限の「組織×外面」です。それは、「見えやすく、わかりやすい結果」だからです。


「組織×外面」に該当するものとしては、人事制度や組織構造、ビジネスモデルやサービス・商品、売上や利益などの結果などが含まれます。普段の仕事において、話題にあがるものの多くは「組織×外面」ではないでしょうか。


これらの「組織×外面」のどの要素をとっても、元を辿ると、「個人×内面」につながります。会社であれば創業者の思い、サービスや商品であれば、それを発案した人の思いやアイディア、人事制度もそのルーツには思いやコンセプトがあるはずです。

編

しかし、「組織×外面」に該当するものが、個人の内面や組織の内面とのつながりを失ってしまうと、形骸化してしまい、結果的に組織が衰退したり、ビジネスとしても儲かりにくくなったりします。


このあたりの詳細については、私の課題意識の一つとして以下の記事にも記載しています。


過去記事:「私の課題意識①:目に見えるものへの偏重」



ここで注意しておくべきことは、個人や組織の内面とのつながりが失われたものは、そのまま消えてなくなるのではなく、形骸化したまま残り続けてしまうことがあるということです。人が住まなくなった建物をそのままにしておいても、消えてなくならないのと同様に、形になったものは自然になくなってくれるとは限りません。場合によっては、形骸化して残り続けることによって、悪影響を与え続けることもあります。


そのようなときは、個人や組織の内面にある願いや思いをもとに、改善していくことが大切です。いわゆる問題解決をするというレベルのものも含まれますが、個人や組織の願いや思いによっては、より大きな変革が必要なこともあるでしょうし、ゼロから新しいものを生み出すようなイノベーションレベルのものが必要になることもあるでしょう。


一方で、何でも変化させればいいというものではありません。意図して変化していくこと、あるいは、意図して変化しないことの両方が大切です。


コトの矛盾の両立の3要素

これまで、「意図して変化していくこと(変化しないこと)」の大切さについてお話ししましたが、このことが経営という視点でどのような位置付けになるかを本記事の最後にお話します。

矛盾

以下の記事でお話しした通り、私は「経営とは矛盾の両立である」と捉えています。そして、経営における矛盾を3つにカテゴリ分けしており、そのうちの一つがコト領域における矛盾の両立です。


過去記事:「経営における矛盾を両立するパラダイムは何か?」


コト領域における矛盾とは、ありたい姿と現実のギャップです。ありたい姿を考えるという点についてはヴィジョンの章でお話ししました。そして、ありたい姿を実現するための計画については戦略策定の章でお話ししました。


この記事から始まる「改善・イノベーション」に関する章においては、ヴィジョンや戦略と現実とのギャップを埋めていく方法についてお話しします。ヴィジョン、戦略、改善・イノベーションの3つが、コト領域における矛盾の両立に必要な要素になっています。


次回の記事より、改善や変革やイノベーションといった「自ら変化すること」を意識の意識化の観点から紐解いていきたいと思います。

落合文四郎
落合文四郎
アルー株式会社代表取締役社長

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